亜人はＢＡＲに居る　外伝　第02話　「ヨギナクサレ」やる夫達のいる日常

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亜人はＢＡＲに居る　外伝　第02話　「ヨギナクサレ」

目次　現行スレ

612 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:00:32 ID:b52632da

　　　　　　　 ━┳┳━━┳━━　━┻ ━ ┳┳━ ┻　　　　━┻━

　　　　　　　　　　　　　　生まれたときには、何も無かった

　　　　　　　　　　　　　　力を行使することにのみ、存在が許されていた

　　　　　　　　　　　　　　それだけの無意味で、無価値な生

　　　　　　　　　　　　　　 ━┳┳━━┳━━━┻ ━ ┳┳━ ━┳━ ━┻┻━┻━

.

613 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:00:54 ID:b52632da

　　　　　　　 ━┳┳━━┳━━　━┻ ━ ┳┳━ ┻　　　　━┻━

　　　　　　　　　　　だからこそ、思った

　　　　　　　　　　　与えられた新しい命を全て捧げる事に

　　　　　　　　　　　その価値があると感じたのだ

　　　　　　　　　　　　　　 ━┳┳━━┳━━━┻ ━ ┳┳━ ━┳━ ━┻┻━┻━

.

614 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:01:21 ID:b52632da

　　　　　　　／彳彡へ＼ヽ丶ヽ＼＼＼＼ヽヽ｀ヽ、
＼､__　,.∠/∠三Ξ≧-=＝‐┴┴┴┴┴--｀､_i Yヽ、
<ヽ／∠彡=ヲ''´　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ/_ト、
r､>','Ξテ''´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽlヽ
ﾐ'r=／...::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
Ξ／:::　..::::　　　　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　　　　　 i
/;;::'' ,.::::: '　　　_,,...::::::‐‐::::￣　　　　　￣｀　‐- .､　　　　　　 l
'',..::::::::''　_,ィ'"彡:::::::::::､､ミﾐヾヾ､､,,.. ,,,,,　　　　　｀ー--､　　.i
:::::'' ,／三 lΞシ:::::::::::::::::..　 ⌒｀｀ﾞヾヾY'′　　　　　　,,.._｀ヽ l
::;／ミ三三l 彡:::::::::::::_,,ィ-ｧ-t-､､::::::::::::...　　　　　.,〃アツｨl､
ミミ三三ハｼ:::::::::::::::´ヽ､__毛ｭiﾉ.`{ 　　.: :::.　　／,..＿_　　ﾊ
r‐-ミΞ/Ξキ::::::::::::::...　　　￣｀"´.,,,;;;;::::　:::.　 l ｨ' 仆ﾊヾ_,'　ヽ、＿　　　 ━┳━┻ ━ ┳┳━ ┻　　　　━┻━
/^>､_メ､ヽﾐ　｀ー-‐::::.:.　　　　　　::;;;;;:::'　 :::　 :l!::.｀"'≠┘!、　　　　｀
/　,ﾉ'､ヾミヽ、:::::::::::::::.:..　　　　　　 :::::　...::::　　'､ ::.:　　　 l､ヽ、　　　　　　　　二度目の生を与えてくれた
{　(_ノ,ｨ, '､ﾐ:::::｀ヽ、:::::::.:...　　　　　　 :.;:.;r:..;;..　　ヽ　　　　l ヽ､｀ー-､
ヽ　r' ﾉ　ｷﾐ::::::::::::::ヽ::::.:.:...　　　　　..:.:.i:::::_,.ｨ::.:.,ｨ/　　　　 ,'　　＼　　i.　　　　　　私の恩人たちの為に
ヽヽ丶弋､ヾ､;;;::::::::::::::::.:.:.:.　　　　　　＾｀:::::'_,r' ﾝ　　　　　,'_, -‐ ´
ミヽヽ-､Y_ミ:::::::::::::::::.:.:.:.:.:　　　　　　　　 :::.:.　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　 ━┳┳━━┳━━━┻ ━ ┳┳━ ━┳
ヾミヽ､_二,,}ミ:::::::::::::::.:.:.:.:.　　　　　 _,／^ ーュ　　　　 /
-ヾヾミ ~:;;;;;::::::::::::::.:.:...　　　　　　 '^､´￣￣＾テ　　 /
　　ﾐミ､:::::::::'､::::::::::::::.:.:.　　　　　　　,｀´⌒ '' ´　　　/ ヽ、
ーx´iﾐ,'::::::::::::'､:::::::.:.:.:.:.:...　　　　　　　-三-　　　 , '　　 l
ー' ヽl:!:::::::::::::::｀ヽ､:::::::::.:.:..　　　　　　　　　　　 ./ 　　 ,'
　　　,':::::::::::::.:.:.:.::｀:::｀ー=-:::::.:......　　　　　　　 /
　 .「二二ニ__.ヽ､...　:::::::.:.' -::::::::::::::::.:.......　,,／
　 }三三三三三ヽヽ、:::::::.:.:.:.:..:..:..:..:..:;;;r'"
　/三三三三三三｀ヽ｀ヽ:::::　　　 ..::: l
￣"'ー-､三三三三三Ξ＼＼　　;;::::: ト、
三三三三｀ ‐ -､三三三三＼＼　;;　トヽ＼

.

