亜人はＢＡＲに居る　外伝　第05話　「君よ！俺で変われ！」やる夫達のいる日常

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亜人はＢＡＲに居る　外伝　第05話　「君よ！俺で変われ！」

目次　現行スレ

771 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:00:31 ID:29285ac0

　　　　　　　 ━┳┳━━┳━━　━┻ ━ ┳┳━ ┻　　　　━┻━

　　　　　　　　　　　　　　　　　ずっと昔に感じたことだ

　　　　　　　　　　　　　　　　　彼と私はよく似ている

　　　　　　　　　　　　　　 ━┳┳━━┳━━━┻ ━ ┳┳━ ━┳━ ━┻┻━┻━

.

772 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:00:55 ID:29285ac0

　　　　　　　 ━┳┳━━┳━━　━┻ ━ ┳┳━ ┻　　　　━┻━

　　　　　　　　　　自ら受けた傷の痛みを知るがゆえに

　　　　　　　　　　それを他人に与えまいとする

　　　　　　　　　　　　自ら受けた傷の痛みを知るがゆえに

　　　　　　　　　　　　そこから他人を救おうとする

　　　　　　　　　　　　　　 ━┳┳━━┳━━━┻ ━ ┳┳━ ━┳━ ━┻┻━┻━

.

773 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:01:23 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜三≧艾≧ｰ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　く　＞くVVVVVVVﾑ
　　　　　　　　　　　　　　 /==Y寸VVVVVVVV小
　　　　　　　　　　　　　　　　 /彡从VVVVVVVVVVVﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　 V//　寸VVVVVVVVVVﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　Y　　　　寸VVVVVVVVV
　　　　　　　　　　　　　　　　　(| ｀二ﾐ:.. ｰ=圦TTT小V/
　　　　　　　　　　　　　　 _　≧{ (　　 Y:| Y ￣　)匕)/'
　　　　　　　　　　 -=ﾆ　　 :::∧ ￣　.::|_　￣´　人　　≧＜
　　　　　　　八　　　　　.:/　＼´ｰ==ﾆ才｀／',　V　　　　 ≧Y
　　　　　　　　 ∧　　　　　 /　　 //｡＞=ー=＜ }　.}　 ∨　　　 ∧
　　　　　　　　 Vﾑ.　　　 /　　 /　7　》X《＼｡/　.:|　　 V.　　　/　 )
　　　　　　　　　V　　　／　　 ./　/　////　　/ 　 :|　　　V　　/　 /　　　　　　━┳━┻ ━ ┳┳━ ┻　　　　━┻━
　　　　　　　　八ﾑ／　　　　'＞'　////　／ヽ　　|.　　　 V:./ .／ﾑ
　　　　　　　 .乂 .／　　　　 /　《　////／　　　',　|　　　 V　　　.ﾑ
　　　　　　ﾑ／　　　　　 /　　V///'　　　　　寸　　　　　V　　　ﾑ　　　　　　　　　だからこそ彼は
　　　　　　　ﾑ'　　　　　　 ∧　　／　　　　　　ｰV　　　　　 V　　　ﾑ
　　　　　　/./　　　　　 /　.ミ／　　　　 ....≦二二V　＿＿.　 V　　　ﾑ.　　　　　　　かけがえのない友であるのだ
　　　　　　Vヘ=====彡7　／ ....:≦二二　　　　 V/ ￣｀寸ミ　　　　ﾑ
　　　　 /　　　　{　／ :/ ／´ ＿＿　　　　　　　　　　V　　　＼　　　 .ﾑ
　　　 ./　　　　／　:/　|　Oﾆ=ｰ　　　　　　ー匕Oﾆ V　　　　　＼　　　ﾑ　　　　　━┳┳━━┳━━━┻ ━ ┳┳━ ━┳
　　　/　　　イ　　　:ﾑﾊ.|　　　　　　　　　　　　　　ﾑ　　　　　　 Yミ才　〉
　　　V　　|　　　　　ﾑ人|　　　　　　　ー=ﾆﾆﾆﾆ匕／ﾑ　　　　　　|ﾆ=-　/
　　　　V　|　　　　ﾑ＼ |　Oﾆ三三ﾆ=ー　　　　　人／:ﾑ.　　　　 | 　／
　　　　 ∨|　　　ﾑ.＼八　卞､　￣￣￣´ 彡　　　　　 .ﾑ　　　　　| ／
　　　　 '.|　　　ﾑ　　　∧　　辷　ﾆﾆ￣　　　　　　　　ﾑ　　　 |'
　　　　　　|　　　ハ　　　 ∧　　　　　　　　　　　　　 .ハ　　　　 |
　　　　　　|　　ﾑ:∧　　　 ∧　　　　　　　　　　　　　_,∠ :∧　　　ﾑ
　　　　　./|　　ﾑ:::::∧　　./:ハ　　　　　　　　　　≦ﾆ:::',　　:∧　　ﾑ∧
　　　　 /...|　 .ﾑ::::::::::::＼/::::::∧　　　 -=≦ﾆ///　　　',　　 ∧　ﾑ　∧
　　　 ./ ....|　.ﾑ　　　　/　　　 ∧才 /二二ﾑ///　　　 ',　　 :∧ ﾑ　　∧
　　　/ 　 ..!　ﾑ.　　　/　　　　　　 /二二二ﾑ/　　　　　',　　 ∧|　　　∧
　　./　　　.l .ﾑ.　　 /　　　　　　　/二二二二ﾑ　　　　　 ',　　　 | 　　 .∧
　 /　　　　|.ﾑ　　 /　　　　　　 /二二二二二ﾑ　　　　 ',　　　 |　　　　∧
　　　　　 .lﾑ　　/　　　　　　　/二二二二二二ﾑ.　　　　 ',　　　|　　　く　 V
　l　　　　 l'　　/　　　　　　　/二二二二二二二ﾑ　　　　　',　　 |　　　:∧／',
　|　　　　 |　./　　　　　　　/二二二二二二二二ﾑ　　　　　', 　 |　　　　　　ﾑ
　|　　　　 | /　　　　　　　/二二二二二二二二二ﾑ　　　　　',　 !　　　　　　 }
　|　　　　 |'　　　　　　 ./二二二二二二二二二二ﾑ　　　　　', .|　　　　　　 |

.

774 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:01:47 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　　　　 ┌─────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　亜人はＢＡＲに居る

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　BAR　-AXANAEL-
　　　　　　　　　　　　　　 └─────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　外伝　第05話　「君よ！俺で変われ！」

.

775 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:02:14 ID:29285ac0

深夜１２時を回った「 Abel Cain 」の店内

賑わいは徐々になりを潜め、一人、一人と客の姿が消え
各々、自らの住処へと足を向けていく

　　　､-､ |　　　 l　　　l　　　/　　／　| '　 ,　'".|, イ:::::::::::::::::::
　＼＝=ｰﾋl-==＝　　l 　　/　／　／ |,　'", イ |:::::_;.．-'''"
　　＼　ヽ｀"　　l　　l　　/ .／ .／ ,　'ﾞ|, イ : ::|,へ :　ﾊﾊﾉ､
=============================i,へ |　　|￣ ,-｢|] |} |ｺ |
　 ___________ ||YヱＹＹヱヱ.||　_______　.l:￣　[｢L!,.. ．-‐　'''""~
　 |l::::::::::::::l|ﾞ|| i⌒i　|　i⌒i ||　{lilililili}　| i'""~,-ﾊﾊﾉヽ. ﾊ　｢
　 |l:T:T:T;:l|ﾞ|| l.Ｙ.l　|　l.Ｙ.l ||　　ｌﾆﾆｺ | l [｢L| |[ |{ l| } | | i　ﾉ
___ 二二二_.|| l｜l　|　l｜l ||____________|~""'''　‐- ．!.!,__| ｌ　|
　l　|　l　l　l || l￣l　|　l￣l ||　l　| '''- ．._"''' ‐- ．.,__　　~""
　(ﾆ二￣￣￣￣二ﾆ)l　 l ||　l　|　　　　 "'''- ．.______"''' ‐-
----- ￣|~}{~|￣_____-------(二)　　　　　　|::::::::::::::::::::::::
￣￣／　| 十 l.__||ll|ll||　￣￣　||_l|(二 ) 　　　 |::::::::::::::::::::::::
￣／￣ノ ⌒ ||､||二||￣￣￣..|| l|.||__||:.　　　　|::::::::::::::::::::::::
／------- - |l .||　 || ---------|l　||:.　　　　|:::::::::::::::::::::::
　　　　　/　　　　|　　　',　　　　　　　 :::＼　　　|:::::::::::::::::::::::::

スピーカーから流れるゆるやかな音楽が空間の主役になった頃
私は５杯目のカクテルとしてカーディナルを注文する

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'´ 　　　￣三二ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }三ニ=　　ー-=三三!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }三三ﾆ　　　≧三三{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }rー-＜__三二ﾆr＜_{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ￣　　ー＜r '"´__彡ー==＝＝≡ニニ≡＝＝ｰ-ﾐ
　　　　　　　　　　　__　.　-　'"´三ﾆ＝ー＜　　≧三三三二ﾆ=-　'"´￣　　　__ 彡ﾞ
　　rー_‐=≡ﾆ三＝-　_　　　　　　　　__　二ﾆ=-=才:r=i--― ‐　　"　￣
　　｀ー-=ﾆ二三三≧ﾆ==-　-=才f::::{{: : : }ﾒ人: : :从:::::!　　　
　　　　　　　　　￣　　　　　　　　从从｀　´　i|ハ　厂:::乂　　　　　　　　「今日は随分とゆっくりしているな
　　　　　　　　　　　　　　　　　／}::::ハ　ヽ_り　.′:::{　＼
　　　　　　　　　　　　　　　／　∧:::::厶辷＝.ｱ ' }ハ从　 ∨　　　　　　明日の予定は問題ないのかね、少佐」
　　　　　　　　　　　　.　 : ´:'　 :三fﾊ从ﾄヽ￣ .厶ｲ/ }}=-_　 '.: : .
　　　　　　　　. : : ´　　　 /　ﾆ二{ 　 }} .ゝゝ-ｲ　 {{ 　{:三_　　∨　｀: : .
　　　　／⌒ｆ　　　　 /　　:ﾆ二{　,八o /.⌒Yo .ﾘ　 }.≦　　 ∨　　　｀ｰrｰく
　　　/ﾆ_　 :{　　　　　_:/　　=ﾆ二}　　 ∨}r--｛ﾍ/:. 　{三__　　　∨　　　　 }:　ハ
　　 }ﾆ7　　}=ﾆ二三./ 　 .-=ニ三}　　　才 i {.∧　　 {ニ=_ 　 _彡三二ﾆﾆ{　　∧
.　　/ﾆﾘ ∧:{三三三≧=--ぇ :-≧{　　/:/　{ i| :∧　　 {≦　＜:三三二ニ:ﾘﾊ　:∧
..　/:ﾆ/ /ﾆ-∨ニﾆ_＞　´ 　_-ﾆ三}　..′}/　 }　 ∧ 　 }二　　　　 {三-/　}弍　　＼
. /:ﾆ/　'ﾆﾆ_八三三} 　　　≧三ﾆ}　,　 :{　　:}　　＼:{三ﾆ_　　　　∧=/　ハﾆﾊ　　　〉

注文されたカクテルを作りながら、室内にも関わらず黒眼鏡の男が私に問いかけてくる
この店のマスターであり、我が友にして、ヴァンパイアの亜人である
.

776 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:02:41 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　　　　　　＿　_　__ ＿　r-､
　　　　　　　　　　　　　　 {.ｒ､＼＼`㍉､｀＼i＼¨ミ､
　　　　　　　　　　　　　　／Ⅵi＼＼＼　＼ .＼.Ⅵ `㍉
　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡iiⅥﾑヽ　ヽ　　＼ .＼}＼∧ 　　　「心配はいらんさ、アーカード
　　　　　　　　　　　　 }彡ﾆﾊⅦiﾑ　＼　＼　.ヽ .∨ Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　{／,ｲ　`¨¨∧ .i　i　　　　　.∨i}i　　　　なにしろ明日は楽しい楽しい休日だ
　　　　　　　　　　　　　 Y// 　　　.∨| |　|　|i　i　}　l!Ⅵ}
　　　　　　　　　　　 {i i,ｨzzzzミ､ .乂i}i 从乂八il　} i乂､　　　　久方ぶりに夜を満喫することに
　　　　　　　　　　　　　 {｀Y ,ｨ==r=ｧﾐ､___,Yrィ尨ラ.}i}从{i ﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　人 {（弋__`彡豸⌒}i}_`⌒".ﾉﾉ　}／} 　　　なんの不都合もありはしない、そうだろう？」
　　　　　　　　　　　　　 `Y`ｰ====彳i⌒` ‐==‐'.,ィ　 iﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿,ィ　　. ,ｲ　 /ミ､
　　　　　　　　　　　　人　　`‐-=　zzz-≠彡′/{㍉ヽ＿
　　　　　　　　　　　　　 / 　.＼　　`ｰ‐‐‐　　　　／ﾉiﾄ､i}　}i:i:　Yヽ､
　　　　　＿＿＿_,.．-'／　　／i} ＞‐-　　--,.．イ.／ / ./ ./i:i:　 i　` ＼
.　　　　　／i}＿＿＿__／　　／.／}　　 /ゝﾍ　　 .／　./ ./　i{i:i:　　i}乂　　`ｰミ､____
...　　　／乂⌒/　　i／　／.／i∨ j　/}´⌒i}　　　　 ./ ./　　ヽ＿__///i`㍉____　　　〉､
...　　/　//　 / , -'" 　／.／　 i/__.／i迄亥ｲ＼　 .／ ./　　　　 i}/　i:i:／　　ヽ／⌒＼
....　/　//_,.．　　　　　／}　　 {ii:　i／⌒㍉}彡' Уi:i:i:/　　　　　　 i}i:i:i:i:/　　　／　　　　∧

「少佐」というのは、私の渾名だ

学生の頃、自然と仲間内のリーダーに祭り上げられていたことでついた渾名であったが
私は大いに気に入っている

: : : : : : : : : : : : : : : : : : :-‐― .＜ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
: : : : : : : : : : : ＞:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:.:.:.＼ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
: : : : : : : : : :/.:.:.:.:.:.:＞__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : '
: : : : : : : : : :}:_:.:.:.:.:i{f 　 .ﾊ.:.:.:.:ｨ==ﾐ:.:.:ﾊ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}
: : : : : : : : : :}ﾞﾒ i:.八_　_乂.:/ {{　　j{:.:.:.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,
: : : : : : : : : j! {.:.从　　　 7/　i|ゞ=ｲ }:.:.:{ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／
: : : : : : : : :八j.:.::{　r　　 ((｀　"　　ﾉ.:.:.′: : : : : : : : : : : : : : : :＞ ´
｀　ー-=ｧ:.:.:.:.:.:.ﾊ　ｰぇ=＝＝vﾊ 7.:./　. : : : : : : _ 　 -‐　 ´.　　　　　「そいつは素敵だ、少佐
.　　　　/ﾊ:.:.:.:.:.{ﾍ　　　ゞｰ-- ｲ .'/.:fー‐　　"
　　　　从:.:.八∧　　｀￣´　,:ﾞ.::::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　時間に縛られぬ時間こそが
　　　,. : ´:抃::{.　　＼　　　　 .ｲﾊi从
.　　/. : : : ハ八　　　＞-=≦.ﾉ_　　　　　　　　　　　　　　　　　この世界に於いて唯一の至福だからな」
／￣: : : : : ::}　}＼　　　　　ハ: :＼
: : : : : : : : : / . | 　｀ー-ﾐ　.}　＼: :＼
: : : : : : : : : }　｜ o　.才⌒ヾｵｱﾒ }: : : ＼
: : : : : : : : :∧　ゝ＜　＼:i:i:i:i:i:ﾊ　{＼: : : :.＼
.

777 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:03:10 ID:29285ac0

.　　　　　　／//////////＞.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.　　　　／//////////.ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
..　　　　／////////////.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞=ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:
　　　／/////////////.:.:.:.:.r=ミ{.:.:.:{{: : : :ﾘハ:.:.fハ:.:.:.:.:.:.:.:.
　　.ｲ//////////////.:.:.:..:.{{: : :从:.:.ゝ--ｲ　八.:{ｒｉ{.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　　「しかし…少佐は構わんが
　///////////////.′:.:.:.:从ー〈乂:乂　　　　}:ﾊ/.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾌﾛｲﾗｲﾝ
.////////////////i..:.:.:.:.:.:..∧　ヾｿ　　　　从!.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 　　　　　君は問題ないのかね、お嬢さん？」
乂//////////////,|.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ r r=＝　ｰヽ　从.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　｀　ー‐ --------ﾉi:.:.:.:.:.:.:.fくハ　￣ ´　　　ｲ　 }ﾊ.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　从∧(乂　 .∧　　　　イ　／.i:{乂ハ:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ//,ゝ _.ィ"＞ ´/.i: イﾆﾆ｀ヽ:
　　　　　　　　　　　　　　　／,//// ノ<f⌒ヾ./イ ./ﾆﾆﾆﾆ-＼
　　　　　　　　　　　　　／.／///　｝ﾆﾆ〉ｒく　　.:/ﾆﾆﾆ=-＜ニ
　　　　　　　　　　　_　-ﾆ／////　ﾉﾆ_ｲ　　　.::/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ.｀ヽ

　　　　　　　　　 ∨ ＼　　　　　　　　　 _/ﾆ=-/
　　　　　　　　　　　∨-=＼__ ,､ヽ`~ ￣ ~"''7ニ=-{
　　　　　　　　 }-=ニアﾟ. . . . . . . . . . . `ヽ､ﾆ乂_______
　　　　　　　　ﾉﾆﾆｱﾟ. . . . . . . . . . . . .. . . . ＼ニｱ＾'く
　　　　　　　く-=ﾆ/. . . . ./. . . . . .ﾟ,. . . .∧. . . .ΧL. . .∨
　　　　　　　　　 /＼/.∧. . .,'. . . . . . . }ﾄ､. .∨. . . .. ..∨.. . .∨.　　　「あら、失礼ですね伯父様
.　　　　　　　 / . . '. .∨.. .. .. ..{ . . . . .,-‐＼-.. . .ﾟ,. . . . . . . .
　　　　　　 /.. .. ..ｉ . '.. .. .j{__. { . . . ./斗劣ミ. . . .} . . }l. . . . . 　　　こちらのお店は客を差別なさるのかしら？」
　　　　　　　　{／. . ,ﾚ{{. . ´从. . ､ . . ,' 　うハ｝. . ..} . . }l . . . . .
.　　　　　　／. . ., /. .{{.. .抖筏㍉＼｛　　~´　, . . ﾉ. . ..ﾞ . . . . . .､
. 　　　／. . .／/.. ..从. .｛乂ツ　､　　　　厶ィ. . . ./.. . . . . . . .＼
　　　／. . jI斗i/. . . . ./＼込、　　　　 _　　　 }. , . . /.､.. . . . . . . . . .＼
.　　｛≫''~　　 }､. . .., '.. ..{. . 「.}iト　　´ 　　イ}/. ..∧ . ＼.. .. .. .. . . . . .＼
　　／}_　　-‐r' ‘,／}.. . ..{. . { . ,' . . . 〕I爪／_,/. ../､. ﾟ､ . . ＼ . . . . . . . . . 丶
　　二}　　　　}　 i} / . . . {. . {__{. . ._ ノ从i:iYﾞ7 . /　丶＼ . . ＼. . . . . . . . . .`､
　　ﾆﾉ≧=‐r '　ﾉ/. .＞''~ . . .､｀`寸彡^Lﾉj{ . ,'　　　　＼.＼. ﾊ.＼. . . . . . . . . .
　　〈　　　ｌ　　､''~　　　＼「　　ﾏ,　 _,,ｨiｱ乂{　　　　　　＼/　}. . ＼ . . . . . . . .
　　=`,≧=‐乂　　}　　　　ｨ7__ ,,.｡s≦≫''~　　　 - ､　　}￣　　/Ｌ _. . ＼. .. .. . . .ﾟ,
　　=-}　　　｝ r'.｡s≦7´ 〃ニ7⌒Vﾑ　　　　 , }￣　 __/´ニ=-`､. . .＼. .. .. .‘,
　　ﾆ7　　　'⌒　{.. . ..W-=,70=-{　　 }iﾆ＼　　　　/く＿／ニ二ニﾆ=-}､.. .. ..＼. . . ﾟ
.　　/＼____{　　ﾉ. . . .{{-={{ﾆﾆ=乂／-=0,7≧=‐ｧ..{. . l|-=ﾆ二二二ﾆﾉﾆ=-　. . ＼...}
　 /　　　　｀Y ｛. . . . .！ﾆ{{0-=ﾆ二ﾆ=-∥ﾆ=-/i. .{', .└‐-=ミ､-=ﾆニニニﾆ=- . .`､
　＼　　　ﾉ　〉. . ..,'::}ニ}}-=ニニ=-0∥ﾆ=-'::.l. .{ ﾞ､. . ..jI斗f''^,-=ﾆ二二二二}. . .
　　　＼____{　〈.. . ../.: }ニ}}0-=ﾆニ=-∥-=ﾆ{:::.l. .{ ＞''~-=ニ二i}二二二ニﾆ=ﾉ.. . .
　　、　　　 }i　/. . /.:::::,=ﾆ}}-=ﾆﾆ=-0∥-=ニ{:::.l／-=ﾆ二二二二二二ﾆﾆ=／`､. . .
　　＼____,ﾉィﾞ. . /.:::::/-=,70-=ニ二={{-=ﾆ=-∨-=ﾆ二二二二二二ﾆ=-／`､. . `､..
　　　　　/. . . ..∧.:::/=ﾆ,7=ニ二ニ=-{{-=ニ=/-=ニ二二二二二ニ=-／ . . . `,. . .`,
.　　　 /. . . . /i:ｉ:∨=ﾆ,70-=ﾆ二ﾆ=-{{-=ﾆﾆ{-=ﾆ二二二二二ﾆ=-／`、 . . . . }. . . }

アーカードに対して、毅然としてそう言い放ったのは、私の隣に腰掛けている女性である

名前はクルル・ツェペシ嬢
「伯父」と彼女が呼ぶことでわかるように、我が友の姪っ子であり、そして彼と同じヴァンパイアの亜人だ
.

778 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:03:34 ID:29285ac0

　　　　　＿／　　　　　　　　＼ノ＼
　　　　 }, '.|　　　　　　＼　　　　＼ノ
　　　　_,./ .::|　　　　＼　　　＼　　　　ヽ
　　　Ｖ　 :ｉ|　　　　 {　＞､、　＼ヽ　`､
　　　　,　　八　　　　∨　　＞ミ__:ｉ　　　　　　　　「そもそも、私はただお酒を飲みにきていません
　　　　ｉ　　ｉ:､　　　 ',　ｨｆだｿ　｜ |　:ｉ
　　　　| .:i　 :ｉl一､　　＼　ゞ'　　｜ |　:|　　　　　ワインの知識と人との会話は
　　　　| .:|　:八　ｨ示 ―一　　　 | .:|　:|
　　　　| .:|　　ヽｬｿ' 　　　　　|:/|i .:|　　　　　ソムリエールとしての大切な勉強です」
　　　　|:从＼ __,ノ　　 r ｧ　　 / 八:.|
　　　　|　ｉ｀¨⌒ 込　　　　　　／Y^i:|
　　　　 | .:|　.:i　j/＞　　 ,. イ⌒r‐ |:|-
. 　　　 /| .:|　.:| /　|　| ｀T_____,}...ﾉ{　 |:|:
　　　 / :| .:l　 :∧　|　| {//ﾊ）__....人,,ﾉ:|:
　　　'⌒7|| .:| .:/ __ヽ .:.|一‐ 　 └r≠＼＼
　　　　/ 八.:|:/ /　　＼㍉　　　人＼　＼
.　　　/ /　へ _:{　　　　＼㍉_/　ヽ/:＼
　　 ,　/へ{⌒Y⌒ヽ　　　　))　　　 /￣＼ヽ

彼女も吸血鬼である伯父に似て、若いころからワインに興味を抱いていたらしい
もちろん始めは未成年であるため、水で薄めたワインの味見からだったそうだ

それがこうしてワインに触れることを職業とするソムリエールにまでなるとは
さすがの我が友も予想外であったらしい

そしてその姪っ子が店に入り浸るようになる事も

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　 }＼ /´ﾉi:jI斗‐━‐- ミ, 　　 }､
　　　　　　　　　　　　　　　　 }i:i:i:≫''~　　⌒'ｰ-　 _ ` ､___ﾉi:i＼　　　　　　「仕事帰りにも関わらず、こうして可愛い姪っ子が
　　　　　　　　　　　　　　　 _jアﾟ　　 'ﾞ　　 }　　　　 ∨i:i:i:ｱﾟ　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　ｱﾟ　　　 /　　　 }　　　　　ﾔi:i:i{⌒i 　　　　ここに来る行為を価値あるものと考え
　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ./　　'　　　 ,'　　　　　　 }i:i:i:乂 {.　　　　
　　　　　　　　　　　 ′　'　_,/}　　　 /{　　｛　　　 }i:i:i:i:7´ﾟ,　　　　客として訪れているのです
　　　　　　　　　　／　　 i{　/｀{l　　_/_ｉ{　　｛　　　 }i:i:i:i:{ 　 , 　　　
　　　　　　　　　　　　／　ｉ{　　｣{示ﾐ }ｌ　 /　从　　｛　　　ﾉイ⌒　　ﾟ,､.　　　　むしろ光栄に思っても良いのですよ、伯父様？」
　　　　　　　　　　从　八以八_/ 斧=-' ､　　､　 'ﾞ｛　　　　ﾟ, ＼
　　　　　　　　 ′　/ /^＼{「　'　　　　ﾉハ｝＼{「＼{l ｛　　　　　ﾟ,　丶
　　　　　　　　　　 {　 / /　　　从　､　__　　~^^´,｝　 i{　　　｛　　　　　 `,　　＼
.　　　　　　　　　 } / /　　　/^沁,　　　　　　ノ　 l{　　　ﾟ,　　　　 `､
　　　　　　　　 'ﾞ /　　　/　′　〕i=-j⌒Y⌒Y⌒i l{　　　　ﾟ,　　　　　 `､　　 ∨
　　　　　　　　　　　/　　　/　 { 　, -‐「~|::::::l { } l::::::l‐'-ミ　　ﾟ,　　　　　　ｉ{ ＼　〔
　　　　　　　　_/／{⌒{ｧ､　}　ﾞ　八人_,人_,人__｣　　 ∨　　ﾟ　　　　ｉ{　　ヽ　[
.　　　　　　　 _ｱﾟ=ﾆ{　 {　ﾊ } li　 {i ／´　〃}}　　　　　　V_____}　　　　　从　　 l}ﾉ
　　　　　　 _/=ﾆニ{⌒i}/ i{l} ll　／,　　 ∥ {{　 {　　厂￣ `V{　　　___/　＼
　　　　　　　　7ﾆニ二{　 i}　八ｱ(____)､　 {{,　}}　/⌒`' ､ jI斗-'-ミ／　_ ∨,　　＼
　　　　　　　ﾞニニ二{／＾くＷ0ニﾆﾆ{{≧}}ｰ{{-l{　　　´二二ﾆ7　／､ﾑ ∨,　　　＼
　　　　　　　 =ニ二二{　　 i}Wニﾆﾆ0={{二}}ﾆ}} 人_／二二ニニl　'=ニ} ﾑ ∨,　　　＼
　　　　　　 i{ニニニﾆ､_／＾i{二二ﾆﾆ{{ニ{{ﾆ{{=／ニ{￣￣｀`ヽ｣ [二ﾆL__}　} ﾟ,　　　　丶
　　　　　　 l{二二ニﾆﾆ＼_,从ニニﾆ={{ニ{{ﾆ{{〈二ニ{　{￣｀`ヾ~'ﾏ_________／　ﾟ,　　　　　　`､
　　　　　　 l{二二二二二二小,二二0{{ニ{{ﾆ{{=＼ニ{　{ニﾆﾆ{ ゞ' ＼＼l　　　　　　　　　　　`,
. 　　　　八二二二二二ﾆﾆ沁,二ニ{{ニ{{ﾆ{{ニﾆ＼＼＼____{　{＼ﾆ＼＼　　 }i　　　　　　 `,
　　　　　　沁,二二二二二二沁,二0Ⅶ=}}={{ニニ〈＼＼______,{＼＼ﾆ＼＼　 }il　　　　　　ﾟ,

尊大な言い口だが、クルル嬢にとってそれは最大級の賛辞であるのだろう
しかし我が友は渋い表情であった

　　　　　　　　　　　 f≪_　　　　　　　_.厶斗＝＝ミfp ￣ハ_
　　　_　.　.　.-‐:=:＝:}ー--＝==≦三___斗＜二二ﾆﾆ　　｛ :　:　:￣　:_:二ﾆ≡
￣.　:　:　:　:　:　:　::厶_ __　　　　　　　　　__乂f＝＝＝＝彡ﾆ二三三三三三
__:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:￣三三二二三￣　:　:　:　:　:　:　:　:-==＝≡ﾆ三三
三二ニ=＝-‐　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:__＿＿_＿___＿＿＿__三三二ﾆ=＝-
三三二二ﾆニ==＝＝--‐―　　ﾏ.:.:.:.:.:.ｨ"　　　 Y.:.:.:.f⌒v:|￣
　　　　　　　　　/.:.:.i　i.:.:.:i{　　　　 :}i:.:.:.: i{ 　　　 }i.:.:.::}ｆﾊ }:!　　　　　　　　　　　　「伯父だからこそ
　　　　　　ｲ.:i. ∧从八　　　八f.:.:八　　　八.:.:.:'ﾘｨ.:!
.　　　　　　乂ハ.:.:.i.{.:.:{　.ゞ＝＜　ハ.:.:.:ﾊ　＝彡!i.:.:..:}/.:.::|　　　　　　　　　　　　　嫁入り前の娘を気遣う気持ちを
　　　　　　　　　)) }.: 从.:ﾊ　　　　　 j|.:.从　　　　从.:.:.{ハ八
　　　　　　　　　　八.:.:.:.:从　　　　　.∧:乂　　　　ｲ.:.:..:..{∧{　　　　　　　　　　　汲んでいただけると助かるのだがね」
　　　　　　　　／　:}/ハﾊ　 fr.　　　　゛　　　.ｨ 7j从!.:.ﾘ　:＼ｰ .
　　　 _＞.　:´ :　:　:　: 乂∧　　ゞVrー_‐‐fVア　　/八((:　:　: ＼　｀: : .
ニ二三／　:　:　:　:　: { 　 ∧　　ヽ￣_￣__,　　　.ｲ(　 ∨ :　:　:　.＼:　:　｀ー-
三二_ｲﾆ=-　:　:　:　: ハ.　　＼　　　　　　　／　　　 .′:　:　:　:　:.＼:　:　:　:
二ﾆ/=-_　:　:　:　:　:　:.∧　　　｀ヽ　　　　. "　　　　./　:　:　:　:　:　:　∨:　:　:

