やらない夫は、届かない手紙を届けるそうです。　第三話「夢の続き」やる夫達のいる日常

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やらない夫は、届かない手紙を届けるそうです。　第三話「夢の続き」

目次　現行スレ

137 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:00:51 ID:wK36UVLw

　　　　　　「やらない夫は、届かない手紙を届けるそうです」

　　　　　＿＿＿,,＿,_,,._...、　､､､､､､　 --- ―――┐
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　　　　　　　:::: 　 `''''　""､´´::￣￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,. -''´

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第三話「夢の続き」

138 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:01:17 ID:wK36UVLw

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,..--ー―- .､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,／´　 ζ　　　,,..､｀>´ｲっ,..__＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,- ｀ゝ､/､／　　　; ; ; ;; 　　｀＼ノ三へ＜´.
　　　　　　　　　　　　　　　　__.. ..,,... ヽゞ/　　　　　l　　､ヽ　　､ il ｀Ｋ´｀＼､
　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣フ=-／/　 / /l　 li　　 || |　　 | |　ヾ｀ヽへ≧-､.
　　　　　　　　　　　　　　　　／´〃ノ/ l|　 |　|ﾊ__||=-　ﾄ´lﾍ￣´| |　　|| ヽ　　｀ヽ､ヽ､　　　おはよう、ございます。
　　　　　　　　　　　　　　／,,_ /／´/　 |　 |l´|ハ_|ilヽソ､=i|-=､| |l　 ||ﾊ　｀、　　　　＼｀、
　　　　　　　　　　　　／／´　´　　|　ﾊ i|ヽ l|=＝=ﾄ　Ｖ {r-=､ｿﾉ| |ノ　　ヽヽ　　　　　｀ヽヽ
　　　　　　　　　　 ;／／　　　　　　|/ ヽ入ﾄ､弋ﾟ;;ソ　　｀㍉∮へi　|　　＼＼　　　　　　｀>ヽ
　　　　　　　　　　< (　　　　　　　　>/　V　ﾉトゝ　　　｀　　　ヽ/ i|　 |l　　　ヽヽ　　　　　 /ヽ >
　　　　　　　　　　ヽ i　　　　　　／ /　　´ﾉ il｀ヽ、　｀　´　／=, | l　|ヾ　　　ヾ、　　　　/　/
　　　　　　　　　　　ヽヽ　　　／　 / /　 /　ｲ　ヽ＞､ _ , ／r/〃l |　|　ヾ　　　＼　　　/ ;/
　　　　　　　　　　　　ゝヽ／　／/　/ ／　 il　　)> ヾ=-ゞ<ｒ´/ /ﾌ入 ;トフー-- 、ヽ　 / /
　　　　　　　　　　　ノ　)／／ /　／　r-ー-〃-ヽ､λ )( //　´/￣ヽ｀　　　r /　　>´/
　　　　　　　　　　／／／　　/　 / _-"ー-　　　　 -ﾌ=入ソ／　＜　　､_＿ノﾉ<／／＼
　　　　　　,,..;;:,‐´ /　／　　// / /＼　　　＞　　〃　>＞＜<　　　　　(//　　>　/＼　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒ 　⌒　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒）（⌒ ）　　　|　　　　　　　　　　おはようございます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､`-ｰ-′ 　　 | 　　　 . -,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　``　　　　 |　　　　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　ｨ { r 、　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ ´_ノﾄ}　}／,`〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ ,. - ／ :./ﾘ ,/ ／ヽ{
　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. -:::／:/:::ﾊ　／ : :/ :.ﾉ　)(_／ヽヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　／/ : ／ : /:::l　y : : : / : : }　　 >-<　} : :i
　　　　　　　　　　　　　　 j : : : : :> :./:::::l ./ : : : :i : : :Λ　/　　 / : :∧
　　　　　　　　　　　　　　i : r : : 〈 : i::::::::ﾚ : : : : : : : : : :〉､_　　〈ﾘV. :Λ
　　　　　　　　　　　　ｉ : | : : : :', :i::::::/ : : : : : : : : : :.乂｀ﾆﾆ彡´:.V. : ',
　　　　　　　　　　 | : | : : : : ', :i::/ : : : : : : : : : : : Λ : : : : : : : :V. :.i

139 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:01:50 ID:wK36UVLw

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ´二ニフ、
　　　　　　　　　　　　　　　 _ 　　/　 '´,. 二ノ⌒
　　　　　　　　　＿＿_.-‐'´ `-i/　　γ_)⌒）（⌒)　　昨日は良く眠れましたか？
　　　　_,.＜￣￣　　 : : : : : : : : l　　 r/´（___人__）
　 _,.＜　　　　 : : : : : : : : : : : : :l l__ノ　　｀ ⌒´ﾉ
　l,,　　　　 : : : : : : : : : : : : : : :ﾉﾉ　|　　　　　　　|
　l; : : : : : : : : : : :-─＜二二´　　ﾄ　　　　　　 |
　＼ : : :￣`'''''´ノ : : : :l`-, : :`-＜ヽヽ,　-ｰｰr´
　　　＼ : : : : :'´ : : : : : l : :l :＼`-‐ヽ　ゝ--< lヽ、
　　　　　＼ : : : : : : : : : : : l : : :＜ : : :∨∧::〈ヽ: :､>＞、
　　　　　　　`‐,_ : : : : : : : :l : : : : :ヽ : : ∨ |:Λ | : :ヽ : : :ト-､
　　　　　　　　　 `-, : : : : :l : : : : : : ＼ : :ヽ|:::::| l : : :/ : : : : : ,
　　　　　　　　　　　＼ : :ノ: : : : : : : : : ＼ : .､:::|,| : / : : : :l.: : {
　　　　　　　　　　　　 V: : : : : : : : : : : : : :ヽ: ',::ｌl: / : : : : :l : ∧
　　　　　　　　　　　　　V: : : : : : : : : : : : : : :ヽ:V : : : : : : :l : :.∧

　　　　　　 ,.　＜,ｨ　/／､､＿＿　　　　　　　　　　　　〃/ |＼
　　　,. ＜　　／/ //　　｀==ニ二´　　　　　　｀二ニ==彳/　仆､＼
　∠ ＿＿_／　/ /,′　　　　　　　　　　ｌ　　　　　 |l /l　|　＼〉
／　　　　　　厶∨　　　 |　　　 l　｜　　 |　l|　、 | 　 |/ l| ∧　ヽ＼
　　　　　　　　/　l　,　　 l　　　　|　　|　　　　l　 |　 |　|　　l　l　l |ヽ.　＼＼
　　　　　　 /　 | /　　　| , |　｀ヽ、　|　　　　ｌ　ｌ　 |　| 　 |　| ｌ| l　|　　　＼＼
.　　　　　 /　　| |l　| ｌ　| | l　　 |l ＼!　　　　|　 l　 |　| 　 !　| ｌ| l　|　　　ヽヽ
　　　　　 /　 /｜|l　| |l ｌ l |　_j.Lゝ‐|＼　　ﾊ ∧ /　l　 /　,　j |l/|　　　　　ｌ　|　　その…すこし怖い夢を見て…
‐-　､　　/　 /　 | ﾄ､ | ｌ斗七i !| 」{ ｜l　＼/ 厶斗‐メ､/!l / / /　{　　　　　｜ |
￣ヽ冫, ′, ′　ヽ!　Ｎト|ｨ=＝弐ゞ、　ﾍ　ﾘr￢〒ryfz-{ |/ﾚﾍ j　　＼　　　ｌ　|
　／／　, 　　　/　　ﾚ∧ ヽ {Ч;;'j}　　 ∨ Ｖﾍ｛(f卮}_）〉ト､　　　ヽ　ヽ、　/ /
´／　／　　　 ,′　八rﾍ.　ゞニ-　　　　　　∨ ゞﾐYｼ／ハ !｀丶、　＼　 ∨ /
　　／　　　　 /　　/＞､_〉　　　　　　　　　　｀ｰ…く　/_／ヽ、　＼　＼　｀ヽ、
　'′　　　　 /　　/　,　　 ∧　　　　　　 '　　　　､＿ﾉ/´ヽ　　｀、　｀､　丶　 l
　　＿＿_　/　　/　,′　 / rへ　　　　rｰ-―ｭ　　　／〉　ｌ|　　　l　　　丶　　}　 |
￣: : : : : :.:￣｀丶､/　　 / /しﾍこ＞､｀￣￣　r～'⌒r勹ｌ|　　 l|　　　　 / 　 |
: : : : : : : : : : : : : : ＼　/　＼: : : : : : : ＞‐＜/⌒Y´: :／　 | 　　 |　　　　〈　　∧

140 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:02:21 ID:wK36UVLw

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|　　それは残念だ…
　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　 '､｀⌒ ´　　U　|　　　　どんな夢だったの？
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　ヽr｀ｰ- -=´　i､
　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑ-　、､___,／ヽ__
　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、
　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :.∧__|::∨＼､: : : : :.｀,
　　　　　　i : : : : : : : :| : : : : : :＼／￣ ∨ 　 /;;ヽ : : : :,i
　　　　 i : : : : : : : :! : : : : : : :/　´￣ヽ_V /;;/;;;;;ヽ : i∧

　　　　＿＿　 rz､　_ - ―- ― - ．f:izｨ―‐z
　　　　`ヽメ＼|ﾏィ ´　　　_ 　ｰ -　彡≦三←､
　　　　 ≫三イミ=　　￣　　　　　、ヾ. ＼
　　　／／¨7 　　 /　 ,　　 l| 　 l}　　',　',＼＼
　　／／　　}　　　 ,'　 /　l|　l|`ﾄ､l|　l　l}　'.　＼＼
　／／　　　 |　　.: |　｜斗也.　l `ﾒ≧トl　l|　　＼＼
／／　　　　 ,′　.:　|　代 { ﾘヾ､j/{:fﾖz:ﾊ/l′　　＼＼　　真っ暗なトンネルを歩いてると…
＼{ヽ　　　/　　.: 　j　 lﾍ￣　 "　ゞ=ﾁ　|　　　　　　ﾑｲ
　＼＼　./　　.:　　Ⅵ.::ゝ　　　 ′　ﾒ　 |　　　　　／ノ　　　　天井から血が降ってきて…
　　＼＼'　　.:　　 ,rzⅦ､　　－　ィ　　 !　　　／／
　　　＼＼.::　　（ iゝ‐ｚ＞ｘ　イ　|:. 　ﾍ　／／＿_　　　　身体中が真っ赤に染まるんです…。
　　　 ./__＼＼　　〉￣ﾄ　辷ﾗ七彡 :!::.. 　ﾊ　￣￣７ /
　　　ハ￣￣￣`ｰ"-: :ヽﾆユ辷ﾗｿ､．-―ｚ､ﾊ　　 / /
　　 ,'{／￣`Ｙ: : : : : : : : : : : : ゝ:Yr=x: : : : : ﾑ '. 　./ /
.　 /く＿ : : └──z: : : : : : : : :《ｨ泌>: : : : ヾ､ﾊ / /
.／　 .〉: ＼: : : : : : :∧: : : : : : : :.ゞXｲ: : : /￣: ｽ　〈
　　 .: ＼: : `ｰ─: : :.ノ＞─～ｰ､＿: 〉ｰく: : ／:ノ＼＼
　 ..::　ム: : : : : : :イ／: : : : : : : : : :￣）: :ヽ: : く　:. ＼＼
　.::　 .:　〉: : : : : : :|′:ヽ: : : : : : :_:._ノ､:_:_ﾉ!: : :ﾍ.　:. 　＼＼

141 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:02:47 ID:wK36UVLw

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　＼　　＼
　　　　　　　　　　　 .（●）（● ）　u.　|
　　　　　　　　　　　　（__人__）　u　　|　　そ、それは恐ろしいだろ。
　　　　　　　　　　　　.(｀⌒ ´　　　　　|
　　　　　　　　　　　　 { 　　　　　　　|
　　　　　　　　　　　　　{ 　　　　u.　/
.　　　　　　　　＿＿＼　　　　 /ﾘ厂`'‐- .._
　　　　　　　　　／ :　　: :介ｰz＜__｣// |: : : : : : :ヽ
　　　　　　　　 | : : : : ::〈　｢｀乂/ 　/ 丿: : : : : : : |
　　　　　　　　　| : : : : : /: |　{::::}　/ `7: : : : : : : :│
.　　　　　　　 | : : :　〈: :│ {::::l /. :/. : : : : : : : : |

　　　　　　　　　　　　　　 ,　'　　　　　　　　　　斗‐ｧ
　　　　　　　　ト､_,.／, ￣/　　　　　　｀丶ヾツ-,
　　　　　　　　　　＼7　　　/　{!　　　　　　　}　　｀辷ﾆ=-
　　　　　　　　　 /,.' 　 / / .i .|, 　､.ヽ　、 ', ヽ　ィ´
　　　　　　　　　　/ｲ l　 .ｉ　l ,ｲ/!{.　 |ﾄ､|､ | !　i　ﾄ',_ノ、
　　　　　　　　　 /' ｌ, |　 |　.l」H‐iT、.llトj-lAl､. ﾄ. ｌﾊヽ､ヽ､　　　怖かった、です。
　　　　　　　　　/　|ｌ! ｌ　l|　lｨr5弋ヽ|（! 〈{くr}>l ! l l　　＼＼
　　　　　　　　　　 ,lﾄ､ヽlﾍﾄ.ゝ‐'　　　`辷彡く!| ﾚ'l. 　　》　}
　　　　　　　　　　/ ヽﾍﾄ.ヽヽ ""　_'_　"",ｨ　|ﾘ/l　l 　/　ﾉ
　　　　　　　　　./　/　　l　ト｀ト, ､　, ィｌ! |　l!ﾊ. ',　l/　/
　　　　　　　　〃 / , '￣ﾄ　「i{.ソ}　　　{'ﾀ1　|l7ｧ‐､ヽ　｀丶、
　　　　　　　　 / ／r-ー-〃-ヽ､λ )( //　´/￣ヽﾊ. 　ヽ　＼
　　　　　　　 / / _-"ー-: : : :: -　ﾌ薔ソ／　＜ : : ､_＿ノﾉ<／＼
　　　　　 / /＼: : : : ＞: : 〃　>＞＜<: : : : : (//: : : >　/＼　＼

142 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:03:10 ID:wK36UVLw

　　　　　　　　　　　　　￣￣　､
　　　　　　　　 ´　　　　　　　　　＼
.　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　ｉ　　　　　　　　　　　　　　　　　丶
　　　　 l　　　　　　／￣　　　　　　丶　　　でも、夢でよかったね。
　　　　 |　　_＿　　　　 _　ヽ　　　　　丶
　　　　ヽ/　　　　　　ｉ　ｲ::::ヽ l　　　　　　丶　　　現実じゃないから、安心だ。
　　　　　ヽ　　　ヽゝ_ゞ::ノ '　　　　　　 ',
　　　　　　　丶ｉｲ｀丶 l　　｀ヽ　　　　　　ヽ
　　　　　　　　ゝ　　,　ヽ _　　丿　　　　　　　　＼‐､-..､
　　　　　　　　　ヽ　ゝﾉ , ‐ ´　　　　　　　　　　　　ソ:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　ヽ　　´　　　　　　　　 '　　　 /:.:.:.:.:.:／＼
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　/　　／:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.ヽ､
　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　/　／:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　／　 /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　ヽ　_＿　ィ　　　/:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:

　/　|　　　　　　　　　　＼　　＿_　　　　　 !　　i　 |　　　　　|
./　ハ　　　　　ﾄ､ i　|　　　X {r⌒ヽ}　　　 i |　　|　 i　　　|　　!
　/　 i 　　! | _L|-┼十ﾃ"´ | i ﾄ､　 |i -一十|-- |　/　　　!　　|
　　　 !　　| i　| |　|i､-|‐ヾ　 | | ! !|ヽ　r一ｧ{Y}--､/ｲ　　/　　/
　　　ﾄ､　　|　!i| ｨ云キ弌ヽ. ! i | |i 　{ ヽr/　Y7__ノ{ |　i,　　　'
　　　 | ヽ　 !|.|ﾘ　戈,{ﾉij.:}i'　ﾘ' ﾘ ! ＼　 Z　Y7　ﾉ〉! /　／　　　　　そう…ですよね。
　　　j　　＼ﾄ!ヽ!　　"ｰ‐″　　　　　　V＼ヽ-＜／//イ　ヽ
　　 /　　　|　ﾍ　　 ////　　　　　　　///7ｰ1} i /ｲ　|　　　＼　　　また…話を聞いてください。
　 ./ 　　　 }　ハ　　　　　　　　　i:.　　　　ｰ=彳/　 | i　　ハ
　/　　　　/ / 公　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 ! |　　　＼
　　　　　/ /　/　}＞　　　　　ー－　　　イ　　　 | i　　　　ヽ
.　　　　/ '　　_,.ア￣￣＞　　　__　　　＜＿ i　　　　！
､＿_.／/　　＞一z＿__二｀ヽ　　／ヘ→　フ　　　　|
　　　／　　く　　　　　　￣ヽ　Y　ｒ一≦´￣＞
::::─::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::─::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::─::::::::::::::::::::
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143 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:03:38 ID:wK36UVLw

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　　　「積極的に彼女の言葉に耳を傾けた結果、小さな変化があった」

　　　　／￣｀
　　　 |　　　　　_　 - ― -　.
　　　　ゞz:.≦彡ー -　　　　　｀　､
　　　 r'´ ﾉ　｀ヾ:､　｀　　　　　　ヽ
　　　ﾉ　　　　　}　　　　　､　　　　　　:.　　　　　君が入職して、もう三ヶ月ぐらいか…
.　　'　/　　　　 ;　i　　　　　ヽ　　　　 ,
　/　 '　　　　 i 　|　　　　　　＼　　､　,　　　　やらない夫くん、仕事には慣れてきたかい？
　{i　　　　|!　　l!　i! ﾄ､､　　　　ヾミ=-ヽ
. 从　　　人　从zム斗ゞミ_　　ト=彡　　};
..　ﾉi　ノ ,}弐_{　　ゞﾞ' ´　　ﾘ　ト-ミ=-　くヽ
　イ从　人 / 　　　　　　　/ノ　ﾚノ　人　;}i
.　　八( ハ､　　　　　　　　　 ,'´ゞY´　ム:八
　　　　　　＼-　ｰ-　　　　 ,ｲ　　 :, 　〃
　　　　　　　　ヽ｀　　　　'　　　　　}､
　　　　　　　　　｀ｰ＜:,　　　〃／￣〉､
　　　　　　　　　　　／ﾑ　 / / 　　〃　丶
　　　　　　　　 / ,: ノ　 ,ｲ　　 /　　　＼
　　　　　　　　　 / /_　__.／　　 ,ｲ　＞ー -=ミ､
　　　　　　　　／ / 　／_　　　/　／.:::;=＝=ミ::::.ヽ
　　　　　　　/⌒j }_,イ/　 ) 　./.／.:::／　　　　　｀ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／_ノ　｀⌒　＼
　　　　　　　　　 _　　　　　　　| （● ) （⌒ ）　.|　　　はい、色々と助けていただいたお陰で。
　　　　　　　　　 |　!　　　　　　　　|　（__人___）　　|
　　　　　　　　｜ !　　　　　　　　|　｀ ⌒ ´　　　.|　　　　患者さんとも、仲良くなれましたよ。
　　　　　　　　　 |　!　　 ,.-,　　　　|　　　　　　　　 |
　　　　　　　　 _,ﾉ ┴、/ ,/ 　　　ヽ　　　　　　　r
　　　　　　　　　 r　`二ヽ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　ﾄ
　　　　　　　　 |　ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　／i＼,,,,_
　　　　　　　 |　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　　　　　 | 　）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　　ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　　　　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }

144 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:04:02 ID:wK36UVLw

　　　「それは、手紙以外のことも話しかけてくれるようになったということだ」

　　　　「関心が多くのことに向くようになった、というのだろうか」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__
　　　　　　　　　　　　 _　-―――――-＜￣} }!
　　　　　　　　　　　 ´　　　　　 -――７　く.７./-､
　　　　　　 ,　 ´　　　　　￣　　,. -―/　　　Ｙ´ ＼＼
　　　　　 /　　　　　,　　　,　イ　　 /　　　　　　　ヽ.｀　､＿.ノ
　　　　　/ 　　　 ,／　　／　,/ 　　 { 　 {　　　　　　　＼￣
　　　　 /　　　　/ 　　　　,ﾉ　　　 }　　ﾊ　 }　　　　　、ヽ.
　　　　 |! 　　 /　　　　_.／ ,ｨ /　/　　　}　 !　　　　　ヽ.}ヽ、
　　　　 |　　　/　　　｀才　 /:/　,　　　/　/　　　　ヽ. 　ヽ.　}
　　　 {　　/　　､　.＿__.／ /　/ ,.　__/　ハ　　ハ　 }!　i {
.　　　　Ｙ　/　　　｀　.ナｰ-r七´ /／７ :/二.!_/}!　}　ハﾊ!　　　…そうか。
　　　　　| /　,　-―　〈 /　 {!　 ,ｲ | ／ ´tﾃ::ナ}ﾉ ./　/　ﾘﾉ
　　　,イ⌒Y´￣￣　　ハヽ (ヽ. i ヾ､_　　￣ノイ}／　　　　　――薔薇水晶さんはどうだい？
　　〈　　　人　　――-　ヽゝxくヽ、　　　　　　　∨
　　 }!　　∧_ ヽ. ,ｘxzrく⌒´ヽ!　　　　　　　／
　　八　{〈　 ,.イ}　　｀　　　 {　　　　 , 　 _ '´
　　　 }ハﾘ　{´　i　　　　　　　ヽ　　　　　　 /
　　ノ'　 }! 　ヽ/　　　　　　　　{ヽ.　＿＿_/
　　　　＿∠__＿＿＿　　　ヽ.
　　　　　/: : : : : : : : : : : : ￣￣￣＼
　　　　入＿＿＿＿＿＿　　　＿厶、
　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣￣:.:.:.:.:.:.:＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ´二ニフ、
　　　　　　　　　　　　　　　 _ 　　/　 '´,. 二ノ⌒
　　　　　　　　　＿＿_.-‐'´ `-i/　　γ_)⌒）（⌒)
　　　　_,.＜￣￣　　 : : : : : : : : l　　 r/´（___人__）　　　最初は手紙のことで辛かったのですが…
　 _,.＜　　　　 : : : : : : : : : : : : :l l__ノ　　｀ ⌒´ﾉ
　l,,　　　　 : : : : : : : : : : : : : : :ﾉﾉ　|　　　　　　　|　　　　最近は、あまりそのことも聞かれなくて。
　l; : : : : : : : : : : :-─＜二二´　　ﾄ　　　　　　 |
　＼ : : :￣`'''''´ノ : : : :l`-, : :`-＜ヽヽ,　-ｰｰr´　　　　　　代わりに、色々と話しかけてくれるようになりましたよ。
　　　＼ : : : : :'´ : : : : : l : :l :＼`-‐ヽ　ゝ--< lヽ、
　　　　　＼ : : : : : : : : : : : l : : :＜ : : :∨∧::〈ヽ: :､>＞、
　　　　　　　`‐,_ : : : : : : : :l : : : : :ヽ : : ∨ |:Λ | : :ヽ : : :ト-､
　　　　　　　　　 `-, : : : : :l : : : : : : ＼ : :ヽ|:::::| l : : :/ : : : : : ,
　　　　　　　　　　　＼ : :ノ: : : : : : : : : ＼ : .､:::|,| : / : : : :l.: : {
　　　　　　　　　　　　 V: : : : : : : : : : : : : :ヽ: ',::ｌl: / : : : : :l : ∧
　　　　　　　　　　　　　V: : : : : : : : : : : : : : :ヽ:V : : : : : : :l : :.∧

145 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:04:26 ID:wK36UVLw

　　　「そんな変化が起こった理由は分からないが、それは悪い変化ではないだろう」

　　　　　　　「槐さんは、そんな僕の報告を聞きながら、小さく頷いていた」

　　　　　　　　　　　　　　　 ,;'´￣｀
　　　　　　　　　　　　　　ノﾉ
　　　　　　　　　　　　　　( ｛_　 __＿＿___
　　　　　　　　　　　　　　＞ヾ'´ヽ　∠　｀＞､
　　　　　　　　　　　　　／　,　ｒ'　　i　ヽ　ヽ　､ヽ
　　　　　　　　　　　　/　　/　 !　　 !　　｀:､ヾ､　 Y　,
　　　　　　　　　　　　l 　ﾉ　 /　　 j　 i　　　｀＼ ∨
　　　　　　　　　　　　i　'　　/　　〃, 从　｀､. 　　|
　　　　　　　　　　　ﾉ　,　从 ,　 /　 / ヾ　　　ﾐK.j__,
　　　　　　　　 -=彡i' ;　 Yi|-ﾐ､ |　ノ　 _,>､　　 ≦,　　　それは…良かったね。
　　　　　　　　　　人　　iｾ芸ｻヾ'　 z芸ァ jヾｚ＿彡'
　　　　　　　　　　　　　ヾ从　　　 |　　　　ノ,ｿ j　　　　　　　ただ、あまり楽観視はしないように。
　　　　　　　　　　　　　　ﾚﾍ.　　　 j ､　　　从ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　-　-　　/　　　　　　　　　　病気には調子がいいときと、悪いときがあるから。
　　　　　　　　　　　　　　　　　>.､　　　,ｲ-､
　　　　　　　　　　　　　　　／j:{　ー 'ﾞ　.!:::}:ヽ
　　　　　　　　　　　　　 , イ .: i:j　　　　,　ヽj : i:.､
　　　　　　　　　　　＞'´: /.: :: :{_　　　ﾉ　 /. : :{: :＞,､_
　　　　　　,. : :´ ￣i//|: /.: :: :: : .ヽ､　,-/ .: :: :∨: :i//}｀ー-､
　　　　.／.: :: :: :: :: |/,;!: !.: :: ;:ヘ:: :} 　〃'｀ヽ. : :{: : |//!:: :: :: :｀::.､

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　　 |　　　…たしかに、そうですよね。
　　　　　　　　　　　　　 '､｀⌒ ´　　U　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |　　　今の調子が良くても、悪いときもあります、か。
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　ヽr｀ｰ- -=´　i､
　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑ-　、､___,／ヽ__
　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、
　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :.∧__|::∨＼､: : : : :.｀,
　　　　　　i : : : : : : : :| : : : : : :＼／￣ ∨ 　 /;;ヽ : : : :,i

146 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:05:06 ID:wK36UVLw

　　　「僕は定期的に、彼女のことを槐さんに報告している」

　　　　「そして、槐さんはそれを聞いて、注意をしてくれる」

|. /　/　 /　　　　　　　　　　　／　　　　 |　　　　　　ヽ
ﾚ'/ 〃 /　　　　　　j　 ! |　　 /　　　　　　j　/　　　　 Y
-', /　/　　　,'　　ﾉi　リ　　,　　　　　　 /| {　　　､　　 !
ノ//./　　　〃　./　}　ﾉ |　〃　　　 ,:　/　i ﾐ　　　ヽ　 }
彡'´　　／　　/＿//==ﾊ /{　　　 j　ﾉ=ー升　　　 } ノ!　　　あと、これはただの質問だけど…
ー-┬彡'´　イ　 /ｿ＿_,=Ti |　　/ﾉi' z≡==セミァ､ソ　ﾉ
　',　i　/　　./　＜ゞ,,　ﾈﾞ'　{ﾊ　 {ヾ｀´　ー'ﾞ-'　 /　×ヾ_　　　　　あまり、特定の患者に入れ込むのはよくないことだ。
　ヽ{/{　　i |　　　　　　　 i! ヾﾐ丶_　　　　　ﾉ　/ ノ￣
.　　 |ﾐ丶. {ヾ､_　　　　　　　　　 |￣　　　ー=彡' ﾞ´
　　　　〉ヾﾄ､　　　　　　　　　　　}　　　　　　/＿＿＿＿＿＿　　　　これは分かってるね？
　　　´{　　〉}ﾊ　　　　　　　　　ﾉ　　　　　 ,;∨∧::::::::::::::::::::::::::.＼
　　　 ,ゞj´.: |　ﾄ､　　　　　　, ― -.　　　 ,ｲ.::::∨∧:::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
　　／.:::{:::::::i!　　＼　　　　　ー- 'ﾞ　／.:::':,.::::∨∧::::::::::::::::::::::::::::::.∨
..／.:::::::ﾉ:::::::.i.　　　｀､　　　　　　／!.::::::::::':,.::::∨∧:::::::::::::::::::::::::::::::i
.:::::::::::::{::::::::::.ヽ　　　　｀　､_　　, 'ﾞ　 }::::::::::::::':,＞∨∧ー―---､:::::::|
:::::::::::::::i:::::::::::::.＼　　　　　　￣　　　l:::::::::::::::::i:::::::|//,|:::::::::::::::::::::ヽ,::|
∧:::::::::::l::::::::::::::::::.＼　　　　　　 |:::::::::::::::::i:::::::|//,|::::::::::::::::::::::/.::|
/∧:::::::::l:::::::::::::::::::::::.ヽ　　　　　ﾉ:::::::::::::::::|::::::{//,{:::::::::::::::::::/.:::::{

　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 |　　　　…はい、分かっています。
　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　｜　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　|　, 　　　／_.{
　　　　　　　　　　　　　　　｀ｧﾆニ＜／／〉、＿_　__
　　　　　　　　　　　　　　 ,./ /＼　／ : : : : : : ＞ : :＼
　　　　　　　　　　　　_／ /|ｲ:::::/∨. : : :l: : : : : : : : : : :.丶
　　　　　　　　　　／. : : : :| ./｀Y / : : : 」: : : /: : : : : : : : }
　　　　　　　　　,´ : :/: : : :| ｉ::::::|/ : :／: : : ／: : : : : : : : :|
　　　　　　　　 { : :/. : : : :|/:::::/ : : : : : : : | : : : : : : : : : ,'

147 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:05:28 ID:wK36UVLw

　　　「要は、槐さんが僕のブレーキになってくれているのだ」

　　　　「僕はそんな槐さんに、大丈夫だと言わんばかりに返事をしてみせる」

　　　/　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
.　　/　　　　　　 {　　　　　　 ,' 　　　　　}､　　　　　　 i
　〃　　　　　　　ヽ　　　　 /;　　　､　　　 i |: 　､　　　 /
／, '　　　　　　　／ヾ　／　i　　　　ヽ　　ﾉﾘ　　|　　　 /
／ﾉ　　　　　　　/.: 　i|　八|　|､　　　　},zﾁ'´￣} ﾉ　　､ {　　　　よし、じゃあ、いこうか。
/;　　　　　　,ｲ / ＿__j,/＞―i-ヽ　　ﾉ＞イ>'ｿヘ､　　ヾ､
/ 　　　　　/ { {'´　　〃ﾉ!z_｀､!　 !　 / 'ﾞ-｀ﾞ'´ノ !_/リ/!　 }ヽ
　　ノ　　 /.　l |　＞'´ゞン 'ﾞ｀ヾ:　} ﾉ{　　　　 !　〃:}: ﾉ　　　　　今日も一日、頑張ろう。
／ヽ{.　　{　　ヾ　｀￣ ´　　　　ノ '　':,　　　　　j　ノ　//
　　(ﾍ　　',　　　　　　　　　　　　　　　':,　　　　ﾊ　　ﾉ'
､　　ヽ､　｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　〉　　 /　＼
:.｀＞t､ヽ,＼ ',　　　　　　　　　 , ´　　,ｲ.　　　＼
　　　i ヽヾ｀ﾞヾj　　　　　　　　　　　　,ｲ　＼　　　｀ｰ､
　　　|　 }､＼　　　　　　　　ー　' ´　　,ｲ i 　　＼　　　　｀ｰ､
　　　{　 i ヽ　＞　　　　　　　　　　／　/　　　　}　　　　｀ヽ

　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　 |　　　（⌒ ）（⌒）
　　　　　　　 |　　　　（__人__）
　　　　　　 |　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　はい！
　　　　　　　　|　　　　　　　 }
　　　　　　　　ヽ　　　　　ﾍミ|
　　　　　　　　／,`　、` -`,--` ,
　　＿＿,---/;;;;;`　　`-,-/ニﾆ |
　/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,＞、 /::l,_l･　,<、__
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::＜:::::::ヽ``l::::|　　|`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::＼|:::|`-‐'/::ヽ::::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、
;;;;;/'　 `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く　　　';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
::::─::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::─::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::─::::::::::::::::::::
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─;;;;;;
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148 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:05:55 ID:wK36UVLw

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;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─

　　「何故か分からないが、僕と彼女の関係は急速に良くなっている」

　　　「だがそこで、僕が大丈夫だと胸を張れたのは、彼女を女性として見られなかったからだ」

　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　　⌒　⌒
.　　　　　　　｜　　 ( ⌒) (⌒)
　　　　　　｜　　　（___人__）　　　　ご飯はちゃんと食べました？
　　　　　　　　　 |　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　 |　　　　　　　|
　　　　　　　　人､　　　　　 |
　　　　　　　_,イ　ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　,.　-─‐-´ 　 l　　ヽ,＼__､_ﾉ7
/´　　　　　　　 :i 　　ハﾍ､;;ヽト、
. : .　　　　　　　　:i　　　ﾊ〉:.;〈ヽ＼､_
, : : . ＼　　　　　　:L_＿　 v;;;;ﾍ ' ,＜. ヽ
. : : : .　ヽ: .　　　　　く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
!: :　　　　、: : : : 　　　ヽ　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i
　.´: : : .　 ' : : :　　　　　＼　 '';;;::|　 ,|　__| |
: : : : .　　.γイ: .　　　　　　 ' .,　 ':;;:|　 l、__j.|

　　　　　　　　　　 rvﾍ　,,-''´￣￣￣￣ヽ
　　　　　　　＿＿__　{｀ヽ}'⌒''　　　　　　　　＼｀､ _,-´v
　　　　　　　＞―-ｧ ≧ｆ＝ /　　　 /　　　　　　｀ヽ=´ｿ
　　　　　　 ,二／／/｜　,' 丶、 /　　　　　　　　｀､
　　　　　ｲ∠＞く　| /　 l｜l l ∨!　　　　　　 il
　, ＝≠'´/' 　　　　　'′ ; lﾊ | ト｣ |＼ｌ　　　| 　ｉ　 l
〃　　　 /　　　　　　　 /l | 弋圷ﾐｘ { (^Y!　| 　 |　 |　　　食べました…
′　　 /　　　　　　 /　! l 　ゞﾝ'` ヽＮ|斥示、 .ノ
. 　　 /　　　　 ′　 /　ハ! xxxx　　　 {{r迂}７ ,′　　　　私の好きなおかずだった…
　　 /　　　／　　〃　l|　l|　　　　 / ヾｲl/ﾚ′
. 　 /　　　／　　〃　人 l|　　丶､　　（廴_,...-ｧ
. ／　　∠ -―‐-＜　／ｰ:/ﾊ　　　　　, イ　／:: /
´ 　 r个ｰ-､ : : : : : : ｀ヽ::/∧:｀‐ｧr＜/ /　/:: :::/
　　/　| : : : :｀ー'⌒): : : ∨: : ｀７ク／ /`ヾ、:::,'
　 ,′！: : : : : : : : { : : : : }｀ヽ､{::〈￣´: : : : :｀二ﾌ
//　,'　l : : : : : : : : :｀ｰ-v' : : : r行ｈ: : : : : : : :./}
/　/ 　ヽ、: : : : : : : : .:└-ﾍ: {ヾ彳}: : : ; : -‐'ノ

149 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:06:26 ID:wK36UVLw

　　　「例えるならば、そうだ」

　　　　　「妹が出来たような気分で僕はいる」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／_ノ　｀⌒　＼
　　　　　　　　　 _　　　　　　　| （● ) （⌒ ）　.|　　それは何より。
　　　　　　　　　 |　!　　　　　　　　|　（__人___）　　|
　　　　　　　　｜ !　　　　　　　　|　｀ ⌒ ´　　　.|
　　　　　　　　　 |　!　　 ,.-,　　　　|　　　　　　　　 |　　　　ただ、野菜もちゃんと食べるんだよ。
　　　　　　　　 _,ﾉ ┴、/ ,/ 　　　ヽ　　　　　　　r
　　　　　　　　　 r　`二ヽ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　ﾄ
　　　　　　　　 |　ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　／i＼,,,,_
　　　　　　　 |　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　　　　　 | 　）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　　ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　　　　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }

　　　　　'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼≧_
　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 'トｰ､
!／　　　　　　　　　　　　　 /'/‐/-./　i 　　　　　　　　　　ヽ:::: ＼
＼　　　　／:／　　::ﾚ人　/|_|:/_ l! |`V ＼ ,ｨ　r､　　　　　　　|＼:::: ＼
､　＼　／／　　　::/　 V i「 !フ:`ヾ.ヽ! ヾV|ﾄ ,/　! 　　,　,　　　　 |　 `ー―　　ふふっ…
／　ノ　　　　　......:::/::: 　　　' `ﾚﾊ!ヾ ∨　|l　i＼!__　/ /　　　/ 　!
フ'／　　　::::::::::::::/::::::: 　　　 ` 　 '　　　　Vﾒ/!ゝ∠_ｲ　　/ / /! ト,,　　　　ちゃんと食べてます…
　'　　　 ':::::::::::::／!:::::::::: 　/i/i/i/iv　　　　　　 |! Vγｬ->　/ /!/ 'V＼＼
　　　´:::::::::::::イｰ:､:::::::::::　　　　　　　　　,　|! |!V≦ハ/ノ　　　　＼＼
　:::::::::::::／:/:__`ｰ‐i:::::::::: 　　　　　　　　 ′ヾゝ＜..イ　　　　　　＼＼
:::::::::::, ' r-‐'´　ﾄ'ｰゝ::::::::　　　　　　ｒ‐ ､　　　　　 `´lﾊ::　! 　　　　　　　＼＼
::::::／::_入,. -- ゝ　　ヽ:::::..　　　　　 `.:'´　　　　ゞ_ノ　|::　| 　　　　　　　　＼＼
／::::/＼　ヽ　V^＼　 lｰ- ､　　　　　　　　　_,. ｨ::´　　|::　|　　 _ ____＿__＿_＿_ __ ゝ＼
::::: , :::::::::ゝ: :＼: : : : ー､　ヽ　　　 _　イ'´::::::|::::::　　|::　| r ´イ￣￣￣￣￣　￣￣￣
／＿＿/　＼: :`: : : : : : |　　　Yフ´〈 ::::::! ::::::: |::::::　　|::　| ヽ　＼
: : : : : : : : : : : : : : : : :..:.:.|ー--.ﾚ__∠ ::::::: :::::::: |::::::　　|::　| 　＼　＼
: :＼: : : : : : : : : : : : : :.:..:| : : : :.|: : : : .＞:::::::::::::|::::::　　|::　| 　　＼　＼
. : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:..|: : : : :=-＜´　 ::::::::::: |::: 　　 !::　! 　　　＼　＼

150 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:06:50 ID:wK36UVLw

　　　　「もちろん、それだって贔屓目だといえるだろう」

　　　　　　「だが、人が人と関わりあうのだ。ある程度は仕方ないだろう」

　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　　⌒　⌒
.　　　　　　　｜　　 ( ⌒) (⌒)
　　　　　　｜　　　（___人__）　　　それは偉い！
　　　　　　　　　 |　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　 |　　　　　　　|　　　　　じゃあ、また他の患者さんのところに回ってきます。
　　　　　　　　人､　　　　　 |
　　　　　　　_,イ　ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　,.　-─‐-´ 　 l　　ヽ,＼__､_ﾉ7
/´　　　　　　　 :i 　　ハﾍ､;;ヽト、
. : .　　　　　　　　:i　　　ﾊ〉:.;〈ヽ＼､_
, : : . ＼　　　　　　:L_＿　 v;;;;ﾍ ' ,＜. ヽ
. : : : .　ヽ: .　　　　　く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
!: :　　　　、: : : : 　　　ヽ　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i
　.´: : : .　 ' : : :　　　　　＼　 '';;;::|　 ,|　__| |
: : : : .　　.γイ: .　　　　　　 ' .,　 ':;;:|　 l、__j.|

　　　　　　 ,.　＜,ｨ　/／､､＿＿　　　　　　　　　　　　〃/ |＼
　　　,. ＜　　／/ //　　｀==ニ二´　　　　　　｀二ニ==彳/　仆､＼
　∠ ＿＿_／　/ /,′　　　　　　　　　　ｌ　　　　　 |l /l　|　＼〉
／　　　　　　厶∨　　　 |　　　 l　｜　　 |　l|　、 | 　 |/ l| ∧　ヽ＼
　　　　　　　　/　l　,　　 l　　　　|　　|　　　　l　 |　 |　|　　l　l　l |ヽ.　＼＼
　　　　　　 /　 | /　　　| , |　｀ヽ、　|　　　　ｌ　ｌ　 |　| 　 |　| ｌ| l　|　　　＼＼
.　　　　　 /　　| |l　| ｌ　| | l　　 |l ＼!　　　　|　 l　 |　| 　 !　| ｌ| l　|　　　ヽヽ
　　　　　 /　 /｜|l　| |l ｌ l |　_j.Lゝ‐|＼　　ﾊ ∧ /　l　 /　,　j |l/|　　　　　ｌ　|　　　…あ、はい…。
‐-　､　　/　 /　 | ﾄ､ | ｌ斗七i !| 」{ ｜l　＼/ 厶斗‐メ､/!l / / /　{　　　　　｜ |
￣ヽ冫, ′, ′　ヽ!　Ｎト|ｨ=＝弐ゞ、　ﾍ　ﾘr￢〒ryfz-{ |/ﾚﾍ j　　＼　　　ｌ　|
　／／　, 　　　/　　ﾚ∧ ヽ {Ч;;'j}　　 ∨ Ｖﾍ｛(f卮}_）〉ト､　　　ヽ　ヽ、　/ /　　　　行ってらっしゃい…。
´／　／　　　 ,′　八rﾍ.　ゞニ-　　　　　　∨ ゞﾐYｼ／ハ !｀丶、　＼　 ∨ /
　　／　　　　 /　　/＞､_〉　　　　　　　　　　｀ｰ…く　/_／ヽ、　＼　＼　｀ヽ、
　'′　　　　 /　　/　,　　 ∧　　　　　 i　　　　､＿ﾉ/´ヽ　　｀、　｀､　丶　 l
　　＿＿_　/　　/　,′　 / rへ、　　　　-　-　　　／〉　ｌ|　　　l　　　丶　　}　 |
￣: : : : : :.:￣｀丶､/　　 / /しﾍこ＞､　　　　　r～'⌒r勹ｌ|　　 l|　　　　 / 　 |
: : : : : : : : : : : : : : ＼　/　＼: : : : : : : ＞‐＜/⌒Y´: :／　 | 　　 |　　　　〈　　∧