615 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:01:45 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　　　　 ┌─────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　亜人はＢＡＲに居る

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　BAR　-AXANAEL-
　　　　　　　　　　　　　　 └─────────────┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　外伝　第02話　「ヨギナクサレ」

616 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:02:08 ID:b52632da

店内に入ってから二時間後

楽しそうな笑顔を浮かべながら、店から出てきたお嬢様を私は出迎え
待機させていた車へと乗り込んだ

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿ , 彡三l
　　　　　　　　　く川三三三≡ヽ彡ｼ
　　　　　 ,　- 彡=≡ 三彡彡彡｀ <　　　　　
　　　 ,　' 彡彡彡彡彡彡彡彡彡ｼｼl 　 , '⌒
　　／ﾉﾉl〈〈从川シシ彡彡彡彡シシl_ノ　　　
,'｀〈ミﾐﾐﾐl|l|//彡 '´:::）:::::｀彡彡シｼｼｿﾄ､　　　
　ﾐミﾞﾞﾞlﾞﾞ"　　　　 / :::::::::=彡彡彡ｼ_ｼl ヽ､_　　　　　「邸宅へ戻る
　/:ﾐ　ヽ、　　　　l　::::::::::::::::::::::彡/r.ヽ| 　
　!　l　　　｀　　　　!._ｚ‐'´;::::::::::::::〉/i :　}| 　　　　　　行ってくれ」
　　ヽ....__　　、..,zｨて刀´::::／::!! ）ｿ/ﾉ　
　　 ∧fてﾊ.､　:::::｀ゝ' ´:::::::/:::::::::::／,ｲﾄ､　　
　　 l　ヽ‐ '´:l　::::..　　　 ::::::::::::::::::y'´:::F 、　
　　　l 　 '、　 } ::::: ::　　　:::::::::::::::::l::::::::∧ !
　　　｀　　＼ゝ-:'´　　　 ::::::::::::;:::::::::/:::ヽ
　　　　　　　＼ ←-..→　 ::::::／::　 ::!:::::::ヽ
　　　　　　　　＼｀´　　 .:／　::　　:::::::::::::＼-､
　　　　　　　　　　ゝ-- イ::　　:　　::::::::::::::／　＼
　　　　　　　　　　　　　 l　　 : 　 .:::::::／　　　　　＼
　　　　　　　　　,　 - ／/|::　 :　　.:／　　　　　　／　￣￣｀ー
　　　　　　　　／　／ /　! :　::　／　　　　　／

　　　　　　　　　　　　　,， -=≦二ﾆ＝=―--　、
　　　　　　　　 x≦＝ニ二三三三三三三三}
.　　　　　　　／´‐ﾆ二三三三≧=-=二三二ｲ
　　　　　　　ヽﾆ二三三三三二三三三≧!´/!
.　　　　　　　 Ⅵﾆ二三{　Ξ　　｀` ＜三１/' ′
　　　　　　　 Ⅵﾆﾆ二＼ミ.,　　　　｀ '", 　〉_
　　　　　　　　 }_‐-=ニ∠_ﾐ　｀`:::..,,　Ξ　ｰ/ﾆ‐!
　　　　　　　　 i´-､',≧ミニﾆ/二二二≧==≦ﾆ７
　　　　　　　　ゝ. (_jⅣ:.　｀`|‐ニニニニ7‐Ⅵﾆ/　　　　　　「ハイ、ヨロコンデ」
　　　　　　　　　ヽ.,}｣ヽ:::..　＼ニニニ/　 ',ヽ/
　　　　　　　　 }: .:!　 `ｰ=ミ､￣￣　`ー　′
　　　　　　　　　　 ,:　:, :､　　　　‐　　,，-ｰ‐ !
　　　　　　　　_/　 :,　丶　　丶　..:: ＝ﾐ/
　　　　　　　　ﾉ{　　:,　:,.　　＞ ., ｀　ｱ :./
　　　　　　　　　/ 　､　 :,　:,　　　　,::≧= ＜ ',､
　　　　　　ｘ≦′ 　＼ :,　,　　　 ,:　　,:／　 Ⅵト､
　　　_r≦ニニ!　　　　＼　　　ノ＞"　　　　，ニ≧ｘ
=≦ニ/二二ニ|　　　　　　＼　,／　　　　　〉ニニニ≧‐　_
二二/ニ二ニﾆ|　　　　 j:　∨丶　　　　　　ハ二二二‐ヽﾆ‐≧- 　_
ニﾆ/‐ニ二二ﾆ|、　　　／Λ＿_/Λ　　　　　/　l≧=-ニニムニニニニ≧　_
―┴―-==-―ﾍ＼　 //／///// Λ　　　／　｜ニニニ≧=ー-- ,ニニﾆﾆ‐＞ _
＼‐ニニニﾆﾆニ∨,∨⌒V//////ﾉ　＼／　　　|ﾆﾆニニニニニ-/ﾆニニｌﾆﾆニニﾊ
‐ﾆ＼ニニニ二二∨=- 　〉― ―〈　` 　 _ 　　 |ﾆニニニニニ‐/ﾆﾆニ二!ニニﾆ/ﾆ!
ニﾆﾆ＼ニニニニ‐∨.:　///〈 //Λ　　　､　￣　|ニニニニニ‐/ニニニニ|二二/‐ﾆ{