779 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:03:58 ID:29285ac0

我が友の姪を心配する気持ちは分からなくもない

分からなくもないが、今宵の私はクルル嬢の味方であった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , =ﾍﾍﾍﾆ=-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｝:ﾊ i|i|i|i :. :. :. ¨ミ､.　　　　　「気を回しすぎではないかね、アーカード？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠二ハ|i|i|i|i :. :. :. :. .. ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, イニ=ミ、_ﾊ|i|i|i|i :. :. :. :. .. .. ，...　　お嬢さんは確かに若くて美しい女性だ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i{ニﾆ=-'´　　‘i|i|i|i| :.i :. :. :|i:. i :，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {彡=-', -=ミ　 ‘ｉｌ斗-|=ミ､:|i:. |i i　　しかしながら彼女は自ら職に就き、賃金を得ている
　　　　　 _ 　　　　　　　　　　　　　 {/ }/ｲ,. --- ､＿从八从八:.lﾊ}
　　　　　　 i　ヽ　　　　　　　　　　　 {{ ｉ|ﾆ{{　　　 }ニﾆ杁_莎_〉}}ﾆ!i }　　　それは国が認める労働者であり、成人なのだ
　　　　　　ｌ　 |i　　　　　　　　　　　　乂l　乂＿_ ノ ⌒ 乂＿　ノ　lノ
　　　　　　 |／￣)　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　 l.　　　自らを律する術は心得ているものと思うがね？」
　　　　　　/ 　／　　　　　　　　　　　　八　　　､_ ｀¨¨´ _ノ　　　ﾉ__
　　　　 /￣￣￣)　　＿_　　　　　　＿＼　　　￣￣　　／ }} ｀¨}}ヽ
　　　 |　　ｌﾆﾆ{＿／ニニ)　　　　／　　　_ヽ　＿＿　ィ　　/'　 /　/¨ヽ__
　　　 |　　|ニニニニ7¨´　　　　／　　　 / ,ハ￣￣￣　　／　 /　/.:　.:|i　ヽ
　　　 |　　ヽニニニ/　　　　／　　　　／／〉__＼　　　　／　　　/　/.: 　 :|i＜　＞､
　　　 /　　　 }ニニ}　　　／　　　／／_寸{ニニ＼_,／　　　 /　/.: 　　 |i彡'¨ “＜＞､
.　　 /　　　　/ニﾆ/ 　 ,／　　　／／／, 》〉二=- ／　　　　 .:/　/.: 　　 :|i ／￣￣￣ミ､
　／{　　　　/ﾆﾆ,:'　＿＞=- ､／／／／/´=-- ／＼　　　. :/　/.:　　　 |i　　　　　　　　i
.　{ 　ヽ　＿/ニ<　　i|　　　　 i{ / :/ :/ .:/ﾆ=-／　 . :.＼ . : :/　/.: 　　　 :|i　　　　　　　　|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,　　 }i:,
　　　　　　　　　　　　　　　　,, . .-―-.{乂,.:i:i:i:,-.､
　　　　　　　　 /!　　 )ヽ .､丶`''⌒. . . . . . . .＼i:i:i:i:i:i:,. ＼
　　　　　　　 ,:i:i乂,.ｨ:i:i:i〉 . . . { . . . . . . . . . . . .Y^＼i:i:,. . ,
.　　　　　　　 l:i:i:i:i:i㌻´;' . . . . .l . . . . . . . . . . . . . . . . ㍉. . ,
.　　　　　　 |i:ｉ:ｉ:ノ / .l . . . . . ‘， . . . . . . . . .Λ. . . .‘， . . ,
.　　　　　　　 l:ｉ:/, ./. . ｌ. . . . . . .ｌ＼ . . .＼ _,,. ∨. . . . .‘，／|.　　　　　　　「さすがは少佐様
.　　　　　　　∨,: ,′ . ﾄ. . . . . .‘，＞＜´＼,,＿ . . . .／　 / 、
　　　　　　　　　| .l .Λ. l. .＼. . . .‘，　ｘィぅ斥⌒ﾊ. . V 　./. .丶　　　　　　　肉親より理解がおありです」
　　　　　　 | .l. .∨. .＞'"⌒ . . .＼' 乂 ,少＼. . . ..V_/. . . .丶
.　　　　　　　 |. l .ﾊ. . . V yぅ芹x- .,_｀`～､、　　ヽ. . .|ハ. . . . .丶
　　　　　　　　 |. l. l. ‘， . 《 _乂シ、　　￣⌒　　 | . . |. .l ＼ . . . 丶
　　　　　　　　 |. l l. . .‘，. ﾊ　　　　　ノ　　　,K | . . | . l. . .＼. . . 丶
　　　　　　　　 |. jﾊ. . . ‘，. . :、　　｀　　　 ,｡父 .|. . . . . l . . . .＼ . . 丶
　　　　　　　　 |. . . ＼ |. .＼.. .ﾆ=- 　 ..,　　ｲﾉ⌒''|. ../. . .l . . . . . .＼. . 丶
.　　　　　　 |. . . . . .|. . . . ＼ . ヽく^＼,,r―＜rｲ|. /. . . .l. . . . . . |　＼ . . .
.　　　　　　　 |. . . . . | . . . . . . )ィ }-ﾍ　乂///U |/Λ‐￢‐-､. . . | 　　＼ . . .
　　　　　　　　ﾊ. . . . .| . .γ´ /　}/l 　 Λ　Ｙ//!ﾊく/ﾉ　　　　 . . |　　　　丶 . . .
.　　　　　　　 ∥. . . . .| . . l　　　 //　 /／＼ゝ' |/|!　　　　　　 l. . |　　　　　　　. . .
　　　　　 ∥|. . . . .| . . l　　　乂ノ　h､　＼. |/|!　　　　　　ｌ . .|
.　　　　　　 ∥ .|. .| . . . rくｌ　/　／　　ﾏh｡_ 　|/||､　/Λ　/Λﾉ..|
.　　　　　　/′｜ | ./ Λ　∨,ｨiﾆ! 　　 .:　ﾏニ=.|/|| ∨　 ∨　 __ﾉ_|
　　　　　 /　　 | . /. /. .ﾊ/ﾆ0ニi,　　.:::::　ﾉ=0ﾆ|/|:/ﾆ=-　-=ニ＼＼
.　　　　 /　　　/| .|. /. ./ﾆlニニﾆ乂＿__,ｨｉニニ=|/〈ニニニニニニl＼＼
　　　／　　 /. | .| . . .Χ:lﾆニニニニニニニﾆﾆ|/|Λニニニニﾆ/. ./／

私の擁護に、にこりと笑みを返してくるクルル嬢
やはり美しい女性に見つめられるのは悪くない気分だ
.

780 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:04:24 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,,,､__　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　 ___{r､　　 ',¨ヽ､
　　　　　　　　　　 , '´　 Ⅷ'，　 '，i　ヽ..　　　　
.　　　　　　　　　 r'’ ｀ヽ､ Ⅵ:'，　　i l　　Y　　　
.　　　　　　　　　 {⌒ヽr'ﾞﾞﾞﾞ`ﾞﾞﾞ}　 ll ll !　　}.　　　
.　　　　　　　　　 {　,ｲ"　　　 } l ｌ| l|　l　 }　　　　　　　　　　　　「それにねぇ、アーカード
.　　　　　　　　　 Ⅵ　,ｨ⌒ヽ　刈'⌒ｌ|､|　j.　　　
.　　　　　　　　／{ ﾄ､r━━ﾐｰr━━ﾐﾘ'}､　　　　　　　　　　　女の子と話すのは久しぶりで、とても楽しいのだ
　　　　　　　　　／　八{`廴＿ノ¨¨廴＿ノ'}ﾉヽ丶.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・
　　　　　　　／　 /　 {　.,､　　､j:,.　　,､　八　ﾟ，＼.　　　　　　私のような口の回るでぶは、困ったことに
　　　　　／　　 .{　込　^ー=ﾆﾆ=‐'^ ノ　　　ｉ　　＼.　　　　　男受けは良いが女性にはどうにも受けが良くない
　　　／　　　 :{ 　　｀ー､ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞノ´}　　　　.}　　　＼
　　　 / 　　　　 |　　　　 ∨｀¨¨¨´∨　　　　　l　　　／＼ . 　　実に悲しいことだよ
.　　　{⌒ヽ､　　 .|　.f^ヽ､っ＿＿＿と⌒ヽ.　　}　　 /　　　ﾟ，
.....　　{　　　＼　　 Ⅷ}ﾞゝ-'((　⊂:::::::::::)ﾞrと⌒)　j　　/　　　 }
..　　　l　　　　＼　,ｲ　､__つ￣￣￣´ﾉ⊂¨¨)／　 /　　　　　}.　　だから、このような聡明な女性との知的な会話を
.　　　 Ⅷ　　　　ﾞ∧ 廴__⊃､　　　　/_⊂_¨ﾉ､＼f´　　　　　 j..　　　長く続けていたいという私の気持ちを組んでくれたまえ」
....　　　Ⅷ　　　 ∧∧　ﾞｰ､⊃──(　⊂__ノ}ﾑノj　　　　　ﾚ'
　　　　〉　　　 /　 ∨＼_,斗'/　　　Ⅶ￣ｱ./　ﾑ{　　　　 iﾟ，
..　　　　Ⅶ斗'”　　　∨　//'´　　.,斗{､／ /　　　＼　　　　|:}
.　　　　〈　　　　　　　ﾞV /__,斗'”: : :.∨ /　　　　　ヾ　　 /
　　　　　}　　　　　　　／o: : : : : : : : :∨　　　　　　　　　/
　　　　 |　　　　　　 ,ｲヽ: : : : : : : : : : : :＼　　　　　 /

　　　　　　　　　　　　 /ﾆ{
　　　　　　　＼ｰzz=彡'ﾞ二乂__,,.ﾆ=-‐━‐-=ﾆ,_
　　　　　　　　　`ﾏ二二二 ≫''~. . .. ..⌒{l´.. . . . .~'≪　　　　　　ﾉ
　　　　　　／}ﾆﾆ二アﾟ. . . . ／. . . . ﾟ,` ､ . . . . . ﾞﾏ､　　／′
　　　　　　　／. . .}=ニｱﾟ. . . . . . . . . . . . ..}ｌ. .`､. . . . . .∨'ｰ=彡ﾆ
　　　　　　　. . . .ノィｱﾟ. . . . . ./. . . . . . .. ..}ｌ. . . .､.. .. . . .}ニニﾆ={
　　　　　　 . . .／ /. . '. . . . ,′ . . . . . . . }ｌ. . . . `,. . . . lニニﾆﾆ乂
　　　　　　　／. ../ ./. . . .／{ｌ. . . . . . . . ..八 . . . . . . . . ﾚi}二アﾟ⌒i`
　　　　　　 . . . .′'. .. . '＾　i{ｌ. . . . . . . ./ . . `､. . . . . . . ..l}ﾆ7. . . . l　　　　「あら、そうなのですか？
　　　　　　　. ./j{/. . _/__　从.. .. . . . . ′. . . .`,. . . . . . . l}ﾆL. . . . l
　　　　　 /^7. . ..j[,,__　｀` `,. . . . . .{＼._._.. ..`,. . . . . . .ﾞﾆ/. . . . .l.　　　　勿体ないことです
. 　　　　 /＾7. . ..｛{l圻ﾃ气､ ‘，. . . .{´　＼. . ..`, . . . . ,ﾆ/. . . . . .l
　　　　　　 . . ﾞ. . . . l{ｌ　VZ沙`　､ . . jI斗屶ミ､. . .. .. ../ﾚi. . . . . . ..,　　　　　これほど話していて飽きない方は
　　　　　　. . .　. . . .l{ｌ　 ~^´　　　＼「 VZ炒　)､. . . ./~ﾌli. . . . . . ..
　　　　　ｉ{. . . . . .ﾘ　　　 _　　 ,　　　　　　 /}｝. ./イ ,从. . . . . . .　　　　　そうそう居ませんのに」
　　　　　　从. . . . ..込　　ﾉ }　、／) 　　　 'ﾞ从｛. . . . . .{＼. . . . .
　　　　　　 ___ﾟ,. . . ./´￣￣}｀`'く／"　　　ィ7. ./. .`､ . . . . {　丶. . .
　　　　　　 }. . /　　　 /　　　ヽ=七I~{_,{. ./. . . . `, . . . {　　　`､.
　　　　　　 ____}.. '-‐━‐-'､　　　／il}::::::::{＾{,/ -‐　､. .ﾟ,. . . {
　　　　　　ニﾉｲニニニﾆﾆ＼／ヽ_ﾉ'⌒^{_,{i　　　　ﾏ ,. . . ﾟ,
　　　　　　ニニニニニニニﾆヽﾉ^､ :::::/ /　　,　　　∨. . . .`,
　　　　　　二二ニニニニニﾆﾆ}::}::{`､/ /　　/ 　　 _i}_　＿. `､
　　　　　　二ニニニニニﾆﾆ／}::}::{ｰ'‐'ﾞ　 /r'ﾞ⌒Y　　 }i　　}. .`､

　　　　 _ _
　　　　r､ヽヽ　,..
　　　 l.i^iヽヽ! ｌ
　　　　 `、ヽ　　 `!
　　　　 `、 `　　{
　　　　　　ヽ　　, ﾍヘ
　　　　　　　ヽ' ／　　＼
　　　　　　　く｡.　　　　＼　　　　　　　　　 ,.-､、ﾍ
　　　　　　　　＼ﾟ｡　　　＼　　　　　　　,.._彡ミ',ハ、
　　　　　　　　＼　　　　　`ゝ､._　　,イヽ (_ノ彡,　ヽ
　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 __ヽ.l.　ヽi、 `i彡ﾉ// `;-
　　　　　　　　　　＿　ヽ-─　￣__,..-l、　　　　 L./// ,F`
　　　　　　　　ヽ´　　　　　_. -‐'ﾆィ○l　｀`　‐_,ーｲ//,ﾄ　　　　　　「はっはっは！
　　　　　　　　/ヽ`=i　,.-'´, - '´,. ﾍ. _,!‐.ニ∠._,.-｀　 !、
　　　　　　　 /　　／/_..i'　／'"l∠ _,.-─‐,.､｀_ヽ､　ヽ　　　　　　　実に恐悦至極！
　　　　　　 /　　/‐-´-〈イ　....＿i'_ 　　 i' r（ヽ! l'´　 .i
　　　　　　 ,' 　 /　　　ｉ　ヽ　　　l、`ヽ-､/{ヽヽヽ!ミミ､`、.　　　　感謝感激、ここに極まれりだ！」
　　　　　　,' 　 i'　　　　　 i.　ヽ　　 l、　￣li. i ` 　 lﾄl　`ﾞヽ
　　　　 i　 /l　　　　　　ヽ,.-'′ 　 l、　 lヽ　　ﾉ ,!　　　`、
　　　　　 ,l. /.{　　　　　　　　　 _ 　 l、　 !　`l,.'- ´　　　　/
　　　　 ./l/　 ! ｌ　　　　　　 _.- '´　ヽ.　i、　l.＼--　　..._ ／
　　　　/ l　　l　 l　　　　　ヽ　,.- ´　　　i、 l　＼
　　　 ,'　l 　ｌ　 l.i　　　　　　´　　　　　　 i、l.　　＼
　　　,' 　l　 l.　 l. l、　　　　　　　 _. - ´　　i､l. 　　ヽ
　　 ,'　　l.　ヽ､_j　 l、　　__.. -　´　　 l 　　 l、　　　ヽ
　　i　　　l.　　 `、　`､ ´　　　　　　　　l.　　　 l、　　　／ヽ,
　　　`ヽ、l　　　`、　ヽ　　　　　　　　　l　　　　l、　ヽ. ／ヽ
　　　`　/　l　　　`、　ヽ　　　　　　 l　　　 l、　　　　　`

私は自然と屹立していた
.

781 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:04:52 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　}_／_＿　　　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　　 f-=ミ　　　　　￣三二ﾆ≡=-ゝ .
　　　　　　 _　　-=≧ー--　-‐=＝ﾆ二三￣　　　　　　￣三二ﾆ≡
-‐=＝≡ﾆ二　　　　　_三二ﾆﾆ=---=ﾐ=-:-:-:-: r=＝＝＝-‐　　￣
_三二ﾆ=-‐　ｧ:ﾆ二: !| ∨ {.:.:.:.:.:.:.:./ハ{.:.:.:.:.:.:.:.:.:{
.　　　　　　 /ﾊ:.i:{:.:.,八_j!イ从:i.:.:.:.{fr　j.:.:.:.:.:.:.:.:抃
.　　　　　　　　 }从/　 ;八　　 }!.:.:八 .ｲ .:.:.:.:.:.:.从　　　　　　　　「…君も色々と大変なようだな、少佐」
　　　　　　　　　　￣ｱ=-‐ぇ' j.:./　 }:.l.:.:.:.:.:.:.:..:{　_
　　　　　　　　　　　　え'"´　　　　ハﾊ.:.:.:...＞ ´ {
　　　　　　　　　　　　　 }　　　　,　　_　-‐≦=ー-ミ＼
　　　　　　　　　　　　　ゝ-＜＞ ´. イ　　　　　　　ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　 r＜　.イ
　　　　　　　　　　　　　／　／

何故か我が友が、眼鏡の奥から憐憫の視線を向けてきていた
しかし構うものか、私はいま気分が良いのだ

彼の差し出してきたカクテルを受け取ると、私はクルル嬢にグラスを差し出す

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ＿__ _
　　　　　　　　　　　　　　　　　,　'´ミ:.､　､　:.､｀ :. ､
　　　　　　　　　　　　　／´三｀ヽヾ　＼ヾ:. 　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 ,'三ニ　ヾ､　:.ﾐ､＼＼_ヾ:､ }
　　　　／￣｀ヽ　　　　 /≦三:.､　ミ:.､＼　ヾ:､｀ヽ.:｝､
　　　　ﾉー‐､'´￣ )　　　ヾ.＞ー- ミ:.､　ミミミ､ヾﾍj |::Y}､
.　　ｲ　.::::彡'／￣　　　　 ∨!　　｀ヽ＞≦＞/　　 Y:::' :::::.､
　　　}　i＞＝ミ､_ノ´｀Y　＿{ii:､　　 r彳´,.:ゞ:仁=､　 !,' : : '. i＼
　　 {￣　　ー-､_Y:／.　ム/＞､r- <ゝ,､____.ﾉノ!'　,::'. 　　 |}､＼
　　 |　｀i　::::::::::::::/.　　 ,'/////,ﾍ.__八__,.:　,.:±'ﾞﾉ〃.　　　 !、＼:.＼　　　　　「さぁ、お楽しみはこれからだ
　　 | 　 !　.::::::::::ﾉ　　　{/////＞:::｀::.､:::._ ﾞ´　 .,ｲ::,' 　　　 | ＼o＼＼
　　 |　　!　:::::::〃　　　//＞ ' : : :::::::／/　/⌒ヽ.〃　　　　　!　　＼_ﾉ '　　　　夜の始まりはこれからだ
..　　}､ ._jｿオ´{　　＞ '　　　　　＞{´　ﾚ;ノﾍ　　〉　　　　　ﾊ'´￣
　　 |ﾐ＝彡'´ ﾑ}'´　　　　　,.: '´>ﾑ＞ ´〃 ,:ゞ=/　　　　　 .' {., 　　　　　　　儚くも蠱惑的で美しい
.　　〉＞'´￣z彡､　　　／／／:´,.ｲ彡' ,ｲ　〃　　　　 '／´
　／´　,ｲ￣￣ヽﾐ}､＞ﾍ∧　 }　ゝ . _／--,_'　　　　　　 ,'　　　　　　　　　素敵な夜にしようではないか」
. ∧　 /　　　　　.::::::::/ハ　＞　' ﾞ ´　　　,ｲ　＼　　　 ,＿＿__
　 ∧/　　　　 .::::::::::/＞ '゛　　　　　., '　　　　＼　人　　　　｀ヽ
.　　,'　　...:::::::::::::::::/ー―――――／　　　　　＞ﾐ.､//＞.､　　　∨
　 /　.::::::::::::::::::::::/´　　　　　　　／　 ,. - ､　　 i　　　∨////}　　　 }
　 }　.:::::::::::::::::::::/　　　　　 ,'- ､:　 , 　　 }　　ﾑ　　　∨///　　　 /
　 |　:::::::::::::::::: ,'　　　　　　 ,:ﾊ　　ヽ/　　　j.　　ﾑ　　　.∨/ 　　 /ヽ
　 |　:::::::::::::::::.ﾉ　　　　　 ,ｲ　 }.　　,ﾍ｀ー　ﾍ　　ﾑ　　　,ﾍ:..　　 /　/
　 |　::::::::::::／､　　　／　／∧´　 .∨　 :. ｀ー--ﾐ＝彳::::ﾍ　,ｲ . /
　 |　::::::::::{{::::::.､＼　 /　／　　.ハ　　 :､　｀　￣::::.ﾍ:::::::::::::::/: : :/

　　　　　　　　　　　　　　∧＼　　　　　／/
　　　　　　　　　　　　　ｲ-ヘi;i;i＞--＜i;i;/
　　　　　　　　　　. . : ´: : : : :/i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i{＿
　　　　　　　　／: : : : : __ ノi;i;i;i---=v-一:⌒: 、_
　　　　　　　／: : : : : :／>i;i;／: : --ー---=. _: : : ヽ
　　　　　／: : : : : ／-<i;i;ノ ´: : : : : : wv: : : : ＞ﾐ、: :、
　__　　 ': : : : : : ／: ::|r У: : : : : : : ＞: : : :／.: : : : : :}、i、＿＿＿
: : :,v-v: : : : .／: : : :.|{ /: : : : : : ／-一　7: : : : : : : :/: : :|i;i;i;i;i＞' ⌒
i;ﾍ{;i◎i}ヘ／: : : : : : V: : : ／イﾐ　＼　/: : : : : : :／: : : :}i;i／
- ﾍi;i;i;ﾉ、__: : : : :/:/:}: : ／:/ f ,,.ヽ　　/: : : : : :／: |: : : : li;＼
／ ⌒ ヽ　ﾉ: : :/:/:/: /: :./　弋ﾞノﾊ /: : : : :／: : :.:| : : : :|⌒
　　　　　V　 __ﾉ:/ｲ: /: :l:.|　　　　　 {///／|: : : : : l: : : : |　　　　　　「ええ、素敵な夜に」
　　　　　乂__ ノ　V|: : i :|　　、　　 |/=ﾐ 7: : :|: : |: /: :.|
　　　　　　　｝　　 {: :,l: :}、　　　_ 　 ' ゞ'ノ|: : :.|: : |/: : :}|
　　　　　　　　>　　 V:,|∧{`; , , _　_　ィ==彡: : :|＞--ﾐ:人
..:／　　　　　乂__／ヽ|; ;(_ノ; ;γ ﾉ人: : : ィ: : /////∧Vﾍ
⌒ヽ　　x- r r--彡^" |;| |; ; r 'ゝ- __　＜/|ﾊ////////}: 、
　　ﾉ／///| |O/　　　 |;| |;|く　　「//////／////////,|.: :ヽ
　｛///////// {　　　// ,|;|/＼ |////// //////////ﾊ: : : ,
ノ//////////人 ___ i;;l_/|;|/ ／|///// /////////// .}: : : l
////////O///////;// | ﾚ'　　V///{ /////////// /ﾍ: :. l
/////// ////////;//／　　　　V//,| ////////// ｲ　　}: |
////// ////////;///　　　　　　＼/} /////////　　　　l:ﾉ

私とククル嬢、赤と赤のグラスは涼やかな音を奏でるのであった
.

782 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:05:17 ID:29285ac0

　　　┌──────────────────────────────── ──　─
　　　└────────────────────────── ──　─
　　　┌──────────────────── ──　─
　　　└──────────── ──　─
　　　┌──────── ──　─
　　　└── ──　─

時計が午前一時半を過ぎた頃
アーカードも既にカウンターから離れており、私たちはテーブル席に居た

時間も時間であるため、我が友もマスターの職務から離れても良い頃合いだろう
店の扉に「CLOSE」の札をかけ、アーカードも席についた

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,,,､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___{r､　　 ',¨ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 , '´　 Ⅷ'，　 '，i　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　r'’ ｀ヽ､ Ⅵ:'，　　i l　　Y
　　　　　　　　　　　　　　　　　　{⌒ヽr'ﾞﾞﾞﾞ`ﾞﾞﾞ}　 ll ll !　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　,ｲ"　　　 } l ｌ| l|　l　 }.　　　　「さぁさぁ君も飲みたまえ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ　,ｨ⌒ヽ　刈'⌒ｌ|､|　j
　　　　　　　　　　　　　　　　　／{ ﾄ､r━━ﾐｰr━━ﾐﾘ'}､　　　　　　素面は良くない、とても良くないよ」
　　　　　　　　　　　　　　　／　八{`廴＿ノ¨¨廴＿ノ'}ﾉヽ丶
　　　　　　　　　　　　　／　 /　 {　.,､　　､j:,.　　,､　八　ﾟ，＼
　　　　　　　　　　　／　　 .{　込　^ー=ﾆﾆ=‐'^ ノ　　　ｉ　　＼
　　　　　　　　　／　　　 :{ 　　｀ー､ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞノ´}　　　　.}　　　＼
　　　　　　　　　 / 　　　　 |　　　　 ∨｀¨¨¨´∨　　　　　l　　　／＼
　　　　　　　 {⌒ヽ､　　 .|　.f^ヽ､っ＿＿＿と⌒ヽ.　　}　　 /　　　ﾟ，
　　　　　　　　 {　　　＼　　 Ⅷ}ﾞゝ-'((　⊂:::::::::::)ﾞrと⌒)　j　　/　　　 }
　　　　　　　　　　l　　　　＼　,ｲ　､__つ￣￣￣´ﾉ⊂¨¨)／　 /　　　　　}
　　　　　　　 Ⅷ　　　　ﾞ∧ 廴__⊃､　　　　/_⊂_¨ﾉ､＼f´　　　　　 j
.　　　　　　　　Ⅷ　　　 ∧∧　ﾞｰ､⊃──(　⊂__ノ}ﾑノj　　　　　ﾚ'
　　　　　　　　　　〉　　　 /　 ∨＼_,斗'/　　　Ⅶ￣ｱ./　ﾑ{　　　　 iﾟ，
　　　　　　　　　　　Ⅶ斗'”　　　∨　//'´　　.,斗{､／ /　　　＼　　　　|:}
　　　　　　　　〈　　　　　　　ﾞV /__,斗'”: : :.∨ /　　　　　ヾ　　 /
　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　／o: : : : : : : : :∨　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　 |　　　　　　 ,ｲヽ: : : : : : : : : : : :＼　　　　　 /

　　　　　　　　　 /: : ,ニﾆ/: :∠」:／ :／: : : : :/: : : : : : :＼: ∨ニニ-__
.　　　　　　　　 /: : : l二/ : : : : /: : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : :トニニﾆﾆ-__
　　　　　　　　 /: : : : l=/ : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : :〈|: : : : : }: :}ニニニﾆﾆ=-
.　　　　　　　 /: : : : : :/ : : : : /:／ｌ : : : : |: : : : : : : : : : : : :|: : |ノニ厂￣: :.
　　　　　　　 /: : : : : :/ : : : : /⌒＼| : : : : | : :|､ : : : : : : : : :|: : |ﾆイ: : : : : : |
.　　　　　　 /: : : : : : : : : : : r=ミx.,_ | : : : : | : ｣斗-- : : : : : : : j/ : : :: : : : : |　　　　　「さぁ伯父様、乾杯いたしましょう
　　　　　　　　: : : : : : : : : /: //{　んし㍉ : : : |Λ|____＼: : : : :/ : : : : : : : : : : : :!
.　　　　　　 . : : : : : : : :|/| /: :ﾊ　 Vりソ八 : : ⌒万rミトx : :/ : :/__ : : : : : : : : : . 　　　どのヴィンテージを開けますか？
　　　　　　 . : : : : : : : : :| :| : : : :}　　　　　＼　 VｆＪソ :| :/ : :/ｱﾉ.: : : : : : : : :
.　　　　 /: : : : : :..／: :|: : : :/八　　　ヽ　　　　　　´/ :|/ : :/イ : : : : : : : : : :　　　　　　2007年のオーパス・ワンなどが
　　　　　/: : : : : : /: : : :| : : /: : : ヽ　　｀　 -‐　　　ノ: : : : :/: : | : : : : : : : : /
／=-＿/ /｜: : :/／⌒/:. :.|: ; ;__: :)＼　　　　__-:≦: : : : : :/: : : | : : : : : : : /.　　　　　おすすめですが」
二二二∨　L ／　　 : : : :|Υ―<:::＼_　ヤ⌒ V::::〉 : : : /: : : : | : : : : : : /
ニニニ二　￣７　　 |: : : |｜　　 >､__￣{::::::::::{_}〈:/ : :./_: : : : :| : : : : : /
ニニニニ{　　 / 　　 |: Λ|｜　／　　 |￣〉::::/::::::/: : ノ　⌒＼ : : : : : /
ニニニニ＼　＼　,　八{ 　レ' ＼／ |　し::::::}:/: ／　　　　 ∨l＼:/　　　 ―― 、
ニニニ二二＼__＼7 　＿＿　　／`､　|／ /:::/ ／　　　　　　　　|　 ∨／／⌒　 ) )
ニニニニニ.／￣ /／ﾆ(　)ニ／　　 `､__//:::/　　　　　　　　＿_」　／ニニニ　く(
ニニニニ／: : : : /ニニニニ/　　　　 l=//:::/ｈ､　　　　　　 |　　／ニニニニニ{
ニﾆ厂￣: : : : : : :{ニニニニ｛　　　　 ,j//:::ノ(　)}ｈ､　　７x　 | 　./ニニニニニニ{
二/: : : : : : : :. :. :.{ニニ(　)ﾆ｣　　　 //ニニニニﾆ＼ /: : ＼|　/ニニニニニニニ＼