151 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:07:12 ID:wK36UVLw

　　　　　「僕は彼女との関係が良好になるにつれ、仕事が楽しくなっていた」

　　　　　　　「彼女が以前ほど、困った顔をしなくなっているだけでありがたいのだ」

　　　　／￣￣＼
　　／ _ノ　ヽ､_ ＼
.　　|　（ ●）（● ）　|
.　　|　　（__人__）　│　　　さてさて、じゃあ、次はレクリエーションだろ。
　　 | 　　｀⌒ ´　　|
.　　 | 　　　　　 |　　　　　今日は…クイズでもしてみようかな。
.　　ヽ　　　　　　/
　　　ヽ　　　　 /
　　　　〉-r:::┬〈、
　　／Λ 〉.:〈 7//＼
. ／////V::::::V/////＼
///////∧::://///////}
.////////∨/////////{

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒ 　⌒　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒）（⌒ ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　　 |　　　　　　　　　　　　みなさーん！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､`-ｰ-′ 　　 | 　　　 . -,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　``　　　　 |　　　　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　ｨ { r 、　/　/　　　　　　クイズ大会でもしましょうか！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ ´_ノﾄ}　}／,`〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ ,. - ／ :./ﾘ ,/ ／ヽ{　　　　　　　　　賞品もありますよー！
　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. -:::／:/:::ﾊ　／ : :/ :.ﾉ　)(_／ヽヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　／/ : ／ : /:::l　y : : : / : : }　　 >-<　} : :i
　　　　　　　　　　　　　　 j : : : : :> :./:::::l ./ : : : :i : : :Λ　/　　 / : :∧
　　　　　　　　　　　　　　i : r : : 〈 : i::::::::ﾚ : : : : : : : : : :〉､_　　〈ﾘV. :Λ
　　　　　　　　　　　　ｉ : | : : : :', :i::::::/ : : : : : : : : : :.乂｀ﾆﾆ彡´:.V. : ',
　　　　　　　　　　 | : | : : : : ', :i::/ : : : : : : : : : : : Λ : : : : : : : :V. :.i

152 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:07:36 ID:wK36UVLw

　　　「彼女は、定期的に行うレクリエーションにも参加するようになっていた」

　　　　　「それは小さくも、大きな変化だ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __　 _ .. - - く/升「￣／
　　　　　　　　　　　＜.__⌒Ｘヌ＜´. : : : : : : : : :ーへソ　く
　　　　　　　　　　　　　　Ｘ/. : :7⌒ー. : : : : : : :ー＜＼　＼
　　　　　　　　　　　　／ /. : /. : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:ヽ⌒
　　　　　　　　　　　∠ __/. :/: : :/. : : : : : : : : : : : : : : : ∨＼:＼
　　　　　　　　　　　　　ﾉ. :i: : :ｌ:l::_: : :.| :l: : : }: : :ﾘ:.i: : : :ﾘ　　＼:＼
　　　　　　　　　　　　／: : :{: : :!:l : ｀メl :l ＼ﾘ: :ムﾉ. :ﾉ.:ﾊ　　　＼:＼
　　　　　　　　　／.:／{.:人: 从rﾃ〒k从ﾙ「「芹.T. :!ﾙ'ﾊ　　　　ヽ.:ヽ
　　　　　　　／.:／　　/.:/ 人{{ i必ﾘ　　乂苞ソｲ : : i　　　　　 }. :.}
　　　　　　　　/. ::/　　 /.:/ . :/入""　　　'　　￣ﾘ: :!: : : ｌ　　　　 .|: :.|
　　　　　 /. ::/　　／. :' . ::/ .::/＼　　 -　　. イ: : ! : : :l　　　　ﾉ. :ﾉ
.　　　　　　〈. ::〈　／. :: .:: : :/. ::/　く｀Yへﾍ／⌒> :!:: : :.l　　　／／
　　　　　　　＼: Ｘ. : :_:_:_:_:./._:/_: _ノ. :: : ::::>:: :::入 _j_＿::|_　く. :く
　　　　　　　／.＼〈 . : : : : : : : : : : : : :,ｨ升ﾄ、: : : : : : : : : : :｀Y ＼:＼
　　　　　　／ . :: : :|/＼: ノ: : : : : : : : : 弋必ｿ . : : : : : :_:_:_:_:_/:、　＼:＼
　　　　 . '. : : : : : :∧: : :⌒ヽ.ノ : : : : : :／ Y＼ : : : : : ー :ァ'´. : ＼.　): :.)
　　　 /. : : : : : : :/: :: ＼: : : :}＞、: : /　　i!.　＼: : : : ／ヽ. : : ／/ Y ｀i.　 /´ !
　　　.' . : : : : : : 〈＼ : : :＼ﾙ'. : : : )∨　　 !　　　〉⌒. : : : : ∨. :/　 |　ﾉ r┤　|

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　⌒´　 ⌒
.　　　　　　　　　　｜　　( ⌒) (.⌒)
　　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　　　　　　 |　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　j､_ 　　　　　|
　　　　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r＜
　　　　　　　／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ
　　　　　　　　/ .:::/.:.:.: : : : : : : :.:.::..＼
　　　　　　 ,' .::::/.:.: : : : : : :.／ ⌒ 、ヽ
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　　　　　　　 i ::::.::.::.::.:.: : :/ .:.:.:.:.:.:.:.::::::: }::
　　　　　　　 i ::::::.::.::.:.:.:.:/ .:.:.:.:.::::::::::::: ,.:: i
　　　　　　　 ', :::::::::::::::く .::::::::::::::::／:::〈:::: |

153 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:08:01 ID:wK36UVLw

　　「そして、他の患者にも積極的に関わるようになっている」

　　　「どんな心境の変化があったのかはわからないが、非常にいい傾向だと思う」

　　　　　　　 rdヽ､_　　　　 _　_　　　　　　 ∠}
　　　　　　／Lﾐ､:::ﾘ．- ´￣　　￣｀　‐ ､ rf:::モヲ
　　　　　 ,ゞ-く::フミ＝=　　　､　__　,=＝k"=::::::::＞
　　　　x=＝ｼ≧　 /　 ,　　　　　　　　　ﾄ＝三=z ､
　　 ∠三=ﾚ//　 /　　l| 　 | ｉl　 l| i!　l! 　　ヾﾍ＼`ヽ､
　　　　／/./! 　{　　ｌ ! _ 」ｌ!　ﾄ L 」　i 　 } ﾊ　 `≒x､　　　柴崎さん…
.　　　 /／ ,ハ　 Ⅶ´「l|≠i! l|　ﾘ ≠ﾊ l|　 l　ﾊ　　　ヾヽ
　　／,"　./　.:Ⅳ　V,x了示Nヽメrf宍ミｲNﾘﾉ　ハ　　＼ヽ　　　　そっちに行ったら…ダメ…
　/ ／　 /　.:　 NⅥゝ弋歹　　《込以j/i　:.　　 '.　　　　ヽ＼
. { ﾑ　 /　.::　　 .:　ﾄﾍ　　　 ' 　｀￣´/z!　:.　　ﾍ　　　〉　}　　　　女子トイレだから…。
　ヽ＼,′.::　　 .::　i:::::＞､　　‐ 　 r＜,:::i　 :.　　ﾊ　　　　.'　/
　　＼ヽ､:,r‐ - ､_ ｌ:::く⌒Y>=～ｯ'Y⌒＞::l __:._　　ﾞ　,　/ 〃
　　　/　ｲ{￣ヽ＿｀ヽ7＞～rﾍ7 /r‐＜_r'´ : : ￣｀7フ∨ /
.　　〃/　ﾊ: : : : : :＼: : : : 〈`<泌ﾝ'〉: : : : : : く￣:/　 / /
　〃/　　.ﾍ : : : : : : ,ゝ: : : :ﾞiヽ/∠: :ヽ_ ノ￣: : :ｲ　 / /
. 〃/　　.:　ゝ: : : :∨`ー冖k'　ﾚﾝヽノﾊ : : : : /. 　 { ｛
〃/　　.:　　ﾊ: : : :{: : :_: :rmく_ン: : : : : :} : : ∠_:. 　 ≧ニミ､
{Ｌ{__　.:　　　 ::|: : : :ゞ/.ﾚ' '/l _{ﾐkヽ｣ヽ.ﾉ: : .:l|＼!　　　　　）ﾒ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,.／　 ,./　　　　　　　｀''-,,
　　　　　　　　　　　　　　　 : ,／:;: !　./　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　 /;::::::./ : 　_, ,,,,,,、　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　,,,,lﾞ::::,ﾉ゛.r'ﾞ二;;___: ::｀‐　　　　　　　　　｝
　　　　　　　　　　 ,i'ﾞﾝ'' |l/゛-‐ ＜,/ﾞ.ｌぞ､　　　　　.__、　　　 /　│
　　　　　　　　　　　　! .`::::.i〔　　　 : --｀-｀-:　　 ...-　　:ﾞヽ.　 ../ 　│
　　　　　　　　　　　　｝..ｌ;: ! .ヽ　　　　　　　　　　/　,.ｨ;;ﾆi､ :､'､ /　,,ix'|　　えぇ？
　　　　　　　　　　ヽ.l" : ./　　 _..-'''Ｚ_,　　 .′ : .ｌ＼.ｌl'ﾞli〕 ! ,i'";:;::/
　　　　　　　　　　　 i′./　,i‐″　　::::ゝ-┐,i　　ヽ｀'''ﾞ,,､,/;::: /
　　　　　　　　　　 lﾞ　.′./　ヽii-　、　　 ´.i　　　　　　_i二./　　　　ここは私の部屋じゃないんですか？
　　　　　　　　　　　ｌ、　.′ 　　.,ﾞ'-ﾐヽ、　　｝　　　,..､/''ﾞﾞﾞL|
　　　　　　　　　　 / ヽ,　　　　　｀';:ﾞ'''.ｌi,,,,./　 .／.／:::::::::У
　　　　　　　 ,ｒ'"'''ｰ　l,ﾞ,;::::::ヽ　　　　　　　　. / 　/ .,i'ﾞ'二ﾆｰ'゛
　＿＿x─￣　　　/ ' ´ ll :.:.:.ヽ　　　　　　　 ´ 　　/ ｀
　　　　＼　　　j 　　 __i ＼ :.:.:.｀ ――￣ｰ )―'´

154 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:08:48 ID:wK36UVLw

　　　「このように、患者同士が関わりあって、互いに助け合うことは、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とても効果的なリハビリになるのだ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒ 　⌒　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒）（⌒ ）　　　|　　　　柴崎さんのお部屋はこちらですよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､`-ｰ-′ 　　 | 　　　 . -,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　``　　　　 |　　　　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　ｨ { r 、　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ ´_ノﾄ}　}／,`〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ ,. - ／ :./ﾘ ,/ ／ヽ{
　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. -:::／:/:::ﾊ　／ : :/ :.ﾉ　)(_／ヽヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　／/ : ／ : /:::l　y : : : / : : }　　 >-<　} : :i
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　　　　　　　　　　　　ｉ : | : : : :', :i::::::/ : : : : : : : : : :.乂｀ﾆﾆ彡´:.V. : ',
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　　　　　　　　　　,､- ─ - ､､
　　　　　　　　,．'"´　　　　　　｀`ヽ
　　　　　　　/　　　　　　　　　　　',
　　　　　　 ,′ 　　　　　　　　 /.:ヽ
　　　　　 ./l　　　　　　　　　　　 |:::::::l
　　　　　 l::|　　　　　　　　　　　　 |:::::::|
　　　　　 i::l　-=＝;、　　,ﾆﾆヽ　 i.:.:.:.!　　　あぁ、ここでしたか。
　　　　　 H! ,. -==ﾐi　　ぐ＝=;､ ,,　ﾊ !
　　　　　 i j}　　 ´.:i　　　｀"　　　　リ/　　　　ありがとうございます、先生。
　　　　い; ､　　,.j　　)､　　　,:; ,j ノ{
　　　　　　　｀, ', /　｀ﾞﾞﾞ´　`ヽ ,'　 j　',;;ﾄ､　　　　お嬢ちゃんも、ありがとね。
　　　　　　　ﾞ､　｀ﾆﾆﾆ´　　　　/　 V.:.ﾄ､
　　　　　　　　　ヽ　　　　　　,．'´　　/.:.:.!:.:.ヽ
　　　　　　　　／｀ y--‐''´　　　／.:.:.:/.:.:.:.:.:`ヽ
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　　　　　/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i‐l..:.:.i.:.:./..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::.:.:.:
　　　　 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i‐j.:..:.:V.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:

155 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:09:20 ID:wK36UVLw

　　「僕だってそうだし、誰だってそうだろう」

　　　「誰かのために何かをすることで、人は自尊心を育てることが出来る」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ´二ニフ、
　　　　　　　　　　　　　　　 _ 　　/　 '´,. 二ノ⌒
　　　　　　　　　＿＿_.-‐'´ `-i/　　γ_)⌒）（⌒)
　　　　_,.＜￣￣　　 : : : : : : : : l　　 r/´（___人__）　　…ふぅ、っと。
　 _,.＜　　　　 : : : : : : : : : : : : :l l__ノ　　｀ ⌒´ﾉ
　l,,　　　　 : : : : : : : : : : : : : : :ﾉﾉ　|　　　　　　　|　　　　薔薇水晶さんのおかげで助かりました。
　l; : : : : : : : : : : :-─＜二二´　　ﾄ　　　　　　 |
　＼ : : :￣`'''''´ノ : : : :l`-, : :`-＜ヽヽ,　-ｰｰr´
　　　＼ : : : : :'´ : : : : : l : :l :＼`-‐ヽ　ゝ--< lヽ、
　　　　　＼ : : : : : : : : : : : l : : :＜ : : :∨∧::〈ヽ: :､>＞、
　　　　　　　`‐,_ : : : : : : : :l : : : : :ヽ : : ∨ |:Λ | : :ヽ : : :ト-､
　　　　　　　　　 `-, : : : : :l : : : : : : ＼ : :ヽ|:::::| l : : :/ : : : : : ,
　　　　　　　　　　　＼ : :ノ: : : : : : : : : ＼ : .､:::|,| : / : : : :l.: : {
　　　　　　　　　　　　 V: : : : : : : : : : : : : :ヽ: ',::ｌl: / : : : : :l : ∧
　　　　　　　　　　　　　V: : : : : : : : : : : : : : :ヽ:V : : : : : : :l : :.∧

　　　　　　　　　　　　　　　　　 /|
　　　　　　　　　　　　　　　　 r:tz/:i:|.＿
　　　　　 |i:.　　　-　= ＝　‐-ト=〈穀}／
　　　　　 |∧．´イ　　　　　ﾍ　　彡7ニ＞
　　　　　rf:!z　　ﾊ　　　　ハ　 Ⅶ;＼＼
　　　＜ニ/　, !　 !　　 |　 l| 　 ',　ﾏ　＼＼
　　　　 /｛　 | ｌ　 |l　　 l|　 l| !　 i 　 |:. 　ﾍ＼＼　　　…たまたま…
.　　　 / ｲ.　 ! l、 |l　　セ爪「|　ﾚ　 |:::.　ﾊ　＼＼
　　　/ .ハ　 |斗｀ト、f^i}z=≠ｭx| l　 |:::::.　ﾊ　ゝｲ
.　　/ /　 ∨:| l≠ﾐ　メ{:::「Yﾏ>:jl|从ﾉ:.　　　　'.　//　　　　見かけただけ…だから…
　 / /　　　Ⅵく佗ヾ l/ヾﾐ:j!=彡ｌ|　 !　::.　　　 ∨/
. / /　　　　|l∧弋:ｿ ,　　""" l}ﾊ　 |　 ::.　　 /〃
ﾑｲ＿　　 |l l圦"" ｀＿　､_ﾉム　!　　::.　∠_,.==＝＝=､､
｀￣, /　　　|l l　＞、`　′ ∠ｽ　ゞ　 ::.　　　ﾊ　　　ﾑ7
　/ /　　　 .|ｌ !　l|::::::::r≧._イ~/ /､＿ヾ　 ::..　　　ﾍ　　 / /
./ /＿＿_　川　 |l ＿〉,r〈ｿ｝ｲ /: : f´￣￣￣`ヽ、　',　./ /
｀￣￣7 / 宀チ￣_r=f ､ヾヽﾑ: ／: : : : : : : : ／ﾊ　 ∨ /
　　　/ ﾊ: : : _: : : : {KＹﾃ）::}::ﾘ: : : : : : : : : :.／: : :∧　{ ｛
.　　/ /　{／: : : ; : ゝ>i'"ト-ｲ: : : : : -:‐ﾆ二: : : :/: :}　＼＼
　 / / 　入: :イ -‐く:/〆: :/: : : :ﾊﾄ:､: : : : : ／: :/:.　　＼＼
. / /　　/ 　Ｙ: `ヽ:チ{　ｿ: :し､_:_:j: ﾚ: : `ヽ: く: :／　 :.　　ﾊ＼＼
/ /　　/ 　 .:ゞ;:;:;: ヽﾏ/:;:;:;:;:;:;:;:ﾊ: : ゝ､: : : :ﾁｲ ::..　　:.　　ﾊ　＼＼

156 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:09:44 ID:wK36UVLw

　　「彼女が前向きに何かをしようと思っている」

　　　　「僕は単純にそのことが嬉しかった」

　　　　　　　　　　　　　￣￣　､
　　　　　　　　 ´　　　　　　　　　＼
.　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　ｉ　　　　　　　　　　　　　　　　　丶　　　　それでも、声をかけてくれたのは薔薇水晶さんでしょう？
　　　　 l　　　　　　／￣　　　　　　丶
　　　　 |　　_＿　　　　 _　ヽ　　　　　丶
　　　　ヽ/　　　　　　ｉ　ｲ::::ヽ l　　　　　　　丶　　　　だから、ありがとうございます。
　　　　　ヽ　　 _　ヽゝ_ゞ::ノ '　　　　　　 ',
　　　　　　　丶ｉｲ:::ヽ　l　　｀ヽ　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　ゝゞ ',　ヽ _　　丿　　　　　　　　＼‐､-..､
　　　　　　　　　ヽ　ゝﾉ , ‐ ´　　　　　　　　　　　　ソ:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　ヽ　　´　　　　　　　　 '　　　 /:.:.:.:.:.:／＼
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　/　　／:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.ヽ､
　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　/　／:.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　／　 /:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ､
　　　　　　　　　　　　　ヽ　_＿　ィ　　　/:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:

.　　　　　　　　　　＿＿＿＿_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
.　　　　　　　　／メ､／≧7〃ミ≡=　　　　　　　　　 - =＝彳ﾊ三三三≫
　　　　　　　　←―‐'／:i:/ /　,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　∨ヽ＼､＼
　　　　　　　　　／./:i:／　ｌ　ｌ　　 /　　　　　　　　　 '.　　 ',　ﾏ､メ∧＼ヽ
　　　　　　　　／, '/／　　 j　ｌ　　,'　li　!　　　　l|　ｌ |　:! ! ! 　 }　　'.｀￣´　ヽ＼
　　　　　　／／. '" 　　 /　/|　　|　l|　|　l|　＿l|　| l　l| | | 　 !　　 |
　　　　　／／　　　　 /　　 |　　|　l|　|　l|　⌒i}　| l　l| | |　| | 　､|
　　　／／　　　　　 ./ / 　ヽ!　lr=≧トx| `ﾒ､l!ム斗也l/! ,'/　　l|
　　／／　　　　　　 /ｨ'　　 /　Ⅶ从l| l| ハ　 /f:i{(f卮}）;〉|从.　　八　　　　　…はいっ。
イ´／　　＿　- 、.ノ　　　 /　 .::rﾍｘ=＝ミ V　 ∨ゞYﾉ;/!ﾑ:::.　　　＼
　弋ーﾆ ‐　テ〃　　　 / 　 .: ﾄ-ﾊ　　　　　i: 　ヾ＝イ::ﾄ-|:::.　ヽ.　　＼
｀￣￣´　　／／￣`冖＜　　/::::'::i::入　　　　　　　J:ｲz､:::::.　　ヾ　　　＼
　　　　／／: : : : : : : : :.＼/:::::::::ｉ::fﾆ≧x　｀　´　 .:≦ﾘ:. /:::::::..　　ヾ ,r― イ
　　　／／{ﾊ: : : : : : : : : : : `ヽ､ :::入「￣ｽ＞z　イr勹/: /､__　＿, -ィ: : : : : :
　　／／ ,'∧ `ｰ､: : : : : : : : : : : ゝｲΤ` :Kｦ「｀Y´于ﾃ}:´: :´: ￣: : : : : : : : : : : ／
　／／　 ,'　ﾊ : : ｀ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ|ﾐ:7 :/／: : : : : : : : : : : : :_: :-:':￣: :
ｲ .::′　 ,'　｛ﾍ: : : 入: : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾊ: : : : : : : : : : : : : : :,イ: : : : : : : :
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157 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:10:08 ID:wK36UVLw