運転席で待機していた黒服の男が簡潔に答えながら、車を発進させる

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　./
　　　　　　　　　　_,,..-辷ニﾆ二~~~~~~~~~~~~~~~~~~^广￣ﾞ''''''―ｰ-....,,_
　　　　　　　　..ｨﾆ宀ﾞ万'´　￣ﾞﾞﾞ宀a__　　　－一―‐''''''''''''''''￣￣￣''''''''ー=-_,,_
　　　　　　,ノ／　　.聿　　　　　　!　ﾞﾞﾍa　　　 ''ｰ.._　　　　　　　　　　　　　　　ﾞ''ｰｰ-__
　　　 __,/'斗　　　 /什　　　　　　|!　　　lト　　　　　゛ｰ､　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞﾞ'''‐＿_
　　/"´ 〈j广　　　ﾉ什　　　　　　│　_／　　　　　　　　　_っ,,___,,.........---－‐‐''''''''￣￣￣　ｌ丿
　－--r'―――'ノ―――――‐―''　　　　　　　 _..-'''"ン'''|＾　　　　　　　　　　　　　　　　ｌ￤
　||　　　　　　,,...│　　　　　 ,,　　|　　　　　　　　／　‐" 　　|　　　　　　　　　__...--....-一''''ヽ|!
　l/>　　　　　－１　　　　　∟ ヽ￤　　　　　　　ヽ　 ' 　　　　ｌ---一‐‐''''￣´ 　/‐ｌ１　　.....-小
　ｌｌ!rﾍ,　　　　　│　　　　　　"　/　　　 /''ヽ　　　'、ヽ　　　　1 ....---'ｰ宀........--‐‐''１　１　　!ﾉl
　下ｌｌヽl　　　　　|　　　　　　　./　　　　　　/　　　 1￤　　　　|冖''￣　ｌ　　ゝ　　　　ゝ　!　丿 │
　ﾍｌｨイ〉　　　　ｌ　　　　　　 /　　　　　－　　　　　い　　　　│　　　　 l　　1　_,,....-┘ _,,／　　〉
　　ｌlソﾍ`ｰ..､　　1　　　　　/ /'''''''‐ 、－‐---........,,ノ二ﾆ二,,⊥　　　　　　　`´__....-‐''" __..－"亅
　　　`ｰ-‐'`ｰこｰ冫　　　　 │　,－''''＼　　　　　　　'、　　　　＾ｰ......--一''''"´_.....-‐''''"　　　　!
　　　　　　　　　ﾞｰ.._゛ｰ､　│|　ｌ ,..- ､　ﾞ、　　　　　　!　　　　　　__........-‐‐''"´　　　　　　　　丿
　　　　　　　　　　　｀ｰ.._ ﾞ'''││1ヽ/`'、ﾞ､　　　　　　1　￣￣´ 　　　　　　　　　　　 _..-‐ン'´
　　　　　　　　　　　　　　`ｰ..│|」..ン!_,/ﾞ､ '、　　　　　│　　　　　　　　　　　　_.....-''_彡‐"
　　　　　　　　　　　　　　　　￣ｌｌ__/┌-│ ｌ;--.....__　　!　　　　　　　__.....-;;_彡-‐''"´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞﾊ　!〈､│　l　　　　　ｌ　　－--彡宀一~~´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ`ゝｌ_.ｿ　ヽ-....,,＿　　.-''"￣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ,,　　　　_／　　￣~~
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 `''''''"´

電気自動車は動いているのか分からないほど静かな加速で、私たちを乗せ走り出した
.

617 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:02:33 ID:b52632da

普段の車内は音楽などはなく静かであるのだが、本日は違った
お嬢様が目を閉じ体を左右に揺らしながら、小さな声で歌っていたからだ

　 /.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:______.:.:.:.:.:.:.:|
　|.:.:.:.::.:.:／"""'''''''''''''''""""￣　　ヽ.:.:.:.:.:|
　|.:.:.::.;:/　　　　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.|
　|.:.:.:.:::|__　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:|___
_-|.:.:.:.:／　　　　　　　　　　　　　__　＼.:.:/　￣
　 |.:.:.:| ''"""＝==;;　　　　;;==＝""'''　 |.:.:〆
...l"''| .| -<''''{ u}'';,."'',,、 .,,;;''l"{ u}｀'>´　|/ソ|　　　　　　　「良い時間を過ごされましたか？」
.丶(ヽ.|　.:.:￣￣　　"'|.:.:''.:.:.:.:￣￣　　/　/
　＼(ヾ　.:　　　　　　|.:.:.:.::.:.:.:　　　　　///
.　/丶｀'、　　　　　　.:'　　　　　　　　/,;'/丶
　|　｀-丶　　　　　'丶　-　　　　　　/-''　 |
　　　　　＼　　　　＿　_　＿　　　／
　　　　　　 |＼　　　　--　　　／ |
　　　　　 ,-|　　＼.　　　　　／　　|-.
　　　　　ﾉ、ヽ　　　`'---''"　　　//丶

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾍ
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 | ∧
　　　　　　　/ |　　　　　　　　---　　　_　　　|　∧
　　　　　　 /　|　,　　´　　　　_　　　　　　` 　 ';　 ∧
　　　　　　,'　／　　　　　　　　＼　　　　　　　V　 ∧
　　　　　 ,　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V　 ∧
　　 |＼ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼￣　----∧
　　 |　ヽ:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 }　___
　　＼　/　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　 l　　` ト- ／￣／
　＿＿〉{　　　 :|　 l　　l　　　　　　 |　 |　　　}　　　 V　　／.　　　　　「ええ、そうです
　＼　从　　　|　_l＿ l _　　　　 , lーl-.- 、/ 　　　/-＜￣　、
　　＞ -〉　　　|＼|＼ |ﾍ`　l　　// |/-|/| /　　　 /　　　　　／　　　　本日はますたぁが素敵な歌を聞かせてくださったの
　＼　　人　、人　_ -==ミVﾍ // ｧ≠=ミ/ 　／／ |Y^Y_ ／
　　　＼,,/| ＼＼从"　　　　　　　　　　/／/ｲ　}　||　|_|l
　　　　　| |　|_|ヽ|ヽ　　　　 '　　　　　　 |　　 |_ノ　　　　,.　　　　　　源之助にも聞こえていましたか？
　　　　　|_|　　　 | 心　　　　　＿_　　　　|　　 |　　　 V 　'
　　　　　l　　　　 l　　ト　　　｀　´　　　ｲ　 ,;　　　　 V　 ,
　　　　 ,　　　　 /l　　|　　＞　　_　イ _ | 　 / V　　　　V
　　　　/　　　　/ l　　 --　V∧　　／/ l　 /　〉＼　　ヽ l
　　　 /　　　／￣/￣｜　　V∧／//／l　/ ／|　　＼　　＼
　　　/　　l 　　〈　　 |　　　V///／　 l / ´　 |　　　＼　　ヽ
　　 /　___ |　　　〉　　|　　　 V／　　／「￣￣　　　　　> 、＼
　　/ / V |　　　　| 　　|　　／　　／　　|　　　　　／＼ |　　＼