783 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:05:40 ID:29285ac0

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: : : : : : : : :八j.:.::{　r　　 ((｀　"　　ﾉ.:.:.′: : : : : : : : : : : : : : : :＞ ´.　　　　「君か少佐が払うのならば
｀　ー-=ｧ:.:.:.:.:.:.ﾊ　ｰぇ=＝＝vﾊ 7.:./　. : : : : : : _ 　 -‐　 ´
.　　　　/ﾊ:.:.:.:.:.{ﾍ　　　ゞｰ-- ｲ .'/.:fー‐　　"　　　　　　　　　　　　　　　　空けても構わんよ」
　　　　从:.:.八∧　　｀￣´　,:ﾞ.::::|
　　　,. : ´:抃::{.　　＼　　　　 .ｲﾊi从
.　　/. : : : ハ八　　　＞-=≦.ﾉ_
／￣: : : : : ::}　}＼　　　　　ハ: :＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※オーパス・ワン　2007年　（750ｍｌ）
: : : : : : : : : / . | 　｀ー-ﾐ　.}　＼: :＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　一本おおよそ４～６万円
: : : : : : : : : }　｜ o　.才⌒ヾｵｱﾒ }: : : ＼
: : : : : : : : :∧　ゝ＜　＼:i:i:i:i:i:ﾊ　{＼: : : :.＼

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　　　　　　　＼ｰzz=彡'ﾞ二乂__,,.ﾆ=-‐━‐-=ﾆ,_
　　　　　　　　　`ﾏ二二二 ≫''~. . .. ..⌒{l´.. . . . .~'≪　　　　　　ﾉ
　　　　　　／}ﾆﾆ二アﾟ. . . . ／. . . . ﾟ,` ､ . . . . . ﾞﾏ､　　／′
　　　　　　　／. . .}=ニｱﾟ. . . . . . . . . . . . ..}ｌ. .`､. . . . . .∨'ｰ=彡ﾆ
　　　　　　　. . . .ノィｱﾟ. . . . . ./. . . . . . .. ..}ｌ. . . .､.. .. . . .}ニニﾆ={
　　　　　　 . . .／ /. . '. . . . ,′ . . . . . . . }ｌ. . . . `,. . . . lニニﾆﾆ乂
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　　　　　　 . . . .′'. .. . '＾　i{ｌ. . . . . . . ./ . . `､. . . . . . . ..l}ﾆ7. . . . l
　　　　　　　. ./j{/. . _/__　从.. .. . . . . ′. . . .`,. . . . . . . l}ﾆL. . . . l
　　　　　 /^7. . ..j[,,__　｀` `,. . . . . .{＼._._.. ..`,. . . . . . .ﾞﾆ/. . . . .l　　　　　「後学の為に」
. 　　　　 /＾7. . ..｛{l圻ﾃ气､ ‘，. . . .{´　＼. . ..`, . . . . ,ﾆ/. . . . . .l
　　　　　　 . . ﾞ. . . . l{ｌ　VZ沙`　､ . . jI斗屶ミ､. . .. .. ../ﾚi. . . . . . ..,
　　　　　　. . .　. . . .l{ｌ　 ~^´　　　＼「 VZ炒　)､. . . ./~ﾌli. . . . . . ..
　　　　　ｉ{. . . . . .ﾘ　　　 _　　 ,　　　　　　 /}｝. ./イ ,从. . . . . . .
　　　　　　从. . . . ..込　　ﾉ }　、／) 　　　 'ﾞ从｛. . . . . .{＼. . . . .
　　　　　　 ___ﾟ,. . . ./´￣￣}｀`'く／"　　　ィ7. ./. .`､ . . . . {　丶. . .
　　　　　　 }. . /　　　 /　　　ヽ=七I~{_,{. ./. . . . `, . . . {　　　`､.
　　　　　　 ____}.. '-‐━‐-'､　　　／il}::::::::{＾{,/ -‐　､. .ﾟ,. . . {
　　　　　　ニﾉｲニニニﾆﾆ＼／ヽ_ﾉ'⌒^{_,{i　　　　ﾏ ,. . . ﾟ,
　　　　　　ニニニニニニニﾆヽﾉ^､ :::::/ /　　,　　　∨. . . .`,
　　　　　　二二ニニニニニﾆﾆ}::}::{`､/ /　　/ 　　 _i}_　＿. `､
　　　　　　二ニニニニニﾆﾆ／}::}::{ｰ'‐'ﾞ　 /r'ﾞ⌒Y　　 }i　　}. .`､

細い指で唇を抑え、上目使いに相手を覗き込む
うむ、なんとも自らの外見を理解した素敵なアピールである

しかしながら、我が友は辛辣であった

　　　　　　　　　　　}_／_＿　　　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　　 f-=ミ　　　　　￣三二ﾆ≡=-ゝ .
　　　　　　 _　　-=≧ー--　-‐=＝ﾆ二三￣　　　　　　￣三二ﾆ≡
-‐=＝≡ﾆ二　　　　　_三二ﾆﾆ=---=ﾐ=-:-:-:-: r=＝＝＝-‐　　￣
_三二ﾆ=-‐　ｧ:ﾆ二: !| ∨ {.:.:.:.:.:.:.:./ハ{.:.:.:.:.:.:.:.:.:{
.　　　　　　 /ﾊ:.i:{:.:.,八_j!イ从:i.:.:.:.{fr　j.:.:.:.:.:.:.:.:抃　　　　　　　　　　「身銭を切ってこそ血肉になるのだよ
.　　　　　　　　 }从/　 ;八　　 }!.:.:八 .ｲ .:.:.:.:.:.:.从
　　　　　　　　　　￣ｱ=-‐ぇ' j.:./　 }:.l.:.:.:.:.:.:.:..:{　_　　　　　　　　　　　若きソムリエール」
　　　　　　　　　　　　え'"´　　　　ハﾊ.:.:.:...＞ ´ {
　　　　　　　　　　　　　 }　　　　,　　_　-‐≦=ー-ミ＼
　　　　　　　　　　　　　ゝ-＜＞ ´. イ　　　　　　　ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　 r＜　.イ
　　　　　　　　　　　　　／　／
.

784 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:06:06 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ___＿___　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈: : : : ｀ーi　
　　　　　　　　　　　　　　　 rｰ-　.. .._ 　 jｰ-r-　._.{
　　　　　　　　　　　　　　　 .＼/////≧=≧ー-=ﾐ}　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜ﾉ.:弌__j:f⌒iー-≧.. _＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　　乂:.:.ﾊ .〈抃::刈ｲ(二ﾆ=-― "
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从{∧ｰ弍ｲハ　　　　　　　　　「ああ、それと
　　　　　　　　　　　　　　　r=孑＝≦:/ //辷ｾｒく｝: :ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 .ｲ: : :: :: :: ::/ // }fメ{^´ {{: : :{｀ー- .　 _..　　　　君が可愛い子ぶろうと私には無意味なので
　　　　　　　　　　　　　　 /. i : : : : ::／.//_ノ : 〈　.〃. : :j: : : : : : , : ﾊ
.　　　　　　　　　　　　　 /. : l: : : :／. ://. : : : : :∨. : : : {: : : : : :/. : : }..　　　止めておきたまえ少佐」
.　　　　　　　　　　　　／. : : : :.／. : ://}. : :才.:::人: : : : }} . :: ::/. : : : {
　　　　　　　　　　　　}: : : : : : :＼ : ///7f个ｰイ}} : : :: ::}}. : ::ｲ. : : : : ﾊ
　　　　　　　　　　八rｰ-ﾐ: : : : ＞i/ }/　}才:i{.}}: :厶斗:／. : : : : : : ::{
　　　　　　　　　　　　ﾉ: : : : ￣ : : /ﾆﾊハﾆﾆﾘ} : : ｀ .＜. : : : : : :i: : : :{
　　　　　＿_ 　　 ./. :_: : : : : : : /＞}ﾆ=ミv/. : : : : : : /. : : /⌒辷气乂
　　　　Y´三二ﾆミ.く: : : ￣:￣＞j 才ﾆ=气}.∨_:: :: :: ::/⌒ヾ: : : :7!..|
　　　　 }三二ﾆ=＝-_｀_＜: : : {{ { rーメ　　　}}ﾊ: :￣三二ﾆ≡＝∧|
　　　　 }三二ﾆ=＝=ﾆ二三＞乂rー-气=-ｲｲiﾘ: : : : : : : : : : : : : : :}!
　　　　 }三f´///｀ヽr＜_三三三≧==＝＝=ｲ: : : : : : : : :_:三二ﾆｲ|
　　　　 }三∨/////∨三三二二ﾆﾆ≡＝==-≧＝≡ﾆ{　　　　　〉〉

　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿ _/|ヽ
　　　　　　　　　　　　　 _,-z＜丶　Ⅵ　＼
―――――z ､　 .＿_　ノﾉﾒﾊﾞﾐヾ　ヽi!ｌ|　　　＞､
　　　　　　 // ￣（＿__）彡彡'　ヾ!ﾄ刈|j　　　　ﾊ
.　　　　　 //　　（＿＿）Z/＿ヽ　　　'|　　　　 / ハ
　　　　　//　ヽ　　　　＿＿__)＼､　　|　 |　　/ /　,
＿＿＿',人_　　}　　　くｦ{　　/｀ヾﾉﾙ/ル1ﾙ |l　/ /
　　　　　　＞}　厂＞､　＼､/　/ﾉ≧ｬ≠ｻメﾉｲ /　ﾉ
　　　　　　　し'／　　 {ヽ、）￣　 /f ん(i) 〉》j/／　　　　　　　　「駄目かね？」
.　　　　　　／　　　　八　ﾄ､＿ゝ__,乂三彡/ん）
　　　　　／　　　／/　∧　辷ー‐-　＿, ｧ'　/＜
＜　　／　　　／　/／　ヽ　　￣　￣　　／　　　ヽーぇ､
＿＞　　　 .／　 /　　/　　＞　、_＿,　介､　　　　∨　 }l
　　　　　〃　　 /　　/　／ﾐｯ≠ ヽ　 Ⅵ　、ﾊ　　　ｌ　ﾉ
　　 , イ　　　 /　　ムィ'{≦γ｀巡ハ　 }!　 ∨'　　　　,　〈
　／　ﾉ　　 /　／|'　　Ⅸ代_ 从Ⅶ∨;|　　ヽ乂　　　ヽ　、
　　／　　　/ フ' 　 l　　 ∨7ﾑVﾙ/　,'　!　　　　　ヽ　　　＼
　／　　　 /'´　　　　、　　|l{ 　 lﾘ　 /　 |　　　　＼　＼　　　ヽ
<　　　　人　　　　ヽ　 }l{　　l{　/＼　!　　　　　＼ﾊ　　　 '
　＼_ , イ　　＼　　　＼ﾙ!　 ,ﾙ′　＼　　　　　　　>|
「￣　　 !　　　ゝ　　　　　 X＞′　　　　Ｘ　 ∠二二､,ﾍ　　　ヽ
　　　　 |　　　　　　　＞'　´　　　　　　／　ﾊ/　　　　　|　}　　　　|
　,.　　 |　二＝―　　　　　　　　-＝二　　　 V　　　　 ,
　ヽ　　｢　　　　　　_　-―＝　　　　　　　０　 }　　　　/ /　　　　 |

太い指を精一杯広げて、瞳へピースサインを向ける
私にできる精一杯の素敵なアピールだ

しかしながら、我が友はそれを一蹴した

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'´ 　　　￣三二ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }三ニ=　　ー-=三三!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }三三ﾆ　　　≧三三{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }rー-＜__三二ﾆr＜_{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ￣　　ー＜r '"´__彡ー==＝＝≡ニニ≡＝＝ｰ-ﾐ
　　　　　　　　　　　__　.　-　'"´三ﾆ＝ー＜　　≧三三三二ﾆ=-　'"´￣　　　__ 彡ﾞ
　　rー_‐=≡ﾆ三＝-　_　　　　　　　　__　二ﾆ=-=才:r=i--― ‐　　"　￣
　　｀ー-=ﾆ二三三≧ﾆ==-　-=才f::::{{: : : }ﾒ人: : :从:::::!
　　　　　　　　　￣　　　　　　　　从从｀　´　i|ハ　厂:::乂　　　　　　　　「うむ、実に素敵な酩酊具合だ、少佐よ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　／}::::ハ　ヽ_り　.′:::{　＼
　　　　　　　　　　　　　　　／　∧:::::厶辷＝.ｱ ' }ハ从　 ∨
　　　　　　　　　　　　.　 : ´:'　 :三fﾊ从ﾄヽ￣ .厶ｲ/ }}=-_　 '.: : .
　　　　　　　　. : : ´　　　 /　ﾆ二{ 　 }} .ゝゝ-ｲ　 {{ 　{:三_　　∨　｀: : .
　　　　／⌒ｆ　　　　 /　　:ﾆ二{　,八o /.⌒Yo .ﾘ　 }.≦　　 ∨　　　｀ｰrｰく
　　　/ﾆ_　 :{　　　　　_:/　　=ﾆ二}　　 ∨}r--｛ﾍ/:. 　{三__　　　∨　　　　 }:　ハ
　　 }ﾆ7　　}=ﾆ二三./ 　 .-=ニ三}　　　才 i {.∧　　 {ニ=_ 　 _彡三二ﾆﾆ{　　∧
.　　/ﾆﾘ ∧:{三三三≧=--ぇ :-≧{　　/:/　{ i| :∧　　 {≦　＜:三三二ニ:ﾘﾊ　:∧
..　/:ﾆ/ /ﾆ-∨ニﾆ_＞　´ 　_-ﾆ三}　..′}/　 }　 ∧ 　 }二　　　　 {三-/　}弍　　＼
. /:ﾆ/　'ﾆﾆ_八三三} 　　　≧三ﾆ}　,　 :{　　:}　　＼:{三ﾆ_　　　　∧=/　ハﾆﾊ　　　〉

785 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:06:33 ID:29285ac0

　　　　　　　　 ./ー=ﾆ二二二二二厶イ: : : : : : : : : : :.＞く二二二ﾆ
　　　　　　　　 {≧≦二ﾆ=ｰ=孑: : : : : : : : : : : : : :＞ｲ/ ハV二二二
　　　　　　　／: :辷: : : : : : : : : : : : : : : : : :＞＜ﾆﾆﾆV　ﾑ∨二二
　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＞＜二二二二ﾆV　 .} }二ﾆﾆ
...　　　　..＜: : : : : : : : : : : : : : : : :＞⌒寸≦圦二二二ﾆﾆ∨ .　|二ﾆﾆ...　　「そもそもだ、高いワインが良いワインではない
...　　＜: : : : : : : : : : : : : : : ＞＜{　　　　∨三ハ二ﾆﾆﾆﾆﾆ∨ ∧二二
＜: : : : : : : : : : : : : :＞＜{ 寸ﾆ圦　　　　 }ﾆイ.∧二二二二} /二二二....　　ヴィンテージは確かに上質なワインだが
.: : : : : : : : : : ＞ ’ﾑ二ﾆ圦　.}二ﾆ＼　　ﾉ'　.! 　 V二二ﾆﾆ| V二二二
..: : : :.＞ ’　　　　ﾑﾆﾆﾆﾆﾆ7　ﾏﾆ二ﾑ¨´　　　　 ∧二二二|　Vﾏﾆ|寸.　　　それが飲み物というカテゴリーにある以上
. ’　　　　　　　 .ﾑﾊﾆﾆﾆﾆ7/　＼ﾏﾆﾑ　　　７ Vﾆﾆ二.|　　ﾏ|　
　　　　　　 .{7 .|ﾆﾆﾆ７　　＿　　　Ν　　／　　∧ﾆﾆﾆ/}　　　八...　　　与えられる感動や幸福は有限であり、刹那的だ
　　　　　　 .| .八{ ハｰ=ﾆﾆT＿＿＿　イ/　　./　}ﾆﾆ/ ﾉ　　　.／
　　　　　　 .|　　乂　)　寸ﾆﾆYエエ７／　　　　　|ﾆ./　　　／／　　無論、思い出は残るがね」
　　　　　　　　　　　　　　　ﾏ{寸二二´　　　　　ﾑｲ　　　／／: :
　　　　　　　　　　　　　　　　 |　ﾏﾊ.　　　　　／　　　.／　/: : : : :
　　　　　　　　　　　　　　＞＜: : :.:ﾑ　　　　／/ |.　／　　/: : : : :
　　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : ハ__　イ　/　.|／　　　/: : : : :

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　 /////ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/======ﾑ
　　　　　　　　　　　,，＜三≧ﾆﾆﾆ≦三三＞,，
　　　　　　　＿_,，＜三＞ﾆﾆI{ゞ='}jゞ=' }ﾆﾆﾆﾆニ＞,，　　　　　　　　　　「であればこそ、私はこう考える
　　　　　　　｀ヾ¨¨´ﾆﾆニニ圦ゝwｰｪﾉ,′ﾆ二二二ノ
　　　　　　　　　　　〃イ/y}ヽ｀¨´ｨ八}ヽﾊ___　　　　　　　　　　　　　　手に入れやすく、求めやすい
　　　　　　　　　　 .八_.j'{/{.!　｀¨ j!ヽ≦: : : : : ヾ
　　/}　　　　　　　　 r≦: : : : :∧ :}　厂 /: : : : : 〃: :∧　　　　　　　　　日々の生活に少しの彩りと豊かさを与える
}ﾞi_ } {__r‐ｧ　　　　　ヽ: : : : : /: :}ﾊ Уﾆ/ヽ: : : :〃: :/: :ﾊ
ゝヽ' 　〈　　　　　　〉: : : ': :ノ./ﾆﾆﾆ': : : ゝ: :{{: : : :/:八.　　　　　　　　　そんなワインこそ至上である、とね」
´¨＼　　}､　　　　 /: : 〈: :{　./ﾆﾆﾆ': :／: : : :ゞ,: : : :': : :＼　　 r ､
　　 {≧=' }，　　　 /:}: : : ｝ i ./ﾆﾆﾆ':ィ.: : : : : : : ｀7ヾ: : : : :_≧=ｰ入ヽ
　　　ﾏ: : : ﾑ　　／: :{: : : ヽj/ﾆﾆﾆ'ヽ: : : : : : : : :./ 　＼´: : :〃:r‐　｝ {
　　　ﾏ: : : :ﾑ､ィ: : : : :}: : :.:/}'ﾆﾆﾆ': : :.，: : : : : : /　　　ヽ: :{{　{
　　　　ﾏ: : : : :ヾ: : : ／｝:／/ﾆﾆﾆ': : : : >: : : : .ｨ　　　　　　　≧=:〕　　 } ヽ
　　　　ﾏ: : : : : :〃　ｲ/:.:/ﾆﾆﾆ': : :.／: : : ／　　　　　　　　/.}ヾヽr‐'　/
　　　　　｀ｰ== ´ ／:.:.ヽ/ﾆﾆﾆ' : ／: : : : :｛　　　　　　　｀¨ｰ'ｰ'¨¨´
　　　　　　　　 /: : : : ｲﾆﾆﾆ{_イ: : :.ｰ=彡{＿__
　　　　　　 /: : :／ﾆﾆﾆﾆi{.: : : : : : : :ィ: : : : : : ｀. .　　　　　　　　　 -‐‐
　　　　　　 ./: :.:/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆi}: : : : : :｛: : : : : : : : : : : :＼　　　 ,，＜: : : : :
　　　　　　　 .′.:/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ, : : : :.八: : : : : : : : : : : : : ＞ ´: : : : : : : : : :

そう言いながら彼が持ち出してきたのは、シャトー・モン・ペラ
低価格でありながらも、質の高いボルドーワインだ

786 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:06:59 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　_　　/＾￣￣¨¨¨ーrm,,
　　　　　　　　　　　i ^^´　＼　＼　　　＼￣＼
　　　　　　　　　　_人ヾ＼　　＼　＼　　　＼　｀i
　　　　　　　　　ﾍ　　　i ＼　　＼　｀i 　　　ヾ　　i
　　　　　　　　|三ミ　　 ||||＼　　　i　　|　　　 |　　 |　　　　　　　　「まぁつまるところ
　　　　　　　レ　　ミ／:::::::::i　　　 |　｜ |　| 　| 　|
　　　　　　　〈　　　;^::::::::::::::::::||　| 　||　 ||｜|| | |　| |　　　　　　　差し出された対価以上の物は出さないと
　　　　　　　 .レ／i::::__ｘ≠x v |　レ＾,-三=テヽ//,/
　　　　　　　　l（＼ r´r´＿土ヾ示~^|≦ﾐゞ"　 || ノ
　　　　　　　　ヾヽ＼ｒﾍﾆゞﾟ"｀ }t‐ｰ´＼;;＿_／ |/　　　　　　　　　はは、君も商売人となってから
　　　　　　　　　＼::|::＼_:::::::_,／^|::: :::::::::　_ﾍ　.| ＼,,,...,,
　　　　　　　　　　ゝ.|:::::::::二:::::::;;;;;___;/_,,,ェｦ　.|＼＼:::::.　　　　実に口が回るようになったものだな、我が友よ」
　　　　　　　　　　/.∧:::::｀ヾ-=;;;ー二二ノ´　/||＼＼＼
　　　　　_┌ー¨¨/　;;｀＼;;::::::::-￣:::::"　　／´;;;;;;| .;i:::::::::
ーー¨¨¨/;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;|;;;;;||||｀"ー;;;;;;;_;;;;;;-"´:::　　　||　　＼
＿＿,,,../;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:::|:::::::::ﾍ||||::::::::::::::,ﾍ＼:::::: 　　:|;;;;;;::::::

　　　　　r==＜ニニニニ /　＼ /　　　　　 /　　　　　＼　　 /＼ニニニニ
　　　　　{　⌒'くニニﾆ／八　 /　 Λ 　　 /　　　　　　 l　　 ∨Λﾆﾆ／⌒
　　　 /　　　＼ニ〈　{　　∨　 //Λ 　 /　　　　　　　　　|　　　∨/ ∨. 　｜
. 　　 /　　　　　　｝ニ＼＼∨　　∨//　　　　　　　 |　　|　　　　| 　 `、　 |
　　 /　　　　　ノニニﾆiヽ l　　　 ∨　　　　 |　　　　｜　Λ 　　 |　　 `、 /
. 　 /　　　 l　　＼ニニﾆ|　 |　　｜　,_ / 　　 |　　　　　|　/ ／.　　 |　　　`、
. 　 | 　|　　|　　　＼ﾆﾆ廴ﾐ|　　｜　　~"''～ l＼　　　　r／　__ 　 /　/　　`　　　　　「長く接客業に携わると
. 　 | 　|　｜　　　　＼ﾆ(: :|　　｜　 ---=　|　＼　　Vｘｾて'''ト,　 /
. 　 |　 |　　|　　　　　｜:.＼)ﾞ|　　　斗ｬセてミト--　＼　j｢ｉ:ﾉﾘ j/　/　 Λ　　　　　　　私もこうなってしまうのですかね
. 　 | 　|　　| 　　 r…　 ^~~｜　 ⌒'く｛::i::ﾘ　}　　　　　＼^ｰ''ﾟ　′/　 /.:..|/|
. 　 | 　|　｜　　｀''＜⌒`　|　　 |　乂´ ,ノ　　　　　 ,:　　 }　 /　 /:. :..|: |
.　 / 　　　　　　 /: ｀丶ｘ|　　　　　　　　　　　　　　八/ 　/:. :. :.|: |.　　　　　　 ……伯父様はけちんぼです」
　/！　 /　　 / 　 /: : : : : : |　　　|　　　　　　　　 ..　 -　 . ':./　／j: : :. :.|: |
　|　|　/　　　/　　/: : : : : : : |　　　＼　　　　　　 ´　　　. : : /／ : /: : : : :|: |
　| ｜　　　　 .: : : : : : : : 八　＼　＼ﾆ=-　.,_　 _、く /: : ／ : / : : : : /Λ
　|　/　　 /　　/: : /: : 　／　＼　　＼｛⌒　 /ニア　 / ／/: : / : : : : //　}
　|　　　 /　　/: : /: : ／　　　＼　　＼ニ/ニく　　／　/: :,.:ﾞ : : : : //　/
　|　l 　 /　　/: : /: : /／|　　　　　　＼　｛¨¨ }＾＼）　｜　/／ : : : : : //　/
　|　[　/　　/: : /: : :/ 　 |　　／⌒|　　＼＼ﾉ　　＼ノ　　/: : : : : : //　/

そう言いながらも、クルル嬢はアーカードからワインボトルを受け取り
あざやかな手つきで開封し、彼の好みに合わせてデキャンティングを行う

彼女もだいぶ酒が入っているはずなのだが、その作業に淀みは無い

さすがはプロといったところだろうか
.

787 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:07:26 ID:29285ac0

クルル嬢から受け取ったワインに、アーカードは口を付ける
ゆっくりと、鼻腔と舌で味わいながら嚥下した

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r'´ 　　　￣三二ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }三ニ=　　ー-=三三!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }三三ﾆ　　　≧三三{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }rー-＜__三二ﾆr＜_{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ￣　　ー＜r '"´__彡ー==＝＝≡ニニ≡＝＝ｰ-ﾐ
　　　　　　　　　　　__　.　-　'"´三ﾆ＝ー＜　　≧三三三二ﾆ=-　'"´￣　　　__ 彡ﾞ
　　rー_‐=≡ﾆ三＝-　_　　　　　　　　__　二ﾆ=-=才:r=i--― ‐　　"　￣
　　｀ー-=ﾆ二三三≧ﾆ==-　-=才f::::{{: : : }ﾒ人: : :从:::::!
　　　　　　　　　￣..ﾞ-─-.　　　从从｀　´　i|ハ　厂:::乂　　　　　　　　　　　　「うむ、美味い
　　　　　　　　 /　　　　　 ',.....／}::::ハ　ヽ_り　.′:::{　＼
　　　　　　　　　 _..　-─-　.._　　∧:::::厶辷＝.ｱ ' }ハ从　 ∨　　　　　　　　　　やはりワインはヴァンパイアの血肉として
　　　　　　　　 {::::::::::::::::::::::::::} :三fﾊ从ﾄヽ￣ .厶ｲ/ }}=-_　 '.: :
.　　　　　　　　 ',::::::::::::::::::::::,'.ﾆ二{ 　 }} .ゝゝ-ｲ　 {{ 　{:三_　　∨　｀: :.　　　　　　相応しい飲み物だよ」
　　　　／⌒ｆ.....　＼__:::::__／..:ﾆ二{　,八o /.⌒Yo .ﾘ　 }.≦　　 ∨　　　｀ｰrｰく
　　　/ﾆ_　 :{　　　　 | |...　　=ﾆ二}　　 ∨}r--｛ﾍ/:. 　{三__　　　∨　　　　 }:　ハ
　　 }ﾆ7　　}=...,.　-=ﾐ |_.　-=ニ三}　　　才 i {.∧　　 {ニ=_ 　 _彡三二ﾆﾆ{　　∧
.　　/ﾆﾘ ∧:{.ﾞ/⌒ヽ　 }| ｝-ぇ :-≧{　　/:/　{ i| :∧　　 {≦　＜:三三二ニ:ﾘﾊ　:∧
..　/:ﾆ/ /ﾆ.../⌒＼ |　}|ﾉ...　_-ﾆ三}　..′}/　 }　 ∧ 　 }二　　　　 {三-/　}弍　　＼
. /:ﾆ/　'ﾆ　/⌒ヽ　}lノ |.　　≧三ﾆ}　,　 :{　　:}　　＼:{三ﾆ_　　　　∧=/　ハﾆﾊ　　　〉