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　　　「そして、もうひとつ分かったことがある」

　　　　　「彼女は思っていたよりもずっと、おしゃべりさんだということだ」

　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､ﾄ､,ｨ
　　　　　　　　　　　　　　 |ヽ!y´l
　　　　　　　　　＜二二二＼!j/-―‐-- ､,_
　　　　　　　　　 ,､ｨ'´,ｨ'´／ /　　　　　　　｀`ヽ､
　　　　　　　,､ｨｸ".／/.／|.／　 i　　　　　　　　　｀ヽ､ﾄ,ｲﾉ!_
　　　　　／／　./　.'´　 ´　　　|　|　　|　　　　　　　ヾ´_ノﾆﾆゝ
　　　　／／　 /　　　　　　 l　 l　l　　.|　　 |　　　　　ヽﾄ､
　　／／　　 /　　　　　　　 |　.l .ll　　.ll　 i .|!　　　　　　ヽ＼
　 /　/ 　　./ 　　　　 i　　|　 i! l l　l.l.l　l! l l　 l　.|　.i　　i!ﾄ､ゝ
. 〈　〈＿.　 /　　　　　　 |　　|!　l!ll　ヽ! ヽ ll lヽ　.l　.l　 l　　 lヽヽ　　　…夢ではね…
　ゝ―､｀十‐-､　　　　 l　　 l!　l `ﾔ又ｮｭi! i! ヽ l（( l　 l　　 l.　＼＼
　　　　￣`ｰ､　〉　　　 l　　.l l　|　ゞﾋ.i.ﾝ`　　ヽ!.)）.　l i　ﾄ､!.　　＼＼
　　　　 /　／／　　　　l　.// l　l　　　`´　　　ﾄｲ`fﾍ,//! / .|　　　　ヽヽ　　　　とても綺麗なみずうみがあって…
.　　　 /／／　　　　　　 // ./ /　　　　　　　　ﾚ弋ﾝ"/ .|/　　　　　　.j j!
　　,ｨ=´ｨ'´　　　　　　.／/`j//　　　　　　 ´ 　ﾄゞ"´ 　./ 　　　　　 l .l
.r‐〈〈――---､　　／`ｰ､.//ヽ,　　　｀'　　　（(!　|　　 .|　　　　　　　./ /
.|: : ﾍ.V: :_,ｨ-､: :`ヽ: : : : ://:ﾉ: ｲｰ､ _　,　＜´　))　l　　　l　　　　　／／
..l: : : 〉〉: : : : ゝ_,,､:`､: :.://: `´｀´:ヽ´｀ｨ--.､,_　　 | .l　　　l 　 __,､-'´ｨ´
. l: :.//: : : : : : : : :`ｰ､:.//: :rﾆﾄｲﾄ､: '´: : : : :r'￣`!l　l　　　l　￣￣ヽヽ
　l://: : : : : : : :: : : :.:ﾉ//: : .ﾄ从ﾝﾘ: : : : :.r-'´: : :ﾘ l　i!.　　 l　　　　　ヽヽ
　//: : : : : : : : : : : :.､//: : : :`ヾｲ": : : :.,ｨ': : : : :.ﾉ　l .l.l.　　 l　　　　　ヽヽ

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　⌒´　 ⌒
.　　　　　　　　　　｜　　( ⌒) (.⌒)
　　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）　　　へぇ、みずうみかぁ。
　　　　　　　　　 |　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　 |　　　　　綺麗なみずうみなんて見たことがないな。
　　　　　　　　　　　　j､_ 　　　　　|
　　　　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r＜
　　　　　　　／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ
　　　　　　　　/ .:::/.:.:.: : : : : : : :.:.::..＼
　　　　　　 ,' .::::/.:.: : : : : : :.／ ⌒ 、ヽ
　　　　　　 i .::.::.::.:. : : : : :　.:.:.:.:.:::::...ヽ:.',
　　　　　　　 i ::::.::.::.::.:.: : :/ .:.:.:.:.:.:.:.::::::: }::
　　　　　　　 i ::::::.::.::.:.:.:.:/ .:.:.:.:.::::::::::::: ,.:: i
　　　　　　　 ', :::::::::::::::く .::::::::::::::::／:::〈:::: |

158 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:10:32 ID:wK36UVLw

　　「彼女がよく話をするのは、夢の話だ」

　　　　「それが、ずいぶんと長く入院してる彼女の、唯一の話題なのだろう」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　, r ‐ -r '´ ￣ヽ<穀ヾヽ
　　　　　　　　　　 /~〈穀}Y´￣　　　　　　　　ゞ-ﾉ三ニ＝=－ -ｩ
　　　　　　_-=＝ニ三ﾌ　　　　　　　　　　　　ヾ　彡 ≦ミ三≧ヘ､
　　　　／:::::／:;ィ7／　　　 ′　　　　　､　　　丶　ﾄ､ヘ　｀￣´
　　　　￣フ::／ l ",　 /　 ,, 　i　　 l　　 }　　l|　ヾヽl＼ヽ
　　　　　 /／　 ,' ./　/　　l|　 l　　　!　　 l!　　!　　}　 i!　丶＼
　　　　　 "　　./ /!　l|　　l!　 |! "⌒)-ﾁ‐|!- ﾘ　 l 　 |　　＼ヽ　　　　　それで…私はね…
　　　　　　 / /ﾍ　ﾘﾊ　T〒ミx ｀ﾒｒ≠ﾆミｌ'　　 l!　 l|　　　　ヽ＼
　　　　　　 ./ /　 ∨　ﾄ､ K弐ヾ､＼ｊ{〈{匂ｲ}j　　 l|　 l!　　　　　＼丶
　　　　　　 / /　　　Ⅵヾ∧ゝ__ﾘ　　 `辷ソｲ'　　 }　 i|　　　　　　 }　|
　　　　　 ./ /　　　　ゞⅦハ　　′　　　､_）{　　 /:.　 l|　　　　　ムィ
　　　　　/ /　　　　　ﾘ　　l　ヽ　　`｀　　　 /　　/:.:i:.　 !　　　　／／
　　　 / /　　　　　/ , ｸ ' 　l:.:._＞- r ≦/　　/:.:.:ｌ::. 八_.　／／
　　　ｲ ,'　　　　 /r' ム-久l:r､Y⌒Y＾lノ　　,ﾊL:.｣_;水´{ ∠　く_
　　　ム l{　　　　 // ' ,ｨくヽＶ /}泌r／　／: : :イ: :_:_:ﾍ:》　 `ーニ､-、
　　　{　ﾍ. 　　 /,ﾄ､'xヘヽﾍ八弐　　 /_:_:_:ノ⌒´ : : : }　　　　　 /／
　　　ヽ　　ゝ､_ / |:i:ﾍ ´ｭ-､オ: /:.ﾘ　ム: :-: :、: : : : : :ﾘ　　　　　〃
　　　　`ー､／　ﾊ: : }_/l : ' : : : |: :{　 /´: : : : : :`メ､ :_: :l|　　　　 //
　　　　　　 {　　ｲ {: :∧人:':_:_: ;ｨ :∧/ : : : : : : : : : : : : 了　　　 //
　　　　　　ﾊ　i　 /: : : |: :ﾊ: : : :l| : :K; : : : : : : : : : : : : :/　　　　//

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|　　　おっと…続きが気になるけど、
　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　　 |　　　　　もう消灯時間になっちゃうだろ…
　　　　　　　　　　　　　 '､｀⌒ ´　　U　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |　　　　　　　続きは明日の朝でもいいかな？
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　ヽr｀ｰ- -=´　i､
　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑ-　、､___,／ヽ__
　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、
　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :.∧__|::∨＼､: : : : :.｀,
　　　　　　i : : : : : : : :| : : : : : :＼／￣ ∨ 　 /;;ヽ : : : :,i
　　　　 i : : : : : : : :! : : : : : : :/　´￣ヽ_V /;;/;;;;;ヽ : i∧
　　　　　/: : : : : : : : :| : : : : : :/　　 ´￣V /;;/;(￣＼ :|: ﾊ
　　　　,' : : : : : : : : :丿 : : : : /　　　　´￣y;/;;;(￣＼ V: :ﾊ

159 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:11:01 ID:wK36UVLw

　　「だから、僕はその話を出来る限りでも、聞いた」

　　　　「少しずつ変化する彼女を、支えたかったのだ」

　　　　　　 ,.　＜,ｨ　/／､､＿＿　　　　　　　　　　　　〃/ |＼
　　　,. ＜　　／/ //　　｀==ニ二´　　　　　　｀二ニ==彳/　仆､＼
　∠ ＿＿_／　/ /,′　　　　　　　　　　ｌ　　　　　 |l /l　|　＼〉
／　　　　　　厶∨　　　 |　　　 l　｜　　 |　l|　、 | 　 |/ l| ∧　ヽ＼
　　　　　　　　/　l　,　　 l　　　　|　　|　　　　l　 |　 |　|　　l　l　l |ヽ.　＼＼
　　　　　　 /　 | /　　　| , |　｀ヽ、　|　　　　ｌ　ｌ　 |　| 　 |　| ｌ| l　|　　　＼＼　　　あ…はい…
.　　　　　 /　　| |l　| ｌ　| | l　　 |l ＼!　　　　|　 l　 |　| 　 !　| ｌ| l　|　　　ヽヽ
　　　　　 /　 /｜|l　| |l ｌ l |　_j.Lゝ‐|＼　　ﾊ ∧ /　l　 /　,　j |l/|　　　　　ｌ　|　　　明日もお話してくれますか…？
‐-　､　　/　 /　 | ﾄ､ | ｌ斗七i !| 」{ ｜l　＼/ 厶斗‐メ､/!l / / /　{　　　　　｜ |
￣ヽ冫, ′, ′　ヽ!　Ｎト|ｨ=＝弐ゞ、　ﾍ　ﾘr￢〒ryfz-{ |/ﾚﾍ j　　＼　　　ｌ　|
　／／　, 　　　/　　ﾚ∧ ヽ {Ч;;'j}　　 ∨ Ｖﾍ｛(f卮}_）〉ト､　　　ヽ　ヽ、　/ /
´／　／　　　 ,′　八rﾍ.　ゞニ-　　　　　　∨ ゞﾐYｼ／ハ !｀丶、　＼　 ∨ /
　　／　　　　 /　　/＞､_〉　　　　　　　　　　｀ｰ…く　/_／ヽ、　＼　＼　｀ヽ、
　'′　　　　 /　　/　,　　 ∧　　　　　 i　　　　､＿ﾉ/´ヽ　　｀、　｀､　丶　 l
　　＿＿_　/　　/　,′　 / rへ、　　　　-　-　　　／〉　ｌ|　　　l　　　丶　　}　 |
￣: : : : : :.:￣｀丶､/　　 / /しﾍこ＞､　　　　　r～'⌒r勹ｌ|　　 l|　　　　 / 　 |
: : : : : : : : : : : : : : ＼　/　＼: : : : : : : ＞‐＜/⌒Y´: :／　 | 　　 |　　　　〈　　∧

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／_ノ　｀⌒　＼
　　　　　　　　　 _　　　　　　　| （● ) （⌒ ）　.|
　　　　　　　　　 |　!　　　　　　　　|　（__人___）　　|　　　夜勤明けで少ししか時間は取れないけど、約束するよ。
　　　　　　　　｜ !　　　　　　　　|　｀ ⌒ ´　　　.|
　　　　　　　　　 |　!　　 ,.-,　　　　|　　　　　　　　 |　　　　　だからほら、もうお休み。
　　　　　　　　 _,ﾉ ┴、/ ,/ 　　　ヽ　　　　　　　r
　　　　　　　　　 r　`二ヽ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　ﾄ
　　　　　　　　 |　ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　／i＼,,,,_
　　　　　　　 |　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　　　　　 | 　）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　　ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　　　　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }

160 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:11:24 ID:wK36UVLw

　　「彼女は元来、聞き分けの悪い子じゃない」

　　　　「むしろ、聞きわけが良すぎるぐらいで、たまに心配になるものだ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒ 　⌒　　　＼　　　　　　　　　今夜は悪い夢を見ないといいね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒）（⌒ ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､`-ｰ-′ 　　 | 　　　 . -,　　　　　それじゃあ、おやすみなさい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　``　　　　 |　　　　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　ｨ { r 、　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ ´_ノﾄ}　}／,`〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ ,. - ／ :./ﾘ ,/ ／ヽ{
　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. -:::／:/:::ﾊ　／ : :/ :.ﾉ　)(_／ヽヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　／/ : ／ : /:::l　y : : : / : : }　　 >-<　} : :i
　　　　　　　　　　　　　　 j : : : : :> :./:::::l ./ : : : :i : : :Λ　/　　 / : :∧
　　　　　　　　　　　　　　i : r : : 〈 : i::::::::ﾚ : : : : : : : : : :〉､_　　〈ﾘV. :Λ
　　　　　　　　　　　　ｉ : | : : : :', :i::::::/ : : : : : : : : : :.乂｀ﾆﾆ彡´:.V. : ',
　　　　　　　　　　 | : | : : : : ', :i::/ : : : : : : : : : : : Λ : : : : : : : :V. :.i

　　　　　　　ｒｔｧｘ＜　　　　　　　＞ｘｔ}-‐= ミ
　　／「三彡'　　　　　　　　　　　　＼＜〉__ ＞
　∠ =ｧ'　 /　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　＼_
　　 /　 ,/　　　/ ,　　　　　　　　　　　不「￣
. 　厶ィ7.:　　 / /　　　　　　　　　ｌ　i　　　　ト ` .
　　　// {　　　| i　'　　　/ 　　　ｨ　/l　l }　l 　 |　＼＼　　　…うん。
.　　//　ﾊ　!　i|-┼- ､ｉ {　　 //厶ｲ/ //　;　, .:|　　 '.　'
. ／.′/ ∧ﾄｘ！ｬ芯ミ灯　ｨ/{「r7/}/ｒ},イ　//!{　　 / /　　　　…おやすみなさい。
彡'　 / /　从{ヾ{代zrｿ`ヾⅣ　込ヾｖｿ/ / 厶' /　／／
　　 / /　/ ∧ ドヽ￣　　　　 ` ==彡ｨｸ/ 　 j／／
.　 / /　,　/　/{圦　　　　　'　　　　　 /ｊ/　　 '／
／　'　〃,　 / /、_＼　　｀　´　　／　 ,　／ｨ′
／　／ /　/ /　jハ＜`ト　 _　＜ｨ７′/ // /
. ／　 /　/　'　/ rtﾍ　｀￣ヽr ⌒ 厶ｘｲ　{ {/　　　 _
⌒＾＞ｘ,/　'　/　〉: : ＼　　＼斗彡/　: 〈　ｘ≦: :
ﾊ: : : : : : :＞ｰ=彡: ＼ : : 丶／: : : ｘ个ｰ气く: : : : :
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161 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:12:10 ID:wK36UVLw

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　　「僕が夜勤を終えたとき、入れ替わりに槐さんが出勤してきた」

　　　「僕は彼に、何も変わりがないことを伝える」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__
　　　　　　　　　　　　 _　-―――――-＜￣} }!
　　　　　　　　　　　 ´　　　　　 -――７　く.７./-､
　　　　　　 ,　 ´　　　　　￣　　,. -―/　　　Ｙ´ ＼＼
　　　　　 /　　　　　,　　　,　イ　　 /　　　　　　　ヽ.｀　､＿.ノ
　　　　　/ 　　　 ,／　　／　,/ 　　 { 　 {　　　　　　　＼￣
　　　　 /　　　　/ 　　　　,ﾉ　　　 }　　ﾊ　 }　　　　　、ヽ.
　　　　 |! 　　 /　　　　_.／ ,ｨ /　/　　　}　 !　　　　　ヽ.}ヽ、
　　　　 |　　　/　　　｀才　 /:/　,　　　/　/　　　　ヽ. 　ヽ.　}
　　　 {　　/　　､　.＿__.／ /　/ ,.　__/　ハ　　ハ　 }!　i {　　　　夜勤、お疲れ様。
.　　　　Ｙ　/　　　｀　.ナｰ-r七´ /／７ :/二.!_/}!　}　ハﾊ!
　　　　　| /　,　-―　〈 /　 {!　 ,ｲ | ／ ´tﾃ::ナ}ﾉ ./　/　ﾘﾉ　　　　　問題はなかったかい？
　　　,イ⌒Y´￣￣　　ハヽ (ヽ. i ヾ､_　　￣ノイ}／
　　〈　　　人　　――-　ヽゝxくヽ、　　　　　　　∨
　　 }!　　∧_ ヽ. ,ｘxzrく⌒´ヽ!　　　　　　　／
　　八　{〈　 ,.イ}　　｀　　　 {　　　　 , 　 _ '´
　　　 }ハﾘ　{´　i　　　　　　　ヽ　　　　　　 /
　　ノ'　 }! 　ヽ/　　　　　　　　{ヽ.　＿＿_/
　　　　＿∠__＿＿＿　　　ヽ.
　　　　　/: : : : : : : : : : : : ￣￣￣＼
　　　　入＿＿＿＿＿＿　　　＿厶、
　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣￣:.:.:.:.:.:.:＼

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　⌒´　 ⌒
.　　　　　　　　　　｜　　( ⌒) (.⌒)
　　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）　　　　はい、特にナースコールもなく、です。
　　　　　　　　　 |　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　 |　　　　　　目立った問題はなかったと思いますが、
　　　　　　　　　　　　j､_ 　　　　　|
　　　　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r＜　　　　　　　　あとで申し送りのときに説明します。
　　　　　　　／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ
　　　　　　　　/ .:::/.:.:.: : : : : : : :.:.::..＼
　　　　　　 ,' .::::/.:.: : : : : : :.／ ⌒ 、ヽ
　　　　　　 i .::.::.::.:. : : : : :　.:.:.:.:.:::::...ヽ:.',
　　　　　　　 i ::::.::.::.::.:.: : :/ .:.:.:.:.:.:.:.::::::: }::
　　　　　　　 i ::::::.::.::.:.:.:.:/ .:.:.:.:.::::::::::::: ,.:: i
　　　　　　　 ', :::::::::::::::く .::::::::::::::::／:::〈:::: |

162 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:12:45 ID:wK36UVLw

　　　「槐さんはあまり表には出さないが、とても優しい人だ」

　　　　　「些細なことにでも気をかけてくれるのだ」

　　　　／　/　/　'　　　　　 l 　　 l 　　　ヽ＼　　丶　　＼！
　　　/　／/ /　　　　　　 ! 　 |　　　 |　　　　　＼丶　　＼　　｜
　 ‐十'′/ /　　　　　　　l　　ﾄ、　　 |　　　　＼　＼　　　ヽ、 L
　　　|ｌ　 {　ｌ　 ,′　　 l　ﾊ　｜｀､　　ﾄ､　　ヽ　<⌒ヽ、_　　　∨厂｀丶、　　　それは良かった。
　　　ヽ、ヽ|　 l 　ｌ　 |　{　l　| 　ヽ　、丶、ヽ＼＼ l　}　￣二7′　　　l
　　　　　　ｌ　 |　　| 　 |　ﾚ七ﾆ二￣＼丶　 }ﾍ |＼｀ / 厶　　　ハ　!　　　|
　　　　　　　　l　ﾄ､＼　ヽ＼=ｷｔぞﾗ　　}ﾉ／　j/　　了/￣　　 /　 }∧ 　 l |　　　　しかし、疲れはしなかったかい？
　　　　　　　　＼ヽ｀ヽ、　＼__￣　　　　　　／　　 -ﾍ／ﾚﾍ /＿,　　l 　 | ﾄ
　　　　　　　　　　ヽ}　　｀7ｰ一′　　　　　　　　　 ,′　　　 {´￣｀ヽ､い |
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　 /　　　　Ｖ了＼　り
　　　　　　　　　　　　　└-- ､　　　　 ,　　　　　　　　l 　　　 ∨ 　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　｀ｰこ￣　　　　 ,　　　　|　　　／　　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　 ,　く　　　　 l　　／　　　/　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀一'´／ ∧　　　/　／　　　　/　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , ィ　 /／! 　 ' ／　　　　 /　　　　＼

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼ -、_
　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　（＝）（＝）／　´／ /)
　　　　　　　　　　　（__人＿） {　　 , ' ´,/
　　　　　　　　　　　　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´　　　　今は気が張ってるので大丈夫ですが…
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　〈´／::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　 | 　　　ﾔ::::::::::::::Λ　　　　　さすがに家に着くと、眠気と疲れがどっと出ますね。
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　　　　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
　　　　　　 | :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/