お嬢様から本日、店内で歌唱会が催されるという事は聞いていた

私は店の出入り口の前で待機していたが
外に漏れ出る音は僅かであり、歌としては聞き取れないのが現実である

　　　　　　　|　　　 ,,-''"//彡彡彡彡彡彡ヽ、/　　　　　　　
　　　　 /　　',__,,-"ﾐﾐl| l| //彡彡彡彡彡彡彡、　　　　　　　　
　　　　 ',　　／ミﾐﾐﾐﾐﾐﾐl|/''"　　/　　　彡彡彡'.　　　　　　　
　　　　　＼/ミミﾐﾐ''ﾞﾞ　　　　　 /　　　　彡彡彡',---､　　　　　
　　　　　　lミﾐﾞﾞ　ヽ、　　　　　 |　　_,,,==-　ﾐﾐﾐﾐ:',_________,---
　　　,--- |彡　　　｀ --- 　､_,,=='_,,,--､,　　',ミミl_____　　　　　
　　 /　　　l彡'. 　　__,,,,　　　:::::::/´匕ﾉ　"　　　彡/-、＼　　
　　　　　　 '彡.,=＝_,,,-､ﾞヽ　::::::::'‐'':::::　　　　　 ', l´ヽl.　　　　　　「扉越しゆえ、聞き取れませんでした」
　　　　　　 ',:|　/´匕丿'::::|　　::::　　　　　　　　/;;ヽ| /　　　　　
　　　　　　/ .',:: ﾞ‐‐'"　　　l､_/:::::　　　　　　　./　> l |____　　　
　　　　　.（　　 ',　　　　　　l_ヽ　 '　　　　　　 /　 |丿 l　　　　　
　　　　　　　　〉､',　　　　　　ﾞ-　　　　　　　/　　l-''"----'　　
　　　　　　　./　ヽヽ　　　　　,-´￣￣`　　　　　/',::|＼　　　　　
　　　　　　　|　　ヽ ',　　　　ﾞ　::::::::::::::　　　　 /　 ',|　＼____,　
　　　　　　　|　　　　`ヽ　　　　　　　　　　　／　　　|ヽ___,
　　　　　　　＼　　　　｀ヽ､_　　　,,,,:::::::::／　　　　　',-、
　　　　　　　　　　　　　　 /　',｀ ‐‐‐　　　　　　　　//　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 ./　　',　　　　　　　　　　 //　　　　｀ﾞヽ、
　　　　　　　　　　　　　（　　___',　　　｀ﾞ'''　　　　.//　　　　　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　∧ヽ　　　　　:::::::　 //　　　　　　　　　　ヽ_____
　　　　　　　　　　　　　　　/　', ＼　　　　　　 //　　　　　　　　　　　　　　￣￣

そのため、私は事実のみを端的に伝える
.

618 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:02:57 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　　　　　|ヽ　　　　　　＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　| ﾊＹ　＞''て　　　　|＼｀''＜　＞''7
　　　　　　　　　　　　　　　|/ |>'´: : : ≧: : : : : |　＼: : ,ｲ　/
　　　　　　　　　　　　　 r'~　/: : : / : : : : : : : : :'，　＼.　 /
　　　　　　　　　　　　　 | ,ィ^: : : ,' : : : : : : : : : : ﾍ　　　ヽ |∨__
　　　　　　　　　ヽ￣,' : : : : ,' : : : : : : : : : : : : :｀ヽ　/´　／
　　　　　　　　　　　　　>l : : : : :ｌ : : : : : :＿__: : : : : : : |/　／===ﾐ　　　　　　「そうですか…勿体ないですね
　　　　　　　　　　　ﾍ |: : ＞'"￣ : : : : : : : ｀''＜ : : | ／　　　//
　　　　　　　　　　　 |: : : : : : ', : : : : : : : : : : : : : :/:.ﾄ<⌒ヽ_/.　　　　　とても素敵な歌でしたのに…」
　　　　　　　　　　　　　ハ､ﾄ､ヽ､ : : : :,ｲ:/ｨ:／|ｲ:ｲ/: :|.i ｢| :｢|l
　　　　　　　　　　 ,: : |ヘ',.ﾐ==ﾍ／/' ｨ==‐'' | : : : | /|」 :|」l
　　　　　　　　　　 7: : |: : :ﾊ.　　 ,　　　　 |: : : :l: : : : : : :l
　　　　　　　　　　 7 : : |: : :|∧　　　　　　ｌ : : :ﾊ: : : : : : :',
　　　　　　　　　 /: : : :|: : :|//ﾐh､　＾＾　　 , l : : ﾊ ∧: : : : : ∨ /
　　　　　　　　　　　/: : : : :|i : :|//⌒⌒ヽ､ .＜. l: : :/　／乂 : : : : ∨ /
　　　　　　　　 /: : : : : :|l : :|7 /ﾆﾆﾆ7/　　从:/／　　／｀''＜:.∨ /
　　　　　　　 ,ｲ: : : : : : 从八 /ﾆﾆﾆ7∧ﾍ／},ｲ´　　／　　　　__､:＼
　　　　　　 , イ: : : : : : : : : :/ 7/ﾆﾆﾆ7/　／／　　／　　　／　ヽ!: :＼
.　　　　＞''´: : : : : : : : : : : /| 7/ﾆﾆｱ,ｲ／／　　／　　|　/／　　　 l : : : :` ､
　＞''´ : : : : : :／ : : : : : : |. 7/ﾆﾆｱｲ. ／　　／　　 i |.／　　　　　|! : : : : : :ヽ