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　 }＼ /´ﾉi:jI斗‐━‐- ミ, 　　 }､
　　　　　　　　　　　　　　　　 }i:i:i:≫''~　　⌒'ｰ-　 _ ` ､___ﾉi:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　 _jアﾟ　　 'ﾞ　　 }　　　　 ∨i:i:i:ｱﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　ｱﾟ　　　 /　　　 }　　　　　ﾔi:i:i{⌒i
　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ./　　'　　　 ,'　　　　　　 }i:i:i:乂 {　　　　　　　　「なんと言いますか、伯父様は
　　　　　　　　　　　 ′　'　_,/}　　　 /{　　｛　　　 }i:i:i:i:7´ﾟ,
　　　　　　　　　　／　　 i{　/｀{l　　_/_ｉ{　　｛　　　 }i:i:i:i:{ 　 ,　　　　　　　　　普段からの格好も合わせて
　　　　　　　　　　　　／　ｉ{　　｣{示ﾐ }ｌ　 /　从　　｛　　　ﾉイ⌒　　ﾟ,､
　　　　　　　　　　从　八以八_/ 斧=-' ､　　､　 'ﾞ｛　　　　ﾟ, ＼.　　　　　本当にヴァンパイアらしいですよね」
　　　　　　　　 ′　/ /^＼{「　'　　　　ﾉハ｝＼{「＼{l ｛　　　　　ﾟ,　丶
　　　　　　　　　　 {　 / /　　　从　､　__　　~^^´,｝　 i{　　　｛　　　　　 `,　　＼
.　　　　　　　　　 } / /　　　/^沁,　　　　　　ノ　 l{　　　ﾟ,　　　　 `､
　　　　　　　　 'ﾞ /　　　/　′　〕i=-j⌒Y⌒Y⌒i l{　　　　ﾟ,　　　　　 `､　　 ∨
　　　　　　　　　　　/　　　/　 { 　, -‐「~|::::::l { } l::::::l‐'-ミ　　ﾟ,　　　　　　ｉ{ ＼　〔
　　　　　　　　_/／{⌒{ｧ､　}　ﾞ　八人_,人_,人__｣　　 ∨　　ﾟ　　　　ｉ{　　ヽ　[
.　　　　　　　 _ｱﾟ=ﾆ{　 {　ﾊ } li　 {i ／´　〃}}　　　　　　V_____}　　　　　从　　 l}ﾉ
　　　　　　 _/=ﾆニ{⌒i}/ i{l} ll　／,　　 ∥ {{　 {　　厂￣ `V{　　　___/　＼
　　　　　　　　7ﾆニ二{　 i}　八ｱ(____)､　 {{,　}}　/⌒`' ､ jI斗-'-ミ／　_ ∨,　　＼
　　　　　　　ﾞニニ二{／＾くＷ0ニﾆﾆ{{≧}}ｰ{{-l{　　　´二二ﾆ7　／､ﾑ ∨,　　　＼
　　　　　　　 =ニ二二{　　 i}Wニﾆﾆ0={{二}}ﾆ}} 人_／二二ニニl　'=ニ} ﾑ ∨,　　　＼
　　　　　　 i{ニニニﾆ､_／＾i{二二ﾆﾆ{{ニ{{ﾆ{{=／ニ{￣￣｀`ヽ｣ [二ﾆL__}　} ﾟ,　　　　丶
　　　　　　 l{二二ニﾆﾆ＼_,从ニニﾆ={{ニ{{ﾆ{{〈二ニ{　{￣｀`ヾ~'ﾏ_________／　ﾟ,　　　　　　`､
　　　　　　 l{二二二二二二小,二二0{{ニ{{ﾆ{{=＼ニ{　{ニﾆﾆ{ ゞ' ＼＼l　　　　　　　　　　　`,
. 　　　　八二二二二二ﾆﾆ沁,二ニ{{ニ{{ﾆ{{ニﾆ＼＼＼____{　{＼ﾆ＼＼　　 }i　　　　　　 `,
　　　　　　沁,二二二二二二沁,二0Ⅶ=}}={{ニニ〈＼＼______,{＼＼ﾆ＼＼　 }il　　　　　　ﾟ,

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: : : : : : : : :八j.:.::{　r　　 ((｀　"　　ﾉ.:.:.′: : : : : : : : : : : : : : : :＞ ´
｀　ー-=ｧ:.:.:.:.:.:.ﾊ　ｰぇ=＝＝vﾊ 7.:./　. : : : : : : _ 　 -‐　 ´
.　　　　/ﾊ:.:.:.:.:.{ﾍ　　　ゞｰ-- ｲ .'/.:fー‐　　"
　　　　从:.:.八∧　　｀￣´　,:ﾞ.::::|　　　　　　　　　　　　　「当然だろう
　　　,. : ´:抃::{.　　＼　　　　 .ｲﾊi从
.　　/. : : : ハ八　　　＞-=≦.ﾉ_　　　　　　　　　　　　私はヴァンパイアなのだから」
／￣: : : : : ::}　}＼　　　　　ハ: :＼
: : : : : : : : : / . | 　｀ー-ﾐ　.}　＼: :＼
: : : : : : : : : }　｜ o　.才⌒ヾｵｱﾒ }: : : ＼
: : : : : : : : :∧　ゝ＜　＼:i:i:i:i:i:ﾊ　{＼: : : :.＼

788 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:07:51 ID:29285ac0

　　　　　　　　　 ∨ ＼　　　　　　　　　 _/ﾆ=-/
　　　　　　　　　　　∨-=＼__ ,､ヽ`~ ￣ ~"''7ニ=-{
　　　　　　　　 }-=ニアﾟ. . . . . . . . . . . `ヽ､ﾆ乂_______
　　　　　　　　ﾉﾆﾆｱﾟ. . . . . . . . . . . . .. . . . ＼ニｱ＾'く
　　　　　　　く-=ﾆ/. . . . ./. . . . . .ﾟ,. . . .∧. . . .ΧL. . .∨　　　　　　　　　「でも、四六時中その姿では
　　　　　　　　　 /＼/.∧. . .,'. . . . . . . }ﾄ､. .∨. . . .. ..∨.. . .∨
.　　　　　　　 / . . '. .∨.. .. .. ..{ . . . . .,-‐＼-.. . .ﾟ,. . . . . . . .　　　　　　　　　何かと不便ではありませんか
　　　　　　 /.. .. ..ｉ . '.. .. .j{__. { . . . ./斗劣ミ. . . .} . . }l. . . . .
　　　　　　　　{／. . ,ﾚ{{. . ´从. . ､ . . ,' 　うハ｝. . ..} . . }l . . . . .　　　　　　　　せめて黒眼鏡くらいはコンタクトにすれば
.　　　　　　／. . ., /. .{{.. .抖筏㍉＼｛　　~´　, . . ﾉ. . ..ﾞ . . . . . .､
. 　　　／. . .／/.. ..从. .｛乂ツ　､　　　　厶ィ. . . ./.. . . . . . . .＼　　　　色々と便利ですよ？」
　　　／. . jI斗i/. . . . ./＼込、　　　　 _　　　 }. , . . /.､.. . . . . . . . . .＼
.　　｛≫''~　　 }､. . .., '.. ..{. . 「.}iト　　´ 　　イ}/. ..∧ . ＼.. .. .. .. . . . . .＼
　　／}_　　-‐r' ‘,／}.. . ..{. . { . ,' . . . 〕I爪／_,/. ../､. ﾟ､ . . ＼ . . . . . . . . . 丶
　　二}　　　　}　 i} / . . . {. . {__{. . ._ ノ从i:iYﾞ7 . /　丶＼ . . ＼. . . . . . . . . .`､
　　ﾆﾉ≧=‐r '　ﾉ/. .＞''~ . . .､｀`寸彡^Lﾉj{ . ,'　　　　＼.＼. ﾊ.＼. . . . . . . . . .
　　〈　　　ｌ　　､''~　　　＼「　　ﾏ,　 _,,ｨiｱ乂{　　　　　　＼/　}. . ＼ . . . . . . . .
　　=`,≧=‐乂　　}　　　　ｨ7__ ,,.｡s≦≫''~　　　 - ､　　}￣　　/Ｌ _. . ＼. .. .. . . .ﾟ,
　　=-}　　　｝ r'.｡s≦7´ 〃ニ7⌒Vﾑ　　　　 , }￣　 __/´ニ=-`､. . .＼. .. .. .‘,
　　ﾆ7　　　'⌒　{.. . ..W-=,70=-{　　 }iﾆ＼　　　　/く＿／ニ二ニﾆ=-}､.. .. ..＼. . . ﾟ
.　　/＼____{　　ﾉ. . . .{{-={{ﾆﾆ=乂／-=0,7≧=‐ｧ..{. . l|-=ﾆ二二二ﾆﾉﾆ=-　. . ＼...}
　 /　　　　｀Y ｛. . . . .！ﾆ{{0-=ﾆ二ﾆ=-∥ﾆ=-/i. .{', .└‐-=ミ､-=ﾆニニニﾆ=- . .`､
　＼　　　ﾉ　〉. . ..,'::}ニ}}-=ニニ=-0∥ﾆ=-'::.l. .{ ﾞ､. . ..jI斗f''^,-=ﾆ二二二二}. . .
　　　＼____{　〈.. . ../.: }ニ}}0-=ﾆニ=-∥-=ﾆ{:::.l. .{ ＞''~-=ニ二i}二二二ニﾆ=ﾉ.. . .
　　、　　　 }i　/. . /.:::::,=ﾆ}}-=ﾆﾆ=-0∥-=ニ{:::.l／-=ﾆ二二二二二二ﾆﾆ=／`､. . .
　　＼____,ﾉィﾞ. . /.:::::/-=,70-=ニ二={{-=ﾆ=-∨-=ﾆ二二二二二二ﾆ=-／`､. . `､..
　　　　　/. . . ..∧.:::/=ﾆ,7=ニ二ニ=-{{-=ニ=/-=ニ二二二二二ニ=-／ . . . `,. . .`,
.　　　 /. . . . /i:ｉ:∨=ﾆ,70-=ﾆ二ﾆ=-{{-=ﾆﾆ{-=ﾆ二二二二二ﾆ=-／`、 . . . . }. . . }

昔―――私達がクルル嬢ほどの年齢の頃とは違い、ヴァンパイアの魔眼対策は進んでおり
アーカードのような黒眼鏡でなくとも、特殊なコンタクトレンズを用いることで、魔眼を封じることができる

現に、今の彼女が眼鏡を着用していないのは、そのコンタクトを用いているからだ

　　　　　　　　　　　 f≪_　　　　　　　_.厶斗＝＝ミfp ￣ハ_
　　　_　.　.　.-‐:=:＝:}ー--＝==≦三___斗＜二二ﾆﾆ　　｛ :　:　:￣　:_:二ﾆ≡
￣.　:　:　:　:　:　:　::厶_ __　　　　　　　　　__乂f＝＝＝＝彡ﾆ二三三三三三
__:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:￣三三二二三￣　:　:　:　:　:　:　:　:-==＝≡ﾆ三三
三二ニ=＝-‐　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:__＿＿_＿___＿＿＿__三三二ﾆ=＝-
三三二二ﾆニ==＝＝--‐―　　ﾏ.:.:.:.:.:.ｨ"　　　 Y.:.:.:.f⌒v:|￣　　　　　　　　　「クルル、人には拘りというものがある
　　　　　　　　　/.:.:.i　i.:.:.:i{　　　　 :}i:.:.:.: i{ 　　　 }i.:.:.::}ｆﾊ }:!
　　　　　　ｲ.:i. ∧从八　　　八f.:.:八　　　八.:.:.:'ﾘｨ.:! 　　　　　　　　　他人にどう思われようとも
.　　　　　　乂ハ.:.:.i.{.:.:{　.ゞ＝＜　ハ.:.:.:ﾊ　＝彡!i.:.:..:}/.:.::|
　　　　　　　　　)) }.: 从.:ﾊ　　　　　 j|.:.从　　　　从.:.:.{ハ八　　　　　　　　　　　曲げられない芯とも言うべきものがね
　　　　　　　　　　八.:.:.:.:从　　　　　.∧:乂　　　　ｲ.:.:..:..{∧{
　　　　　　　　／　:}/ハﾊ　 fr.　　　　゛　　　.ｨ 7j从!.:.ﾘ　:＼ｰ .　　　　　　　　私にとって、この姿はそれなのだよ」
　　　 _＞.　:´ :　:　:　: 乂∧　　ゞVrー_‐‐fVア　　/八((:　:　: ＼　｀: : .
ニ二三／　:　:　:　:　: { 　 ∧　　ヽ￣_￣__,　　　.ｲ(　 ∨ :　:　:　.＼:　:　｀ー-
三二_ｲﾆ=-　:　:　:　: ハ.　　＼　　　　　　　／　　　 .′:　:　:　:　:.＼:　:　:　:
二ﾆ/=-_　:　:　:　:　:　:.∧　　　｀ヽ　　　　. "　　　　./　:　:　:　:　:　:　∨:　:　:

789 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:08:18 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,,,,､__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　___{r､　　 ',¨ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 , '´　 Ⅷ'，　 '，i　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　r'’ ｀ヽ､ Ⅵ:'，　　i l　　Y　　　　　「まぁ確かに、私が出会った頃から
　　　　　　　　　　　　　　　　　　{⌒ヽr'ﾞﾞﾞﾞ`ﾞﾞﾞ}　 ll ll !　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　,ｲ"　　　 } l ｌ| l|　l　 }. 　　　　アーカードはその姿だからね
　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ⅵ　,ｨ⌒ヽ　刈'⌒ｌ|､|　j
　　　　　　　　　　　　　　　　　／{ ﾄ､r━━ﾐｰr━━ﾐﾘ'}､　　　　　　今更変わられても困るというものだ」
　　　　　　　　　　　　　　　／　八{`廴＿ノ¨¨廴＿ノ'}ﾉヽ丶
　　　　　　　　　　　　　／　 /　 {　.,､　　､j:,.　　,､　八　ﾟ，＼
　　　　　　　　　　　／　　 .{　込　^ー=ﾆﾆ=‐'^ ノ　　　ｉ　　＼
　　　　　　　　　／　　　 :{ 　　｀ー､ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞノ´}　　　　.}　　　＼
　　　　　　　　　 / 　　　　 |　　　　 ∨｀¨¨¨´∨　　　　　l　　　／＼
　　　　　　　 {⌒ヽ､　　 .|　.f^ヽ､っ＿＿＿と⌒ヽ.　　}　　 /　　　ﾟ，
　　　　　　　　 {　　　＼　　 Ⅷ}ﾞゝ-'((　⊂:::::::::::)ﾞrと⌒)　j　　/　　　 }
　　　　　　　　　　l　　　　＼　,ｲ　､__つ￣￣￣´ﾉ⊂¨¨)／　 /　　　　　}
　　　　　　　 Ⅷ　　　　ﾞ∧ 廴__⊃､　　　　/_⊂_¨ﾉ､＼f´　　　　　 j
.　　　　　　　　Ⅷ　　　 ∧∧　ﾞｰ､⊃──(　⊂__ノ}ﾑノj　　　　　ﾚ'
　　　　　　　　　　〉　　　 /　 ∨＼_,斗'/　　　Ⅶ￣ｱ./　ﾑ{　　　　 iﾟ，
　　　　　　　　　　　Ⅶ斗'”　　　∨　//'´　　.,斗{､／ /　　　＼　　　　|:}
　　　　　　　　〈　　　　　　　ﾞV /__,斗'”: : :.∨ /　　　　　ヾ　　 /
　　　　　　　　　　　 }　　　　　　　／o: : : : : : : : :∨　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　 |　　　　　　 ,ｲヽ: : : : : : : : : : : :＼　　　　　 /

ふとそんな事を言ったとき、私の脳裏に学生時代の思い出が蘇ってきた
それは私が彼と友になった時代であり、青々しい春の時代である

あの頃は若かった、などというフレーズは年を取ったように思えるが
実際に年を取っているのだから仕方ないというものだ

　　　　　　　　　　　　＿＿_ハ
　　　　　　　　　　イハハVﾊ　Vヽ
　　　　　　　　　　　　　.厶ヽヽヽ寸:::}　 V　　ヽ
　　　　　　　　　　　　./ ﾆﾆﾆﾆﾆ寸::|ﾆﾆ.}　　ハ
　　　　　　　　　　　　 }ﾆﾆ7ﾆﾆﾆﾆﾆ:|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾊ
.　　　　　　　　　　 { ﾆ7ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾘﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾊ
.　　　　　　　　　ハ7ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾘﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾉ
　　　　　　　　　　　　{l　 Y´ ￣寸二＞‐＜二V.　　　　　「………ん？」
.　　　　　　　　 ___V 人 _＿_丿ﾆ{　　　　)ﾆ.}
..|　　　　　　　 .イ三{ lﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＞一くﾆ/
　　　　__-=ﾆ二/ .三八ﾏﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆｲ
..‐=ﾆ二三三三三三三＼ﾏﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ丿＼
..=ﾆﾆ二三三三三三三三≧=─--─=≦三三＼
..三三三三三三三三三三三三三三三三三三三.＼
..三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三. ＼
..三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三. ＼
..三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三. ＼
..三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三　＼
..三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三.　ﾉ

走馬灯のように頭を巡っていた思い出たちの一つに、私は注目する
そこで唐突に合点がいった
.

790 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:08:47 ID:29285ac0

我が友がかのようなヴァンパイア然とした姿を続けている、その理由に

　ヽ|　｜!｜|/! ! /　{! /|/|/─ 一| |//　///　　　　　　　　　　　ﾊﾍヽ〉
　ヽﾍ　ト!｜|､| l |　/l/ /´　　　 |//　///　　　　　　　　　　 | | |/
　 /〉|＾| | l! |`|/ ﾄ/､y/ 　　　　 /／　　＼＼;;,　　　　　　ィ三ﾐ| |/
. // ｛/l |/! |　　　 |!　　　　　　　　　　　 Ⅵ!;;;　　　 /／^'⌒ヾj/
　　　　 |/　　　　 {!　　　　　　　　　　　　 | }｢jｰ-ry'7r≦一-､/
　　　　　　　　　　　 }i　　　　　　　　　　　 //´ ￣ 7√ ｀ミi､　＼
　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　 _// 　＿// (rﾘ　{!| / 　 |! 　　　　「アーカード
　､　　　　　　　　　＼　＿＿　　／￣_　-一{∧ ^¨ ノ′　　;}
　､｝/　　　 |＼　　　　　　て三シ￣　　 ; ; ;l|}　￣　　　 /′ 　　　　君が頑なにその姿にこだわるのは
　　i 　　　　 |＼　　　　　　　　　　　　　　　 ; ; ;;ﾊﾍ　　　　　　/
　　l　　　　　　＼　　　　　　　ー─‐一､　　　 ∨ヽ＿＿__/ 　　　　　　もしやあの時の私の言葉かね？」
　　　　　　　　　　　　＼＿_　　　　＼　　つ＼＿___ゝ　　　′
　八　　　　　　　＼二ニﾆ=-　　　　／￣　ｧ7　,′
＼　ヽ　　　　　　　　　　　　｀　二二ニニﾆ=-ｘ＿_ フ/
　＼　ヽ　　　　　　　＼　 ` ー二ニﾆ=‐´　　　 /
　　　＼　＼　　　　　　　　＞一-　＿＿／　　　　 /
.　　　＼　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　／
.　　　　　　＼　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　／

　　　　Ⅵﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_,.，*''”　　　　斗　´　　　_,. ‐=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐
　　　 .Ⅵﾆﾆﾆ ,.，*''”　　 _,,.，*''”　　　_,.，*''”ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐i:i:i:i:i:i:i:i:
　　　　 Ⅵ　／　　 _,.， .ｱ”　　　 ,.，*''”-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i:i:i:i:
　　　　　　 V_,.，*''”　／　　　　／ﾆﾆﾆﾆ=‐ 　　 _,.｡s≦i:i:i:i:／⌒＼i:i:i:i:i:i:i
　　　　　 }r‐‐‐‐c､く ◯ ／　_／　　　　　　_,.｡s≦i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:V⌒ﾊ　ヽi:i:i:i:
　　　　　　　 V_＿_,,ノ　`^　　　　　　 .ｘッﾊi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:iV＾　}　 }i:i:i:i:
　　　　　 _,.｡≦ﾆﾆﾆ=‐　　　　　 ,.ｨく,_彡'j} _,.　-‐:i:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i r㍉　 }i:i:i:i
　 _,,.｡　‐=ﾆﾆﾆ=‐　　　　　 _,.｡≦_　-‐=ﾆ三ﾆﾆ=‐{ｉ:ﾄ､i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:ｉ:，　 {i:i:i:i:
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐　　　　　　　_｡s≦i:i〃⌒＼ﾆﾆﾆ=‐.／⌒Ⅵ　＼i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:iV　/i:i:i:i.　　　　「………何の事かな、少佐？」
ﾆﾆ=‐　　　　　　　　_jk‐气vi:i:i:八: : : : : Vﾆﾆ=/　　　 .Ⅵ　　ヽi:i:i:i:i:i:i:i:ｉVi:i:i:i:i:
¨´　　　　 _,.｡s≦i:i:i:i:V: :Y㍉ｉ:ｉﾊ: : : : : Vﾆﾆ{　　　　 Ⅵ　　乂i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i:i
　　　_,.，*''”{i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:ｉV: :V⌒＼＼_: :_ﾉﾆ_,ﾉ≧=‐ 　 __,,ｘ　　　＼i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:
‐=≦　　　 .Ⅵi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:乂_,}.　　＼¨”￣´　__,,..　-‐''ア}^;.　　　＼i:i:i:i:i:i:
.　　　　　　　 Ⅵi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i¨}　　　　, )ﾊ　　'´　　　　ｨ^Vﾊ !　　　　　 }i／⌒}
　　　　　　　 ⅥNi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:}　　　 .′　　　　　_,.rく　〉ﾉ.}__}/ ７　　　ﾉﾆﾆﾆ
　　　　　　　　　ﾘ .Wi:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ}　　　 /７　 _,.｡r ﾊ .!　Ⅵ「”¨“ .ム_　.／ﾆﾆﾆﾆ
　　　　　　　　　 Wi:i:i:i:i:i:i:廴,,　ｨ^}_　_ｨﾍ,_ ﾄ､ﾉく＼j⌒７　 s｡,._ ”“　‐- ,ﾆ
　　　　　　　　 Wi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i:i:i:i:｀⌒＼Y＾V__,У　 └ .′ﾆ=.≧s｡ _/ﾆ
　　　　　　　　　　　　Wi:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:「￣　　／　／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　　　　　　　　　乂i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:`ｰ┬ ´　／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
　　　　　　　　　　 )i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:i:ｉ:ｉ: ‐=≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ

私の言葉に、彼は意外な反応を見せてくれた
黒眼鏡の隙間から見えた視線は雄弁に、「これ以上喋るな」と私の口を封じてくる
.

791 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:09:13 ID:29285ac0

そんな目を見せられては、友人として黙ってはいられまい

　　　　　　　　　　　　 /ﾆ{
　　　　　　　＼ｰzz=彡'ﾞ二乂__,,.ﾆ=-‐━‐-=ﾆ,_
　　　　　　　　　`ﾏ二二二 ≫''~. . .. ..⌒{l´.. . . . .~'≪　　　　　　ﾉ
　　　　　　／}ﾆﾆ二アﾟ. . . . ／. . . . ﾟ,` ､ . . . . . ﾞﾏ､　　／′
　　　　　　　／. . .}=ニｱﾟ. . . . . . . . . . . . ..}ｌ. .`､. . . . . .∨'ｰ=彡ﾆ
　　　　　　　. . . .ノィｱﾟ. . . . . ./. . . . . . .. ..}ｌ. . . .､.. .. . . .}ニニﾆ={
　　　　　　 . . .／ /. . '. . . . ,′ . . . . . . . }ｌ. . . . `,. . . . lニニﾆﾆ乂
　　　　　　　／. ../ ./. . . .／{ｌ. . . . . . . . ..八 . . . . . . . . ﾚi}二アﾟ⌒i`
　　　　　　 . . . .′'. .. . '＾　i{ｌ. . . . . . . ./ . . `､. . . . . . . ..l}ﾆ7. . . . l . 　　　「少佐様
　　　　　　　. ./j{/. . _/__　从.. .. . . . . ′. . . .`,. . . . . . . l}ﾆL. . . . l
　　　　　 /^7. . ..j[,,__　｀` `,. . . . . .{＼._._.. ..`,. . . . . . .ﾞﾆ/. . . . .l　　　　約束とはなんのことでしょう
. 　　　　 /＾7. . ..｛{l圻ﾃ气､ ‘，. . . .{´　＼. . ..`, . . . . ,ﾆ/. . . . . .l
　　　　　　 . . ﾞ. . . . l{ｌ　VZ沙`　､ . . jI斗屶ミ､. . .. .. ../ﾚi. . . . . . ..,.　　　　私にも教えていただけますか？」
　　　　　　. . .　. . . .l{ｌ　 ~^´　　　＼「 VZ炒　)､. . . ./~ﾌli. . . . . . ..
　　　　　ｉ{. . . . . .ﾘ　　　 _　　 ,　　　　　　 /}｝. ./イ ,从. . . . . . .
　　　　　　从. . . . ..込　　ﾉ }　、／) 　　　 'ﾞ从｛. . . . . .{＼. . . . .
　　　　　　 ___ﾟ,. . . ./´￣￣}｀`'く／"　　　ィ7. ./. .`､ . . . . {　丶. . .
　　　　　　 }. . /　　　 /　　　ヽ=七I~{_,{. ./. . . . `, . . . {　　　`､.
　　　　　　 ____}.. '-‐━‐-'､　　　／il}::::::::{＾{,/ -‐　､. .ﾟ,. . . {
　　　　　　ニﾉｲニニニﾆﾆ＼／ヽ_ﾉ'⌒^{_,{i　　　　ﾏ ,. . . ﾟ,
　　　　　　ニニニニニニニﾆヽﾉ^､ :::::/ /　　,　　　∨. . . .`,
　　　　　　二二ニニニニニﾆﾆ}::}::{`､/ /　　/ 　　 _i}_　＿. `､
　　　　　　二ニニニニニﾆﾆ／}::}::{ｰ'‐'ﾞ　 /r'ﾞ⌒Y　　 }i　　}. .`､

　　　　　　　　　 , ==､lr､ヽﾊﾊﾊ‐-､､
　　　　　　　　　　 ,ｨ'三三ﾐ.llililil,ﾍﾊﾊﾄ,liﾍﾊ‐､_
　　　　　　　　　 ,ｆ三三三ミllilililil l l l　l l l l l ﾊヽ、
　　　　　　　　 ,ｆ三彡´　　　　　 ∨ﾊﾊ.iﾊ l l l　l ﾊﾊ
　　　　　　　　l彡ｨ=-― ､ｖ--､,,,ｨ-l从l从lﾊ l ｌi .l ﾊlﾊ
　　　　　　 ,l-ｲl、　　 ,ﾉ--､ll｡　　　　ヾl l l l.l,ﾘ.l 洲
　　　　　　　 l lイ'`ー=彳ﾉ　ヾ,､_　　__ノﾙlﾘlﾙｲlﾙ州l
　　　　　　　 l､リ. ,　　　 `‐'ミ､　￣　´　`ヽﾘ_ﾉﾘ州ﾘ
　　　　　　　 `l　 l ﾄ--､-,　,､_ `　、､、　 ´ l,ミlﾉｲﾘ'.　　　　　「いいよぉーー教えてあげるよぉーー」
　　　　　　　　 l　　l Yﾆ'二ニ='‐｀｀ﾗ .!'　　 l ﾉｲｲﾘ/
　　　　　　　　 .l､　,. ､ゞｪｪｪｪｪｪｨリ'　　　 ./`-ｲ,'´
　　　　　　　 >、ヽ、ー----‐イ　　　,/彡ｲ〈、
　　　　　　　 ,.ｲイﾊ‐､ ` ､＿___,, ィ _,,イ彡イィﾄﾄ､
　　　　　 ,ｲｲ　　ﾍ　`　‐----‐_彡'´　　 / 　 ,'　.l`i､__
　　　　 _,ｲ-‐-､　_,.イﾍ、　_,,　＜　　　　　/ ｲ// 　.l ﾄ､@ヽ、
　　 ,.イ//　　　)'´ l i'ミ､r,ミ､　　　　　,ﾉ ,/ｲ././　　l l　〉､__
.,ィl　 ,/,.'　　 ,' ,! ｌ ,i!l´　`ヾ,il　　 .,,ｨ'´,ｲ . ./ / 　 . l.l ,' .l
.l l　/,.'　　　 ,' ,' l!,ﾘ..ﾉr‐,ヽ,ｲﾍ、 ,ｲ　〃,ｲ / /　　 .l.ﾘ .ﾘ.,ｲ
ﾊｲ, '　　　 l /.ﾚl'l彡◎ミl}　ﾍ, @,ｲ . ｲ / /　　　.ｌl! /／
ｲ.'　　　　　l.,'.　.Yl iノ.ﾉ.l､　　 ,ヽ'　,.'　.,' ,　　　　　ｌｌ/ｲ　l
　　　　　 ,'　./　　 .'//.l　　　　 ,ｲ　 ,' /　　　　　.ｌl'　ｌ ,l
_　　　　　 ,' ./　　　 //l l 　　 , ' 　 .,' /　　　　ｌｌ　l ,',.ｲ
ﾄﾐ=､______ .l./　　　.,','={{lト‐_／=､ . /./ 　　　　 .ｌl　l.l!　ｨ
,》＞=‐-ミ.〈　　　　l.l　 ,l,lｙ'´　　　l,.//　　　　　　ｌl! l l,ｲ!

ここは我が友との美しい友情の美談を、全力で披露してあげようではないか
.