163 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:13:24 ID:wK36UVLw

　　　「僕にとって嬉しかったことは、槐さんが僕を認めてくれたことだ」

　　　　　「槐さんは仕事が出来る。そんな人に褒められて嬉しくないわけがない」

　　　　　　　　　　＼　 _ ＿＿ _ _
　　　　　　 ,　 -‐ ,．'"´ 　　　　　､`ヽ､
　　　　　／　　/　　　i　　　　ﾘヽ､　　＼
　　　　　　　　/　　　.:ﾚ′ 　 j　　i !.:. 　　i
　　　　　　　 l　　　.:/　　 , /　 i .::|:::.:l　　|　　　　　そればかりは仕方ないな。
　　　　　　　ﾉ　　　 ,.ｨｲ.:::/　　.::l.:|:|::::::|:::.　ﾄ､
　　　　　彳　　,ｨｲ 1:|::,'　 .:;ｨｲハi::::::|::.:.:.ヽ|　　　　　それにしても、こんなに仕事を早く覚えてくれて、
　　　　　　　|.:.:|, ｲ‐ﾘ-ﾄﾄ､::.;ｨｲ仁＝ト-ヾ::::.:.:.ﾄ､　
　　　　　　　ﾄ､:i　{　r＝ヽ l/　'r＝ヽ　.:!.:ﾄ､:;!/　　　　　　　僕たちとしては非常にありがたいよ。
　　　　　　　ヾ::､　　　　,　　　　　　　 !/::／
　　　　　　　　　仆　　　:j ､　　　　　　ｲ:/
　　　　　　　　　 `､　　＿__　　　　　/i,ハ
　　　　　　　　　　　　ヽ　ヽｰ┘　　／ .|;;;:;:|
　　　　　　　　　　　　　`ﾄ､＿__ ／　　 !;;:/､
　　　　　　　　　　　 /.::::|　ヽ　　 /　　 l::::.:.L
　　　　　　　　　　, .イ .:.::::|　　　 ,/　　／.:.:::,! ｀`i::.､
　　　　_,,､-r‐イ　　1 .:.:.:::|　　　　／　 .:::/　　 |:::::.lｰ- ､
　　　／　_,, |:::::|　　 |／^ヽL_　　_ノ／＼/　　　 |::::::|　　｀`'' ､
　　/ ,r'´ 　 |:::::|　　　　　 /ヽ　　/　l　　　　　　 |::::::|｀¨`ー-､ヽ
　,/ /　　　,j:::::|　　　　　＼l　 / ／　　　　　　　 |::::::|　　　　ヽ|

　　　　／￣｀
　　　 |　　　　　_　 - ― -　.
　　　　ゞz:.≦彡ー -　　　　　｀　､
　　　 r'´ ﾉ　｀ヾ:､　｀　　　　　　ヽ
　　　ﾉ　　　　　}　　　　　､　　　　　　:.
.　　'　/　　　　 ;　i　　　　　ヽ　　　　 ,
　/　 '　　　　 i 　|　　　　　　＼　　､　,　　　　まぁ、申し送りが済んだら、ゆっくり休んでくれ。
　{i　　　　|!　　l!　i! ﾄ､､　　　　ヾミ=-ヽ
. 从　　　人　从zム斗ゞミ_　　ト=彡　　};　　　　　　自分の体調を維持するのも、チーム医療の一環だよ。
..　ﾉi　ノ ,}弐_{　　ゞﾞ' ´　　ﾘ　ト-ミ=-　くヽ
　イ从　人 / 　　　　　　　/ノ　ﾚノ　人　;}i
.　　八( ハ､　　　　　　　　　 ,'´ゞY´　ム:八
　　　　　　＼-　ｰ-　　　　 ,ｲ　　 :, 　〃
　　　　　　　　ヽ｀　　　　'　　　　　}､
　　　　　　　　　｀ｰ＜:,　　　〃／￣〉､
　　　　　　　　　　　／ﾑ　 / / 　　〃　丶
　　　　　　　　 / ,: ノ　 ,ｲ　　 /　　　＼
　　　　　　　　　 / /_　__.／　　 ,ｲ　＞ー -=ミ､
　　　　　　　　／ / 　／_　　　/　／.:::;=＝=ミ::::.ヽ
　　　　　　　/⌒j }_,イ/　 ) 　./.／.:::／　　　　　｀ヽ

164 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:13:48 ID:wK36UVLw

　　「僕は多くの人に支えられて、少しずつ生活できている」

　　　「そんな生活は、砂山を作る作業のように緻密で、繊細なものに感じられた」

　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　'ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　（⌒）（⌒ ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 |　　　それもそうですね。
　　　　　　　　　　　　　　 '､'ーｰ´ 　 'J　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |　　　　　今日はゆっくり休ませてもらいます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　.ｨ {
　　　　　　　　　　　　　　　　　_`ｭ`ｰー___´_ノ',
　　　　　　　　　　　_, ､ -ｰ´. : l : .＼　ｲ::::ﾊヽ{`、
　　　　　　　　　　/. : : : : : : : : i : : :.∨´〉::::::V: : ､＞、
　　　　　　　　　丿 : : : : : : i : : : :／ :｀､ ',::::::: l : : > : : : -、
　　　　　　　 r : : : : : : : :| : : :＼ : : :｀､',:::::::| : :.ヽ : : : : ',
　　　　　　　 / : : : : : : : : i : : : : :ヽ : : ヽ',:::::| : : /:_:_:_:i;;⊥____
　　　　　　　　/ : : : : : : : : :丿: : : : : : ヽ : : ヽ::|／´　ヽ､,,______ノ
　　　　　　　/ : : : : : : : : :/: : : : : : : : : :ヽ ::／　　　ヽ､ }___）
　　　　　　 ,:': : : : : : : : ヽム二ﾆ - ´¨￣｢ r'　　　､ヽ .ﾉ : :|
　　　　　　ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | |　　　　r_ノ.: : : |
　　　　　　ｉ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | |へ-‐´ : : : :| : :!

　　　/　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
.　　/　　　　　　 {　　　　　　 ,' 　　　　　}､　　　　　　 i
　〃　　　　　　　ヽ　　　　 /;　　　､　　　 i |: 　､　　　 /
／, '　　　　　　　／ヾ　／　i　　　　ヽ　　ﾉﾘ　　|　　　 /
／ﾉ　　　　　　　/.: 　i|　八|　|､　　　　},zﾁ'´￣} ﾉ　　､ {
/;　　　　　　,ｲ / ＿__j,/＞―i-ヽ　　ﾉ＞イ>'ｿヘ､　　ヾ､
/ 　　　　　/ { {'´　　〃ﾉ!z_｀､!　 !　 / 'ﾞ-｀ﾞ'´ノ !_/リ/!　 }ヽ　　　あぁ、お疲れ様。
　　ノ　　 /.　l |　＞'´ゞン 'ﾞ｀ヾ:　} ﾉ{　　　　 !　〃:}: ﾉ
／ヽ{.　　{　　ヾ　｀￣ ´　　　　ノ '　':,　　　　　j　ノ　//
　　(ﾍ　　',　　　　　　　　　　　　　　　':,　　　　ﾊ　　ﾉ'
､　　ヽ､　｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　〉　　 /　＼
:.｀＞t､ヽ,＼ ',　　　　　　　　　 , ´　　,ｲ.　　　＼
　　　i ヽヾ｀ﾞヾj　　　　　　　　　　　　,ｲ　＼　　　｀ｰ､
　　　|　 }､＼　　　　　　　　ー　' ´　　,ｲ i 　　＼　　　　｀ｰ､
　　　{　 i ヽ　＞　　　　　　　　　　／　/　　　　}　　　　｀ヽ
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165 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:14:14 ID:wK36UVLw

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;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;─

　　　「申し送りを終えた僕は、更衣室に向かおうとした」

　　　　　「だが、ロビーに座る後姿を見て、約束を思い出す」

　　　　　　　.／￣￣＼
　　　　　 .／　　　 _ノ ⊂_ ‐-' ＜
　　　　　 |　　　　（ ―）　 λ　　ヽ　　　　…ふぅ。
　　　 ,ﾍ__|　　　　　（__人）　　ヽ　　',
　 __,/　　　｀＜　　　⌒ﾉ　　. ｒ'-‐￢　　　　　しかしまぁ、意識したとたん、眠たくなるもんだろ…
／---‐――--.､ゝ＼　ノ　　　」-‐＞ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／⌒ヽ. ´_ノ　　　/　 ´　　 l
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　／´ ｀ヽ　　　　ヽ.　　,　, .!
.:.:.:.:.:.:.:.:／　／　　　　ヽ　　　　 l｀ / / /!
:.:.:.:.:.／　 ./　　　　＿ __ヽ-､　　 !/. ,'　l　!
.:.:.:.:.:l　＿十''''''''""　　　　　＼＜　　　'　l

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 -｀　⌒　ヽ､_　　　＼
　　　　　　　　　　 ´ 　 ●）(● ）　　　 |　　　　　…おや、あそこにいるのは…
　　　　　　　　　　（_人＿)　　　　｜
　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　｜　　　…そうだ、約束してたんだっけな。
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_　　　　　　おーい、薔薇水晶さん！
　　　　　　　　　　　　　　　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　　　　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　　 j ::::::::::> :.{::::::l　/ .:::＜:::::::::::::/..::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　i :::、:::〈 :::i::::::ﾚ .:::::::／::::::::::i:::::::::::::::::::::::::}
　　　　　　　　　ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　　　　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:i

166 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:14:54 ID:wK36UVLw

　　　「彼女は誰に声をかけられてたのか分からなかったのか、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　きょろきょろと周囲を見回していた」

　　　　　「そして、僕を見つけると、少しだけ早足で近づいてくる」

　　　　＿＿　 rz､　_ - ―- ― - ．f:izｨ―‐z
　　　　`ヽメ＼|ﾏィ ´　　　_ 　ｰ -　彡≦三←､
　　　　 ≫三イミ=　　￣　　　　　、ヾ. ＼
　　　／／¨7 　　 /　 ,　　 l| 　 l}　　',　',＼＼
　　／／　　}　　　 ,'　 /　l|　l|`ﾄ､l|　l　l}　'.　＼＼
　／／　　　 |　　.: |　卞≧トﾐ{　l `ﾒ斗ﾁ　l| 　 .＼＼　　　　　…あ…！
／／　　　　 ,′　.:　|　代 { ﾘヾ､j/{:fﾖz:ﾊ/l′　　＼＼
＼{ヽ　　　/　　.: 　j　 lﾍ￣　 "　ゞ=ﾁ　|　　　　　　ﾑｲ
　＼＼　./　　.:　　Ⅵ.::ゝ　　　 ′　ﾒ　 |　　　　　／ノ
　　＼＼'　　.:　　 ,rzⅦ､　　－　ィ　　 !　　　／／
　　　＼＼.::　　（ iゝ‐ｚ＞ｘ　イ　|:. 　ﾍ　／／＿_
　　　 ./__＼＼　　〉￣ﾄ　辷ﾗ七彡 :!::.. 　ﾊ　￣￣７ /
　　　ハ￣￣￣`ｰ"-: :ヽﾆユ辷ﾗｿ､．-―ｚ､ﾊ　　 / /
　　 ,'{／￣`Ｙ: : : : : : : : : : : : ゝ:Yr=x: : : : : ﾑ '. 　./ /
.　 /く＿ : : └──z: : : : : : : : :《ｨ泌>: : : : ヾ､ﾊ / /
.／　 .〉: ＼: : : : : : :∧: : : : : : : :.ゞXｲ: : : /￣: ｽ　〈
　　 .: ＼: : `ｰ─: : :.ノ＞─～ｰ､＿: 〉ｰく: : ／:ノ＼＼
　 ..::　ム: : : : : : :イ／: : : : : : : : : :￣）: :ヽ: : く　:. ＼＼
　.::　 .:　〉: : : : : : :|′:ヽ: : : : : : :_:._ノ､:_:_ﾉ!: : :ﾍ.　:. 　＼＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／_ノ　｀⌒　＼
　　　　　　　　　 _　　　　　　　| （● ) （⌒ ）　.|　　　　こっちこっち。
　　　　　　　　　 |　!　　　　　　　　|　（__人___）　　|
　　　　　　　　｜ !　　　　　　　　|　｀ ⌒ ´　　　.|　　　　おはようございます。
　　　　　　　　　 |　!　　 ,.-,　　　　|　　　　　　　　 |
　　　　　　　　 _,ﾉ ┴、/ ,/ 　　　ヽ　　　　　　　r　　　　　　良く眠れたかい？
　　　　　　　　　 r　`二ヽ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　ﾄ
　　　　　　　　 |　ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　／i＼,,,,_
　　　　　　　 |　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　　　　　 | 　）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　　ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　　　　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }

167 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:15:26 ID:wK36UVLw

　「僕は彼女に、もう一度、話しかけてみる」

　　　　「すると、彼女は小さく頬を緩めてくれた」

　　　　＿＿　 rz､　_ - ―- ― - ．f:izｨ―‐z
　　　　`ヽメ＼|ﾏィ ´　　　_ 　ｰ -　彡≦三←､
　　　　 ≫三イミ=　　￣　　　　　、ヾ. ＼
　　　／／¨7 　　 /　 ,　　 l| 　 l}　　',　',＼＼
　　／／　　}　　　 ,'　 /　l|　l|`ﾄ､l|　l　l}　'.　＼＼　　　　やらない夫さん…。
　／／　　　 |　　.: |　卞二士{　l `ﾒ士ｾl　l|　　＼＼
／／　　　　 ,′　.:　|　代 { ﾘヾ､j/{:fﾖz:ﾊ/l′　　＼＼
＼{ヽ　　　/　　.: 　j　 lﾍ￣　 "　ゞ=ﾁ　|　　　　　　ﾑｲ　　　ちゃんと眠れたよ…。
　＼＼　./　　.:　　Ⅵ.::ゝ ""　　 ′""j　 !　　　　　／ノ
　　＼＼'　　.:　　 ,rzⅦ、　　ワ .ィ　　 !　　　／／
　　　＼＼.::　　（ iゝ‐ｚ＞ｘ　イ　|:. 　ﾍ　／／＿_
　　　 ./__＼＼　　〉￣ﾄ　辷ﾗ七彡 :!::.. 　ﾊ　￣￣７ /
　　　ハ￣￣￣`ｰ"-: :ヽﾆユ辷ﾗｿ､．-―ｚ､ﾊ　　 / /
　　 ,'{／￣`Ｙ: : : : : : : : : : : : ゝ:Yr=x: : : : : ﾑ '. 　./ /
.　 /く＿ : : └──z: : : : : : : : :《ｨ泌>: : : : ヾ､ﾊ / /
.／　 .〉: ＼: : : : : : :∧: : : : : : : :.ゞXｲ: : : /￣: ｽ　〈
　　 .: ＼: : `ｰ─: : :.ノ＞─～ｰ､＿: 〉ｰく: : ／:ノ＼＼
　 ..::　ム: : : : : : :イ／: : : : : : : : : :￣）: :ヽ: : く　:. ＼＼
　.::　 .:　〉: : : : : : :|′:ヽ: : : : : : :_:._ノ､:_:_ﾉ!: : :ﾍ.　:. 　＼＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 __,ノ　 ⌒
　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　(⌒ ) (⌒ )
　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　（___人__）i　　　　それは良かったです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　|　　　　　　　悪い夢は見なかったですか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人､　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,イﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　　　　　　　　　　　　　,.　-─‐-´ 　｀, へ　＼__､_ﾊ
　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 :i 　ハ､　イ;;ヽト、
　　　　　　　　　　　ﾄ⌒　　　　　　　　:i　　｀<´.〉:.;〈ヽ＼､
　　　　　　　　　　 /　, : . ＼　　　　　 :L_＿　｀v;;;;ﾍ ' ,＜ヽ
　　　　　　　　　　ﾉ　l : : : .　ヽ: .　　　　　く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
　　　　　　　　　　i　　!: :　　　、: : : : 　　　ヽ　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i
　　　　　　　　　 /　　　´: : :　　' : : :　　　　　＼　 '';;;::|　 ,|　__| |
　　　　　　 /　　　　: : 　　γイ: .　　　　　　｀､　 ':;;:|　 l、__j.|
　　　　　　　　/　　　　　／／: : : : : : . .　　　　　｀､｀':'}　 |　 |!

168 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:15:49 ID:wK36UVLw

　　　「だが、彼女が見た夢は、あまり良くなかったらしい」

　　　　　「その様子は少し、話を聞いて欲しそうにしているように見えた」

　　　　　　 ,.　＜,ｨ　/／､､＿＿　　　　　　　　　　　　〃/ |＼
　　　,. ＜　　／/ //　　｀==ニ二´　　　　　　｀二ニ==彳/　仆､＼
　∠ ＿＿_／　/ /,′　　　　　　　　　　ｌ　　　　　 |l /l　|　＼〉
／　　　　　　厶∨　　　 |　　　 l　｜　　 |　l|　、 | 　 |/ l| ∧　ヽ＼
　　　　　　　　/　l　,　　 l　　　　|　　|　　　　l　 |　 |　|　　l　l　l |ヽ.　＼＼
　　　　　　 /　 | /　　　| , |　｀ヽ、　|　　　　ｌ　ｌ　 |　| 　 |　| ｌ| l　|　　　＼＼
.　　　　　 /　　| |l　| ｌ　| | l　　 |l ＼!　　　　|　 l　 |　| 　 !　| ｌ| l　|　　　ヽヽ
　　　　　 /　 /｜|l　| |l ｌ l |　_j.Lゝ‐|＼　　ﾊ ∧ /　l　 /　,　j |l/|　　　　　ｌ　|　　　　それは…少し…
‐-　､　　/　 /　 | ﾄ､ | ｌ斗七i !| 」{ ｜l　＼/ 厶斗‐メ､/!l / / /　{　　　　　｜ |
￣ヽ冫, ′, ′　ヽ!　Ｎト|ｨ=＝弐ゞ、　ﾍ　ﾘr￢〒ryfz-{ |/ﾚﾍ j　　＼　　　ｌ　|
　／／　, 　　　/　　ﾚ∧ ヽ {Ч;;'j}　　 ∨ Ｖﾍ｛(f卮}_）〉ト､　　　ヽ　ヽ、　/ /
´／　／　　　 ,′　八rﾍ.　ゞニ-　　　　　　∨ ゞﾐYｼ／ハ !｀丶、　＼　 ∨ /
　　／　　　　 /　　/＞､_〉　　　　　　　　　　｀ｰ…く　/_／ヽ、　＼　＼　｀ヽ、
　'′　　　　 /　　/　,　　 ∧　　　　　 i　　　　､＿ﾉ/´ヽ　　｀、　｀､　丶　 l
　　＿＿_　/　　/　,′　 / rへ、　　　　-　-　　　／〉　ｌ|　　　l　　　丶　　}　 |
￣: : : : : :.:￣｀丶､/　　 / /しﾍこ＞､　　　　　r～'⌒r勹ｌ|　　 l|　　　　 / 　 |
: : : : : : : : : : : : : : ＼　/　＼: : : : : : : ＞‐＜/⌒Y´: :／　 | 　　 |　　　　〈　　∧

　　　／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　（一）（●）
　　|　　　　（__人__）　　　　そっか…
　　 |　　　　　｀⌒´ﾉ
　　 |　　　,.<))／´二⊃　　　　なら、どんな夢だったか聞かせてもらっていい？
　　ヽ　/ ／　 '‐､ﾆ⊃
　　　ヽ､ｌ　　　　´ヽ〉
''"::l:::::::/　　　 __人〉
:::::::::|_/ヽ. 　 /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|

169 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:16:15 ID:wK36UVLw

　「だから、彼女と話をしようと僕は思った」

　　　「そんなことを提案すると、彼女は僕の身を案じてくれる」

　　　　　　 ,.　＜,ｨ　/／､､＿＿　　　　　　　　　　　　〃/ |＼
　　　,. ＜　　／/ //　　｀==ニ二´　　　　　　｀二ニ==彳/　仆､＼
　∠ ＿＿_／　/ /,′　　　　　　　　　　ｌ　　　　　 |l /l　|　＼〉
／　　　　　　厶∨　　　 |　　　 l　｜　　 |　l|　、 | 　 |/ l| ∧　ヽ＼
　　　　　　　　/　l　,　　 l　　　　|　　|　　　　l　 |　 |　|　　l　l　l |ヽ.　＼＼
　　　　　　 /　 | /　　　| , |　｀ヽ、　|　　　　ｌ　ｌ　 |　| 　 |　| ｌ| l　|　　　＼＼
.　　　　　 /　　| |l　| ｌ　| | l　　 |l ＼!　　　　|　 l　 |　| 　 !　| ｌ| l　|　　　ヽヽ　　　…でも…お仕事が終わって…
　　　　　 /　 /｜|l　| |l ｌ l |　_j.Lゝ‐|＼　　ﾊ ∧ /　l　 /　,　j |l/|　　　　　ｌ　|
‐-　､　　/　 /　 | ﾄ､ | ｌ斗七i !| 」{ ｜l　＼/ 厶斗‐メ､/!l / / /　{　　　　　｜ |　　　　　疲れてるんじゃ…ないの？
￣ヽ冫, ′, ′　ヽ!　Ｎト|ｨ=＝弐ゞ、　ﾍ　ﾘr￢〒ryfz-{ |/ﾚﾍ j　　＼　　　ｌ　|
　／／　, 　　　/　　ﾚ∧ ヽ {Ч;;'j}　　 ∨ Ｖﾍ｛(f卮}_）〉ト､　　　ヽ　ヽ、　/ /
´／　／　　　 ,′　八rﾍ.　ゞニ-　　　　　　∨ ゞﾐYｼ／ハ !｀丶、　＼　 ∨ /
　　／　　　　 /　　/＞､_〉　　　　　　　　　　｀ｰ…く　/_／ヽ、　＼　＼　｀ヽ、
　'′　　　　 /　　/　,　　 ∧　　　　　　 '　　　　､＿ﾉ/´ヽ　　｀、　｀､　丶　 l
　　＿＿_　/　　/　,′　 / rへ　　　　rｰ-―ｭ　　　／〉　ｌ|　　　l　　　丶　　}　 |
￣: : : : : :.:￣｀丶､/　　 / /しﾍこ＞､｀￣￣　r～'⌒r勹ｌ|　　 l|　　　　 / 　 |
: : : : : : : : : : : : : : ＼　/　＼: : : : : : : ＞‐＜/⌒Y´: :／　 | 　　 |　　　　〈　　∧