残念といった表情で、お嬢様の顔が沈む
しかしその表情は変化し、名案を思い付いたとばかりに輝いた瞳でこう仰った

　　　　　　　　　　　　　ノ|
　　　　　　　　　　　＿＿ / ./　　　　／'
　　　　　　　＞. ´. . . . ／　/. ｀ヽ _　- ´ /
　　　　　　´. . . . . . .／　／. . . . . ＼__／
　　　 V. . . ＿＿／__／_____. . . . . . .｀ヽ＿＿
　　　 ∨. . . {　　　　　　　 _ノ. . . . . ヽ. . . | _ノ
　　　V. . . .|￣　ー---=≦. . . . .. . . ..|. . . ∨
　　　 |. 「￣＼　　./. . __./,---/ . . . / . . . .|.　　　　「そうです、源之助も一緒にお店でお話ししましょう
　　　 |. .＼ ___/ Y. . . . ./.／ノヽ|. . /|‐-. . ..!
　　　 .! . . { { 〈ん} . . . /r=笊　./. .ｨr、. . ./ | 　　　　皆さんとてもいい方ばかりです
　　　 |. . . . . ..ヽ/＼ .|　ｖr′.|／vﾉ }/ /./|
　　　　| . . . . . . .|. . ..｀|.:.:.　　　　 '.:/. }ノ|/.ﾉ　　　　　　きっと源之助も楽しいと思いますから、ね？」
　　　　| . . . . . . .}... . . |　　r　、　/. . |
　　　　|. . . . ___ノ|ヽ. . ト　｀　　イ |. ./
　　　　| . . /::::::ヽ＼',.∧ 「. . . . .／| /ヽ
　　　　| . /::::::::::::::::::::ヽ∧=r＼___ノ'::::------- 、
　　　　| /:::::::::::::::::::::::::::＼／::::::::::｀ヽ、_::::::::::::::::::∨
　　　 .j!.|:::::::::::::::::::::::::::::}!::::::::::::::::::::::: ＼＼:::::::::::::∨
　　　 j!∧:::::::::::::::::::::::::::}!:::::::::::::::::::::::::::: }　 }:::::::::::::::}
　　　.j!. . }、:::::::::::::::::::::::}::＼ :::::::::::::::::::: }　/:/ヽ___/
　　　j!. . .ヽ:::::::::::::::::::::::{!:::::::｀::::::::::__:>---≦}__}___〉

自らを護衛する者たちに一緒に楽しめというのは、職務放棄を行えというようなものだ

しかし私はお嬢様の言葉にそのような意図が無いのは知っている
裏表のない単純な善意、そこに込められているのはそれだけだ

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿ , 彡三l
　　　　　　　　　く川三三三≡ヽ彡ｼ
　　　　　 ,　- 彡=≡ 三彡彡彡｀ <　　　　　
　　　 ,　' 彡彡彡彡彡彡彡彡彡ｼｼl 　 , '⌒　
　　／ﾉﾉl〈〈从川シシ彡彡彡彡シシl_ノ　　　
,'｀〈ミﾐﾐﾐl|l|//彡 '´:::）:::::｀彡彡シｼｼｿﾄ､　　　
　ﾐミﾞﾞﾞlﾞﾞ"　　　　 / :::::::::=彡彡彡ｼ_ｼl ヽ､_　
　/:ﾐ　ヽ、　　　　l　::::::::::::::::::::::彡/r.ヽ| 　　 .
　!　l　　　｀　　　　!._ｚ‐'´;::::::::::::::〉/i :　}|　　　　　　　　「お構いなく、職務中ゆえ」
　　ヽ....__　　、..,zｨて刀´::::／::!! ）ｿ/ﾉ　
　　 ∧fてﾊ.､　:::::｀ゝ' ´:::::::/:::::::::::／,ｲﾄ､　
　　 l　ヽ‐ '´:l　::::..　　　 ::::::::::::::::::y'´:::F 、　　
　　　l 　 '、　 } ::::: ::　　　:::::::::::::::::l::::::::∧ !
　　　｀　　＼ゝ-:'´　　　 ::::::::::::;:::::::::/:::ヽ
　　　　　　　＼ ←-..→　 ::::::／::　 ::!:::::::ヽ
　　　　　　　　＼｀´　　 .:／　::　　:::::::::::::＼-､
　　　　　　　　　　ゝ-- イ::　　:　　::::::::::::::／　＼
　　　　　　　　　　　　　 l　　 : 　 .:::::::／　　　　　＼
　　　　　　　　　,　 - ／/|::　 :　　.:／　　　　　　／　￣￣｀ー
　　　　　　　　／　／ /　! :　::　／　　　　　／

故に、私ははっきりとこう言う
.