792 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:09:40 ID:29285ac0

　_/　　ー-　　　￣ o｀Yｐ　__＿厶斗＜三三三三三三三三三三三三三
_}≧＝=―――=≦三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
二ﾆ=-　　　　　　_≧三三三三三三三三三三三三三三二ﾆ=-－　　￣
=-　　　　　　　__三三三三三三三三三三二ﾆ=-‐::::::￣:::::::{
_　　　 -―=＝ﾆ三三三三二ﾆ=-‐_r弌fiﾘﾅﾊ:::::::::::::::ｲ⌒:::::ハ
　　　　　_ ≧三三三二ﾆ=-‐.:::￣::介:...二イ::::::::::::::::{f{ ﾘ::::::::乂　　　　　　　　「………少佐
_＿___≧三二ﾆ=-==＝ミ: :∨::::::::::{ﾊ::{＞ -＜::::::::::::::::::八j {:::::::::::::::｀ヽ　　　　
￣: : ｒ＜::::::::::::ﾊ::::!　　　　'.f∨::::::∧从　　　　ヽ:::::::::::::{乂ｲ:::::::::::::::::从.　　　　　　みだりに人の過去を話すのは良くないな
: ::::::::｀ヽ}:::::::::::{ }从　　　　 }}i!＼::::::{{　)).　　　 }:i::::::::::|!り:::::::::::::::::::{:!　＼　　
::::::::::::::::}i::::::::ii:乂(　　　　 .ｲﾞi|:　ヾ从　　　　　从:::::::::i':::::::::::::::::::::::八　　ヽ.　　　とても良くない」
: ::::::::: 八:::::::j{{　＞-＝彡" i|:　　 }::ﾊ＞=＝≦　i:::::::::,::::::::::::::::::::::::;　｀ー-　　
::::::::::::::::: i::::::ハ　f r'　　　ヽ :{　　 .ｲ(　ｰ-ﾐ　　　ﾘ:::::/::::::::::::::::::::::/ ＼
:: ::: ::: :: :从:::::∧　ヾﾄｰ-ミ　ゝ-イ　　　　　ヾ7　.′:':::::::::::::::::::::::ｲ.　　ヽ__
: : : :: : : :::ハ:::::∧ 　汽坏辷ー--　-ｒ iア´/" .ｲ.::::::::::::::::::::::::!从.　　　　∨｀ー
:::::::::::::::::::::::::}::::::ハ　　　ゝﾊ±±±ハｲ . ｲ　/.:::::::::::::::::::::::::::八　.　　　 ∨
:::::::::::::::::::::::::i::::::::::::ﾍ　　｀ー=====-- イ　　〃.::::::::::::::::::::::::::( 　　　　　 ∨

何故か我が友から怒りの籠った視線が向けられてくる
不思議なものだ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , =ﾍﾍﾍﾆ=-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｝:ﾊ i|i|i|i :. :. :. ¨ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠二ハ|i|i|i|i :. :. :. :. .. ヽ　　　　　「それは何故かね、アーカード？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, イニ=ミ、_ﾊ|i|i|i|i :. :. :. :. .. .. ，
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i{ニﾆ=-'´　　‘i|i|i|i| :.i :. :. :|i:. i :，.　　　　私には秘匿すべき過去など何もない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {彡=-', -=ミ　 ‘ｉｌ斗-|=ミ､:|i:. |i i
　　　　　 _ 　　　　　　　　　　　　　 {/ }/ｲ,. --- ､＿从八从八:.lﾊ}.　　　　それは自分は恥ずべき行いをしていないと
　　　　　　 i　ヽ　　　　　　　　　　　 {{ ｉ|ﾆ{{　　　 }ニﾆ杁_莎_〉}}ﾆ!i }
　　　　　　ｌ　 |i　　　　　　　　　　　　乂l　乂＿_ ノ ⌒ 乂＿　ノ　lノ　　　　　自信を持って言えるからだ
　　　　　　 |／￣)　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　/ 　／　　　　　　　　　　　　八　　　､_ ｀¨¨´ _ノ　　　ﾉ__　　　　　君だってそうだろう、ヴァンパイア」
　　　　 /￣￣￣)　　＿_　　　　　　＿＼　　　￣￣　　／ }} ｀¨}}ヽ
　　　 |　　ｌﾆﾆ{＿／ニニ)　　　　／　　　_ヽ　＿＿　ィ　　/'　 /　/¨ヽ__
　　　 |　　|ニニニニ7¨´　　　　／　　　 / ,ハ￣￣￣　　／　 /　/.:　.:|i　ヽ
　　　 |　　ヽニニニ/　　　　／　　　　／／〉__＼　　　　／　　　/　/.: 　 :|i＜　＞､
　　　 /　　　 }ニニ}　　　／　　　／／_寸{ニニ＼_,／　　　 /　/.: 　　 |i彡'¨ “＜＞､
.　　 /　　　　/ニﾆ/ 　 ,／　　　／／／, 》〉二=- ／　　　　 .:/　/.: 　　 :|i ／￣￣￣ミ､
　／{　　　　/ﾆﾆ,:'　＿＞=- ､／／／／/´=-- ／＼　　　. :/　/.:　　　 |i　　　　　　　　i
.　{ 　ヽ　＿/ニ<　　i|　　　　 i{ / :/ :/ .:/ﾆ=-／　 . :.＼ . : :/　/.: 　　　 :|i　　　　　　　　|

ニニニニニニニニ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ニニニニニニニ:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞==ｰミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ニニニニニニニ′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//: :｀ヽ　｀ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ニニニニニニニi:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.′: : : : ∨　.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ニニニニニニニ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:ｨ⌒∨:.:. }} i: : : : :_:∨-‐=＝ﾍ:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ニニニニニニニ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{{: : ::.∨:.:{{ {: :斗rぇゞr-‐=＝} :.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　「それは確かに…そうだが
ニニニニニニニ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{{: : : . ∨ ﾊ '. :弋jｱ_, ∨　　ハ.:.:.:抃:.:.:.:.:.:.:.::.:
ニニニニニニニl.:.:.∧:.:.i:.:ﾊ: ∧: : : : }}:.:∧ﾑ: : : : : : .i.　　　 ∧:.:.!ハ:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　語るべき必要のないこともあるだろう」
ニニ二_三二ﾆ=ﾊ.:.:{ 刈:|:{　}: :∧ : : 从:.:.∧ﾑ.: : : : :｜　　 ′!:.:|　 }:.:.:.:.:.:.:.:
￣￣　　　　　　　}:.::!　.}:从. !:.:. ∧::/ .ハ :.∧ﾑ: : : : ::!.　／　 j.:.:!　 !:.:.:.:.:.:.:.:
.　　　　　　　　八:!　ﾘ　))!:.:.:乂/　　　}i∧:!込.___乂イ　　　从:|　 |{.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　乂:.(　/　　　八.从:.:.:乂　　　　ノ( :}i:　八.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　)ｲ/　　　　　　　 }:.:iハ汽　　　　乂　　}.:.i.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　乂.:{　从　　　　　　　乂. !:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　　　　j八　　　　　　　　　　　　}:!:.:.:.:

私だけならばともかく、姪であるクルル嬢の前というのが気にかかることなのだろう

彼女にとって伯父のアーカードとは、人生の先輩でありヴァンパイアの先輩でもあるのだから
.

793 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:10:08 ID:29285ac0

しかし、それが私を止める理由にはならないのだ

:. 　 {
:i:.　 ‘｡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f´≧s｡､
:i:i:　　廴_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.斗‐{ト､＼ヽ≧^廴
:i:i:　　　ｉ: }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,*',斗'”¨ﾞ寸､丶＼ヽ､ヽ
:i:i:　　 }} ト､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /_____　__, Ⅵlｌ|芸ｌ|ｌ|､丶 Y
:i:i:i./ .,ｲ}､i}　%　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'r'¨¨¨¨¨ﾞY⌒ﾞf´　　ﾞY　 }　　「では君の気持ちを汲んで多数決を取ろう！
:i:i:/_ノ:/:i} }:.　%　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i_{{　　　 }'⌒ﾞ廴_＿__八　}
:i:i:¨:i:i:':i:iﾉﾉ:　　%　　　　　　　　　　　　　　　　 {l 込=-‐'”{:fi:fi:〉　　　　ﾚ^Y　　　アーカード君のお話し聞きたい人
:i:i:i:i:i:i:i:/,ｲ:}　　　＼　　　　　　　　　　　　　 rN　^､___,ｨｪｪｪｪｪﾐ､__,ｲ〉 |ﾉ: }
:i:i:i:i:i:i:iﾞ’:i:/,'　i:　　廴＿_　＿,斗=ミ_　　　　　{ {:l: 　＼､＿＿__,彡' ′ }:j ,'　　　手ぇーあげて！　　はい！！」
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:丶　{:　　　　 }ﾞ{　　　　/斗=ミ　　 Ⅵ:: 　　｀¨¨¨¨¨´　　　 .:l ﾉ
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽﾄ､　　:i: 　 }:i}　　　/≧s｡⌒>､　ﾞｰi::.　　　｀ﾞﾞﾞ"""´　 .:::::「
､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iⅦ､ :i:i:i　/:/ , ｉ　/　　　　　/:7>'¨¨ﾍ::::::::.....　　　 ....,::::::::,ｲ=ミ
. ＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}:i:i:}:.i:i:i:　ﾚ',ｲ i| /　　　　 ,:':／　,:'/ 込丶:::::::::::::::::::::::::,イノ {　 >､
.　　＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:Ⅶ:i: //:i:i i:i/　　　　／　 ,.:'　.ｉ:/{￣￣￣ｱ^寸´￣　　.:Ⅷ　＼__
　　　＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}:iVi:i:{:i:i:}:/　　　／　　,.:': 　.i:/::}　:i　　,ｲixixiﾞ寸　　　.:}l:::∨ 丶 N⌒ヽ､
　　　　　＼:i:i:i:i:i:i:iⅥ:i:/:i/:/ ／／　　　　　 .:i:/:::/　 } ／{ixixixi/＼: :　:/:ﾑ:::∨　`　＼　 ≧s｡.
　　　　　　　＼:i:i:i:i:i:Ⅵ:i:/:/'’ ／　　　　 :／:::/,斗'”　〔ﾆ０ﾆ〕,:'} ＼/: ::::}: :::Ⅵ　:､　＼　　 ≧s｡.__ _
　　　　　　　　＼:i:i:i:Ⅶ':,ｲ／　　　,ｨ　　 .i:/::: :::{´ ':,　',　/ixixixiﾑ,:': : ::}:　 }:|　 ::∨　:i.　　丶　　　　　 } ﾑ
　　　　　　　　　　＼:i:i:i/／　　　,イ:i:　　.i:/=ﾆミﾑ　 ':, ∨ixixixixiﾑ: : : .,'　 ,ｲ≧=xⅥ　:i:.　　　Ⅵ　　　 }　ム
　　　　　　　　 >' /　　　,.:'i:i:i:　　.:i:/::::　　:::ﾑ　 .':/ixixixixixiﾑノ,.:' .,.:'/　　　::::Ⅵ　:i:.　　　∨　　　 }　　ヽ
　　　　　　　　　　／　 ≧s｡._＿＿__.:i:i:/::::::　　 :::::ﾑ　/ixixixixixixix}　,.:':::/　　　　:::::Ⅵ　:i:i.　　　Ⅵi:. . / ,　　ム
　　　　　　　 /　,斗匕¨¨¨¨¨¨¨｀ヾく　::::::　　　:::::∨ixixixixixixixｉ|ノ　:/　　　　　::::::Ⅵ　:i:i:i:.　　∨:i:i:} /　　　ﾑ

　　　　　　　　　　　　　　∧＼　　　　　／/
　　　　　　　　　　　　　ｲ-ヘi;i;i＞--＜i;i;/
　　　　　　　　　　. . : ´: : : : :/i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i{＿
　　　　　　　　／: : : : : __ ノi;i;i;i---=v-一:⌒: 、_
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　　　　　／: : : : : ／-<i;i;ノ ´: : : : : : wv: : : : ＞ﾐ、: :、
　__　　 ': : : : : : ／: ::|r У: : : : : : : ＞: : : :／.: : : : : :}、i、＿＿＿
: : :,v-v: : : : .／: : : :.|{ /: : : : : : ／-一　7: : : : : : : :/: : :|i;i;i;i;i＞' ⌒
i;ﾍ{;i◎i}ヘ／: : : : : : V: : : ／イﾐ　＼　/: : : : : : :／: : : :}i;i／
- ﾍi;i;i;ﾉ、__: : : : :/:/:}: : ／:/ f ,,.ヽ　　/: : : : : :／: |: : : : li;＼
／ ⌒ ヽ　ﾉ: : :/:/:/: /: :./　弋ﾞノﾊ /: : : : :／: : :.:| : : : :|⌒　　　　「はーい♪」
　　　　　V　 __ﾉ:/ｲ: /: :l:.|　　　　　 {///／|: : : : : l: : : : |
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　　　　　　　　>　　 V:,|∧{`; , , _　_　ィ==彡: : :|＞--ﾐ:人
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ノ//////////人 ___ i;;l_/|;|/ ／|///// /////////// .}: : : l
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　 /////ﾑ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/======ﾑ
　　　　　　　　　　　,，＜三≧ﾆﾆﾆ≦三三＞,，
　　　　　　　＿_,，＜三＞ﾆﾆI{ゞ='}jゞ=' }ﾆﾆﾆﾆニ＞,，
　　　　　　　｀ヾ¨¨´ﾆﾆニニ圦ゝwｰｪﾉ,′ﾆ二二二ノ　　　　　「モーーーンティナーーくゥゥゥん！！？」
　　　　　　　　　　　〃イ/y}ヽ｀¨´ｨ八}ヽﾊ___
　　　　　　　　　　 .八_.j'{/{.!　｀¨ j!ヽ≦: : : : : ヾ
　　/}　　　　　　　　 r≦: : : : :∧ :}　厂 /: : : : : 〃: :∧
}ﾞi_ } {__r‐ｧ　　　　　ヽ: : : : : /: :}ﾊ Уﾆ/ヽ: : : :〃: :/: :ﾊ
ゝヽ' 　〈　　　　　　〉: : : ': :ノ./ﾆﾆﾆ': : : ゝ: :{{: : : :/:八
´¨＼　　}､　　　　 /: : 〈: :{　./ﾆﾆﾆ': :／: : : :ゞ,: : : :': : :＼　　 r ､
　　 {≧=' }，　　　 /:}: : : ｝ i ./ﾆﾆﾆ':ィ.: : : : : : : ｀7ヾ: : : : :_≧=ｰ入ヽ
　　　ﾏ: : : ﾑ　　／: :{: : : ヽj/ﾆﾆﾆ'ヽ: : : : : : : : :./ 　＼´: : :〃:r‐　｝ {
　　　ﾏ: : : :ﾑ､ィ: : : : :}: : :.:/}'ﾆﾆﾆ': : :.，: : : : : : /　　　ヽ: :{{　{
　　　　ﾏ: : : : :ヾ: : : ／｝:／/ﾆﾆﾆ': : : : >: : : : .ｨ　　　　　　　≧=:〕　　 } ヽ
　　　　ﾏ: : : : : :〃　ｲ/:.:/ﾆﾆﾆ': : :.／: : : ／　　　　　　　　/.}ヾヽr‐'　/
　　　　　｀ｰ== ´ ／:.:.ヽ/ﾆﾆﾆ' : ／: : : : :｛　　　　　　　｀¨ｰ'ｰ'¨¨´
　　　　　　　　 /: : : : ｲﾆﾆﾆ{_イ: : :.ｰ=彡{＿__
　　　　　　 /: : :／ﾆﾆﾆﾆi{.: : : : : : : :ィ: : : : : : ｀. .　　　　　　　　　 -‐‐
　　　　　　 ./: :.:/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆi}: : : : : :｛: : : : : : : : : : : :＼　　　 ,，＜: : : : :

おお、我が友が久しぶりに私の名前を呼んだ
.

794 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:10:35 ID:29285ac0

全く心配である
そんな我が友の心を払拭するように、私は小声で耳打ちをした

　　　　　　　　　　　＞´￣　　ー　＜/// ﾍ |　ヽ＼
　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　ヾ　ﾉ l　　 i i |
　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　∨ / ﾉ|　l |ﾊ
　　　／＼　 /　　　　　─ ー=ﾆ=‐ｘ　　∨ / j //! |　　　　「心配するな我が友よ
　　　/　/ヽヽ/ー　　　　＿　 /￣￣＼ヽ　Ⅵ /// |｜
　　 /　//^ｌ　|　￣　　─　 y;　-‐=ミ､_Ⅵ;ﾉ|//// / ,′.　　　　君の立場を危うくするような過去を
.　　|　 |;'r‐{　　　　　　　 |{　　＼{{ｉ;jﾒ}zt|/// /|/
..　八　ヽ! / 　　＿　　　　{l　　⌒`ﾐ1厶7i^V|/　　　　　　　私が話すと思っているのかね？
　　　〉､ Y　　　 { r‐､　　　ヽ　＿_ ノ¨⌒｛_ﾉ
..　彡　}_j　　　　　＼　　　　　　　　　　ヽ
￣　　　　　　　　　 ‐ｔ=‐-　　ー─一〉.　　　　　　　　大丈夫大丈夫心配ない心配ない
─､　　　 i　　　　　　＼｀ ‐=ﾆ‐　　 r　 ´
　　＞ｘ､八　　　　　　　　　＼｀‐=ﾆｿ__｣　　　　　　　　　　　モンティを信じて」
＼　　　｀＞､　　　　　　　　　`ー‐　{´
　＼　　　　　｀　　､　　　　　　　　 √
　　　＼　　　　　　　｀　､　　　　　/
　　　　＼　　　　　　　　｀　､　ィ´

.　　　　　　／//////////＞.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.　　　　／//////////.ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
..　　　　／////////////.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞=ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:
　　　／/////////////.:.:.:.:.r=ミ{.:.:.:{{: : : :ﾘハ:.:.fハ:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　　「ま、君がそういうなら構わんだろう
　　.ｲ//////////////.:.:.:..:.{{: : :从:.:.ゝ--ｲ　八.:{ｒｉ{.:.:.:.:.:.:.:.:
　///////////////.′:.:.:.:从ー〈乂:乂　　　　}:ﾊ/.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　　 …………頼むよ？」
.////////////////i..:.:.:.:.:.:..∧　ヾｿ　　　　从!.:.:.:.:.:.:.:.:.:
乂//////////////,|.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ r r=＝　ｰヽ　从.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　｀　ー‐ --------ﾉi:.:.:.:.:.:.:.fくハ　￣ ´　　　ｲ　 }ﾊ.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　从∧(乂　 .∧　　　　イ　／.i:{乂ハ:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ//,ゝ _.ィ"＞ ´/.i: イﾆﾆ｀ヽ:
　　　　　　　　　　　　　　　／,//// ノ<f⌒ヾ./イ ./ﾆﾆﾆﾆ-＼
　　　　　　　　　　　　　／.／///　｝ﾆﾆ〉ｒく　　.:/ﾆﾆﾆ=-＜ニ
　　　　　　　　　　　_　-ﾆ／////　ﾉﾆ_ｲ　　　.::/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ.｀ヽ

私達の密談を、クルル嬢がぴしゃりと遮り、言い放った

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}斗ｔ:i:i:i:i:j{⌒／　　　　　 ⌒ヽ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　Ⅵ:i:i:{／　　 /　/ 　　　｝--yf:i:i7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　}:i｢　　《}/　/　　　　 .}　　Ⅵ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　/ 　　{j/　　　　/ ／|　　　　　 } 　　ヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　/ 　　 /　　　 /ｲ⌒'|　　　　 j 　　　 :,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　/　　　 y=斧ミ∨{　　　 ∧　《｝　.i
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　ゝ￣ ′　　　/`.以沙＼∨ 　 /ヽ1 　　 |ヽ
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　ヽ.′　　fリ　　　　　　 }_.ィ斧ミ.|　　　│ ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　ｉ　　　 |　　　　　　　、以ｯﾉ}　 /　 !　!.　　　「伯父様、打合せはギルティです
　　　　　　　　　　　　 /　　　　／　　│　　 | 　　　 ry-　、　　 /j　/　　;　;
　　　　　　　　　　　　　 ′　　／　　/　 |　　　 |、　　　Ｖ__ ノ　　.:　 /　　/　′....　　では少佐様、お願い致しますね」
　　　　　　　　　　　　　　/　　／　　 / 　.j|　＼　{ ＼　　　　　　　／/ィ　　 |/
　　　　　　　　　　 ′　／　　　:/　 /八　　＼〉}ノヽ　　　　ィ　　 /..／　│
　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　　 ------ﾍ　　 { /≧=y⌒7‐=ｧ　　/イ　　 .|
　　　　　　　　 ′ j ＼　　／　　　　　　　:,　　{、　 /{:::::(}:::/{　　　 :|　　　 |
　　　　　　　　　　/　rfY!＿_ー―┐　　　　　　 :,　 | ー'ｰ{::::::}K:.:{　　　 :|　　　 |
.　　　　　　　　　 ′ jK_jﾆニヽ　　j____　　　　　　 }人} イ/＾ヾ⌒' ､v :j　　:|　　　 |
　　　　　　 /　／}j:jﾆﾆﾆﾆﾆ＼　　 }　　　　　イ ◯ニ{　　＼ヽ{..:i 　 :|　　　 |
　　　　　　　 ′./ ///ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼　 }ヘ　／ﾆﾆ{ﾆﾆﾆﾆ.、　　ヾⅥ　　|　　　 |
　　　　 / 　〈_///〉ﾆﾆﾆヽﾆﾆﾆニヽ勹／ﾆﾆﾆﾆﾞ:,ﾆﾆﾆﾆ＼　　 /z}ｉ}　小　　 |
. 　　　 /　 /　〃ィﾆﾆﾆﾆﾆ＼ﾆﾆﾆﾆ勹ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ､/二}iﾊ/ ﾊ,、　　|
　　　 /　 /　　j｢ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ〉ﾆﾆﾆﾆ}二二ニﾆﾆ} ◯ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ}iﾆ} {/　＼　|

795 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:11:00 ID:29285ac0

彼女の催促に従い、私は語りだした
私とアーカードの青き春の時代の物語を

　　　　　　　　　　　　　　　 f三=､ﾐヾi{ﾉjﾘﾊ|l | l|l|! |ｌ| ｌｌi ｉliヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,仁ﾆ≧ー''゛''"'ﾍ|l i i|l|　|ｉ| | li ll ﾄl　
　　　　　　　　　　　　　　 /彡ィ',ｒ=-_､､、　,,ｊNHﾄl､_lﾄl､l |l |ｌ|ｌ|. 　　「うむ、承った
　　　　　　　　　　　　　　　　　k彡ｲｒ;≦ﾆ_ﾐk==衫ﾆ仕ﾐNﾄl､| |l |ｌ l|
　　　　　　　　　　　　　　　　/´-ﾄ《 '┴ﾟ'ヾｿl;=t{く(_句ヾYｌ}ﾄ|l | l|l l|　　　　といっても、実はそれほど劇的で浪漫溢れる
　　　　　　　　　　　　　　　 { { rj　｀ｰ＝彳{　｀ヽ二≧'人lﾊlリﾊﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　ﾍヽ!|　　　　ヽ) ゝ　｀￣　　lKｲﾅ"　　　　出来事かと言われればそうでもなかったりするのだ
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､l 　＾ー‐--､､_＿__,うﾌ　ﾑ'/　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽl.　　　￣｀ー-　　　　　jノ.　　　　　　実に王道的で、単純明快な物語のお話さ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　｣l　､　　　　　　　　　　 /　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　 _ノ＞'´小、ヽ、　　　　　　,.　 /＼＿
　　　　　＿,.二ﾆ-‐フ´ ／　／!|　＼　｀ｰ --‐ '´ , ｲl､丶、ト､__
　　,ｒ‐＜´　　　　／　　'　 /´　|ｊ　　ヽ、　　 __／　' ﾊl、　ヽ　｀丶、　　／⌒〉
　ノﾊ　＼　／　　　　／　　 jl|　 ,'　　ｊゝｨ厂　　 ′/ｌ∧　　　＼　　＼/　　 /
∧丶ヽ　　 V　　　　 /　　　 /ﾘ　;　　 /⌒ｌ|　　　;　/ /　ﾍ　　　　ヽ　　 /　　 /、
l　l､、 } 　　ヽ　　　 /　　　ﾊﾉノ　／　　∧　　,' / /　　ﾊ　　　　＼丿　　厂＼
、_}／ﾉレｰ‐-､＼　 / 、　　 |/'´ ／ﾝ=c'､{ヽl　 ' / /　　　　}、　　　　レ- '⌒ヽ__　ヽ
´　／´{　　　　｀ヽV___､＞－-､く　 /７个i/　ﾍ.0/ /　　　ハ　　／　　 _,. イへ＼＼
　∧0 ﾉヽr─-､___）一´- ､／　） ∨ / / jｌ　　 ∨/=-、　　(⌒＞‐イ　　_∠´　/ｌ　/!　＼＼
　{. ﾊ |　 {、_　　　＿_＿_) ／／　　　/ |　　 /　　＼ (⌒( 　 __｀二´-‐┬' ７/ｌ | 　ハ　ヽ
　ヽ､ハ　＼￣￣ - '´　／ｉ　/　　'　 /　'ｌ　 /　　　　ヽ＼￣ヽ、　_, ／　/∧リ-－　〉　〉
、　〈　｀＞‐-｀ニ＞─＜　 !/　　　 /　　|　/　　　　　　　＼＼,＿￣丿_∠´　厂丶　/　/

　　　　　　　　　　 ,.z=='三ミﾐ=-,.､、
　　　　　　 .　　__」fr三ミヾヾミミミﾐヽ、
　　　　　　　 r行ミヾ'f示ヾヾヾヾミミﾐﾐヽ
　　　　　　 l彡三ミヾ川ヾヾヾヾヾヾミﾐl
　　　　　　　尨ｨ三ミﾐヾ川ヾヾヾヾヾヾﾐi、
　　　　　　　 Y彡三ミﾐヾ'ﾞﾞﾞヾヾ､,斗､ヾﾘ
　　　　　　　ヾ彡ﾃ'´　　　　ヾ/ヾヾ州l
　　　　　　　　klV'　／＾`ヾ'　' ,r' ⌒刈　　　　　　　　　　　　　　「私たちが出会ったのは、クラスメイトとしてだ
　　　　　　　　ヾ,ﾍ. -ｚt;ﾃ=y彡'＾ ¨´ | iー - －､_
　　　　　　　　　`Tヾ(____ノ　__V ,ｲ / 　!　　　　 ,ﾊ.　　　　　　当時の彼は、姿は今とほとんど変わらんが
　　　　　　　　　／ . ヽ、''ｰ-=≠'"ノ　/l　　　　〈　 /
　　　　　　　　,　　　　〈l ｔ― ー_´　 r'　i　　ｖ /　｛.　　　　　　心の在りようはずいぶん違っていたよ」
.　　　　　　/　　 ,　、＼　丶￣　　!　　ﾚﾞ　　　 i
　　　　　　　{　〈｀ヽ　ｊ__ ＼　ヽ　　/　　〉　 {　　ヽ
.　　　　　　〉　ヽ　∨ ) }　 >=､,｀=ｖ　　/　　′　　ﾞ,
　　　　　　/　　丶}　;'　厶_/　//　/!　　/　　 ! {　　　 !
　　　　　　|　　　　∨　/　 /　//　,　!　 /　　　}！　　?@
　　　　　　{　　　　 ′/、 /　〃丶′!　.ﾞ　　　ヽｊ　　｛
　　　　　　ヽ　　〈　ﾞ　ｙ　/　 /､丿ｲ　　　　　〉　　ム
　　　　　　丿　＿_>、 ′ ′／／　丿　　　 ∠　　　 }
　　　　　〈＿／┌／ `ーー-ｒ匕ｒ''⌒ヽｚ―‐ｔ／ヽ　／〈
　　　　　く /　　八　　　　 ∧/ ヘ､　く　＼　｀く　｜/ 　｀､
.　　　　　ﾘ　　　 `,　　　 /　〉　 ∧　ぃ　￣ｿ　ヽ
　　　　　　＼　　　！　　　/、 /　 /　ｊ　｜＼ｲ

　　　　　　　　　　　　ト､　　　　　　　＿　　　　　///∧
　　　　　　　　　　　　 |ﾆ＼　 _,.．'"´: : : : : : : ｀`ｰ-/ ﾆ乂
　　　　　　　　　　　　 |ﾆﾆﾆ X: : : : ,.．/｀: :¨¨`: ｰ:､乂ﾆﾆﾆﾄ--
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉﾆﾆﾆx‐-: ／: : : : : : : ＼: : : :＼｀iﾆﾆX´
　　　　　　　　　　､ｰ､ﾆﾆﾆ{ : : / : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ∨!: : i
　　　　　　　　　　　　　〉' ＼ﾆﾆ〉:/: : : : : |: : : : : : : :i: : : 〈〉:｀､７: : :i
　　　　　　　　　　 i: : : : ＞｛ﾐ,': :〈〉 : : !: : : : : : : :ト､: : : : : ヽ:', : i
　　　　　　　　　　 |: : : :|`＜､': : : : :i: ∧ : : : : : 斗'´＼: : : : 'i.　　　　　　　「心の在りよう？
　　　　　　　　　　 |: : : :|: : ヽ!: : : : :|/ｰ‐-､: : : : ﾘ,ｨ示彳: : : |: :';
　　　　　　　　　　 |: : : :|: ,ｰ-!: : : : :!ｨ示気ヘ: : :i乂ツﾉ!:';: : :|: : ';　　　　　　　…ああ、考え方ということですか」
　　　　　　　　　　 |: : : : : ｀｀､: : : :､:ト乂ツ.｀　＼!　　　|: i: :ﾊ!: : :',
　　　　　　　　　 j: : : : : : : /: : : : ﾄ､　　　　　 _　　ﾉ: |/|: : : : :',､
　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : :∥: : : : ト､ｰ､__　　´　　／|: : : ﾘ: : : : : ,､ヽ
　　　　　　　　　　　 ,': : : : : : : :{{ﾍ: : : : ∨　,-､ヽｰ- イ|Y:|: : : ;': : : : : :|
　　　　　　　　　　 i : : : : : : : |｀ﾐﾄ: : : : :'"´ﾉノ`」ニ∧ﾆ|:!: : :iｰ---､: :|
　　　　　　　　　　 |: : : : : :Y´|ﾆ|!ﾆ》､ﾄ､:}`┐　　/　＼;;|ﾍ: : { 　　 .＼!　 ∧
　　　　　　　　　　　ﾉ : : : : : | .,|ﾆ|!ﾆ|　　}i 　＼./＼ / .|iX|:|､i　　　　 ,＼'　 }'/
　　　　　　　 i' : : : : : : :|//ﾆ:!ﾆ|｀､乂　　　　_,../＼､!､ｿ｀　　/　 i　／≧s。ｰ-,
　　　　　　　 |: : : : : :トｲ ∨､::ﾆ! N　　 .s≦// 　 .＼ﾆOｰ-､!　ト'/ﾆﾆﾆﾆﾆ|i>
　　　　　　　 |: :。s≦ソ!　　〉ﾆ!ﾉ !,ｨ／O///{　　　　 }ﾆﾆi!|/| 人iﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|]
　　　　　　　 |: :~rニ/|人　∧ﾆ|! /　i/iiﾆﾆﾆﾆ＼　　丿,∨/ii/}｀ｰ!ﾆﾆﾆr‐=ﾆﾄ'､
　　　　　　　　　 ',: :ﾘﾆ/ﾆﾆﾆY　∨Y　ノﾆiiﾆﾆﾆﾆﾆﾆ｀´∥∧∨!ﾆ!ｰ{ﾆﾆﾆ,'ﾆﾆﾆﾆﾆ＞。
　　　　　　　　　　　／ﾆ/ﾆﾆﾆﾆ＼　 !　 |ﾆﾆ∨Oﾆﾆﾆニ∥ﾆ∧∨:ﾘ　∨ﾆ/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ≧s。