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／_ノ　｀⌒　＼
　　　　　　　　　 _　　　　　　　| （● ) （⌒ ）　.|
　　　　　　　　　 |　!　　　　　　　　|　（__人___）　　|　　　　　それぐらいなら聞けるよ。
　　　　　　　　｜ !　　　　　　　　|　｀ ⌒ ´　　　.|
　　　　　　　　　 |　!　　 ,.-,　　　　|　　　　　　　　 |　　　　　　　　心配してくれて、ありがとう。
　　　　　　　　 _,ﾉ ┴、/ ,/ 　　　ヽ　　　　　　　r
　　　　　　　　　 r　`二ヽ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　ﾄ
　　　　　　　　 |　ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　／i＼,,,,_　　　　　　　　　　ほら、おいで。
　　　　　　　 |　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　　　　　 | 　）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ　　　　座って話をしよう。
　　　　　　　　ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　　　　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }

170 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:16:39 ID:wK36UVLw

　　　　「なんて、優しい子だろう」

　　　　　　「結局、少しでも話を聞こうと思っているうちに、僕たちは長々と話をしていた」

　　　　　　　　　　　　､-――ｒ－、　＿＿
　　　　　　　　　　　　　＞、{勾ｱ≧―'　　　｀　　　、
　　　　　　　　　　　　ム＿＞'　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　／　　／　　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　.　　 , '　.　 /　/　　　　　　　　　　　　　　　ｒ￢
　　　.　　　　　　　. ,′　　/　/ /　　　　　　　　　　　　　ﾐ〈ｙヤヽ ―---ｚ
　　　　　　　　　=彡　　 /　/　{　　　　　　　|　ｌ |　　　ＹＹニイ＿＞‐'
　　　　　　　　　 /　　/ /ｉ　爪ｌ |　　　　　　ｉ　ｌ |ｌ |　　　　ﾉ「ヽ　　＼
　　　　　　　　　ｉ　　ｉ　{ ｌナナﾒ　　　　　　ﾉ　川 |│　　　ﾚﾍｒ－、ヽ、
　　　　　　　　　|　　乂ｌィテ㍉　ｌ　　|广二ニくイｌ│　　　　ﾊ　|　　￣　　　　　うん…！
　　　　　　　　　八　　　{ ,,＝＝...乂ノムィ叉 }ﾍﾉ川　ｉ　　 ,'　Ｎ
　　　　　　　／　　＼ノﾙ　　　　　　Ｖ　`ー彳ノﾙ　,′/ 　　ｌ　!
　　　　 ,　　′　　　 /´　ｌ　　　 ,　　　＼ニ二ノｲ　,'　　ｌ　　　ｌ　 !
　　,　'′　　　　　 ,'　　ﾊ　　　　　　　　〃/ / 　ｌ　　　!　　!
　　　　　　　　　／　　/　ヽ、　￣　　　　　　 _　〃ｌ　　ﾊ　　|　　 !
　　　　　　　　／　 //　　　丶、　　　　,イ（　　　!　　　ﾊ　　ﾊ　　 !
　　　　　　　　　　／/　　　　　　 ≧´,ィ　　　　　　　ｌ　　　ハ　|　!　　　!
　　　　　　　　 , '　 /　　　　　　／入ヤ_　　　　　　ﾊ　　　　　ｉ　 !　　　!
　　　　　　　／　　ｉ　　　　　 / ィ升ﾄ、 |　　　　　　　　　　　,イ　　 !　　!
　　　　　／　　　　ｉ　　　　　Ｖﾍｒｱ｝　ﾍ　　　　　　　　　／　　!　　ヽ　　＼
　　　 ,　′　　　　ｌ　　,＜ﾍ｝　ーイ二_」　　　　　　　　/　　　＼　　　＼　　＼
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171 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:17:11 ID:wK36UVLw

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　　　「そして、変わらない生活をしていた彼女にも、動きがあった」

　　　　　　　「夜神医師から、彼女が外出するという話を聞かされたのだ」

　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　__ノ　｀⌒　　＼
　　　　　　　　　　（●).（● )　　　 |　　　　薔薇水晶さんが外出、ですか。
　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　　|
　　　　　　　　　　　　　　, =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　/　　二ヽ､`,┘ 　ﾄ、_____
　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j┘　ｲ// : : : .｀' ｰ- 、
　　　　　　　　　　 /　　　 /{_/ニニ,´＞/ : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 _/＿__　ノ : 「r{::::ﾍ　 / : : : : : : : : : : : : : : '､
　　　　　　　　　 / : : : : :ヾﾐ : :.i　r:::',　y : : : : : : : : : :/ : : : : : :'
　　　　　　　　　 : : : : : : : :/ : : ｉ .i:::::i ,i : : : : : : : : : r : : : : : : : :i
　　　　　　　　,' : : : : : : : / : : : :i i::::::ｉi: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　　,' : : : : : : : ハ : : : :',i::::::ii : : : : : : : : : :.| : : : : : :／|
　　　　　　 ,' : : : : : : : /. :ﾊ : : : :',::::::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|
　　　　　　/ : : : : : : :./ :/　V: : : : ',:::|: : : : : : : : : : :| : : : : : : : :|

　　　　　 _＿_　＿
　　.‐::::二´::イ:ｉﾄ､‐=-｀::.､_
／:::／／::::,:ｲ::ｉ:ｌ:ｉ::::､:::::｀:､::｀:.､
:::／／/:／/:ｉ: |:!:|:ｉ::::丶:::: ヽ丶＼
/:::/:::/´::〃ハ:ｌ::::!:!ｉ:::: ｉ丶｀:!ヽ:ヽ::ヽ
: /:: /::::/:ｉ::::: ﾊⅣ:;､!:::: ｌ::::ヽ!:::ｉ:::::::::::.
/ｉ: /:: /ｉ::ｌ::: /ｉ::ｌヽｌ::丶:::ｌ::::::ﾊ:ｉ|::ｉ: ｉ:､::ｉ
!:|ｉ:ｉ::: ｉ:ｉ:ｌｌ:::/∧:!:::ｌ｀､:ヽ!:ｉ/:::ｉ:ハ!::ｌ::ｉｌ
::|l::|::::|:|::ｌ: '/　ヽ: l 　ｉ::::!:!ﾄ､:!::::ｉ:ヽ! ! |
::!:|:|::::!:!: !/ィ示ヽ:!　 !ﾊ /ヽ !ヽ:ｌｉ:ｉ:N:::!
::: |:|::::ヾ:::!｀ヽ::ﾉ_ '　/'　|!　.ィ､ｌ:!::|:!:: '　　　　そう。
､ｉ:|:Ⅳ:::ｉヽ!　　　　　　　!く:::ｿ ! !::::!' /
: ﾄ､!:! ヽ!　　　　　　　　 , ｀ ´ /|::,':/　　長い間、社会から離れているからね。
: !ｉ:N　　｀　　　　　　　ノ　　 /ｉ:!:'/
:､:!|ﾊ　　　　　_　　　　　　　/::!:/′　　　症状もいまは落ち着いているから、
小:!. ヽ　　　　　￣｀　　　'Ⅵ'
::::ﾘ. 　＼　　　｀　　　／　　　　　　　外出で、少しだけ違う空気を吸ってもらおう、と。
Ⅵ.　　　ヽ､　　　　 ´
｀　ー　 _　　 T　´
､　　　　　｀ー､
　｀　､　　　　　ｉ
. ､　　＼.　　ｌ
.､丶　　＼.　 !
　＼＼　　ヽｌ＼
　　ヽ　ヽ　　　| 　ヽ

172 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:17:38 ID:wK36UVLw

　　　　「その外出の話が僕に来たのは、
　　　　　　　　　　僕に同行してくれないか、と彼女が言っているかららしい」

　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　_,､ｒ'´:::‐､｀ヾ‐､｀丶、
　　　　　　　　　　　　／:::::l､:{⌒ヾヽ::ﾄ､:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　　 //!:::i:ｌ:!::ヾ､::::::ヾ::!｀ヽ:ヽ:::::ヽ
　　　　　　　　　　〃:!:l::::l!:ﾄ､::::liヽ､:::ﾘ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
　　　　　　　　　　 i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:､:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!　　　それでね、そのことを彼女に打診したんだけど、
　　　　　　　　　　ｌ!::!:!:iﾄ:::!:i:j/代トﾄ､ｌ:ﾊ::升ﾄ!:l::!:!lj
　　　　　　　　　　ｌi::l::N{:ヾVﾍ｢￣｀　lﾊｿｒ‐ﾃﾊ!:l/　　　　どうにも、外出するなら君と一緒がいいみたいなんだ。
　　　　　　　　　　　!:l!:ﾄ､ｌ::l{｀　　　　　 !　 j川/
　　　　　　　　　　　ヾﾄ辷N!　　　　　　‐ノ　　!:l/
　　　　　　　　　　　 Yｌ:ﾄ､　　ヾ＝＝r　　ﾉ/
　　　　　　　　　　　　　iN　＼.　　｀ニ′／}'
　　　　　　　　　　　　丨　　丶、　　／
　　　　　　　　　　ノ￣´"''‐ 、　｀¨´￤
　　　　　　　＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　 /「￣´　ヽヽ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　　 ∧=､､
　 |八＼　　　　＿_/　　　　　＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ ``=､､
　∥　＼ !　Ｖ´￣:::::/　　　　　　_,ノk>､｀Ｔ!::::::":::＼＿　　 ∥

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,ノヽ､,__　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（●)（● ）　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（_人___）　Ｕ　 |　　　　僕と、ですか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　 <二ニヽ　　　　　　　 |　　　　　　ですが、新人の僕だけで良いんでしょうか？
　　　　　　　　　　　　　／-‐ 　｀i ､＿__,.　イ i
　　　　　　　　　　　　 {/´､　　　 ',┐__＞ｰﾒ ┴ｭ
　　　　　　　　　　　　　　　　しrヽ　　　　V:::Λ　／ : : :＞、_
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.＜ﾊ､_／￣ V　∨ : : / : : : : :_＞-.､
　　　　　　　　　　　　「 : : : :〈 : : : : : : ヽ/ : : :/ : : : ／: : : : : `、
　　　　　　　　　　　　　　 /. : : : : ∧ : : : : : : :ヽ : : : : : :/ : : : : : : : : }
　　　　　　　　　　 / y : : : : : Λ : : : : : : : ＼ : : / : : : : : : : : : }
　　　　　　　　　　　 / : :.i : : : : : : Λ : : : : : : : : :ヽ:ﾉ／ : : : : : : : :j
　　　　　　　　　　　　　ﾉ. : : :| : : : : : : :.∧ : : : : : : : : : :ヽ : : : : : : : : :ｨ

173 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:18:04 ID:wK36UVLw

　　　「僕はそのこと自体は嬉しかったが、新人の自分に務まるものかと不安になる」

　　　　　「だが、結局、夜神医師に押し切られる形で、僕はその話を承諾していた」

　　　　!:/!:::::!::::::!::ヽ:ヽ{:::＼:::ヽ::::＼:::＼::ヽ:::::ヽ!::::}!::::l::li|
　　　　j/:::ｌ:::::!:､:::!::ﾄ､:､:ヽ:::::｀ヽ{､::::::＼::::＼{､:::::::::i::!::l:l !
　　　 l:i:ｌ::::i::i:､:l::lﾃ=-､:ヽ､_､::＼_,≧ｪｭ､_､＼:::::::::i::li::!::ﾘ
　　　　　!ﾊﾄ:{:!:ｉ:ﾄN{､ﾋ_ﾗﾍ､{　＞､{ 'ｲﾋ_ﾗ　》＼::l::!:ﾄ!!:l::l!　　　　なに、ランチでも食べてくるだけさ。
　　　　ヽ i､ヽ:ﾄ{､ヾ￣"´ l!＼　　　｀"￣"´　 |::!:l::! j:ll:!　　　　　そんなに気負わなくてもいいよ。
　　　　　　　 !::､::::i　　　　ｌ　　　　　　　　　 |:::/lj/l:!ﾘ
　　　　　　ヾﾄ､:!　　　　　　　　　　　　　　　ｊ!/ j|:::ﾘ
　　　　　　　　　　ヾ! 　　　ヽ　 ‐　　　　　 /ｲ´ｌﾊ/　　　　それに、槐さんのようなベテランが出払うより、
　　　　　　　　　　 }ﾄ.、　､　_＿＿ ,　　　 /'　!:://　　　　　　君のような新人が行ってくれた方が安心できるしね。
　　　　　　　　　ﾘl::l゛､　　　　　　　／　　|/:/
　　　　　　　　ｒｰ''"´ﾄ!::i{＼　　　　　／　　/　!:/
　　　　　　　　/ ^ヽ　　ヾ!　ヽ＿,,、'´　　 /　ｊ/

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼ -、_
　　　　　　　　　　　　　　 _,ノ　ヽ､__ 　 /　/ ,〉、
　　　　　　　　　　　　　　（＝）（＝）／　´／ /)
　　　　　　　　　　　（__人＿） {　　 , ' ´,/　　　　そういうことでしたら…お受けします。
　　　　　　　　　　　　　　'､`⌒ ´　 V　__, ＜´
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　〈´／::::Λ　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　 | 　　　ﾔ::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ V::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ , -.／V::::::::::::::Λ、
　　　　　　　　　　 _,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
　　　　　　　　　　／/.／.:::/:::l　y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
　　　　　　　　　 j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
　　　　　　　　　i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
　　　　　　　ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
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174 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:18:33 ID:wK36UVLw

　　　　「僕が承諾したのは、夜神医師の言葉が嬉しかったからかもしれない」

　　　　　「彼女が快方に向かっているということが、僕は嬉しいのだ」

　　　　　　　　, ‐ ´. .::::::::::::::::::::::::｀ ‐ 、
.　　　　　　／/ . : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.、
　　　　　／. :/::::::::::::::::::::::::::::::::: i::::::::: : ＼::＼
.　　　 //. :/::::::::::::ｉ :::::::::::::::::://:::::::::::::＼:＼::＼
　　　 //::::::ｌ:::::::/:/{ :::::/:::::::://:/::::!::::ｌ:::::::ﾄ:::::ヽ::::.
.　　　ｌ:l::::::/|:::::ﾊ/∧:V:::/:::/::::/::::/:::/::::::/::ﾍ::::l::::ﾊ
.　　 |:l:::::::::|:::::|::!::::∧:V:::/::::/::::/:::/::::::/|::::::|::::|::|.!|
.　　 |:ｌ:: |: :|:::::l::|::/:::ﾍ::V::／／/:/ ::／:::|:: /!:: | l ||
　　　ｌ::::l:::::ﾊ:::|∠:ィ７:::Y:／::イ::z≦ィ:::/::/::ﾊ/:ﾘ |!
.　　　ｌ::|:::::小:Π:/l/-=彡１ /艾ｧﾃ｀ｼ_:ｨｆﾁ::/:/　　　彼女はもう、長い間この病院に居るからね。
　　　　V::ｌ: :!::l:|い小/|:ハl:|/　　｀´　　｛ }ノ´
　　　　 Ⅵ: ｌ:::::｀爪|　　　　　　　　　　　　〈　　　　　　これからは少しずつ、社会に慣れてもらう。
　　　　 }:!: |::|:::l::|　＼　　　　　　 ‐ _ノ　　　　　　　僕たちはその手伝いをしようか。
　　　　ぃ::|::|:::l::|　　丶　　　　__,　，／
　　　　　 |:∧l＼:{　　　　＼　　　 /
　　　　　ｌ′丶　ヽ　　　　　ト､＿,ノ
　　　／　　　　　　　　　 ,′
.　／＼.＿＿＿＿　　　人_
／　　｀－――‐‐- ､｀ ‐ 、　＞､ｘ‐ ､
　　　　　　＼　　｀ヽヽ、　 | | 　＼
　　　　　　　　　＼　　　　＼ ` ┘!　＼＼

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　⌒´　 ⌒
.　　　　　　　　　　｜　　( ⌒) (.⌒)　　　　…はい！
　　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）
　　　　　　　　　 |　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　j､_ 　　　　　|
　　　　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r＜
　　　　　　　／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ
　　　　　　　　/ .:::/.:.:.: : : : : : : :.:.::..＼
　　　　　　 ,' .::::/.:.: : : : : : :.／ ⌒ 、ヽ
　　　　　　 i .::.::.::.:. : : : : :　.:.:.:.:.:::::...ヽ:.',
　　　　　　　 i ::::.::.::.::.:.: : :/ .:.:.:.:.:.:.:.::::::: }::
　　　　　　　 i ::::::.::.::.:.:.:.:/ .:.:.:.:.::::::::::::: ,.:: i
　　　　　　　 ', :::::::::::::::く .::::::::::::::::／:::〈:::: |
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175 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:19:00 ID:wK36UVLw

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　　　「外出の日がくると、僕と彼女はナース・ステーションに向かった」

　　　　　「そして、事務的な書類に署名を済ませ、準備をする」

　　　　　　　　　　　　　　　 ,;'´￣｀
　　　　　　　　　　　　　　ノﾉ
　　　　　　　　　　　　　　( ｛_　 __＿＿___
　　　　　　　　　　　　　　＞ヾ'´ヽ　∠　｀＞､
　　　　　　　　　　　　　／　,　ｒ'　　i　ヽ　ヽ　､ヽ
　　　　　　　　　　　　/　　/　 !　　 !　　｀:､ヾ､　 Y　,
　　　　　　　　　　　　l 　ﾉ　 /　　 j　 i　　　｀＼ ∨
　　　　　　　　　　　　i　'　　/　　〃, 从　｀､. 　　|
　　　　　　　　　　　ﾉ　,　从 ,　 /　 / ヾ　　　ﾐK.j__,　　　　よし、じゃあ、この書類にサインをしてね。
　　　　　　　　 -=彡i' ;　 Yi|-ﾐ､ |　ノ　 _,>､　　 ≦,
　　　　　　　　　　人　　iｾ芸ｻヾ'　 z芸ァ jヾｚ＿彡'　　　　薔薇水晶さん、ちゃんと時間通りに帰って来るんだよ。
　　　　　　　　　　　　　ヾ从　　　 |　　　　ノ,ｿ j
　　　　　　　　　　　　　　ﾚﾍ.　　　 j ､　　　从ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　-　-　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　>.､　　　,ｲ-､
　　　　　　　　　　　　　　　／j:{　ー 'ﾞ　.!:::}:ヽ
　　　　　　　　　　　　　 , イ .: i:j　　　　,　ヽj : i:.､
　　　　　　　　　　　＞'´: /.: :: :{_　　　ﾉ　 /. : :{: :＞,､_
　　　　　　,. : :´ ￣i//|: /.: :: :: : .ヽ､　,-/ .: :: :∨: :i//}｀ー-､
　　　　.／.: :: :: :: :: |/,;!: !.: :: ;:ヘ:: :} 　〃'｀ヽ. : :{: : |//!:: :: :: :｀::.､
　　　 i.: :: :: :: :: :: ::|/.j.ﾉ.:／.: :: :ヽ:､　/{´.: :: .＼:∨.j//!:: :: :: :: :: .∨

　　　　＿＿　 rz､　_ - ―- ― - ．f:izｨ―‐z
　　　　`ヽメ＼|ﾏィ ´　　　_ 　ｰ -　彡≦三←､
　　　　 ≫三イミ=　　￣　　　　　、ヾ. ＼
　　　／／¨7 　　 /　 ,　　 l| 　 l}　　',　',＼＼
　　／／　　}　　　 ,'　 /　l|　l|`ﾄ､l|　l　l}　'.　＼＼
　／／　　　 |　　.: |　｜斗也.　l `ﾒ≧トl　l|　　＼＼
／／　　　　 ,′　.:　|　代 { ﾘヾ､j/{:fﾖz:ﾊ/l′　　＼＼　　　…はい。
＼{ヽ　　　/　　.: 　j　 lﾍ￣　 "　ゞ=ﾁ　|　　　　　　ﾑｲ
　＼＼　./　　.:　　Ⅵ.::ゝ　　　 ′　ﾒ　 |　　　　　／ノ　　　分かり…ました…。
　　＼＼'　　.:　　 ,rzⅦ､　　－　ィ　　 !　　　／／
　　　＼＼.::　　（ iゝ‐ｚ＞ｘ　イ　|:. 　ﾍ　／／＿_
　　　 ./__＼＼　　〉￣ﾄ　辷ﾗ七彡 :!::.. 　ﾊ　￣￣７ /
　　　ハ￣￣￣`ｰ"-: :ヽﾆユ辷ﾗｿ､．-―ｚ､ﾊ　　 / /
　　 ,'{／￣`Ｙ: : : : : : : : : : : : ゝ:Yr=x: : : : : ﾑ '. 　./ /
.　 /く＿ : : └──z: : : : : : : : :《ｨ泌>: : : : ヾ､ﾊ / /
.／　 .〉: ＼: : : : : : :∧: : : : : : : :.ゞXｲ: : : /￣: ｽ　〈
　　 .: ＼: : `ｰ─: : :.ノ＞─～ｰ､＿: 〉ｰく: : ／:ノ＼＼
　 ..::　ム: : : : : : :イ／: : : : : : : : : :￣）: :ヽ: : く　:. ＼＼
　.::　 .:　〉: : : : : : :|′:ヽ: : : : : : :_:._ノ､:_:_ﾉ!: : :ﾍ.　:. 　＼＼