619 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:03:23 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　ハ　　　 _,､､､､､､､､,,_ 　　　 | ∨ /
　　　　　　　 ,'　 V＜: : : : : : : : : : : : : ｀''＜　|　∨ /
　　　　　　　　　l／.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|.　 ∨ /
　　　　　　　　,ｲ: : : : : : :/: : : : : : :|.: : : : : : : : : :.|　　 ∨ /
　　　　　 /: :/: : : : : :| : : : : : : :|.: : : : : :.〈＼:ヽ　　 ∨ /
.　　　　　　 /: :/ : : ムイ: : : : : :｀~ヘ､___: : :.ﾍ　ヽ.　　 ∨
. 　　　　 ': : l : : : ﾊ: :ﾊ : : : : :/-| : ハ : : : :ﾍ　　｀''＜┘
　　　　　 | : : : : : :|竿竿､: : :./斧竿竿.: : : :. :.ﾍ　　　, イ　　　　　　「そうですけれど…
　　　　　 | : : : : : :|_ﾋｚｚ} ＼/　_辷ｚｚ}/ :/ :/ :/ヽ＜¨¨¨八
. 　　　　 l: : : __｢ヽ::::::::::　'　　:::::::::::: /:ｲ ,ｲ: /ン }＿イ　　　　　　　もう、源之助は真面目ですね」
　　　　　　　Vヽ|‐}~ ｢ヽ　　　　　　　　ィ:}:／|　,ｲ　｀ヽ∨ /
　　　　　　 // /　l 　}　　 ―（　　　　| : : :|⌒).　　／:∨
　　　　　　ﾍヽ､　{　弋　　　　　　, イ | : : | : : ＼／ : : : l
　　　　　　 /:.||ﾍ　’ 　　｀ヽ _x＜　　 |: : :| : : : :|| : : : : : |
.　　　　　 /: : : : :＼　　　　ﾏ　　　 ,ｨ|: : :| : : : : : : :＿彡┐
　　　　　 / : : :ｧミ:＿＼.　　 |､　 ,ィニﾊ: : |〉￣￣￣　 //│
.　　　　 / : /: :|}.　　 /ヽ､.　 |≠ニア　 V从　　　　 //::ﾊ.|ヽ
.　　　　　, : :/ : :|}.　　 /　㍉ヽ|ﾆア　 ,ィﾟ〈〈　　　　　//:::::::ﾚ: : ヽ
.　　　　 |: :ﾊ : /|} 　,ｲ　　　㍉ヽ　／／ﾍﾍ　　　　 //::::::::/ : : : :Y
　　　　　从l {:./:::|} /　| 　　　　㍉ヽ／＞''´}VVﾉ　 //:_　-=====ﾐﾊ
.　　　　＿＿V::::::|},' 　ﾊ.　　　　ﾐ ∨ く oＯ　＞''´～''^´　　　　/
. 　　ﾍ～～～.∨　　　　　　　　　ﾐ ∨oﾟヽ　〉.　　　　　　　 /

お嬢様はこちらの意思を曲げてまで我を通そうとはしない
それゆえに、自分の楽しみを共有できないという寂しさから、少しだけ頬を膨らませて抗議する

その優しさに、私は感謝の意をこめてこう答えるのだ

　 /.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:______.:.:.:.:.:.:.:|
　|.:.:.:.::.:.:／"""'''''''''''''''""""￣　　ヽ.:.:.:.:.:|
　|.:.:.::.;:/　　　　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.|
　|.:.:.:.:::|__　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:|___
_-|.:.:.:.:／　　　　　　　　　　　　　__　＼.:.:/　￣
　 |.:.:.:| ''"""＝==;;　　　　;;==＝""'''　 |.:.:〆　　　　　　「性分ゆえ」
...l"''| .| -<''''{ u}'';,."'',,、 .,,;;''l"{ u}｀'>´　|/ソ|
.丶(ヽ.|　.:.:￣￣　　"'|.:.:''.:.:.:.:￣￣　　/　/
　＼(ヾ　.:　　　　　　|.:.:.:.::.:.:.:　　　　　///
.　/丶｀'、　　　　　　.:'　　　　　　　　/,;'/丶
　|　｀-丶　　　　　'丶　-　　　　　　/-''　 |
　　　　　＼　　　　＿　_　＿　　　／
　　　　　　 |＼　　　　--　　　／ |
　　　　　 ,-|　　＼.　　　　　／　　|-.
　　　　　ﾉ、ヽ　　　`'---''"　　　//丶
.