796 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:11:29 ID:29285ac0

自身の心情を補足するように、アーカードも語り始める

.　　　　　　／//////////＞.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.　　　　／//////////.ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:　　
..　　　　／////////////.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞=ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:
　　　／/////////////.:.:.:.:.r=ミ{.:.:.:{{: : : :ﾘハ:.:.fハ:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　「私はね、自らの "ヴァンパイア" が嫌いだった
　　.ｲ//////////////.:.:.:..:.{{: : :从:.:.ゝ--ｲ　八.:{ｒｉ{.:.:.:.:.:.:.:.:
　///////////////.′:.:.:.:从ー〈乂:乂　　　　}:ﾊ/.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　自ら望んだわけでもないのに、生涯自分が
.////////////////i..:.:.:.:.:.:..∧　ヾｿ　　　　从!.:.:.:.:.:.:.:.:.:
乂//////////////,|.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ r r=＝　ｰヽ　从.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　 "ヴァンパイア" として生きなければいけない事に」
　｀　ー‐ --------ﾉi:.:.:.:.:.:.:.fくハ　￣ ´　　　ｲ　 }ﾊ.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　从∧(乂　 .∧　　　　イ　／.i:{乂ハ:..　　
　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ//,ゝ _.ィ"＞ ´/.i: イﾆﾆ｀ヽ:
　　　　　　　　　　　　　　　／,//// ノ<f⌒ヾ./イ ./ﾆﾆﾆﾆ-＼
　　　　　　　　　　　　　／.／///　｝ﾆﾆ〉ｒく　　.:/ﾆﾆﾆ=-＜ニ
　　　　　　　　　　　_　-ﾆ／////　ﾉﾆ_ｲ　　　.::/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ.｀ヽ

　　　　　　　　　　　　　 ___
　　　　　　　　　　 r'´ 　　　￣三二ﾊ
　　　　　　　　　　 }三ニ=　　ー-=三三!
　　　　　　　　　　 }三三ﾆ　　　≧三三{
　　　　　　　　　　 }rー-＜__三二ﾆr＜_{
　　　　　　　　　　ﾉ￣　　ー＜r '"´__彡ー==＝＝≡ニニ
.　　　　　 __　.　-　'"´三ﾆ＝ー＜　　≧三三三二ﾆ=-　'"´￣.　　　　「何故、私は瞳を覆わなければならないのか
.=≡ﾆ三＝-　_　　　　　　　　__　二ﾆ=-=才:r=i--― ‐　　"　￣..　　　　何故、私は世界を黒く見なければならないのか
=ﾆ二三三≧ﾆ==-　-=才f::::{{: : : }ﾒ人: : :从:::::!　　　　　　　　　　何故、私は恐怖されなければならないのか
.　　　￣　　　　　　　　从从｀　´　i|ハ　厂:::乂　　　　　　　　　　何故、私は傷つかなければならないのか
　　　　　　　　　／}::::ハ　ヽ_り　.′:::{　＼
.　　　　　　　　　／　∧:::::厶辷＝.ｱ ' }ハ从　 ∨　　　　　　　　 …負の感情の連鎖は、私から奪い去っていった
.　　　　　　 .　 : ´:'　 :三fﾊ从ﾄヽ￣ .厶ｲ/ }}=-_　 '.: : .
.　　 . : : ´　　　 /　ﾆ二{ 　 }} .ゝゝ-ｲ　 {{ 　{:三_　　∨　｀: : .　　　　人と関わろうとする気概をね」
. ⌒ｆ　　　　 /　　:ﾆ二{　,八o /.⌒Yo .ﾘ　 }.≦　　 ∨　　　
.　 :{　　　　　_:/　　=ﾆ二}　　 ∨}r--｛ﾍ/:. 　{三__　　　∨　　　
....　}=ﾆ二三./ 　 .-=ニ三}　　　才 i {.∧　　 {ニ=_ 　 _彡三二ﾆ
.∧:{三三三≧=--ぇ :-≧{　　/:/　{ i| :∧　　 {≦　＜:三三二ニ
..ﾆ-∨ニﾆ_＞　´ 　_-ﾆ三}　..′}/　 }　 ∧ 　 }二　　　　 {三-
. ﾆ_八三三} 　　　≧三ﾆ}　,　 :{　　:}　　＼:{三ﾆ_　　　　∧=/

そう、あの時の友はこのような有様であった

学校という集団の場で、ただ一人で居ることを望み
孤立することに躊躇いの無い、異端児として彼は存在していたのだ

　　　　　　__＿＿＿_
.　　　／￣￣　　／￣｀ー─ヘノ7
　　 / 　　／　／　　　／　　　/{
.　 /　　／　／　　　／　　／ //,L.
　 ′　/　　　　　　　　　　 /-　　}
　i 　 /ｲ.//.i　!　　 / 　／　./　　'/ }.　　　　　「私はその姿が気に入らなかった
　|　　ﾉ / !.! .|:i. 　/_,,／ /／/_　　 '/.　　
　|　　　ｲ|:|:i:|:l　/／ __ヾ__,/Ⅶノrヘ!.　　　　　　実に、実に気に入らなかった
　ｌ　　:i|　从|从|／=Y斗t_ｯ-ヽ乢rｯミﾄ､.　　
　}　　:lト. 〈 |　 | 　人ミ彡 }ー{ミ彡ﾉ　　　　　　だから私はアーカードに、こう言ってやったのさ」」
ノｲ|:|:i:|＼｣　　＿_　ー‐ 、　{ー‐〔 _
　从|从川l|　　　}r‐ 　　 (.__　　）　 , : : ヽ
　/∧乂从!　　从 `ー===‐--‐7　.′: : ∧
　　 ∧:.　人.　　　ヾr､::::____ ｿ{ 　/　 . : : :∧__
.　　　∧　　＞　.　　こ二ﾆ　ｒ丶　. : : :i:川:i了
　　　　∧　　乂　心、 _＿＿ノ　　＼: : 从|:ｉ:i:ト..., _
　　〉　　∧,＿_　＞-≠-＜!ｉ:.　　　　丶乢Ｉ:i:i:i|:i:７ト .. __
　　　　　 ∧　　.:i:i:i/￣ヽ　|:i:i:.　　　　　　＞--＜.ノ　　 .＼
　.′　　　 ∧:. ＿/､　 :Ⅳノ:i:i:.　　　　　　 //　　　　'ー─ヘ
　　　　　　 ∧.／　＼r‐､　 ∨　　　丶　　　//{............ノ.::::／￣
　＿＿＿　　.∧丶　　.:}　＼. ∨　､　＼　'/＿＿__.::::／.:::〃
　￣￣／　　　∧　＼:::}　　　ヽ.∨ 　＼　　　　　 ∨.:::::/
..

797 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:11:55 ID:29285ac0

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

　　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　 l
.　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　 !、
　　.　　　／　　　_, -ー=-､_,-=-ー-､　　　＼_,
　　　　く　　　　f{{.　== .}==={　==　.ﾑ∧_＿ノ　　　　　　「アーカード君、君が何を思い
　　　　ﾞヽf云ﾊ|ﾆー‐‐ｲ　　ー‐一" }/|f}
　　　　　　　 {{Y|.　　　　＇＇　　　　　　ﾚ..　　　　　　　　今の生き方を選んでいるのかは分からんが
　　　　　　　厶ﾍ!　　　　ｉ=====ｉ　　　　ト、
　　　　　　ﾑ∧　　　 |. 　　 | . 　　厶ﾍ.　　　　　　　　一つ忠告させていただこう
　　　　　　 rf戈　　 =====　　　　.∧八_
　　　　　　 .／ /厂|ト､_. ー--一 __, . 彳ヾ､¨＼　　　　　　　・・・　・・・・
　　　　　／　〃　 |　　　￣￣￣　　 |　　》　＼　　　　それは無意味だ、止めたまえ」」
　　　 .／　　《　　 |　　　 .ｿ叭　　 |　ぐ　　　∧
　　　/l 　　　｀>　|　　　.〈/ﾊ〉　　│　ﾉ　 Ⅳﾊ」
　　.∧ﾊ　　{＠}　＼|　　　　ﾙ' |l　　　|　/　　　|ハ入
　　.厶Yﾍ[{momo}]│　　　 .,!　｜　　ﾚ′[{nina}]　小、

　　　　　　　　　　　}_／_＿　　　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　　 f-=ミ　　　　　￣三二ﾆ≡=-ゝ .
　　　　　　 _　　-=≧ー--　-‐=＝ﾆ二三￣　　　　　　￣三二ﾆ≡.　　　　「……いきなり何を言うかと思えば
-‐=＝≡ﾆ二　　　　　_三二ﾆﾆ=---=ﾐ=-:-:-:-: r=＝＝＝-‐　　￣
_三二ﾆ=-‐　ｧ:ﾆ二: !| ∨ {.:.:.:.:.:.:.:./ハ{.:.:.:.:.:.:.:.:.:{　　　　　　　　　　　私がどうしようと、それは私の自由だ
.　　　　　　 /ﾊ:.i:{:.:.,八_j!イ从:i.:.:.:.{fr　j.:.:.:.:.:.:.:.:抃
.　　　　　　　　 }从/　 ;八　　 }!.:.:八 .ｲ .:.:.:.:.:.:.从　　　　　　　　　　　　　君に何を言われる権利も、それに従う理由は無い
　　　　　　　　　　￣ｱ=-‐ぇ' j.:./　 }:.l.:.:.:.:.:.:.:..:{　_
　　　　　　　　　　　　え'"´　　　　ハﾊ.:.:.:...＞ ´ {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・・・・
　　　　　　　　　　　　　 }　　　　,　　_　-‐≦=ー-ミ＼　　　　　　　　　　そうだろう、ただのクラスメイトの少佐くん？」
　　　　　　　　　　　　　ゝ-＜＞ ´. イ　　　　　　　ヽ＼
　　　　　　　　　　　　　　 r＜　.イ
　　　　　　　　　　　　　／　／

.　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　「うむ、今現在、私達の関係はそれだ
　　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ.　　　　　　　　しかしながら断言しておこう
..　　　　　く:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡　　　　　ある一点に関して私は君の大先輩さ
　　　　　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾆ=-.　　　　　　　　　　　　・・・・・
　　　　　　　ﾑ::/ソ{::/´^{ /ヽ､_,-‐三三｀ｧｨY}/^}./}::/lヾ::::::::::ﾆ=-.　　　　　　心を閉ざした引きこもり、という点ではね
　　　　　　　ｿﾊ{( |:{/γ込じナ}三三三γ弋ソ"Y=N. |６}:::::::ﾆ=-.　
.　　　　　ﾘ丶ｨ|ｷ={ヾ=≡ｷｲσ三∂乂ヾ=≡ﾉ　三|ｲ:::::ﾆ=-.　　　　　　　いや、むしろ私の方が家から出なかった分
　　　　　　　／彡|三ﾞ'ｰ--‐''　　.三　　｀￣´　三|:::::::ﾆ=-.　　　　　　　格上かもしれないな」
.　　　　／彡ﾑ∧三　　　　〈_三_〉　　　　三|::::::ミ　｀`丶､
....　　　.／　　.{/ヽ∧三　　　ノ .三　ﾍ.　　　　.三/∧}/ヽ　　　＼　
......　／　　　　　 }/∧三くー=ﾆニニﾆﾆ=‐'"冫三/::::|　　 ∧　　　＼
....../　　　　　　 /　ヽ三　　　三三　　　　ン:::::::|　　　∧ 　　　ヽ
.　'` ､　　　　　 /　　|:＞　ー--------一　＜::::::::::|　　　 ∧　　　　 / l＼
.　　　｀､　　 ./　　　|::::::::: ` ‐ ------ ‐ ":::::::::::::::::::|　　　 ∧　　　 /　|　ヽ
.　ﾞ''ｰ-､,_　　　/ 　　 .|::::::::::::::::::::ノ￣ヽ､:::::::::::::::::::::::::::|　　　　∧　　ノ　 .|　　 }
.　　　　　 ./　　　　.|:::::::::::::::::::ヽ　　 /::::::::::::::::::::::::::::|ー――＜　　　　 .|　　ｉ｀.､
.　　　　　 /　　　　 |::::::::::::::::::::::｀ﾙ' |l:::::::::::::::::::::::::::::|￣￣￣／　　　　　　　/　 |

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

.

798 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:12:24 ID:29285ac0

　　　　　　　　　 ∨ ＼　　　　　　　　　 _/ﾆ=-/
　　　　　　　　　　　∨-=＼__ ,､ヽ`~ ￣ ~"''7ニ=-{
　　　　　　　　 }-=ニアﾟ. . . . . . . . . . . `ヽ､ﾆ乂_______
　　　　　　　　ﾉﾆﾆｱﾟ. . . . . . . . . . . . .. . . . ＼ニｱ＾'く
　　　　　　　く-=ﾆ/. . . . ./. . . . . .ﾟ,. . . .∧. . . .ΧL. . .∨
　　　　　　　　　 /＼/.∧. . .,'. . . . . . . }ﾄ､. .∨. . . .. ..∨.. . .∨.　　　　　「…こういう事を聞くのは失礼かもしれませんが
.　　　　　　　 / . . '. .∨.. .. .. ..{ . . . . .,-‐＼-.. . .ﾟ,. . . . . . . .　　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・・
　　　　　　 /.. .. ..ｉ . '.. .. .j{__. { . . . ./斗劣ミ. . . .} . . }l. . . . .　　　　　もしかして、少佐様はいじめられっ子、でしたの？」
　　　　　　　　{／. . ,ﾚ{{. . ´从. . ､ . . ,' 　うハ｝. . ..} . . }l . . . . .
.　　　　　　／. . ., /. .{{.. .抖筏㍉＼｛　　~´　, . . ﾉ. . ..ﾞ . . . . . .､
. 　　　／. . .／/.. ..从. .｛乂ツ　､　　　　厶ィ. . . ./.. . . . . . . .＼
　　　／. . jI斗i/. . . . ./＼込、　　　　 _　　　 }. , . . /.､.. . . . . . . . . .＼
.　　｛≫''~　　 }､. . .., '.. ..{. . 「.}iト　　´ 　　イ}/. ..∧ . ＼.. .. .. .. . . . . .＼
　　／}_　　-‐r' ‘,／}.. . ..{. . { . ,' . . . 〕I爪／_,/. ../､. ﾟ､ . . ＼ . . . . . . . . . 丶
　　二}　　　　}　 i} / . . . {. . {__{. . ._ ノ从i:iYﾞ7 . /　丶＼ . . ＼. . . . . . . . . .`､
　　ﾆﾉ≧=‐r '　ﾉ/. .＞''~ . . .､｀`寸彡^Lﾉj{ . ,'　　　　＼.＼. ﾊ.＼. . . . . . . . . .
　　〈　　　ｌ　　､''~　　　＼「　　ﾏ,　 _,,ｨiｱ乂{　　　　　　＼/　}. . ＼ . . . . . . . .
　　=`,≧=‐乂　　}　　　　ｨ7__ ,,.｡s≦≫''~　　　 - ､　　}￣　　/Ｌ _. . ＼. .. .. . . .ﾟ,
　　=-}　　　｝ r'.｡s≦7´ 〃ニ7⌒Vﾑ　　　　 , }￣　 __/´ニ=-`､. . .＼. .. .. .‘,
　　ﾆ7　　　'⌒　{.. . ..W-=,70=-{　　 }iﾆ＼　　　　/く＿／ニ二ニﾆ=-}､.. .. ..＼. . . ﾟ
.　　/＼____{　　ﾉ. . . .{{-={{ﾆﾆ=乂／-=0,7≧=‐ｧ..{. . l|-=ﾆ二二二ﾆﾉﾆ=-　. . ＼...}

過去の私達の会話から、クルル嬢は察したようだ

　　　　　　　　　 , ==､lr､ヽﾊﾊﾊ‐-､､
　　　　　　　　　　 ,ｨ'三三ﾐ.llililil,ﾍﾊﾊﾄ,liﾍﾊ‐､_
　　　　　　　　　 ,ｆ三三三ミllilililil l l l　l l l l l ﾊヽ、
　　　　　　　　 ,ｆ三彡´　　　　　 ∨ﾊﾊ.iﾊ l l l　l ﾊﾊ
　　　　　　　　l彡ｨ=-― ､ｖ--､,,,ｨ-l从l从lﾊ l ｌi .l ﾊlﾊ
　　　　　　 ,l-ｲl、　　 ,ﾉ--､ll｡　　　　ヾl l l l.l,ﾘ.l 洲.　　　　　「うむ、高校に入る前の私は
　　　　　　　 l lイ'`ー=彳ﾉ　ヾ,､_　　__ノﾙlﾘlﾙｲlﾙ州l　　　　　　　　　・・　　・・・　　・・・・
　　　　　　　 l､リ. ,　　　 `‐'ミ､　￣　´　`ヽﾘ_ﾉﾘ州ﾘ　　　　いわゆるでぶでおたくでこわがりだったからね
　　　　　　　 `l　 l ﾄ--､-,　,､_ `　、､、　 ´ l,ミlﾉｲﾘ'
　　　　　　　　 l　　l Yﾆ'二ニ='‐｀｀ﾗ .!'　　 l ﾉｲｲﾘ/　　　　　　　まぁそういう状態だったのさ」
　　　　　　　　 .l､　,. ､ゞｪｪｪｪｪｪｨリ'　　　 ./`-ｲ,'´
　　　　　　　 >、ヽ、ー----‐イ　　　,/彡ｲ〈、　　
　　　　　　　 ,.ｲイﾊ‐､ ` ､＿___,, ィ _,,イ彡イィﾄﾄ､
　　　　　 ,ｲｲ　　ﾍ　`　‐----‐_彡'´　　 / 　 ,'　.l`i､__
　　　　 _,ｲ-‐-､　_,.イﾍ、　_,,　＜　　　　　/ ｲ// 　.l ﾄ､@ヽ、
　　 ,.イ//　　　)'´ l i'ミ､r,ミ､　　　　　,ﾉ ,/ｲ././　　l l　〉､__
.,ィl　 ,/,.'　　 ,' ,! ｌ ,i!l´　`ヾ,il　　 .,,ｨ'´,ｲ . ./ / 　 . l.l ,' .l
.l l　/,.'　　　 ,' ,' l!,ﾘ..ﾉr‐,ヽ,ｲﾍ、 ,ｲ　〃,ｲ / /　　 .l.ﾘ .ﾘ.,ｲ
ﾊｲ, '　　　 l /.ﾚl'l彡◎ミl}　ﾍ, @,ｲ . ｲ / /　　　.ｌl! /／
ｲ.'　　　　　l.,'.　.Yl iノ.ﾉ.l､　　 ,ヽ'　,.'　.,' ,　　　　　ｌｌ/ｲ　l
　　　　　 ,'　./　　 .'//.l　　　　 ,ｲ　 ,' /　　　　　.ｌl'　ｌ ,l
_　　　　　 ,' ./　　　 //l l 　　 , ' 　 .,' /　　　　ｌｌ　l ,',.ｲ
ﾄﾐ=､______ .l./　　　.,','={{lト‐_／=､ . /./ 　　　　 .ｌl　l.l!　ｨ
,》＞=‐-ミ.〈　　　　l.l　 ,l,lｙ'´　　　l,.//　　　　　　ｌl! l l,ｲ!

私は笑いながらクルル嬢の疑問を肯定する

その姿に、当時を思い出したのだろう
我が友も笑いながら、あの時の心情を吐露していた

.　　　　　　　 f≪_　　　　　　　_.厶斗＝＝ミfp ￣ハ_
...._　.　.　.-‐:=:＝:}ー--＝==≦三___斗＜二二ﾆﾆ　　｛ :　:　:￣　:_:二ﾆ≡
...:　:　:　:　:　:　::厶_ __　　　　　　　　　__乂f＝＝＝＝彡ﾆ二三三三三三
.:　:　:　:　:　:　:　:　:　:￣三三二二三￣　:　:　:　:　:　:　:　:-==＝≡ﾆ三三.　「私はとても驚いたよ
　ニ=＝-‐　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:__＿＿_＿___＿＿＿__三三二ﾆ=＝-　　　　　　　　　　　・・・・・
　二二ﾆニ==＝＝--‐―　　ﾏ.:.:.:.:.:.ｨ"　　　 Y.:.:.:.f⌒v:|￣　　　　　　　目の前の彼はそんなものとは真逆の存在だと
.　　　　　 /.:.:.i　i.:.:.:i{　　　　 :}i:.:.:.: i{ 　　　 }i.:.:.::}ｆﾊ }:!.　　　　　　　　　端から見ていて思っていたからだ
　　　　　ｲ.:i. ∧从八　　　八f.:.:八　　　八.:.:.:'ﾘｨ.:!　　　　　　　　　　
.　　　　　乂ハ.:.:.i.{.:.:{: :.ゞ＝＜: :ハ.:.:.:ﾊ　＝彡!i.:.:..:}/.:.::|　　　　　　　　私は不思議でならなかった
.　　　　　 )) }.: 从.:ﾊ::::::.........::: ::::j|.:.从 ::.......: :从.:.:.{ハ八　　　　　　　　
.　　　　　　八.:.:.:.:从: : : : : : :. ∧:乂: : : : : :ｲ.:.:..:..{∧{　　　　　　　　　　　なぜそんな経験をしている彼が
. 　　　　／　:}/ハﾊ　 fr.　　　　゛　　　.ｨ 7j从!.:.ﾘ　:＼ｰ ..　　　　　　　　ああも明るく、ああも楽しそうに人前に立てるのか
..　_＞.　:´ :　:　:　: 乂∧　　ゞVrー_‐‐fVア　　/八((:　:　: ＼　｀: : .
　三／　:　:　:　:　: { 　 ∧　　ヽ￣_￣__,　　　.ｲ(　 ∨ :　:　:　.＼:　:　｀ー-. 　自分にはそれが出来なかったからね」
　_ｲﾆ=-　:　:　:　: ハ.　　＼　　　　　　　／　　　 .′:　:　:　:　:.＼:　:　:　:
../=-_　:　:　:　:　:　:.∧　　　＼　　　／　　　　./.　:　:　:　:　:　:　＼:　:　:

799 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:12:54 ID:29285ac0

.　　　　　　／//////////＞.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.　　　　／//////////.ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
..　　　　／////////////.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞=ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:
　　　／/////////////.:.:.:.:.r=ミ{.:.:.:{{: : : :ﾘハ:.:.fハ:.:.:.:.:.:.:.:.
　　.ｲ//////////////.:.:.:..:.{{: : :从:.:.ゝ--ｲ　八.:{ｒｉ{.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　　「だから私は問うたのだ
　///////////////.′:.:.:.:从ー〈乂:乂　　　　}:ﾊ/.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　　　　　　　　　・・・・・
.////////////////i..:.:.:.:.:.:..∧　ヾｿ　　　　从!.:.:.:.:.:.:.:.:.:　　　　　 "何故、君はそうなれたのだ？"…とね」
乂//////////////,|.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ r r=＝　ｰヽ　从.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　｀　ー‐ --------ﾉi:.:.:.:.:.:.:.fくハ　￣ ´　　　ｲ　 }ﾊ.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　从∧(乂　 .∧　　　　イ　／.i:{乂ハ:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ//,ゝ _.ィ"＞ ´/.i: イﾆﾆ｀ヽ:
　　　　　　　　　　　　　　　／,//// ノ<f⌒ヾ./イ ./ﾆﾆﾆﾆ-＼
　　　　　　　　　　　　　／.／///　｝ﾆﾆ〉ｒく　　.:/ﾆﾆﾆ=-＜ニ
　　　　　　　　　　　_　-ﾆ／////　ﾉﾆ_ｲ　　　.::/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ.｀ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿　_　__ ＿　r-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {.ｒ､＼＼`㍉､｀＼i＼¨ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／Ⅵi＼＼＼　＼ .＼.Ⅵ `㍉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ彡iiⅥﾑヽ　ヽ　　＼ .＼}＼∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }彡ﾆﾊⅦiﾑ　＼　＼　.ヽ .∨ Ⅵ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {／,ｲ　`¨¨∧ .i　i　　　　　.∨i}i.　　　「そうだねぇ、そう問われたよ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Y// 　　　.∨| |　|　|i　i　}　l!Ⅵ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i i,ｨzzzzミ､ .乂i}i 从乂八il　} i乂､.　　　だから私はこう答えたんだ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{｀Y ,ｨ==r=ｧﾐ､___,Yrィ尨ラ.}i}从{i ﾉﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人 {（弋__`彡豸⌒}i}_`⌒".ﾉﾉ　}／}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `Y`ｰ====彳i⌒` ‐==‐'.,ィ　 iﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　､＿,ィ　　. ,ｲ　 /ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人　　`‐-=　zzz-≠彡′/{㍉ヽ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　.＼　　`ｰ‐‐‐　　　　／ﾉiﾄ､i}　}i:i:　Yヽ､
　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_,.．-'／　　／i} ＞‐-　　--,.．イ.／ / ./ ./i:i:　 i　` ＼
　　　　　　　　　　　　／i}＿＿＿__／　　／.／}　　 /ゝﾍ　　 .／　./ ./　i{i:i:　　i}乂　　`ｰミ､____
　　　　　　　　　　　／乂⌒/　　i／　／.／i∨ j　/}´⌒i}　　　　 ./ ./　　ヽ＿__///i`㍉____　　　〉､
　　　　　　　　　　/　//　 / , -'" 　／.／　 i/__.／i迄亥ｲ＼　 .／ ./　　　　 i}/　i:i:／　　ヽ／⌒＼
　　　　　　　 /　//_,.．　　　　　／}　　 {ii:　i／⌒㍉}彡' Уi:i:i:/　　　　　　 i}i:i:i:i:/　　　／　　　　∧

800 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:13:20 ID:29285ac0

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　 _ - ‐ ´　　　　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　　　く　　　 _.　　/ヽ､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 ‐＝' 　/ ,´､∨{/. 　 W⌒;;;;､､　　 !.　　　　「変われた理由かい？　考えるまでもないだろう
　　　　　　　　　　　 ∠ 　{ ( r ｉ＝＝====´廴ヽ}´Yヽ,ヽ
　　　　　　　　　　　ソ　ゝ､.　三三　　､.‐- ンﾆ{ﾋﾗwヽ　　　　自分自身がそうなりたいと
　　　　　　　　　　 ∠, ,,__l叭　三三　　 """ .ｚｪ｣≡ﾚ　冫
　　　　　　　　　　　　　,‐‐{/!.〃| ヽ. 三三　､　　圭冫=/　N.　　　　変わりたいと願い、行動に移したからさ」
　　　　　　　 _,,..-‐/　ﾐ |::::::::ヽ　ヽ三　　 `‐ﾆニﾗヲ　N
　　　　　 _,..､-''"　　./　　　|::::::::::::｀`丶､_　　　三　ノ　ミ
　　　 ,く　　　　 |　　　|::::::::::::::::::::::::::丶､__,..､-''"＼
　　　 /　　　　　 |　　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　＼　　＼

　　　/
　　　/
　 .／
／　　　　　　　　　　　　　 ,､　　　　　, ､_ ,__＿_,,-‐'´｀‐-､,,,-‐､ヽ
　　　　　　　　　　　,､,-‐ｉ. 　 / {　_,, ､-‐'´　巛| 爪‐-‐弋ヅ´ﾂ. }==ｿ=ヽ
＼　　　　∧{　 ,={. ｉ=b　 {　/.　{/　　d=＝＝b災 `'==≡彡丿ﾐ　 ' "　　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・
　/／,ゝ /. |{　/　{/ 丶　 {/　　｀　　丿　 // 丶≡≡ --‐ 　ﾐ　,, .//ｉ !l 　「私は、見た目も中身もこのとうりの有様だが
　'　/／ｉ /| {/　｀　　｀ ─── ''´　　.//　　　三三　　　　 ///.　　　それら全ては、私という人間を形作るものなのだ
　　 ' /　ｉｉ | ｀　　　　　　　　　　　 //ｉｉｉ'｀ヽ､, 三三　　　 //|!|l|
　　 / 　ｉ { |　　　　　　　　　　　　　　　|//W 从　　　　　　　　 //ｉl|!|　　　　何を欠いても、私は私で無くなってしまう
　　/／}八V|　　　　　　　　　　　　ヾﾐﾐ　　　从　　　　　　　 //ｉl ｉｉ|
-‐ ´//､　ヽ|　　　　　　　　　　　　ヾﾐﾐﾐﾐ从　　　　　　　　　　!ｉl!l|/.　　　だから、私は全てを認めたありのままの形で
　　//　ヽﾐ/ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ| .../　　　生きていこうと思っただけさ」
　.// 　　ﾐ/:::::ゝ　　　　　　　ヽ=＝≡≡=≡≡＝=ツ　　　　ｉ.ｉ. /
. //　　　ﾐ/:::::::::ヽ､　　　　　　　　 ######￡#♯#♯　　　　　　l /
//　　　ﾐ/::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　ヾﾐﾐﾐﾐﾐ　　　　　　　／

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

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801 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:13:48 ID:29285ac0

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

.　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　　　「だから、アーカード君
　　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　
　　　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　　　自分を否定してはいけない
　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ.　　　　　　　そこには何も救いは無い
　　　く:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡.　
　　　＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾆ=-..　　　　　　自分を否定することは自分にしか出来ず
　　　　ﾑ::/ソ{::/´^{ /ヽ､_,-‐三三｀ｧｨY}/^}./}::/lヾ::::::::::ﾆ=-.　　　　　自分を認めることも自分にしか出来ないのだ
　　　　ｿﾊ{( |:{/γ込じナ}三三三γ弋ソ"Y=N. |６}:::::::ﾆ=-.
　　　　　ﾘ丶ｨ|ｷ={ヾ=≡ｷｲσ三∂乂ヾ=≡ﾉ　三|ｲ:::::ﾆ=-.　　　　　　いいかね
　　　　／彡|三ﾞ'ｰ--‐''　　.三　　｀￣´　三|:::::::ﾆ=-.　　　　　　君は生まれついた時からヴァンパイアだ
....　　／彡ﾑ∧三　　　　〈_三_〉　　　　三|::::::ミ　｀`丶､
..　.／　　.{/ヽ∧三　　　ノ .三　ﾍ.　　　　.三/∧}/ヽ　　　＼.　　　ヴァンパイアである事は、ここに居る
／　　　　　 }/∧三くー=ﾆニニﾆﾆ=‐'"冫三/::::|　　 ∧　　　＼　　アーカード君という人間を形作る一つの要素なのだよ」
.　　　　　 /　ヽ三　　　三三　　　　ン:::::::|　　　∧ 　　　ヽ
､　　　　　 /　　|:＞　ー--------一　＜::::::::::|　　　 ∧　　　　 / l＼
......｀､　　 ./　　　|::::::::: ` ‐ ------ ‐ ":::::::::::::::::::|　　　 ∧　　　 /　|　ヽ
..-､,_　　　/ 　　 .|::::::::::::::::::::ノ￣ヽ､:::::::::::::::::::::::::::|　　　　∧　　ノ　 .|　　 }
　　　　　./　　　　.|:::::::::::::::::::ヽ　　 /::::::::::::::::::::::::::::|ー――＜　　　　 .|　　ｉ｀.､
..　　　　/　　　　 |::::::::::::::::::::::｀ﾙ' |l:::::::::::::::::::::::::::::|￣￣￣／　　　　　　　/　 |

　　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　 l
.　　　　　　ﾉ　　　　　　　　　　 !、
　　.　　　／　　　_, -ー=-､_,-=-ー-､　　　＼_,
　　　　く　　　　f{{.　== .}==={　==　.ﾑ∧_＿ノ　　　　　　「どうだい？
　　　　ﾞヽf云ﾊ|ﾆー‐‐ｲ　　ー‐一" }/|f}
　　　　　　　 {{Y|.　　　　＇＇　　　　　　ﾚ　　　　　　　　　ここは騙されたと思って
　　　　　　　厶ﾍ!　　　　ｉ=====ｉ　　　　ト、　　　　　　　　・・・・・・・・・
　　　　　　ﾑ∧　　　 |. 　　 | . 　　厶ﾍ　　　　　　　　　　　ヴァンパイアらしく生きてみてはどうかね？
　　　　　　 rf戈　　 =====　　　　.∧八_
　　　　　　 .／ /厂|ト､_. ー--一 __, . 彳ヾ､¨＼　　　　　　その方がきっと楽しいぞ、とても楽しい
　　　　　／　〃　 |　　　￣￣￣　　 |　　》　＼　　　　　　　　・・・・
　　　 .／　　《　　 |　　　 .ｿ叭　　 |　ぐ　　　∧.　　　　　私が実証済みだ」
　　　/l 　　　｀>　|　　　.〈/ﾊ〉　　│　ﾉ　 Ⅳﾊ」
　　.∧ﾊ　　{＠}　＼|　　　　ﾙ' |l　　　|　/　　　|ハ入
　　.厶Yﾍ[{momo}]│　　　 .,!　｜　　ﾚ′[{nina}]　小、

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

.