176 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:19:51 ID:wK36UVLw

　　　「僕は院内のことを槐さんに任せ、
　　　　　　槐さんは僕に彼女のことを任せてくれた」

　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　／　　　⌒　⌒
.　　　　　　　｜　　 ( ⌒) (⌒)
　　　　　　｜　　　（___人__）　　　じゃあ、すみません。
　　　　　　　　　 |　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　 |　　　　　　　|　　　　　院内の方をお願いします。
　　　　　　　　人､　　　　　 |
　　　　　　　_,イ　ﾄ､ヽ、 __ ,_ ノ
　,.　-─‐-´ 　 l　　ヽ,＼__､_ﾉ7
/´　　　　　　　 :i 　　ハﾍ､;;ヽト、
. : .　　　　　　　　:i　　　ﾊ〉:.;〈ヽ＼､_
, : : . ＼　　　　　　:L_＿　 v;;;;ﾍ ' ,＜. ヽ
. : : : .　ヽ: .　　　　　く　　　'';;;;;ﾍ l　｀l　｀-、
!: :　　　　、: : : : 　　　ヽ　　'';;;;ﾍi 　 i　　r i
　.´: : : .　 ' : : :　　　　　＼　 '';;;::|　 ,|　__| |
: : : : .　　.γイ: .　　　　　　 ' .,　 ':;;:|　 l、__j.|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿__
　　　　　　　　　　　　 _　-―――――-＜￣} }!
　　　　　　　　　　　 ´　　　　　 -――７　く.７./-､
　　　　　　 ,　 ´　　　　　￣　　,. -―/　　　Ｙ´ ＼＼
　　　　　 /　　　　　,　　　,　イ　　 /　　　　　　　ヽ.｀　､＿.ノ
　　　　　/ 　　　 ,／　　／　,/ 　　 { 　 {　　　　　　　＼￣
　　　　 /　　　　/ 　　　　,ﾉ　　　 }　　ﾊ　 }　　　　　、ヽ.
　　　　 |! 　　 /　　　　_.／ ,ｨ /　/　　　}　 !　　　　　ヽ.}ヽ、
　　　　 |　　　/　　　｀才　 /:/　,　　　/　/　　　　ヽ. 　ヽ.　}
　　　 {　　/　　､　.＿__.／ /　/ ,.　__/　ハ　　ハ　 }!　i {
.　　　　Ｙ　/　　　｀　.ナｰ-r七´ /／７ :/二.!_/}!　}　ハﾊ!
　　　　　| /　,　-―　〈 /　 {!　 ,ｲ | ／ ´tﾃ::ナ}ﾉ ./　/　ﾘﾉ　　　あぁ、やらない夫くんもよろしくお願いするよ。
　　　,イ⌒Y´￣￣　　ハヽ (ヽ. i ヾ､_　　￣ノイ}／
　　〈　　　人　　――-　ヽゝxくヽ、　　　　　　　∨　　　　　　　　　　なにかあったら、すぐに連絡してくれると嬉しい。
　　 }!　　∧_ ヽ. ,ｘxzrく⌒´ヽ!　　　　　　　／
　　八　{〈　 ,.イ}　　｀　　　 {　　　　 , 　 _ '´
　　　 }ハﾘ　{´　i　　　　　　　ヽ　　　　　　 /
　　ノ'　 }! 　ヽ/　　　　　　　　{ヽ.　＿＿_/
　　　　＿∠__＿＿＿　　　ヽ.
　　　　　/: : : : : : : : : : : : ￣￣￣＼
　　　　入＿＿＿＿＿＿　　　＿厶、
　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣￣:.:.:.:.:.:.:＼

177 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:20:22 ID:wK36UVLw

　　　「そうして、僕たちは槐さんに向かって挨拶をする」

　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　／　　ヽ_　　＼
　　　　　　　|　　　（⌒ ）（⌒）
　　　　　　.　|　　　　（__人__）　　　それじゃあ、行ってきます。
　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　.　 |　　　　　　　 }
　　　　　　.　ヽ　　　　　　 }
　　　　　　　　ヽ　　　　　ノ
　　　　　　_,,,,ノ|､￣／/／/ ＼、
　　_,,..r''''"/　|　＼`'／　 /　 | ￣`''ｰ-､
　 / 　　 /　 |　／＼　 / ／　　　/　ヽ
　ﾉ　|　　＞　|／）::::/＼/　＼　　ノ　／}
　{ 　 |　{　　 | ,r":::ヽ　/ 　 /　　/　// ハ

　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､ﾄ､,ｨ
　　　　　　　　　　　　　　 |ヽ!y´l
　　　　　　　　　＜二二二＼!j/-―‐-- ､,_
　　　　　　　　　 ,､ｨ'´,ｨ'´／ /　　　　　　　｀`ヽ､
　　　　　　　,､ｨｸ".／/.／|.／　 i　　　　　　　　　｀ヽ､ﾄ,ｲﾉ!_
　　　　　／／　./　.'´　 ´　　　|　|　　|　　　　　　　ヾ´_ノﾆﾆゝ
　　　　／／　 /　　　　　　 l　 l　l　　.|　　 |　　　　　ヽﾄ､
　　／／　　 /　　　　　　　 |　.l .ll　　.ll　 i .|!　　　　　　ヽ＼
　 /　/ 　　./ 　　　　 i　　|　 i! l l　l.l.l　l! l l　 l　.|　.i　　i!ﾄ､ゝ
. 〈　〈＿.　 /　　　　　　 |　　|!　l!ll　ヽ! ヽ ll lヽ　.l　.l　 l　　 lヽヽ　　　　行って…きます。
　ゝ―､｀十‐-､　　　　 l　　 l!　l `ﾔ又ｮｭi! i! ヽ l（( l　 l　　 l.　＼＼
　　　　￣`ｰ､　〉　　　 l　　.l l　|　ゞﾋ.i.ﾝ`　　ヽ!.)）.　l i　ﾄ､!.　　＼＼
　　　　 /　／／　　　　l　.// l　l　　　`´　　　ﾄｲ`fﾍ,//! / .|　　　　ヽヽ
.　　　 /／／　　　　　　 // ./ /　　　　　　　　ﾚ弋ﾝ"/ .|/　　　　　　.j j!
　　,ｨ=´ｨ'´　　　　　　.／/`j//　　　　　　 ´ 　ﾄゞ"´ 　./ 　　　　　 l .l
.r‐〈〈――---､　　／`ｰ､.//ヽ,　　　｀'　　　（(!　|　　 .|　　　　　　　./ /
.|: : ﾍ.V: :_,ｨ-､: :`ヽ: : : : ://:ﾉ: ｲｰ､ _　,　＜´　))　l　　　l　　　　　／／
..l: : : 〉〉: : : : ゝ_,,､:`､: :.://: `´｀´:ヽ´｀ｨ--.､,_　　 | .l　　　l 　 __,､-'´ｨ´
. l: :.//: : : : : : : : :`ｰ､:.//: :rﾆﾄｲﾄ､: '´: : : : :r'￣`!l　l　　　l　￣￣ヽヽ
　l://: : : : : : : :: : : :.:ﾉ//: : .ﾄ从ﾝﾘ: : : : :.r-'´: : :ﾘ l　i!.　　 l　　　　　ヽヽ
　//: : : : : : : : : : : :.､//: : : :`ヾｲ": : : :.,ｨ': : : : :.ﾉ　l .l.l.　　 l　　　　　ヽヽ

178 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:20:53 ID:wK36UVLw

　　　　「槐さんはそれに笑顔で応えてくれる」

　　　　　　「後押しをしてくれる人が居るというのは、とても心強いものだ」

　　　　　　　　　　＼　 _ ＿＿ _ _
　　　　　　 ,　 -‐ ,．'"´ 　　　　　､`ヽ､
　　　　　／　　/　　　i　　　　ﾘヽ､　　＼
　　　　　　　　/　　　.:ﾚ′ 　 j　　i !.:. 　　i
　　　　　　　 l　　　.:/　　 , /　 i .::|:::.:l　　|
　　　　　　　ﾉ　　　 ,.ｨｲ.:::/　　.::l.:|:|::::::|:::.　ﾄ､
　　　　　彳　　,ｨｲ 1:|::,'　 .:;ｨｲハi::::::|::.:.:.ヽ|
　　　　　　　|.:.:|, ｲ‐ﾘ-ﾄﾄ､::.;ｨｲ仁＝ト-ヾ::::.:.:.ﾄ､　　――行ってらっしゃい。
　　　　　　　ﾄ､:i　{　r＝ヽ l/　'r＝ヽ　.:!.:ﾄ､:;!/
　　　　　　　ヾ::､　　　　,　　　　　　　 !/::／
　　　　　　　　　仆　　　:j ､　　　　　　ｲ:/
　　　　　　　　　 `､　　＿__　　　　　/i,ハ
　　　　　　　　　　　　ヽ　ヽｰ┘　　／ .|;;;:;:|
　　　　　　　　　　　　　`ﾄ､＿__ ／　　 !;;:/､
　　　　　　　　　　　 /.::::|　ヽ　　 /　　 l::::.:.L
　　　　　　　　　　, .イ .:.::::|　　　 ,/　　／.:.:::,! ｀`i::.､
　　　　_,,､-r‐イ　　1 .:.:.:::|　　　　／　 .:::/　　 |:::::.lｰ- ､
　　　／　_,, |:::::|　　 |／^ヽL_　　_ノ／＼/　　　 |::::::|　　｀`'' ､
　　/ ,r'´ 　 |:::::|　　　　　 /ヽ　　/　l　　　　　　 |::::::|｀¨`ー-､ヽ
　,/ /　　　,j:::::|　　　　　＼l　 / ／　　　　　　　 |::::::|　　　　ヽ|
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179 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:21:21 ID:wK36UVLw

　　「だが、ナース･ステーションを出た彼女の様子は、普段と少し異なっていた」

　　　　「僕はひさしぶりの外出が怖いのだと思い、彼女に聞いてみる」

　　　　　　 ,.　＜,ｨ　/／､､＿＿　　　　　　　　　　　　〃/ |＼
　　　,. ＜　　／/ //　　｀==ニ二´　　　　　　｀二ニ==彳/　仆､＼
　∠ ＿＿_／　/ /,′　　　　　　　　　　ｌ　　　　　 |l /l　|　＼〉
／　　　　　　厶∨　　　 |　　　 l　｜　　 |　l|　、 | 　 |/ l| ∧　ヽ＼
　　　　　　　　/　l　,　　 l　　　　|　　|　　　　l　 |　 |　|　　l　l　l |ヽ.　＼＼
　　　　　　 /　 | /　　　| , |　｀ヽ、　|　　　　ｌ　ｌ　 |　| 　 |　| ｌ| l　|　　　＼＼　　　……。
.　　　　　 /　　| |l　| ｌ　| | l　　 |l ＼!　　　　|　 l　 |　| 　 !　| ｌ| l　|　　　ヽヽ
　　　　　 /　 /｜|l　| |l ｌ l |　_j.Lゝ‐|＼　　ﾊ ∧ /　l　 /　,　j |l/|　　　　　ｌ　|
‐-　､　　/　 /　 | ﾄ､ | ｌ斗七i !| 」{ ｜l　＼/ 厶斗‐メ､/!l / / /　{　　　　　｜ |
￣ヽ冫, ′, ′　ヽ!　Ｎト|ｨ=＝弐ゞ、　ﾍ　ﾘr￢〒ryfz-{ |/ﾚﾍ j　　＼　　　ｌ　|
　／／　, 　　　/　　ﾚ∧ ヽ {Ч;;'j}　　 ∨ Ｖﾍ｛(f卮}_）〉ト､　　　ヽ　ヽ、　/ /
´／　／　　　 ,′　八rﾍ.　ゞニ-　　　　　　∨ ゞﾐYｼ／ハ !｀丶、　＼　 ∨ /
　　／　　　　 /　　/＞､_〉　　　　　　　　　　｀ｰ…く　/_／ヽ、　＼　＼　｀ヽ、
　'′　　　　 /　　/　,　　 ∧　　　　　 i　　　　､＿ﾉ/´ヽ　　｀、　｀､　丶　 l
　　＿＿_　/　　/　,′　 / rへ、　　　　-　-　　　／〉　ｌ|　　　l　　　丶　　}　 |
￣: : : : : :.:￣｀丶､/　　 / /しﾍこ＞､　　　　　r～'⌒r勹ｌ|　　 l|　　　　 / 　 |
: : : : : : : : : : : : : : ＼　/　＼: : : : : : : ＞‐＜/⌒Y´: :／　 | 　　 |　　　　〈　　∧

　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　_ノ　ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　（●）（● ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　　 |　　　　…大丈夫？
　　　　　　　　　　　　　 '､｀⌒ ´　　U　|
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |　　　　　　…怖いのかな？
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 {
　　　　　　　　　　　　　　　ヽr｀ｰ- -=´　i､
　　　　　　　　　　　　 __,. ＜.ﾑ-　、､___,／ヽ__
　　　　　　　　_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ　 ∧::〈ヽi :、ヽ、
　　　　　　　/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨　|:Λ | : :､ : ＞、
　　　　　　丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :.∧__|::∨＼､: : : : :.｀,
　　　　　　i : : : : : : : :| : : : : : :＼／￣ ∨ 　 /;;ヽ : : : :,i
　　　　 i : : : : : : : :! : : : : : : :/　´￣ヽ_V /;;/;;;;;ヽ : i∧
　　　　　/: : : : : : : : :| : : : : : :/　　 ´￣V /;;/;(￣＼ :|: ﾊ
　　　　,' : : : : : : : : :丿 : : : : /　　　　´￣y;/;;;(￣＼ V: :ﾊ

180 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:21:54 ID:wK36UVLw

　　「彼女はそんな僕の問いを、肯定した」

　　　「それはそうだろうと思いながら、僕は無理をしないようにと伝える」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿_＿__
　　　　　　　　　　__,,　-‐‐-rty-=´─=＝　　｀ﾐ､
　　　　　　　　　　　｀ ‐=-‐戈ﾉ /／　　　　　　　｀＼ __
　　　　　　　　　　　／_,,／!　///　　　　　　　　　　　ヽ{}ﾄ､
　　　　　　　　 ´´　/./| ///!.　 /　 ! /　　 l | !　　ﾞiヾ､ゝ
　　　　　　　　　　　　 |/　'/i l i　 /!　 | l !　　 | | .!　　l　ﾄ､|
　　　　　　　　　　　／／ .| | !:　i !　 | ﾒ、!　　i l　!　　! l i ｀　　　　少し…怖いです…。
　　　　　　　　　　／イ　　 ! |l:　 ! l ,　i j. ! i ,-､!/ /　 / i .!
.　　　　　　　　／／ /　　 .i| ! !!‐i土iﾆ|´!　l ､《/レ‐-/　//
　　　　　　／／　 /　　　/| !ii l|T::｡Tヾ　 i メrゞ=;;〈/ /〈
.　　　　／／　　/　　　/ l |〉i i .ゞ‐'　　　' 《〈トＫ》 / X ヽ
　　　 /／　　　 ./　　　/　i |;ゝ　　　　　 ,　ヾYイ　 '　!｀ﾄ､＼
　　　i {　　　　/　　　/　 ,' |',　｀‐-,　　‐ -　,／l|　　　.|　!　｀‐｀: ､
　　　l ヽ　　　/　　　/　 /　!ゞ､ヽ |｀ト ..　イゝ　!__,,＿」-+t_,, -‐二ゝ
　　　ヽ　ヽ､/　　 _.ム‐/　/"　＼__,,へﾍ-イ-‐"　　　　　/ヽ-‐"
　　　　＼　＼,-'　　｀‐- '　　　　<ｨ泌>.〉　　-‐--,-,.／.　 iﾍ
　　　　 / 丶　ゞヽ､ _,,-､　　　　　｀ゞXノ'　　_　／|｀'　　　　} ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r ´二ニフ、
　　　　　　　　　　　　　　　 _ 　　/　 '´,. 二ノ⌒
　　　　　　　　　＿＿_.-‐'´ `-i/　　γ_)⌒）（⌒)
　　　　_,.＜￣￣　　 : : : : : : : : l　　 r/´（___人__）　　　無理はしなくていいよ。
　 _,.＜　　　　 : : : : : : : : : : : : :l l__ノ　　｀ ⌒´ﾉ
　l,,　　　　 : : : : : : : : : : : : : : :ﾉﾉ　|　　　　　　　|　　　　怖かったら、戻ってもいいんだから。
　l; : : : : : : : : : : :-─＜二二´　　ﾄ　　　　　　 |
　＼ : : :￣`'''''´ノ : : : :l`-, : :`-＜ヽヽ,　-ｰｰr´
　　　＼ : : : : :'´ : : : : : l : :l :＼`-‐ヽ　ゝ--< lヽ、
　　　　　＼ : : : : : : : : : : : l : : :＜ : : :∨∧::〈ヽ: :､>＞、
　　　　　　　`‐,_ : : : : : : : :l : : : : :ヽ : : ∨ |:Λ | : :ヽ : : :ト-､
　　　　　　　　　 `-, : : : : :l : : : : : : ＼ : :ヽ|:::::| l : : :/ : : : : : ,
　　　　　　　　　　　＼ : :ノ: : : : : : : : : ＼ : .､:::|,| : / : : : :l.: : {
　　　　　　　　　　　　 V: : : : : : : : : : : : : :ヽ: ',::ｌl: / : : : : :l : ∧
　　　　　　　　　　　　　V: : : : : : : : : : : : : : :ヽ:V : : : : : : :l : :.∧

181 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:22:31 ID:wK36UVLw

　　　「しかし、彼女は僕の提案には頷かなかった」

　　　　「そして、小さな声で呟くのだ」

　　　　　　　　　．-― ,. - ―- ､
　　 _＿_rf:!z, ´　　　　　　　　　　｀yf:!勾､
　≦三才ゞｲ　　　　　　　　　　　　弋乏ｿ三三≫
　≪二ll二》　　/　 ′　 }　ヽ　　 ' 彡V＼＼
. ／／/／./　/ 　 {　　　|　 |　　　', 　＼|＼ヽ
/ /　 " |　!　 ! .:| .:ﾄ､　　ﾊ:. |:. }　　|　　　|　ヽ＼　　　　…行く。
　′　　ｌ　l .:十士十 `メ十士十　ﾘ　　　|　　＼ヽ
/　　　八N从テ气ゝﾉ∨《く刋:7Ⅳ　　　.|　　　　＼＼
　　　 /　 .:∧ 込ｿ　　　ヾゝﾚ:/ノﾊ　　　 |　　　　　＼＼　　　　ただ…
.　　 / 　.:　ﾊ　　　　′　 `¨メ辷ｿ　　　.|　　　　　　　＼＼
　　/ 　.:　 / .:ゝ、　 ‐‐　u　 /::ｉ::::::.　　八　　　　　　　ﾑｲ
.　/ 　.:　 / .: .:∠＞ .._　　ィ7不>:::::..　　　＼　　　　　/／
　′r―-､ .: .:入≒ｚ､≦丕一'7::::::::::.._ -――z､　　　//
/ r{￣: : : :｀￣￣` 不Ｙ¨￣’: :￣｀￣: : : :_:_:√｝＼. //
　{ ゝ､:_:_: : : : : : : :f{泌} : : : : : : :_:_:_: : :／: : : : :7　/X
. ﾊ: : :`ーｖ_:_:_: ;ィ´￣く: : : : : ／: : ｀￣ : : : : : /　// ﾊ
　.:}=-: ／: : : : :ゝヽ_ノ｛`ー''": : : : : : : : : : : : /　 { ゝ　l
三》‐ 7: : : : : : : :｀￣ヾ: : : : : : : :>‐: : : :＝=く＿　＼＼!
　/: : :{: : : : : : : : : : : : :＼ : : : : : :}:才: : : ∧＼l三≫＼＼
./: : : :ヽ: : : : : : : : : : : : : :} : : : : :ﾘ : : : : / /＼,!￣　　 |＼＼

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　 -｀　⌒　ヽ､_　　　＼
　　　　　　　　　　 ´ 　 ●）(● ）　　　 |
　　　　　　　　　　（_人＿)　　　　｜　　　　　…ただ？
　　　　　　　　　　　　 '､　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　 | ､　　　　　.ｨﾊ､_
　　　　　　　　　　　　　　　 ≧ｭ─ｰ ´　／.......ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／/Y:::ﾊ､￣／...:::::::::::...＞、
　　　　　　　　　　 ,.＜..::/:r〉:::li　`y .:::::::/::::::::::::::::::..ヽ、
　　　　　　　　　　　/.::::::::/:::｛,'::::|i　 / .:::::::/::::::::::::::::::::::::::∧
　　　　　　　　　　 j ::::::::::> :.{::::::l　/ .:::＜:::::::::::::/..::::::::::::::Λ
　　　　　　　　　　　i :::、:::〈 :::i::::::ﾚ .:::::::／::::::::::i:::::::::::::::::::::::::}
　　　　　　　　　ｉ :::Λ::::', ::i:::::/ .::／::::::::::::::V..::::::::::::::::::::ｲ',
　　　　　　　　　 | :::::Λ:::::', :i::/ .::::::::::::::::::::::V..:::::::::::::::::::::ﾊ:

182 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:22:53 ID:wK36UVLw

　　「――置いていかないで、と」

　　　　　　 ,.　＜,ｨ　/／､､＿＿　　　　　　　　　　　　〃/ |＼
　　　,. ＜　　／/ //　　｀==ニ二´　　　　　　｀二ニ==彳/　仆､＼
　∠ ＿＿_／　/ /,′　　　　　　　　　　ｌ　　　　　 |l /l　|　＼〉
／　　　　　　厶∨　　　 |　　　 l　｜　　 |　l|　、 | 　 |/ l| ∧　ヽ＼　　　　　頑張るから…
　　　　　　　　/　l　,　　 l　　　　|　　|　　　　l　 |　 |　|　　l　l　l |ヽ.　＼＼
　　　　　　 /　 | /　　　| , |　｀ヽ、　|　　　　ｌ　ｌ　 |　| 　 |　| ｌ| l　|　　　＼＼　　　　…おいて…いかないでね…
.　　　　　 /　　| |l　| ｌ　| | l　　 |l ＼!　　　　|　 l　 |　| 　 !　| ｌ| l　|　　　ヽヽ
　　　　　 /　 /｜|l　| |l ｌ l |　_j.Lゝ‐|＼　　ﾊ ∧ /　l　 /　,　j |l/|　　　　　ｌ　|　　　　　やらない夫さん…
‐-　､　　/　 /　 | ﾄ､ | ｌ斗七i !| 」{ ｜l　＼/ 厶斗‐メ､/!l / / /　{　　　　　｜ |
￣ヽ冫, ′, ′　ヽ!　Ｎト|ｨ=＝弐ゞ、　ﾍ　ﾘr￢〒ryfz-{ |/ﾚﾍ j　　＼　　　ｌ　|
　／／　, 　　　/　　ﾚ∧ ヽ {Ч;;'j}　　 ∨ Ｖﾍ｛(f卮}_）〉ト､　　　ヽ　ヽ、　/ /
´／　／　　　 ,′　八rﾍ.　ゞニ-　　　　　　∨ ゞﾐYｼ／ハ !｀丶、　＼　 ∨ /
　　／　　　　 /　　/＞､_〉　　　　　　　　　　｀ｰ…く　/_／ヽ、　＼　＼　｀ヽ、
　'′　　　　 /　　/　,　　 ∧　　　　　　 '　　　　､＿ﾉ/´ヽ　　｀、　｀､　丶　 l
　　＿＿_　/　　/　,′　 / rへ　　　　rｰ-―ｭ　　　／〉　ｌ|　　　l　　　丶　　}　 |
￣: : : : : :.:￣｀丶､/　　 / /しﾍこ＞､｀￣￣　r～'⌒r勹ｌ|　　 l|　　　　 / 　 |
: : : : : : : : : : : : : : ＼　/　＼: : : : : : : ＞‐＜/⌒Y´: :／　 | 　　 |　　　　〈　　∧

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　／_ノ　｀⌒　＼
　　　　　　　　　 _　　　　　　　| （● ) （⌒ ）　.|
　　　　　　　　　 |　!　　　　　　　　|　（__人___）　　|　　　　…大丈夫。
　　　　　　　　｜ !　　　　　　　　|　｀ ⌒ ´　　　.|
　　　　　　　　　 |　!　　 ,.-,　　　　|　　　　　　　　 |　　　　　頑張れなくても置いて行きやしないよ。
　　　　　　　　 _,ﾉ ┴、/ ,/ 　　　ヽ　　　　　　　r
　　　　　　　　　 r　`二ヽ） i　　　　　　ヽ _ ､___, 　ﾄ
　　　　　　　　 |　ー、〉 /　　　　 _,,,,ﾉr　 `　　／i＼,,,,_
　　　　　　　 |　　r_,j　j__,,.. r''''"/::;|　＼`'／　 ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
　　　　　　　 | 　）　ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;|　／＼　　/::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
　　　　　　　　ﾉﾆ-､　,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
　　　　　　　√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;|　 "::く　/:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
　　　　 /..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;|　|:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }

　　　　　「その言葉は、とても哀しい響きをしていた」

183 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:23:20 ID:wK36UVLw

　　「僕は彼女が困らないようにおどけてみせる」

　　　　「本当は、僕もまた、胸が痛かったのに」

　　　　＿＿　 rz､　_ - ―- ― - ．f:izｨ―‐z
　　　　`ヽメ＼|ﾏィ ´　　　_ 　ｰ -　彡≦三←､
　　　　 ≫三イミ=　　￣　　　　　、ヾ. ＼
　　　／／¨7 　　 /　 ,　　 l| 　 l}　　',　',＼＼
　　／／　　}　　　 ,'　 /　l|　l|`ﾄ､l|　l　l}　'.　＼＼
　／／　　　 |　　.: |　卞二士{　l `ﾒ士ｾl　l|　　＼＼
／／　　　　 ,′　.:　|　代 { ﾘヾ､j/{:fﾖz:ﾊ/l′　　＼＼
＼{ヽ　　　/　　.: 　j　 lﾍ￣　 "　ゞ=ﾁ　|　　　　　　ﾑｲ　　　…ほんとに？
　＼＼　./　　.:　　Ⅵ.::ゝ　　　 ′　ﾒ　 |　　　　　／ノ
　　＼＼'　　.:　　 ,rzⅦ､　　－　ィ　　 !　　　／／
　　　＼＼.::　　（ iゝ‐ｚ＞ｘ　イ　|:. 　ﾍ　／／＿_
　　　 ./__＼＼　　〉￣ﾄ　辷ﾗ七彡 :!::.. 　ﾊ　￣￣７ /
　　　ハ￣￣￣`ｰ"-: :ヽﾆユ辷ﾗｿ､．-―ｚ､ﾊ　　 / /
　　 ,'{／￣`Ｙ: : : : : : : : : : : : ゝ:Yr=x: : : : : ﾑ '. 　./ /
.　 /く＿ : : └──z: : : : : : : : :《ｨ泌>: : : : ヾ､ﾊ / /
.／　 .〉: ＼: : : : : : :∧: : : : : : : :.ゞXｲ: : : /￣: ｽ　〈
　　 .: ＼: : `ｰ─: : :.ノ＞─～ｰ､＿: 〉ｰく: : ／:ノ＼＼
　 ..::　ム: : : : : : :イ／: : : : : : : : : :￣）: :ヽ: : く　:. ＼＼
　.::　 .:　〉: : : : : : :|′:ヽ: : : : : : :_:._ノ､:_:_ﾉ!: : :ﾍ.　:. 　＼＼

　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　 _,.ノ　ヽ､_
　　　　　　　　　　｜　　 ( ○) (○）
　　　　　　　　　　　｜ U　　（___人__）　　　　　えー、そこで疑われたら寂しいだろ。
　　　　　　　　　　　 .|　　　　　　　__ﾉ__
　　　　　　　　　　　　|　　　　 _／ ___＼ヽ_　　　　ほんとのほんと！
　　　　　　　　　人､　　'-／____ ヽ　 |
　　　　　　　 _,／(　ヽ､　 __'-〈、ヽ　　|
　　　_, ､ -― ''" :l : :.＼　ヽ,､.ﾞ,/ヽﾉ}　　　ﾄ､
　　/. : : : : : : : : : :|＿: :.ヽ､ ∧:::〈ヽﾄ{　　　〈j)、
　丿: : : : : : : : : : : : ／: : :.∨ |:::::', |: ゞニﾆ彡〉,
. i : : : : : : : : |: : : : : ＼ : : : `､|::::::|,|:〈: : : : : : : ∧
/. : : : : : : : : !: : : : : : : ＼ : : :.'､:::::| : 〈: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : ＼: : :'.,:::|: ;∧: : : : : : : ∧
: : : : : : : : : 丿: : : : : : : : : : :.＼: :V:./-∧: : : : : : : : v
: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : ﾚ : : : ∧: : : : : : : :}

184 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:23:45 ID:wK36UVLw

　　「そんな僕を見て、彼女は小さく笑ってくれた」

　　　　「もしかすると、僕の痛みを彼女もまた、感じているのかもしれない」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　, r ‐ -r '´ ￣ヽ<穀ヾヽ
　　　　　　　　　　 /~〈穀}Y´￣　　　　　　　　ゞ-ﾉ三ニ＝=－ -ｩ
　　　　　　_-=＝ニ三ﾌ　　　　　　　　　　　　ヾ　彡 ≦ミ三≧ヘ､
　　　　／:::::／:;ィ7／　　　 ′　　　　　､　　　丶　ﾄ､ヘ　｀￣´
　　　　￣フ::／ l ",　 /　 ,, 　i　　 l　　 }　　l|　ヾヽl＼ヽ
　　　　　 /／　 ,' ./　/　　l|　 l　　　!　　 l!　　!　　}　 i!　丶＼
　　　　　 "　　./ /!　l|　　l!　 |! "⌒)-ﾁ‐|!- ﾘ　 l 　 |　　＼ヽ　　　　　　　ふふっ…
　　　　　　 / /ﾍ　ﾘﾊ .斗‐|トx、｀ﾒｒ≠ﾆミｌ'　　 l!　 l|　　　　ヽ＼
　　　　　　 ./ /　 ∨　ﾄ､ iｨ≠=ｭ＼ｊ{〈{匂ｲ}j　　 l|　 l!　　　　　＼丶　　　　…もう大丈夫。
　　　　　　 / /　　　Ⅵヾ∧ゞｰ'″　　`辷ソｲ'　　 }　 i|　　　　　　 }　|
　　　　　 ./ /　　　　ゞⅦハ xx ′　xx ､_) {　　 /:.　 l|　　　　　ムィ　　　　行けるよ…。
　　　　　/ /　　　　　ﾘ　　l　ヽ　｀　´　　 /　　/:.:i:.　 !　　　　／／
　　　 / /　　　　　/ , ｸ ' 　l:.:._＞- r ≦/　　/:.:.:ｌ::. 八_.　／／
　　　ｲ ,'　　　　 /r' ム-久l:r､Y⌒Y＾lノ　　,ﾊL:.｣_;水´{ ∠　く_
　　　ム l{　　　　 // ' ,ｨくヽＶ /}泌r／　／: : :イ: :_:_:ﾍ:》　 `ーニ､-、
　　　{　ﾍ. 　　 /,ﾄ､'xヘヽﾍ八弐　　 /_:_:_:ノ⌒´ : : : }　　　　　 /／
　　　ヽ　　ゝ､_ / |:i:ﾍ ´ｭ-､オ: /:.ﾘ　ム: :-: :、: : : : : :ﾘ　　　　　〃
　　　　`ー､／　ﾊ: : }_/l : ' : : : |: :{　 /´: : : : : :`メ､ :_: :l|　　　　 //
　　　　　　 {　　ｲ {: :∧人:':_:_: ;ｨ :∧/ : : : : : : : : : : : : 了　　　 //
　　　　　　ﾊ　i　 /: : : |: :ﾊ: : : :l| : :K; : : : : : : : : : : : : :/　　　　//

　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 _ノ　'ヽ､_ 　　＼
　　　　　　　　　　　　　　（⌒）（⌒ ）　　 |
　　　　　　　　　　　　　　（__人___）　　　 |　　　　あぁ、もう大丈夫なんですね。
　　　　　　　　　　　　　　 '､'ーｰ´ 　 'J　|
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　 |　　　　　じゃあ、行きましょうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　.ｨ {
　　　　　　　　　　　　　　　　　_`ｭ`ｰー___´_ノ',
　　　　　　　　　　　_, ､ -ｰ´. : l : .＼　ｲ::::ﾊヽ{`、
　　　　　　　　　　/. : : : : : : : : i : : :.∨´〉::::::V: : ､＞、
　　　　　　　　　丿 : : : : : : i : : : :／ :｀､ ',::::::: l : : > : : : -、
　　　　　　　 r : : : : : : : :| : : :＼ : : :｀､',:::::::| : :.ヽ : : : : ',
　　　　　　　 / : : : : : : : : i : : : : :ヽ : : ヽ',:::::| : : /:_:_:_:i;;

185 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:24:09 ID:wK36UVLw

　　　「僕はそんな彼女に甘えて、何事もなかったように彼女に問う」

　　　　　　「すると、彼女は照れた様子で、もごもごと口を動かしていた」

　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　／　　⌒´　 ⌒
.　　　　　　　　　　｜　　( ⌒) (.⌒)
　　　　　　　　　　　｜　　　（___人__）　　　じゃあ、何を食べに行きましょうか？
　　　　　　　　　 |　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　 |　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　j､_ 　　　　　|　　　　　好きな食べものを選んでくださいな。
　　　　　　　　　　 √::::::...｀ミｭ､r＜
　　　　　　　／.::7￣￣. : : .:.:.ヽ
　　　　　　　　/ .:::/.:.:.: : : : : : : :.:.::..＼
　　　　　　 ,' .::::/.:.: : : : : : :.／ ⌒ 、ヽ
　　　　　　 i .::.::.::.:. : : : : :　.:.:.:.:.:::::...ヽ:.',
　　　　　　　 i ::::.::.::.::.:.: : :/ .:.:.:.:.:.:.:.::::::: }::
　　　　　　　 i ::::::.::.::.:.:.:.:/ .:.:.:.:.::::::::::::: ,.:: i
　　　　　　　 ', :::::::::::::::く .::::::::::::::::／:::〈:::: |

　　　　　　 ,.　＜,ｨ　/／､､＿＿　　　　　　　　　　　　〃/ |＼
　　　,. ＜　　／/ //　　｀==ニ二´　　　　　　｀二ニ==彳/　仆､＼
　∠ ＿＿_／　/ /,′　　　　　　　　　　ｌ　　　　　 |l /l　|　＼〉
／　　　　　　厶∨　　　 |　　　 l　｜　　 |　l|　、 | 　 |/ l| ∧　ヽ＼
　　　　　　　　/　l　,　　 l　　　　|　　|　　　　l　 |　 |　|　　l　l　l |ヽ.　＼＼
　　　　　　 /　 | /　　　| , |　｀ヽ、　|　　　　ｌ　ｌ　 |　| 　 |　| ｌ| l　|　　　＼＼
.　　　　　 /　　| |l　| ｌ　| | l　　 |l ＼!　　　　|　 l　 |　| 　 !　| ｌ| l　|　　　ヽヽ
　　　　　 /　 /｜|l　| |l ｌ l |　_j.Lゝ‐|＼　　ﾊ ∧ /　l　 /　,　j |l/|　　　　　ｌ　|
‐-　､　　/　 /　 | ﾄ､ | ｌ斗七i !| 」{ ｜l　＼/ 厶斗‐メ､/!l / / /　{　　　　　｜ |　　　じゃあ…ハンバーグ…
￣ヽ冫, ′, ′　ヽ!　Ｎト|ｨ=＝弐ゞ、　ﾍ　ﾘr￢〒ryfz-{ |/ﾚﾍ j　　＼　　　ｌ　|
　／／　, 　　　/　　ﾚ∧ ヽ {Ч;;'j}　　 ∨ Ｖﾍ｛(f卮}_）〉ト､　　　ヽ　ヽ、　/ /
´／　／　　　 ,′　八rﾍ.　ゞニ-　　　　　　∨ ゞﾐYｼ／ハ !｀丶、　＼　 ∨ /
　　／　　　　 /　　/＞､_〉／/／/／/　,、 //｀ｰ…く　/_／ヽ、　＼　＼　｀ヽ、
　'′　　　　 /　　/　,　　 ∧　　　　　　　 ´　　　､＿ﾉ/´ヽ　　｀、　｀､　丶　 l
　　＿＿_　/　　/　,′　 / rへ、　　　　-　-　　　／〉　ｌ|　　　l　　　丶　　}　 |
￣: : : : : :.:￣｀丶､/　　 / /しﾍこ＞､　　　　　r～'⌒r勹ｌ|　　 l|　　　　 / 　 |
: : : : : : : : : : : : : : ＼　/　＼: : : : : : : ＞‐＜/⌒Y´: :／　| _ _,"-──-.､〈　　∧
: : : :ヽ_ __: : : : : : : : ::＼ _ ノ/＼: : `ー--､／: : :フ,.イ __ ／: : : : : : : : : : : ￣￣｀丶､

186 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:24:34 ID:wK36UVLw

　　　「僕はそんな彼女が微笑ましくて、心から笑ってしまった」

　　　　　「彼女は彼女で、また頬を赤くしているようだ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒ 　⌒　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（⌒）（⌒ ）　　　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__人＿）　　　 |　　　　　　　　よし、じゃあ、ハンバーグ屋さんに行きましょうか！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'､`-ｰ-′ 　　 | 　　　 . -,
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　``　　　　 |　　　　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　ｨ { r 、　/　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `ｭ`ｰ─ｰ ´_ノﾄ}　}／,`〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ﾑ _ ,. - ／ :./ﾘ ,/ ／ヽ{
　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. -:::／:/:::ﾊ　／ : :/ :.ﾉ　)(_／ヽヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　／/ : ／ : /:::l　y : : : / : : }　　 >-<　} : :i
　　　　　　　　　　　　　　 j : : : : :> :./:::::l ./ : : : :i : : :Λ　/　　 / : :∧
　　　　　　　　　　　　　　i : r : : 〈 : i::::::::ﾚ : : : : : : : : : :〉､_　　〈ﾘV. :Λ
　　　　　　　　　　　　ｉ : | : : : :', :i::::::/ : : : : : : : : : :.乂｀ﾆﾆ彡´:.V. : ',
　　　　　　　　　　 | : | : : : : ', :i::/ : : : : : : : : : : : Λ : : : : : : : :V. :.i

　/　|　　　　　　　　　　＼　　＿_　　　　　 !　　i　 |　　　　　|
./　ハ　　　　　ﾄ､ i　|　　　X {r⌒ヽ}　　　 i |　　|　 i　　　|　　!
　/　 i 　　! | _L|-┼十ﾃ"´ | i ﾄ､　 |i -一十|-- |　/　　　!　　|
　　　 !　　| i　| |　|i､-|‐ヾ　 | | ! !|ヽ　r一ｧ{Y}--､/ｲ　　/　　/
　　　ﾄ､　　|　!i| ｨ云キ弌ヽ. ! i | |i 　{ ヽr/　Y7__ノ{ |　i,　　　'
　　　 | ヽ　 !|.|ﾘ　戈,{ﾉij.:}i'　ﾘ' ﾘ ! ＼　 Z　Y7　ﾉ〉! /　／　　　　　　うんっ…。
　　　j　　＼ﾄ!ヽ!　　"ｰ‐″　　　　　　V＼ヽ-＜／//イ　ヽ
　　 /　　　|　ﾍ　　 ////　　　　　　　///7ｰ1} i /ｲ　|　　　＼
　 ./ 　　　 }　ハ　　　　　　　　　i:.　　　　ｰ=彳/　 | i　　ハ
　/　　　　/ / 公　　　　　　　　　　　　　　　　/　　 ! |　　　＼
　　　　　/ /　/　}＞　　　　　ー－　　　イ　　　 | i　　　　ヽ
.　　　　/ '　　_,.ア￣￣＞　　　__　　　＜＿ i　　　　！
､＿_.／/　　＞一z＿__二｀ヽ　　／ヘ→　フ　　　　|
　　　／　　く　　　　　　￣ヽ　Y　ｒ一≦´￣＞

187 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:24:57 ID:wK36UVLw

　　　「僕は病棟のドアを開いて、彼女を手招く」

　　　　　　「そして、彼女が通り過ぎたのを確認すると、また鍵をかける」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐ー― - ﾆ、_　　,.‐'´
　　　　　',　　　　 lllllllllli　　　　,.-‐''´ 　　　　　　　　　｀ﾞ´
　　　　　 ',　　　 illllllllli　_ ,.／　　､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,.-
　　　　　 i,.　　　 illllllll（_　　_ ,.／. ｀ヾ,　　　　　　　　　　　　　　　 _ ,.‐ ''´
.　　　　　　i,　　　　illllllllli／￣　　　　　メ　　　　　　　　　　,. - ''´
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　　　　　　 i,　　　　illllllll|

　　　　「目指すは、ハンバーグ屋さんだ」

　　　　　　　　　　　　　　　　「そう言って、僕たちは隣り合ったまま歩き出した」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

188 ： ◆gDQ5bE8qg2 ： 2012/03/30(金) 22:25:27 ID:wK36UVLw

…ということで、以上で第三話の投下は終了です。
もっさり、ゆっくりと話が進んでいますが、話自体は６～８話程度で終了を予定しています。
よろしければ、またお付き合いくださいませ！
ご閲覧、ありがとうございました！

189 ：名前なんて無いだろ常識的に考えて： 2012/03/30(金) 22:27:34 ID:FVsINyeY
乙でした！
ばらしーの気持ちがやらない夫に傾いてるなぁ。
やらない夫がどうするかでばらしーの心がどうなるかも決まるな……

192 ：名前なんて無いだろ常識的に考えて： 2012/03/30(金) 23:01:03 ID:IHLz9MQM
乙ー

193 ：名前なんて無いだろ常識的に考えて： 2012/03/30(金) 23:25:39 ID:a7LEOPrw
乙でしたー

舞台が精神病院だからか、普通の会話をしている
場面でもふと空恐ろしく感じてしまうぜ

そしてばらしーかわえぇぇぇ！！

194 ：名前なんて無いだろ常識的に考えて： 2012/03/31(土) 00:06:16 ID:Slqt.SoA
乙！

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やらない夫は、届かない手紙を届けるそうです。 第三話「夢の続き」

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