620 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:03:49 ID:b52632da

そのような他愛もない会話をしている最中、連絡用の電話が震える
画面を確認し、表示されている文面に目を通すと、それはお嬢様への電文であった

　　　　　　　|　　　 ,,-''"//彡彡彡彡彡彡ヽ、/　　　
　　　　 /　　',__,,-"ﾐﾐl| l| //彡彡彡彡彡彡彡、　　　
　　　　 ',　　／ミﾐﾐﾐﾐﾐﾐl|/''"　　/　　　彡彡彡'.　　
　　　　　＼/ミミﾐﾐ''ﾞﾞ　　　　　 /　　　　彡彡彡',---､　　　　　
　　　　　　lミﾐﾞﾞ　ヽ、　　　　　 |　　_,,,==-　ﾐﾐﾐﾐ:',_________,---　
　　　,--- |彡　　　｀ --- 　､_,,=='_,,,--､,　　',ミミl_____　　　　　　　「失礼お嬢様
　　 /　　　l彡'. 　　__,,,,　　　:::::::/´匕ﾉ　"　　　彡/-、＼　　
　　　　　　 '彡.,=＝_,,,-､ﾞヽ　::::::::'‐'':::::　　　　　 ', l´ヽl　　　　　　　　　邸宅でお待ちの親方様からです
　　　　　　 ',:|　/´匕丿'::::|　　::::　　　　　　　　/;;ヽ| /　　　　　
　　　　　　/ .',:: ﾞ‐‐'"　　　l､_/:::::　　　　　　　./　> l |____　　　　　　　　奥方様がお戻りになり
　　　　　.（　　 ',　　　　　　l_ヽ　 '　　　　　　 /　 |丿 l　　　　　
　　　　　　　　〉､',　　　　　　ﾞ-　　　　　　　/　　l-''"----'.　　　　　　お嬢様をお待ちしている、と」
　　　　　　　./　ヽヽ　　　　　,-´￣￣`　　　　　/',::|＼　　　　　
　　　　　　　|　　ヽ ',　　　　ﾞ　::::::::::::::　　　　 /　 ',|　＼____,　　
　　　　　　　|　　　　`ヽ　　　　　　　　　　　／　　　|ヽ___,
　　　　　　　＼　　　　｀ヽ､_　　　,,,,:::::::::／　　　　　',-、
　　　　　　　　　　　　　　 /　',｀ ‐‐‐　　　　　　　　//　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 ./　　',　　　　　　　　　　 //　　　　｀ﾞヽ、
　　　　　　　　　　　　　（　　___',　　　｀ﾞ'''　　　　.//　　　　　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　∧ヽ　　　　　:::::::　 //　　　　　　　　　　ヽ_____
　　　　　　　　　　　　　　　/　', ＼　　　　　　 //　　　　　　　　　　　　　　￣￣

会話の流れを切り、お嬢様に文面そのままの内容を伝える

それを聞いたお嬢様の笑顔が華やいだ

　　　 j!　 .|　　 _　　 -―――-　　/　　 |
.　　 ,′　レ ´. . . . . . . . . . . . . . . .⌒ヽ/、　 /}
　　 /　　 .|.／ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .｀　〈 .|
　 ./　　　 |　./. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ＼
　/　　　 /_ノ| . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ . ヽ. . . . .V
ノ　／￣　　/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . | . .| . . . . .∨
|　　　　　／ .| . . . . . . __|__ . . . . . . . ￣|￣|ヽ| . . . .∨
|　　ィ´ . . . | .| . .|／ . .! . . . . . . . . . ...| ノ| .ﾉ! .|.. . .|
|　 /.::」 . . . ...| .|／| . .| ..|ハ . . .| . . ./|ｨ===ミz、! . . |
_／⌒ﾊ . . . . ', | . .|ヽｨ==ミ } . .ﾉ . ./ｨ {:i:ヽ:|　}】. . .i .|
　　　　.} . . . ..ヽｨ／ /:,-:::| ／} .／　辷ノ　ﾉ|　 /./
、　　 /|ヽ . . . . 【{.　 { :i::」:|　　　　　　　　 .|／|ｲ.　　　　　　「まぁ、お母様が！」
｜「 . ! |　i! . . . ..＼　｀¨ ´　　　　　、　 ,:,:,:　|//|
｜| . .| .ヽ」＼ . .＼|　 ,:,:,:,,　　　　　　 ′　　　 |//|
｜| . .| . |∧ . ｀⌒「　　　　　　　　　　　　　　 /|//|
｜| . .| .//∧　　 ∧　　　　 ,　-‐　フ　　 ∠｜/,!
｜| . .|////∧　　｀ゝ　　　　｀　ー ´　　ｲ| . ｜/,!
｜| ..//////∧ . . .∧ ｀≧　　　＿＿／二Vヽ.ﾉ//
/:/ ///ｨf二ﾆ}!、 . . ∧　　　 ∧;i!i!|::::: ∨二]|}//
. | . ,ｨ仁二二 Ⅶヽ . .∧　　　,//|i!i!|::::::: ∨二]./
斗f´二二二二Ⅷi!i＼.∧_ 　 |//|i!i!|:::::::::::| 二]!
⌒＼二二二二}ヽi!i!i!.＼}/≧}//|i!i!|:::::::::::| 二]!
i!i!i!i!i＼二二二｝ﾄ:＼i!i!i!i!≧///.|i!i!|:::::::::::| 二]!
i!i!i!i!i! ∧二二二｝ﾄ:::＞i!i!i!i!i!i!i!i!|i!i!|::::::__::::｀ヽ」
i!i!i!i!i!i! ∧二二二｝ﾄ:::::::::::＞i!i!i!!|i!i!|r ´/::::::::::::∨
i!i!i!i!i!i!i! ∧二二二｝ﾄ::::::::::: ,ｨ　¨ ⌒´_/:::::::::::::::::}
.