802 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:14:16 ID:29285ac0

　　　　　＿／　　　　　　　　＼ノ＼
　　　　 }, '.|　　　　　　＼　　　　＼ノ
　　　　_,./ .::|　　　　＼　　　＼　　　　ヽ
　　　Ｖ　 :ｉ|　　　　 {　＞､、　＼ヽ　`､
　　　　,　　八　　　　∨　　＞ミ__:ｉ　　　　　　　　　「含蓄のある言葉ですわね
　　　　ｉ　　ｉ:､　　　 ',　ｨｆだｿ　｜ |　:ｉ　
　　　　| .:i　 :ｉl一､　　＼　ゞ'　　｜ |　:|.　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・・
　　　　| .:|　:八　ｨ示 ―一　　　 | .:|　:|　　　　　　でもその時、こじらせていた伯父様は
　　　　| .:|　　ヽｬｿ' 　　　　　|:/|i .:|.　
　　　　|:从＼ __,ノ　　 r ｧ　　 / 八:.|　　　　　　少佐様の言葉をたやすく信じましたの？」
　　　　|　ｉ｀¨⌒ 込　　　　　　／Y^i:|
　　　　 | .:|　.:i　j/＞　　 ,. イ⌒r‐ |:|-
. 　　　 /| .:|　.:| /　|　| ｀T_____,}...ﾉ{　 |:|:
　　　 / :| .:l　 :∧　|　| {//ﾊ）__....人,,ﾉ:|:
　　　'⌒7|| .:| .:/ __ヽ .:.|一‐ 　 └r≠＼＼
　　　　/ 八.:|:/ /　　＼㍉　　　人＼　＼
.　　　/ /　へ _:{　　　　＼㍉_/　ヽ/:＼
　　 ,　/へ{⌒Y⌒ヽ　　　　))　　　 /￣＼ヽ

クルル嬢のごもっともな指摘に、私は笑いながら答えを返す

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ｲ　 /___　 }ハ＼＼＼＼|∨/ }
　　　　　　　　　　　　　　　 |/l　八==ミ　　}＼ｌ,ニﾆﾐ、　| l| ,ハ　　　　「まぁ疑っていただろうね
　　　　　　　　　　　　　　　 lバ7′　　 Y＿ｽ　 rぇヽ＼| ｌ| !　}
　　　　　　　　　　　　　　　 {　|ゝ　　　　广¨{{　`弋メ }}ィ川 |∨　　　　だから私はこうも言ってあげたよ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　、|　≧＝彡{ 　＼＿＿/　|　从|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 __　　｀　:;　￣￣　 ,lイ/ ｿ　　　　　 "信じられないのならば、その眼鏡を取って
　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　⌒ ー==＝＝ヲ　　/′　　　　　　　私を見てみたまえ"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、　　　￣￣￣:;:;　　.′
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 } ＼　　　　　 :;:; :; .ｲ　　　　　　　　　　 ……とね」
　　　　　　　　＿＿_　　　　　　　 .ィi〔＼ ≧====---彡厶
　　　　　　イ／　　 ≧======≦　 }　　＼　　　　／　 }＼

我が友は、私のその言葉から当時を思い出したのだろうか
自嘲気味に笑っていた

　　　　　　　　　　　 f≪_　　　　　　　_.厶斗＝＝ミfp ￣ハ_
　　　_　.　.　.-‐:=:＝:}ー--＝==≦三___斗＜二二ﾆﾆ　　｛ :　:　:￣　:_:二ﾆ≡
￣.　:　:　:　:　:　:　::厶_ __　　　　　　　　　__乂f＝＝＝＝彡ﾆ二三三三三三
__:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:￣三三二二三￣　:　:　:　:　:　:　:　:-==＝≡ﾆ三三
三二ニ=＝-‐　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:__＿＿_＿___＿＿＿__三三二ﾆ=＝-　　　　「今にして思えば、情けない話だ
三三二二ﾆニ==＝＝--‐―　　ﾏ.:.:.:.:.:.ｨ"　　　 Y.:.:.:.f⌒v:|￣
　　　　　　　　　/.:.:.i　i.:.:.:i{　　　　 :}i:.:.:.: i{ 　　　 }i.:.:.::}ｆﾊ }:!　　　　　　　　　ヴァンパイアで居たくないのに
　　　　　　ｲ.:i. ∧从八　　　八f.:.:八　　　八.:.:.:'ﾘｨ.:!
.　　　　　　乂ハ.:.:.i.{.:.:{　.ゞ＝＜　ハ.:.:.:ﾊ　＝彡!i.:.:..:}/.:.::|　　　　　　　　　　彼の言葉を否定するために
　　　　　　　　　)) }.: 从.:ﾊ　　　　　 j|.:.从　　　　从.:.:.{ハ八
　　　　　　　　　　八.:.:.:.:从　　　　　.∧:乂　　　　ｲ.:.:..:..{∧{　　　　　　　　　　　　　ヴァンパイアの力を使うのだからね」
　　　　　　　　／　:}/ハﾊ　 fr.　　　　゛　　　.ｨ 7j从!.:.ﾘ　:＼ｰ .
　　　 _＞.　:´ :　:　:　: 乂∧　　ゞVrー_‐‐fVア　　/八((:　:　: ＼　｀: : .
ニ二三／　:　:　:　:　: { 　 ∧　　ヽ￣_￣__,　　　.ｲ(　 ∨ :　:　:　.＼:　:　｀ー-
三二_ｲﾆ=-　:　:　:　: ハ.　　＼　　　　　　　／　　　 .′:　:　:　:　:.＼:　:　:　:
二ﾆ/=-_　:　:　:　:　:　:.∧　　　｀ヽ　　　　. "　　　　./　:　:　:　:　:　:　∨:　:　:

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , =ﾍﾍﾍﾆ=-､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｝:ﾊ i|i|i|i :. :. :. ¨ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∠二ハ|i|i|i|i :. :. :. :. .. ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, イニ=ミ、_ﾊ|i|i|i|i :. :. :. :. .. .. ，　　　　「そうして、アーカードは戸惑いながら
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i{ニﾆ=-'´　　‘i|i|i|i| :.i :. :. :|i:. i :，　　　赤い魔眼を私に向けてきた
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {彡=-', -=ミ　 ‘ｉｌ斗-|=ミ､:|i:. |i i
　　　　　 _ 　　　　　　　　　　　　　 {/ }/ｲ,. --- ､＿从八从八:.lﾊ} 　　　だから私は先程から変わらぬままの
　　　　　　 i　ヽ　　　　　　　　　　　 {{ ｉ|ﾆ{{　　　 }ニﾆ杁_莎_〉}}ﾆ!i }. 　　　偽りなき言葉で、彼に語ったのさ」
　　　　　　ｌ　 |i　　　　　　　　　　　　乂l　乂＿_ ノ ⌒ 乂＿　ノ　lノ
　　　　　　 |／￣)　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　　　 l
　　　　　　/ 　／　　　　　　　　　　　　八　　　､_ ｀¨¨´ _ノ　　　ﾉ__
　　　　 /￣￣￣)　　＿_　　　　　　＿＼　　　￣￣　　／ }} ｀¨}}ヽ
　　　 |　　ｌﾆﾆ{＿／ニニ)　　　　／　　　_ヽ　＿＿　ィ　　/'　 /　/¨ヽ__
　　　 |　　|ニニニニ7¨´　　　　／　　　 / ,ハ￣￣￣　　／　 /　/.:　.:|i　ヽ
　　　 |　　ヽニニニ/　　　　／　　　　／／〉__＼　　　　／　　　/　/.: 　 :|i＜　＞､
　　　 /　　　 }ニニ}　　　／　　　／／_寸{ニニ＼_,／　　　 /　/.: 　　 |i彡'¨ “＜＞､
.　　 /　　　　/ニﾆ/ 　 ,／　　　／／／, 》〉二=- ／　　　　 .:/　/.: 　　 :|i ／￣￣￣ミ､
　／{　　　　/ﾆﾆ,:'　＿＞=- ､／／／／/´=-- ／＼　　　. :/　/.:　　　 |i　　　　　　　　i
.　{ 　ヽ　＿/ニ<　　i|　　　　 i{ / :/ :/ .:/ﾆ=-／　 . :.＼ . : :/　/.: 　　　 :|i　　　　　　　　|
.

803 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:14:44 ID:29285ac0

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /}　}　ﾊ　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 / ∨ハハﾊﾊ　　、　　　トゝ
　　　　　　　　　　　　　　　　 {　∧x≦ｊﾘ,〕| ｉ　　　ﾄＶ　　 |.　　　　　「…君の言葉に従い
　　　　　　　　　　　トミ{　　　 V〃Ｘ _,厶斗'}　　ﾄ } 　リ
　　　　　　 /{　　トミｘ、　　　 {爪,ｨ弋'ツ　ｲ　　　ﾚ′　(　　　　　　私がヴァンパイアとして生きるとしよう
.　　　　　　 {ｒﾍ Y弋じﾂヽ　　　Ｖ⌒Tﾆ=彡'ﾘ　　　　　　ヽ. _）
　　　　　　　＼} 八三ﾆ=个ﾄ､　ﾏﾆﾅﾆﾆ /　//|i　　　　く⌒ヽ.　　結果、私が再び生に疲弊し、慟哭し、絶望したならば
　　　　　　　ヽ　＼　ノ|｜＼l ＼　　/l/// 从　＼　＼
　　　　　　　　　　　　ト＼ |｜　　）　ﾊ　｛ { { {　'　ト､　 }　}　ハ　　君はどうする？　どうするというのだ？」
　　　　　　　　八　　｀ヽｰ‐'ァ　ｊ　=ミ八 /　├‐）ハハ'　ﾉ
. 　　 {　　　　　 Yﾊ＼　ｒ,ﾆ､＿__　-‐'⌒｝ /ﾆﾆﾄ､　＼厶厶、
...　　/ ）ヽ､　　　从／＼　　ー=-‐'　　　/二ﾆﾙﾊ　　 ∨ /　￣｀ヽ
.} 　∧( 　） )ﾊ　　勹´　　 Vヘ、　　　　ｲ二ﾆ／／l　　 ∨
.　,厶-‐≠≠　|　　,'　　　 /∧ }}ト . ＿_／＞ｧぐ／／|　　　 |
　　　　　　　 |　 /　　　/{ L三{{　　ｘ＜ｏ〃／／／|　　　 |
　 )　　　　　　 |／　　　｜ヽマニＶ /⌒Ｘ／／／／　｜　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　 _ - ‐ ´　　　　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　　　　　く　　　 _.　　/ヽ､　　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　 ‐＝' 　/ ,´､∨{/. 　 W⌒;;;;､､　　 ! . 　　　「そんなことはあり得ない
　　　　　　　　　　　 ∠ 　{ ( r ｉ＝＝====´廴ヽ}´Yヽ,ヽ
　　　　　　　　　　　ソ　ゝ､.　三三　　､.‐- ンﾆ{ﾋﾗwヽ
　　　　　　　　　　 ∠, ,,__l叭　三三　　 """ .ｚｪ｣≡ﾚ　冫...　　　…と言いたい所だが、その時は私も
　　　　　　　　　　　　　,‐‐{/!.〃| ヽ. 三三　､　　圭冫=/　N
　　　　　　　 _,,..-‐/　ﾐ |::::::::ヽ　ヽ三　　 `‐ﾆニﾗヲ　N.　　　　　言葉に責任を持たねばならないな」
　　　　　 _,..､-''"　　./　　　|::::::::::::｀`丶､_　　　三　ノ　ミ
　　　 ,く　　　　 |　　　|::::::::::::::::::::::::::丶､__,..､-''"＼
　　　 /　　　　　 |　　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::|　＼　　＼

　　　/
　　　/
　 .／
／　　　　　　　　　　　　　 ,､　　　　　, ､_ ,__＿_,,-‐'´｀‐-､,,,-‐､ヽ
　　　　　　　　　　　,､,-‐ｉ. 　 / {　_,, ､-‐'´　巛| 爪‐-‐弋ヅ´ﾂ. }==ｿ=ヽ
＼　　　　∧{　 ,={. ｉ=b　 {　/.　{/　　d=＝＝b災 `'==≡彡丿ﾐ　 ' ".　　　　　「もしそうなったのならば
　/／,ゝ /. |{　/　{/ 丶　 {/　　｀　　丿　 // 丶≡≡ --‐ 　ﾐ　,, .//ｉ !l
　'　/／ｉ /| {/　｀　　｀ ─── ''´　　.//　　　三三　　　　 ///.　　　　世界中の人間から罵りを受けようと
　　 ' /　ｉｉ | ｀　　　　　　　　　　　 //ｉｉｉ'｀ヽ､, 三三　　　 //|!|l|.　　　　　私だけは君の友人でいようじゃないか
　　 / 　ｉ { |　　　　　　　　　　　　　　　|//W 从　　　　　　　　 //ｉl|!|.　　　　
　　/／}八V|　　　　　　　　　　　　ヾﾐﾐ　　　从　　　　　　　 //ｉl ｉｉ|..　　　　ｳﾞｧﾝﾊﾟｲｱ
-‐ ´//､　ヽ|　　　　　　　　　　　　ヾﾐﾐﾐﾐ从　　　　　　　　　　!ｉl!l|/.　　　　　我が友　よ
　　//　ヽﾐ/ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｉ| .../
　.// 　　ﾐ/:::::ゝ　　　　　　　ヽ=＝≡≡=≡≡＝=ツ　　　　ｉ.ｉ. /
. //　　　ﾐ/:::::::::ヽ､　　　　　　　　 ######￡#♯#♯　　　　　　l /
//　　　ﾐ/::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　ヾﾐﾐﾐﾐﾐ　　　　　　　／

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

.

804 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:15:12 ID:29285ac0

語り終えた私達の過去は、どうやらクルル嬢のお気に召したようである
指先で押さえた口元から、隠しきれない笑みがこぼれていた

　　　　　　　　　 /ﾆ{
......　＼ｰzz=彡'ﾞ二乂__,,.ﾆ=-‐━‐-=ﾆ,_
.　　　 `ﾏ二二二 ≫''~. . .. ..⌒{l´.. . . . .~'≪　　　　　　ﾉ
　　　／}ﾆﾆ二アﾟ. . . . ／. . . . ﾟ,` ､ . . . . . ﾞﾏ､　　／′
. 　／. . .}=ニｱﾟ. . . . . . . . . . . . ..}ｌ. .`､. . . . . .∨'ｰ=彡ﾆ
. 　 . . . .ノィｱﾟ. . . . . ./. . . . . . .. ..}ｌ. . . .､.. .. . . .}ニニﾆ={
....　. . .／ /. . '. . . . ,′ . . . . . . . }ｌ. . . . `,. . . . lニニﾆﾆ乂
. 　／. ../ ./. . . .／{ｌ. . . . . . . . ..八 . . . . . . . . ﾚi}二アﾟ⌒i`
....　. . . .′'. .. . '＾　i{ｌ. . . . . . . ./ . . `､. . . . . . . ..l}ﾆ7. . . . l
. 　 . ./j{/. . _/__　从.. .. . . . . ′. . . .`,. . . . . . . l}ﾆL. . . . l.　　　　「まぁまぁ
　　 /^7. . ..j[,,__　｀` `,. . . . . .{＼._._.. ..`,. . . . . . .ﾞﾆ/. . . . .l
.　 /＾7. . ..｛{l圻ﾃ气､ ‘，. . . .{´　＼. . ..`, . . . . ,ﾆ/. . . . . .l . 　　　まるで愛の告白のようではありませんか」
....... . ﾞ. . . . l{ｌ　VZ沙`　､ . . jI斗屶ミ､. . .. .. ../ﾚi. . . . . . ..,
.　. . .　. . . .l{ｌ　 ~^´　　　＼「 VZ炒　)､. . . ./~ﾌli. . . . . . ..
　　ｉ{. . . . . .ﾘ　　　 _　　 ,　　　　　　 /}｝. ./イ ,从. . . . . . .
......从. . . . ..込　　ﾉ }　、／) 　　　 'ﾞ从｛. . . . . .{＼. . . . .
......___ﾟ,. . . ./´￣￣}｀`'く／"　　　ィ7. ./. .`､ . . . . {　丶. . .
　　　 }. . /　　　 /　　　ヽ=七I~{_,{. ./. . . . `, . . . {　　　`､.
......____}.. '-‐━‐-'､　　　／il}::::::::{＾{,/ -‐　､. .ﾟ,. . . {
......ニﾉｲニニニﾆﾆ＼／ヽ_ﾉ'⌒^{_,{i　　　　ﾏ ,. . . ﾟ,
......ニニニニニニニﾆヽﾉ^､ :::::/ /　　,　　　∨. . . .`,
......二二ニニニニニﾆﾆ}::}::{`､/ /　　/ 　　 _i}_　＿. `､
......二ニニニニニﾆﾆ／}::}::{ｰ'‐'ﾞ　 /r'ﾞ⌒Y　　 }i　　}. .`､

　　　　　　__＿＿＿_
.　　　／￣￣　　／￣｀ー─ヘノ7
　　 / 　　／　／　　　／　　　/{
.　 /　　／　／　　　／　　／ //,L.　　　　　　　「おお！　そういう見方も出来るとは！
　 ′　/　　　　　　　　　　 /-　　}
　i 　 /ｲ.//.i　!　　 / 　／　./　　'/ }.　　　　　　我が友よ、ここはクルル嬢の要望に答え
　|　　ﾉ / !.! .|:i. 　/_,,／ /／/_　　 '/
　|　　　ｲ|:|:i:|:l　/／ __ヾ__,/Ⅶノrヘ!.　　　　　　　女装などしてみてはいかがかな？
　ｌ　　:i|　从|从|／=Y斗t_ｯ-ヽ乢rｯミﾄ､
　}　　:lト. 〈 |　 | 　人ミ彡 }ー{ミ彡ﾉ　　　　　　　私はこの通り、需要の無い体型であるからな！」
ノｲ|:|:i:|＼｣　　＿_　ー‐ 、　{ー‐〔 _
　从|从川l|　　　}r‐ 　　 (.__　　）　 , : : ヽ
　/∧乂从!　　从 `ー===‐--‐7　.′: : ∧
　　 ∧:.　人.　　　ヾr､::::____ ｿ{ 　/　 . : : :∧__
.　　　∧　　＞　.　　こ二ﾆ　ｒ丶　. : : :i:川:i了
　　　　∧　　乂　心、 _＿＿ノ　　＼: : 从|:ｉ:i:ト..., _
　　〉　　∧,＿_　＞-≠-＜!ｉ:.　　　　丶乢Ｉ:i:i:i|:i:７ト .. __
　　　　　 ∧　　.:i:i:i/￣ヽ　|:i:i:.　　　　　　＞--＜.ノ　　 .＼
　.′　　　 ∧:. ＿/､　 :Ⅳノ:i:i:.　　　　　　 //　　　　'ー─ヘ
　　　　　　 ∧.／　＼r‐､　 ∨　　　丶　　　//{............ノ.::::／￣
　＿＿＿　　.∧丶　　.:}　＼. ∨　､　＼　'/＿＿__.::::／.:::〃
　￣￣／　　　∧　＼:::}　　　ヽ.∨ 　＼　　　　　 ∨.:::::/

しかし、アーカードは乗り気ではないようだ
その証拠であるかのように、深い溜息で答えてくる

ニニニニニニニニ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ニニニニニニニ:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞==ｰミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ニニニニニニニ′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//: :｀ヽ　｀ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ニニニニニニニi:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.′: : : : ∨　.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ニニニニニニニ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:ｨ⌒∨:.:. }} i: : : : :_:∨-‐=＝ﾍ:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ニニニニニニニ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{{: : ::.∨:.:{{ {: :斗rぇゞr-‐=＝} :.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.　　　　「全く…
ニニニニニニニ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{{: : : . ∨ ﾊ '. :弋jｱ_, ∨　　ハ.:.:.:抃:.:.:.:.:.:.:.::.:
ニニニニニニニl.:.:.∧:.:.i:.:ﾊ: ∧: : : : }}:.:∧ﾑ: : : : : : .i.　　　 ∧:.:.!ハ:.:.:.:.:.:.:.:..　　　こんなのと友人になってしまったのは
ニニ二_三二ﾆ=ﾊ.:.:{ 刈:|:{　}: :∧ : : 从:.:.∧ﾑ.: : : : :｜　　 ′!:.:|　 }:.:.:.:.:.:.:.:
￣￣　　　　　　　}:.::!　.}:从. !:.:. ∧::/ .ハ :.∧ﾑ: : : : ::!.　／　 j.:.:!　 !:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　私の運の尽き、というものかな」」
.　　　　　　　　八:!　ﾘ　))!:.:.:乂/　　　}i∧:!込.___乂イ　　　从:|　 |{.:.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　乂:.(　/　　　八.从:.:.:乂　　　　ノ( :}i:　八.:.:.:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　)ｲ/　　　　　　　 }:.:iハ汽　　　　乂　　}.:.i.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　乂.:{　从　　　　　　　乂. !:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　　　　j八　　　　　　　　　　　　}:!:.:.:.:

805 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:15:41 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}＼__
　　　　　　　　　　　　　　　　 }＼ /´ﾉi:jI斗‐━‐- ミ, 　　 }､
　　　　　　　　　　　　　　　　 }i:i:i:≫''~　　⌒'ｰ-　 _ ` ､___ﾉi:i＼
　　　　　　　　　　　　　　　 _jアﾟ　　 'ﾞ　　 }　　　　 ∨i:i:i:ｱﾟ
　　　　　　　　　　　　　　　ｱﾟ　　　 /　　　 }　　　　　ﾔi:i:i{⌒i.　　　　　　「でも、素敵なお話ですわ
　　　　　　　　　　　　　　　 /　 ./　　'　　　 ,'　　　　　　 }i:i:i:乂 {
　　　　　　　　　　　 ′　'　_,/}　　　 /{　　｛　　　 }i:i:i:i:7´ﾟ,.　　　　　　人に…いえ、ヴァンパイアに歴史あり
　　　　　　　　　　／　　 i{　/｀{l　　_/_ｉ{　　｛　　　 }i:i:i:i:{ 　 ,
　　　　　　　　　　　　／　ｉ{　　｣{示ﾐ }ｌ　 /　从　　｛　　　ﾉイ⌒　　ﾟ,､. 　　　　といった所でしょうか」
　　　　　　　　　　从　八以八_/ 斧=-' ､　　､　 'ﾞ｛　　　　ﾟ, ＼
　　　　　　　　 ′　/ /^＼{「　'　　　　ﾉハ｝＼{「＼{l ｛　　　　　ﾟ,　丶
　　　　　　　　　　 {　 / /　　　从　､　__　　~^^´,｝　 i{　　　｛　　　　　 `,　　＼
.　　　　　　　　　 } / /　　　/^沁,　　　　　　ノ　 l{　　　ﾟ,　　　　 `､
　　　　　　　　 'ﾞ /　　　/　′　〕i=-j⌒Y⌒Y⌒i l{　　　　ﾟ,　　　　　 `､　　 ∨
　　　　　　　　　　　/　　　/　 { 　, -‐「~|::::::l { } l::::::l‐'-ミ　　ﾟ,　　　　　　ｉ{ ＼　〔
　　　　　　　　_/／{⌒{ｧ､　}　ﾞ　八人_,人_,人__｣　　 ∨　　ﾟ　　　　ｉ{　　ヽ　[
.　　　　　　　 _ｱﾟ=ﾆ{　 {　ﾊ } li　 {i ／´　〃}}　　　　　　V_____}　　　　　从　　 l}ﾉ
　　　　　　 _/=ﾆニ{⌒i}/ i{l} ll　／,　　 ∥ {{　 {　　厂￣ `V{　　　___/　＼
　　　　　　　　7ﾆニ二{　 i}　八ｱ(____)､　 {{,　}}　/⌒`' ､ jI斗-'-ミ／　_ ∨,　　＼
　　　　　　　ﾞニニ二{／＾くＷ0ニﾆﾆ{{≧}}ｰ{{-l{　　　´二二ﾆ7　／､ﾑ ∨,　　　＼
　　　　　　　 =ニ二二{　　 i}Wニﾆﾆ0={{二}}ﾆ}} 人_／二二ニニl　'=ニ} ﾑ ∨,　　　＼

.　　　　　　／//////////＞.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.　　　　／//////////.ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
..　　　　／////////////.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞=ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:
　　　／/////////////.:.:.:.:.r=ミ{.:.:.:{{: : : :ﾘハ:.:.fハ:.:.:.:.:.:.:.:.. 　　　「…クルル
　　.ｲ//////////////.:.:.:..:.{{: : :从:.:.ゝ--ｲ　八.:{ｒｉ{.:.:.:.:.:.:.:.:
　///////////////.′:.:.:.:从ー〈乂:乂　　　　}:ﾊ/.:.:.:.:.:.:.:.:..　　　　　この話は君の胸に留めておいてくれたまえよ？」
.////////////////i..:.:.:.:.:.:..∧　ヾｿ　　　　从!.:.:.:.:.:.:.:.:.:
乂//////////////,|.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ r r=＝　ｰヽ　从.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　｀　ー‐ --------ﾉi:.:.:.:.:.:.:.fくハ　￣ ´　　　ｲ　 }ﾊ.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　　　从∧(乂　 .∧　　　　イ　／.i:{乂ハ:.
　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ//,ゝ _.ィ"＞ ´/.i: イﾆﾆ｀ヽ:
　　　　　　　　　　　　　　　／,//// ノ<f⌒ヾ./イ ./ﾆﾆﾆﾆ-＼
　　　　　　　　　　　　　／.／///　｝ﾆﾆ〉ｒく　　.:/ﾆﾆﾆ=-＜ニ
　　　　　　　　　　　_　-ﾆ／////　ﾉﾆ_ｲ　　　.::/ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ.｀ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,　　 }i:,
　　　　　　　　　　　　　　　　,, . .-―-.{乂,.:i:i:i:,-.､
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.　　　　　　　 l:i:i:i:i:i㌻´;' . . . . .l . . . . . . . . . . . . . . . . ㍉. . ,
.　　　　　　 |i:ｉ:ｉ:ノ / .l . . . . . ‘， . . . . . . . . .Λ. . . .‘， . . ,
.　　　　　　　 l:ｉ:/, ./. . ｌ. . . . . . .ｌ＼ . . .＼ _,,. ∨. . . . .‘，／|　　　　　　　「もちろん
.　　　　　　　∨,: ,′ . ﾄ. . . . . .‘，＞＜´＼,,＿ . . . .／　 / 、
　　　　　　　　　| .l .Λ. l. .＼. . . .‘，　ｘィぅ斥⌒ﾊ. . V 　./. .丶　　　　伯父様の秘密は守りますわ」
　　　　　　 | .l. .∨. .＞'"⌒ . . .＼' 乂 ,少＼. . . ..V_/. . . .丶
.　　　　　　　 |. l .ﾊ. . . V yぅ芹x- .,_｀`～､、　　ヽ. . .|ハ. . . . .丶
　　　　　　　　 |. l. l. ‘， . 《 _乂シ、　　￣⌒　　 | . . |. .l ＼ . . . 丶
　　　　　　　　 |. l l. . .‘，. ﾊ　　　　　ノ　　　,K | . . | . l. . .＼. . . 丶
　　　　　　　　 |. jﾊ. . . ‘，. . :、　　｀　　　 ,｡父 .|. . . . . l . . . .＼ . . 丶
　　　　　　　　 |. . . ＼ |. .＼.. .ﾆ=- 　 ..,　　ｲﾉ⌒''|. ../. . .l . . . . . .＼. . 丶
.　　　　　　 |. . . . . .|. . . . ＼ . ヽく^＼,,r―＜rｲ|. /. . . .l. . . . . . |　＼ . . .
.　　　　　　　 |. . . . . | . . . . . . )ィ }-ﾍ　乂///U |/Λ‐￢‐-､. . . | 　　＼ . . .
　　　　　　　　ﾊ. . . . .| . .γ´ /　}/l 　 Λ　Ｙ//!ﾊく/ﾉ　　　　 . . |　　　　丶 . . .
.　　　　　　　 ∥. . . . .| . . l　　　 //　 /／＼ゝ' |/|!　　　　　　 l. . |　　　　　　　. . .
　　　　　 ∥|. . . . .| . . l　　　乂ノ　h､　＼. |/|!　　　　　　ｌ . .|
.　　　　　　 ∥ .|. .| . . . rくｌ　/　／　　ﾏh｡_ 　|/||､　/Λ　/Λﾉ..|
.

806 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:16:09 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　　　　∧＼　　　　　／/
　　　　　　　　　　　　　ｲ-ヘi;i;i＞--＜i;i;/
　　　　　　　　　　. . : ´: : : : :/i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i;i{＿
　　　　　　　　／: : : : : __ ノi;i;i;i---=v-一:⌒: 、_
　　　　　　　／: : : : : :／>i;i;／: : --ー---=. _: : : ヽ
　　　　　／: : : : : ／-<i;i;ノ ´: : : : : : wv: : : : ＞ﾐ、: :、
　__　　 ': : : : : : ／: ::|r У: : : : : : : ＞: : : :／.: : : : : :}、i、＿＿＿
: : :,v-v: : : : .／: : : :.|{ /: : : : : : ／-一　7: : : : : : : :/: : :|i;i;i;i;i＞' ⌒
i;ﾍ{;i◎i}ヘ／: : : : : : V: : : ／イﾐ　＼　/: : : : : : :／: : : :}i;i／
- ﾍi;i;i;ﾉ、__: : : : :/:/:}: : ／:/ f ,,.ヽ　　/: : : : : :／: |: : : : li;＼
／ ⌒ ヽ　ﾉ: : :/:/:/: /: :./　弋ﾞノﾊ /: : : : :／: : :.:| : : : :|⌒..　　　　「でも、たまにで構いませんから
　　　　　V　 __ﾉ:/ｲ: /: :l:.|　　　　　 {///／|: : : : : l: : : : |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・
　　　　　乂__ ノ　V|: : i :|　　、　　 |/=ﾐ 7: : :|: : |: /: :.|. 　　　　私の口に重石をつける意味で、もてなして頂けると
　　　　　　　｝　　 {: :,l: :}、　　　_ 　 ' ゞ'ノ|: : :.|: : |/: : :}|
　　　　　　　　>　　 V:,|∧{`; , , _　_　ィ==彡: : :|＞--ﾐ:人.　　　　　姪として、とても嬉しいですわ」
..:／　　　　　乂__／ヽ|; ;(_ノ; ;γ ﾉ人: : : ィ: : /////∧Vﾍ
⌒ヽ　　x- r r--彡^" |;| |; ; r 'ゝ- __　＜/|ﾊ////////}: 、
　　ﾉ／///| |O/　　　 |;| |;|く　　「//////／////////,|.: :ヽ
　｛///////// {　　　// ,|;|/＼ |////// //////////ﾊ: : : ,
ノ//////////人 ___ i;;l_/|;|/ ／|///// /////////// .}: : : l
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: : : : : : : : : :}ﾞﾒ i:.八_　_乂.:/ {{　　j{:.:.:.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,
: : : : : : : : : j! {.:.从　　　 7/　i|ゞ=ｲ }:.:.:{ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／
: : : : : : : : :八j.:.::{　r　　 ((｀　"　　ﾉ.:.:.′: : : : : : : : : : : : : : : :＞ ´
｀　ー-=ｧ:.:.:.:.:.:.ﾊ　ｰぇ=＝＝vﾊ 7.:./　. : : : : : : _ 　 -‐　 ´
.　　　　/ﾊ:.:.:.:.:.{ﾍ　　　ゞｰ-- ｲ .'/.:fー‐　　"　　　　　　　　　　　　　「ああ、構わんよ
　　　　从:.:.八∧　　｀￣´　,:ﾞ.::::|
　　　,. : ´:抃::{.　　＼　　　　 .ｲﾊi从　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その時は、是非とも少佐にも
.　　/. : : : ハ八　　　＞-=≦.ﾉ_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・
／￣: : : : : ::}　}＼　　　　　ハ: :＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　責任をとって頂きたいからね」
: : : : : : : : : / . | 　｀ー-ﾐ　.}　＼: :＼
: : : : : : : : : }　｜ o　.才⌒ヾｵｱﾒ }: : : ＼
: : : : : : : : :∧　ゝ＜　＼:i:i:i:i:i:ﾊ　{＼: : : :.＼

クルル嬢の要望に、アーカードは私を勝手に巻き込んで答えてくる
意趣返しのつもりだろうか

しかし、それは私の望むところでもあった

:. 　 {
:i:.　 ‘｡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f´≧s｡､
:i:i:　　廴_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.斗‐{ト､＼ヽ≧^廴
:i:i:　　　ｉ: }　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,*',斗'”¨ﾞ寸､丶＼ヽ､ヽ
:i:i:　　 }} ト､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /_____　__, Ⅵlｌ|芸ｌ|ｌ|､丶 Y
:i:i:i./ .,ｲ}､i}　%　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'r'¨¨¨¨¨ﾞY⌒ﾞf´　　ﾞY　 }.　　　「ははは
:i:i:/_ノ:/:i} }:.　%　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i_{{　　　 }'⌒ﾞ廴_＿__八　}
:i:i:¨:i:i:':i:iﾉﾉ:　　%　　　　　　　　　　　　　　　　 {l 込=-‐'”{:fi:fi:〉　　　　ﾚ^Y.　　　　我が友とクルル嬢の頼みとあらば
:i:i:i:i:i:i:i:/,ｲ:}　　　＼　　　　　　　　　　　　　 rN　^､___,ｨｪｪｪｪｪﾐ､__,ｲ〉 |ﾉ: }
:i:i:i:i:i:i:iﾞ’:i:/,'　i:　　廴＿_　＿,斗=ミ_　　　　　{ {:l: 　＼､＿＿__,彡' ′ }:j ,' 　　　断るわけにはいかんな！」
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:丶　{:　　　　 }ﾞ{　　　　/斗=ミ　　 Ⅵ:: 　　｀¨¨¨¨¨´　　　 .:l ﾉ
:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iヽﾄ､　　:i: 　 }:i}　　　/≧s｡⌒>､　ﾞｰi::.　　　｀ﾞﾞﾞ"""´　 .:::::「
､:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iⅦ､ :i:i:i　/:/ , ｉ　/　　　　　/:7>'¨¨ﾍ::::::::.....　　　 ....,::::::::,ｲ=ミ
. ＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}:i:i:}:.i:i:i:　ﾚ',ｲ i| /　　　　 ,:':／　,:'/ 込丶:::::::::::::::::::::::::,イノ {　 >､
.　　＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:Ⅶ:i: //:i:i i:i/　　　　／　 ,.:'　.ｉ:/{￣￣￣ｱ^寸´￣　　.:Ⅷ　＼__
　　　＼:i:i:i:i:i:i:i:i:i:}:iVi:i:{:i:i:}:/　　　／　　,.:': 　.i:/::}　:i　　,ｲixixiﾞ寸　　　.:}l:::∨ 丶 N⌒ヽ､
　　　　　＼:i:i:i:i:i:i:iⅥ:i:/:i/:/ ／／　　　　　 .:i:/:::/　 } ／{ixixixi/＼: :　:/:ﾑ:::∨　`　＼　 ≧s｡.
　　　　　　　＼:i:i:i:i:i:Ⅵ:i:/:/'’ ／　　　　 :／:::/,斗'”　〔ﾆ０ﾆ〕,:'} ＼/: ::::}: :::Ⅵ　:､　＼　　 ≧s｡.__ _
　　　　　　　　＼:i:i:i:Ⅶ':,ｲ／　　　,ｨ　　 .i:/::: :::{´ ':,　',　/ixixixiﾑ,:': : ::}:　 }:|　 ::∨　:i.　　丶　　　　　 } ﾑ
　　　　　　　　　　＼:i:i:i/／　　　,イ:i:　　.i:/=ﾆミﾑ　 ':, ∨ixixixixiﾑ: : : .,'　 ,ｲ≧=xⅥ　:i:.　　　Ⅵ　　　 }　ム
　　　　　　　　 >' /　　　,.:'i:i:i:　　.:i:/::::　　:::ﾑ　 .':/ixixixixixiﾑノ,.:' .,.:'/　　　::::Ⅵ　:i:.　　　∨　　　 }　　ヽ
　　　　　　　　　　／　 ≧s｡._＿＿__.:i:i:/::::::　　 :::::ﾑ　/ixixixixixixix}　,.:':::/　　　　:::::Ⅵ　:i:i.　　　Ⅵi:. . / ,　　ム
　　　　　　　 /　,斗匕¨¨¨¨¨¨¨｀ヾく　::::::　　　:::::∨ixixixixixixixｉ|ノ　:/　　　　　::::::Ⅵ　:i:i:i:.　　∨:i:i:} /　　　ﾑ

こんな素敵な夜を過ごせるならば、私は望んで応えようではないか
.

807 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:16:41 ID:29285ac0

　　　　　＿／　　　　　　　　＼ノ＼
　　　　 }, '.|　　　　　　＼　　　　＼ノ
　　　　_,./ .::|　　　　＼　　　＼　　　　ヽ
　　　Ｖ　 :ｉ|　　　　 {　＞､、　＼ヽ　`､
　　　　,　　八　　　　∨　　＞ミ__:ｉ
　　　　ｉ　　ｉ:､　　　 ',　ｨｆだｿ　｜ |　:ｉ.　　　　「でも、少佐様…
　　　　| .:i　 :ｉl一､　　＼　ゞ'　　｜ |　:|
　　　　| .:|　:八　ｨ示 ―一　　　 | .:|　:|.　　　　一つだけ気になっていることがあります」
　　　　| .:|　　ヽｬｿ' 　　　　　|:/|i .:|
　　　　|:从＼ __,ノ　　 r ｧ　　 / 八:.|
　　　　|　ｉ｀¨⌒ 込　　　　　　／Y^i:|
　　　　 | .:|　.:i　j/＞　　 ,. イ⌒r‐ |:|-
. 　　　 /| .:|　.:| /　|　| ｀T_____,}...ﾉ{　 |:|:
　　　 / :| .:l　 :∧　|　| {//ﾊ）__....人,,ﾉ:|:
　　　'⌒7|| .:| .:/ __ヽ .:.|一‐ 　 └r≠＼＼
　　　　/ 八.:|:/ /　　＼㍉　　　人＼　＼
.　　　/ /　へ _:{　　　　＼㍉_/　ヽ/:＼
　　 ,　/へ{⌒Y⌒ヽ　　　　))　　　 /￣＼ヽ

　　　　　　　　　 /: : ,ニﾆ/: :∠」:／ :／: : : : :/: : : : : : :＼: ∨ニニ-__
.　　　　　　　　 /: : : l二/ : : : : /: : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : :トニニﾆﾆ-__
　　　　　　　　 /: : : : l=/ : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : :〈|: : : : : }: :}ニニニﾆﾆ=-
.　　　　　　　 /: : : : : :/ : : : : /:／ｌ : : : : |: : : : : : : : : : : : :|: : |ノニ厂￣: :.
　　　　　　　 /: : : : : :/ : : : : /⌒＼| : : : : | : :|､ : : : : : : : : :|: : |ﾆイ: : : : : : |
.　　　　　　 /: : : : : : : : : : : r=ミx.,_ | : : : : | : ｣斗-- : : : : : : : j/ : : :: : : : : |
　　　　　　　　: : : : : : : : : /: //{　んし㍉ : : : |Λ|____＼: : : : :/ : : : : : : : : : : : :!
.　　　　　　 . : : : : : : : :|/| /: :ﾊ　 Vりソ八 : : ⌒万rミトx : :/ : :/__ : : : : : : : : :　　　「伯父様を変えたのは少佐様…
　　　　　　 . : : : : : : : : :| :| : : : :}　　　　　＼　 VｆＪソ :| :/ : :/ｱﾉ.: : : : : : : : :
.　　　　 /: : : : : :..／: :|: : : :/八　　　ヽ　　　　　　´/ :|/ : :/イ : : : : : : : : : :　　　では、少佐様を変えたのは
　　　　　/: : : : : : /: : : :| : : /: : : ヽ　　｀　 -‐　　　ノ: : : : :/: : | : : : : : : : : /
／=-＿/ /｜: : :/／⌒/:. :.|: ; ;__: :)＼　　　　__-:≦: : : : : :/: : : | : : : : : : : /　　　　　 .どなたなのですか？」
二二二∨　L ／　　 : : : :|Υ―<:::＼_　ヤ⌒ V::::〉 : : : /: : : : | : : : : : : /
ニニニ二　￣７　　 |: : : |｜　　 >､__￣{::::::::::{_}〈:/ : :./_: : : : :| : : : : : /
ニニニニ{　　 / 　　 |: Λ|｜　／　　 |￣〉::::/::::::/: : ノ　⌒＼ : : : : : /
ニニニニ＼　＼　,　八{ 　レ' ＼／ |　し::::::}:/: ／　　　　 ∨l＼:/　　　 ―― 、
ニニニ二二＼__＼7 　＿＿　　／`､　|／ /:::/ ／　　　　　　　　|　 ∨／／⌒　 ) )
ニニニニニ.／￣ /／ﾆ(　)ニ／　　 `､__//:::/　　　　　　　　＿_」　／ニニニ　く(
ニニニニ／: : : : /ニニニニ/　　　　 l=//:::/ｈ､　　　　　　 |　　／ニニニニニ{
ニﾆ厂￣: : : : : : :{ニニニニ｛　　　　 ,j//:::ノ(　)}ｈ､　　７x　 | 　./ニニニニニニ{
二/: : : : : : : :. :. :.{ニニ(　)ﾆ｣　　　 //ニニニニﾆ＼ /: : ＼|　/ニニニニニニニ＼

なんと、クルル嬢から予想外の質問が飛んできた
しかしながら、私はその質問に即答できない

何故か？　それは私が好きなおかずを後に食すタイプだからだ

　　　　　　　　　　　　　　　 f三=､ﾐヾi{ﾉjﾘﾊ|l | l|l|! |ｌ| ｌｌi ｉliヽ　
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,仁ﾆ≧ー''゛''"'ﾍ|l i i|l|　|ｉ| | li ll ﾄl　
　　　　　　　　　　　　　　 /彡ィ',ｒ=-_､､、　,,ｊNHﾄl､_lﾄl､l |l |ｌ|ｌ|.　　　　「それを語るには、今宵は時が経ち過ぎた
　　　　　　　　　　　　　　　　　k彡ｲｒ;≦ﾆ_ﾐk==衫ﾆ仕ﾐNﾄl､| |l |ｌ l|
　　　　　　　　　　　　　　　　/´-ﾄ《 '┴ﾟ'ヾｿl;=t{く(_句ヾYｌ}ﾄ|l | l|l l| . 　　　次の夜までの、お楽しみにしておこうじゃないか
　　　　　　　　　　　　　　　 { { rj　｀ｰ＝彳{　｀ヽ二≧'人lﾊlリﾊﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　ﾍヽ!|　　　　ヽ) ゝ　｀￣　　lKｲﾅ"　　　　　　だがクルル嬢、一つだけ言えることがある
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ､l 　＾ー‐--､､_＿__,うﾌ　ﾑ'/　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽl.　　　￣｀ー-　　　　　jノ.　　　　　　　　　どのような形であれ
　　　　　　　　　　　　　　　　　｣l　､　　　　　　　　　　 /　　　　　　　　人を最も変えるのは――」
　　　　　　　　　　　　　　 _ノ＞'´小、ヽ、　　　　　　,.　 /＼＿
　　　　　＿,.二ﾆ-‐フ´ ／　／!|　＼　｀ｰ --‐ '´ , ｲl､丶、ト､__
　　,ｒ‐＜´　　　　／　　'　 /´　|ｊ　　ヽ、　　 __／　' ﾊl、　ヽ　｀丶、　　／⌒〉
　ノﾊ　＼　／　　　　／　　 jl|　 ,'　　ｊゝｨ厂　　 ′/ｌ∧　　　＼　　＼/　　 /
∧丶ヽ　　 V　　　　 /　　　 /ﾘ　;　　 /⌒ｌ|　　　;　/ /　ﾍ　　　　ヽ　　 /　　 /、
l　l､、 } 　　ヽ　　　 /　　　ﾊﾉノ　／　　∧　　,' / /　　ﾊ　　　　＼丿　　厂＼
、_}／ﾉレｰ‐-､＼　 / 、　　 |/'´ ／ﾝ=c'､{ヽl　 ' / /　　　　}、　　　　レ- '⌒ヽ__　ヽ
´　／´{　　　　｀ヽV___､＞－-､く　 /７个i/　ﾍ.0/ /　　　ハ　　／　　 _,. イへ＼＼
　∧0 ﾉヽr─-､___）一´- ､／　） ∨ / / jｌ　　 ∨/=-、　　(⌒＞‐イ　　_∠´　/ｌ　/!　＼＼
　{. ﾊ |　 {、_　　　＿_＿_) ／／　　　/ |　　 /　　＼ (⌒( 　 __｀二´-‐┬' ７/ｌ | 　ハ　ヽ
　ヽ､ハ　＼￣￣ - '´　／ｉ　/　　'　 /　'ｌ　 /　　　　ヽ＼￣ヽ、　_, ／　/∧リ-－　〉　〉
、　〈　｀＞‐-｀ニ＞─＜　 !/　　　 /　　|　/　　　　　　　＼＼,＿￣丿_∠´　厂丶　/　/
.

808 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:17:09 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ ､, _　_　_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,. ィ7/ i|!　i|!ﾊヽ￣ー､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ｲ rｆ{i　　i|!　il||l!　　}i|!　ﾊ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {i/li i|!　　 l|!　 !||l　　 }l　　 }　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　, イ{i　|i i|!　　{l　　i||!　　j|!　　 l|　 }iヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{ヽ{i|!　l i|||!　　|! 　 }l　　ﾘ}　　 |　}|ﾘﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ヾi||!　　i|!　　 l|　　l　　　/}!　　　　　　|.　　　「愛―――これに尽きるのさ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l{　i|!　　i|!　　 !　　!　　/ i|! 　 l/　　ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ∧ヾ　 i|!　　 |　　ﾘ　/　i||!　　ｿ　　ハ
　　　　　　　　　　　　　　　　 j､　ヾ　 i|!　　∨/　 /　 i|!ﾘ　/" 　 /|　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　}､v} 　 i|!　　 }l{　 / 　少 /// ｲ/ ﾘ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ヽヾ　　 i|!　　iﾘ　/////ｲ/ｲ/　///ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f　　{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽトゞv≧＝＝＝＝≦リイ///佐/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　jゝ ´　　　　　　　　　　｀　＜/j　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{　ヽ　　､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 r＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r　､i　　 }　　　,
　　　　　　　　　　　　　　　　　r二￣￣￣￣￣￣￣￣ | ￣￣　　＝= ゝ _　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　 l　　 !ゞ　　ゝ
　　　　　　　　　　　　　＜　　　　ﾞ　ヾ　　　　　　　 |　　　　　　　　　　≧ _､　　　　　　　　　　　　　　　　 jヽレ　ゝﾘ　￣ヽ
　　　　　　　　　　＜　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　　　ノ} 彳　　ゝｭ
　　　　　　_　＜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　く/／　　　　 '′　　　}
　　　　ノ!　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀j　　　　　　　　Y　　　　　　　　　　 l
　　　 r　{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　 {　　　　　　　 /
　　　 |　　，　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 j＼　　　　 ∠　= ﾆ -　ヽ　　 /
　　　 |､　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　 ;;,　　　　 ∨　　　　　ノ＿二　　＿≧　､}
　　　 }　，　}　　　　　　　　　,;　　　　　　　　　　 !　　　　　　　　　　　　　　 ;;;　　　′八　　　　彳￣　　￣＝ー､　ヾ
　　　ﾉ}　ヽ　　　　　　　　 , ;　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　;;;;　　 /　/　}　　　i"　　　　　　　　＼ヾ　{
　　〈　{　＼，　彡　 , ;　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　 };;;　 /　/　ﾘ　　 /　　　　　　　　　　＼ゝ
　　 ∧　　　ヾ　　ｙ　,;;　　　　　　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　　　 !;;　/　/ 　 ′　 /　　　　　　　　　　ゝ､〉′
　　/　､　　　＼∨ /　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾘ / ／　　 {　 /　　　　　　　　　　ヽ　ヽj

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【オワリ】

.

809 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:17:39 ID:29285ac0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (乂_：：：：：：：：：：|::|：：：：：：：：：：_乂）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（乂_：：：：：：：：：|:｣：：：：：：：：： _乂）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（乂_：_：_：_：_：,...:':.:´:.￣.:.::.:二:.:.､：_：_：_：_：乂）
.　　　　これにて　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . （乂乂乂／.:,:.:.´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:＼乂乂乂）
.　　　　外伝　第05話は終了かしら　　　　　　　 .._＿＿_/.:∠.:.:_:_:.:.:.:.:.i'⌒Ｙ⌒ﾞｉ:.:.:.:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}厂¨¨７:./＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾄ={薔}=ｲ:.:.:.:.}　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {{　　;':.:;　　｀ー─==＼仆／､_:_从_＿, -y'￣:ヽ__)}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,{:.:.{　　　　　　ィﾃ=ミ　　 f; ）〃:/〃:{/{:ｲ＼:ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八:.:.'.　⌒_ 　　 {ﾄ:::::j}　　 _厶{{:.:{:.{:.{' ￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:＼r=ﾐ　　" ¨´ 　 /人￣￣　　　 !
.　　　　　閲覧ありがとうございます　　　　　　　　　　　　　 }:从　、　　　　／r=､::＼　　、　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f^Yｉ　　　 /´ }:,＞.. _ｰ ´_／r{ﾆ}__j!:::::::＼ヾ＼　ﾉ
.　　　 ..::ｰ-､　　　　　　　　　　　　　　　　　 .＼| 　　（　/ヾ:_(＼｢:|〃　しｉ|::||:c:::::::l　＼__ イﾄ､_＿
.　　〃::::..　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ヾ:__(＼}::ﾄ､　　 `||〈j!:::::c:ﾉ　　＼ゝく__￣＼
.　　j:::::::::ji:... |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（___ノミ:｝（＼｝ﾚ{,_　　〈j ＼￣介　　 / |」＼]　　　＼
.　　(::::::｀¨:j:¨´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣￣´（＼ﾉ:|〈ﾌ)、____ノ　＼　　　　|
.　　∧:::::-:::ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣,|:::|_У} ヾ　　　〈_＼　介|
.rｰ'　　ｰ‐' |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::}:::K_丿　：　　　/ヾ　ｒ^ｙ|
.弋ミNイ::}_{:.. ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::::[]::::}　　　｜　 /　　_(У |
.从（::..... Yｱミ　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::ノ､＿_／　 /　　_（У: : |
.　　ヾ::::.从:::....... Y ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　（.У: : : :|

810 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:18:19 ID:29285ac0

　　　　　　　　　 .／￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　./　　　　　　　 .',.　　　　　さて、見ての通り今回のお話には
　　　　　　　　　 .| ⌒　　.　⌒　　|
　　　　　　　 | ●　　　.●　　|　　　　　募集させていただいたキャラの一人
. . 　　　　　　 | ⊃ .､_,､_,　⊂ ,'
　　　　 /⌒ヽ...ﾍ　　 .ゝ._）　　/./⌒i　　　クルル・ツェペシさんを使わせて頂きました
　　　　　　＼　　＼｀＞,､ __ , .イ./ ヽ./
.　　　　　　＼　　r―　,　.,　‐┐　/
.　　　　　　　｀i　{::::::::::}　{::::::::{. ./

　　　　　　 /{￣＿＿
　　　　　　 >イ: : : :_:_:; ≧:.、　　　　　　　原作「終わりのセラフ」でも吸血鬼だったので
　　　　 /.:.人: : {{￣＠_}}ﾍ　　　　　　　そのままヴァンパイアの亜人として登場してもらったわ
　　　　　｛.:ｆ‐　｀ｰゞく/ﾍﾉ: :l
　　　　　　Yﾍ　 Yﾍ　7-､:.:ﾉ　　　　　　　ヴァンパイアは本編で登場しているので
　　　　　「jし' .　し'　〈_ｿ:.:.〉　　　　　　　　　　本来、男二人だけだった外伝に
　　　ｒノ {{´ゝ　{⌒) ィ{{￣Y厶.　　　　　　　　色を添えてにぎやかにしていただいたかしら！
　　　rノ └　「:;:;{{:;:;:;〉　　丁　　　　　　　　　
　　　　　　　　／:ﾊ:ヽ|　　〈｀ー-- ､＿.　　　提案していただいた方、ありがとー！
　　　　　 /:;:;/　';:;j　　　 V￣￣￣丶}
　　　　　　　＼{ｌ　 V|　　　　＼　　　　　＼
　　　　　　　　　 |　　l|　　　　　　>

＿＿__
　...:::::::::｀:::::....、
　｀':::. :::::::::::::::::＼
　　 ::::. :::::::::::::::::::::ヽ
　　　::::. ::::::::::::::::::::::::: .
　　　　:::. :::::::::::::::::::::::::ﾍ
　　　　::::. ::::::::::::::::::::::::::'ﾊ
　　　　 ::::. :::::::::::::::::::::::::| ｉ
＿　　　 ::::. :::::::::::::::::::::: i│.　　　クルルさん可愛いんですけど
'￣｀ヾ　　 _ヽ::_::::くヽ::::|│
廴__ノ　　 |:::i,ィ⌒ヾ､.:ﾉ.ﾘ.　　　　原作漫画での出番が主役組みほど無いので
｀7ニ'ﾌ　　 |:::|＞-‐'::.... ｉ′
:::::::::　　　ﾉ::∧⌒ヽ::::|│　　　　　キャラが掴みきれなかったのはここだけの秘密
:::::::　　イ:::::::::::}:.､ /::::i│
::::　　　　'´,:`ｰ':::::｀:::::' ,!　　　　　　口調とか思考とかね
　　　　　 {::ﾊ:::::::::::/ /
　　-‐=＝ﾇ:ｪi:::::／／
　､_,ｨﾃ.:::::::::::::::/ , '
:.　ヽィ⌒ヽ::::::/ /
:::.　　　ﾉ:::/ /
:::::::.... 　'´:ィ／

811 ：普通のやる夫さん： 2017/04/19(Wed) 21:20:52 ID:df551d5a
乙
原作で殺し合ってた2人が仲良くなんて感慨深いものを感じる

812 ：普通のやる夫さん： 2017/04/19(Wed) 21:23:26 ID:a5045ab3
乙
少佐の愛は思いだろうなあと原作読みながらｗ

813 ：普通のやる夫さん： 2017/04/19(Wed) 21:24:42 ID:586f83f8
乙
こういうカッコつけた持って回った言い回し、大好物です

814 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:24:51 ID:29285ac0

　　　　　　　　　 .／￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　./　　　　　　　 .',.　　　　　あ、ちょっと書き忘れてました
　　　　　　　　　 .| ―　　.　―　　|
　　　　　　　 | ●　.　　●　　|　　　　　外伝に登場したキャラは
. . 　　　　　　 | ⊃ .､_,､_,　⊂ ,'.　　　　本編の方にもひょっこり登場すると思います
　　　　 /⌒ヽ...ﾍ　　 .ゝ._）　　/./⌒i
　　　　　　＼　　＼｀＞,､ __ , .イ./ ヽ./　　　出しやすい幕間の可能性がとても高いですが
.　　　　　　＼　　r―　,　.,　‐┐　/
.　　　　　　　｀i　{::::::::::}　{::::::::{. ./

815 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/19(Wed) 21:25:20 ID:29285ac0

　　　　　　 |、　　（⌒×⌒）
　　　　　　 | ｀二¨ヽ〈八〉 |　　　　　　　　　さて、次の投下は　4/24（月）　21：00から
　　　　　　 |　　_　｀　ﾄイ'、l
　　　　　　 |　　ィこ:Y_| Vﾊ/.　　　　　　　外伝第06話を投下させていただくかしら
　　　　　　 |　　 {しリ｀イｿ
　　　　　　|￣ }　　 ,､.ﾉｲヽ　 ..::ｰ-､.　　　
　　　　　　|ー_'_ イヽ　Ｌヽｿ〃::::..　 ',
　　　　　　|lヽ⊥〉　ハ｛ソj:::::::::ji:... |
　　　　　　|ｰ|┘　　　　Ｖ´(::::::｀¨:j:¨´
　　　　　 r－､_ 〈、 l, ｨ､ﾍ ∧:::::-:::ｲ
　　　　　└j　 !＼-くノ:ﾄ､〉}　　ｰ‐' |.　　　　　　　　少佐は喋らせるのが
　　　　　　｛_ ﾉ|　　　 |｣l_!ｲミNイ::}_{:.. ヽ　　　　　　とっても楽しくて
　　　　　　|:::::j　　　　　人（::..... Yｱミ　＼.... 　　　とっても面白くて
　　　　　　|_:ムzェ-－'´ 　＼:::.从:::....... Y ｀ヽ..　　　とっても大変
　　　　　　|　　 └ﾋｭ､_　　　　}三三ﾆV jﾊ　.j...　
　　　　　　|　l　　　l └'冖=ｭｫ’三三三ﾁ | || ｲ..　　　では今晩はこれにて
　　　　　　|　l　　　 l　　l　丿ミ三三彡' :| ||　}
　　　　　　|　ヽ　　　l　 l ｲ　　　}={　　 :: ||　j
　　　　　　|　､　ヽ　　ﾉﾈ、　　}={　　 :: ヾヽ

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亜人はＢＡＲに居る 外伝 第05話 「君よ！俺で変われ！」

亜人はＢＡＲに居る　外伝　第05話　「君よ！俺で変われ！」