621 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:04:13 ID:b52632da

　　　　　　　/ i
　　　　　　./　 !　　　　　_　＿＿　_　　　　　　　　 ∧
　　　　　 /　　 !　 -‐. ´. . . . . . . . . . ｀`. . ､　　　　 !　i
　　ﾄ､　/　／. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 丶､　 !
　　 l　Ｙ／. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ!　 !
　　_l　.ﾚ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . l　 l
　　V∨. . . . . . /. . . / . . . . . . . . . .､. . . . . . . . ..ﾄ､ . !
　　 /. / . . . . /. . . /. . . . . . . . . . . .i . . l. . . . . . l　　　　!. 　　　「堂島様、お願いいたします
　〃. l. . . . . .i. . . /. . . . . . . . . . . . .!. . .i. . . . . . ﾍ　　　 l
　/ . . l. . .. . . l._斗匕. . . . . . . . . ｀/lーｲ‐-. . . . . . ヽ､　 l　　　　　急いで御家に向かってくださいな」
　!. . . .!. . . . .ﾊ. ./　! . . . . . . . . . / .!./ l. . ./l. . . . . . ./丶!
　!. . . .l . . . . i ∨　 ∨ . . . . ／l/ｨ=≠＝ヽ .!. . . . . ./--､l
　ﾚ､. . { . . . . !z＝=ﾐ＼. .／　　 !//////!｛. . . ._ /》》》》!
　{ﾊ　 l V. .ﾊ.l　　　　　　　　　　 !:::::::::て　/ . イ ! ｀`ヽ/
　　 ∨L!ヽl.〃 wxw　　　　　　　弋_:::::::ノ 7. . . i ﾉ. . . .i
　　　　　 j.i.人　　　　　　　　　　　 wxw 〃. . /. . . . . .!
　　　　　 !.l . 个　 _　＿､__,　　　　イ:/ . .ﾊ. . . . . .!
　　　　 V. i. . . l::::::／///lー‐ ¨¨ノl`ヽ:::::;′./::i . . . . . l
　　　　V. . ! . . l／///／＝=--<。/: ﾚ./. . /:::::!. . . . . .!
　　　 /. . . V／///／: /｀⌒/: /　ﾚ" /. .イ:::::人. . . . . !

お嬢様は早く帰路に着きたいがために、運転手をせかした
年齢は若いが、彼らにとって親方様の娘であるお嬢様の言葉には強制力がある

　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　┌=≦三三三三三三三三三 ≧=┐
　　　　　　　　　　 !≧-=二三三三三三三三二=-≦ !
　　　　　　　　　　　　 l 三三≧=二三三三二ニ=≦三三 l
　　　　　　　　　　 l三三三三三≧ ┬≦三三三三ァ_=l
　　　　　　　　　 l三ァ＜三三三三|三三二ﾆア´　 ,{ﾆl
　　　　　　　　　 l三{　　｀＜三三 |三三＞,´　　　 ;Ⅵ!
　　　　　　　　　　 l三!　　　ミ｀＜ !=ア´彡　　　　}_{
　　　　　　　　　　 ,ﾍﾆ{ :,　　　ﾐ　｀´　　,´ 　　／　{ﾍ　　　　　「ハイ、ヨロコ――」
　　　　　　　　　 |〈}ﾆト、､＼　　:,　　　　, 　　／　_,,.　{ﾉ|
　　　　　　　　　 Ⅵトミ`ｰ=ミ＼　:, ,　,: ,:　／=＝ア-ﾆﾆ′
　　　　　　　　　 Ⅵニニ≧=―------―=≦ニニニﾆ/....＿＿＿＿ , 彡三l
.　　　　　　　　　　　 ∨ニニニニニニニニニニニニﾆﾆ/.く川三三三≡ヽ彡ｼ
　　　　　　　　　　　　　　＼ニニニﾆﾆア⌒ヽニニニ..ﾞ,　- 彡=≡ 三彡彡彡｀ <
　　　　　　　　　　　　　　 l ＼＿＿／′ 　 `＼...,　' 彡彡彡彡彡彡彡彡彡ｼｼl 　 , '⌒
　　　　　　　　　　　　　　　 l 　 _ 丶　＼:. 　ィ／ﾉﾉl〈〈从川シシ彡彡彡彡シシl_ノ
　　　　　　　　　　　　　　　∧ 　 ,　゛,. 　　 ,'｀〈ミﾐﾐﾐl|l|//彡 '´:::）:::::｀彡彡シｼｼｿﾄ､
　　　　　　　　　　　／´ ＼　:.、ー―ーー.ﾐミﾞﾞﾞlﾞﾞ"　　　　 / :::::::::=彡彡彡ｼ_ｼl ヽ､_
　　　　　　　　　　　イ　　∨ .丶　, _〉ｰ=＝../:ﾐ　ヽ、　　　　l　::::::::::::::::::::::彡/r.ヽ|
　　　　　　 _　-≦ﾆｌ l 　　　∨.　:,ﾍ　　 =! l=..!　l　　　｀　　　　!._ｚ‐'´;::::::::::::::〉/i :　}|　　　　　　　　「安全運転だ」
　　　_　-≦二二ﾆﾆ| l　　　　＼　:, ＼_＿＿_..　ヽ....__　　、..,zｨて刀´::::／::!! ）ｿ/ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∧fてﾊ.､　:::::｀ゝ' ´:::::::/:::::::::::／,ｲﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　ヽ‐ '´:l　::::..　　　 ::::::::::::::::::y'´:::F 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l 　 '、　 } ::::: ::　　　:::::::::::::::::l::::::::∧ !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　　＼ゝ-:'´　　　 ::::::::::::;:::::::::/:::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ ←-..→　 ::::::／::　 ::!:::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼｀´　　 .:／　::　　:::::::::::::＼-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ-- イ::　　:　　::::::::::::::／　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　 : 　 .:::::::／　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　 - ／/|::　 :　　.:／　　　　　　／　￣￣｀ー
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　／ /　! :　::　／　　　　　／

肯定しながらアクセルを深く踏みかけた運転手の行動を、私は言葉で制す

＿__　　　　　　 __＿＿__ _＿___　_,，-=ｘ
}ニ/三≧ｘ__／ニニニニニニニ≧ｘﾆﾆΛ
!ニﾆﾆr＝ﾆ{ニニニ二ア二≧ｘニニニ{`!_|
＼ァニニニ}二ニ‐／‐／￣＼‐＼ニﾆ!_!_|
　｀＼r=＝7ニニ/ニ/　,:　Ｔヽ∨_|ニ‐jﾉ'′
.　　　 ´＼〈ﾆニ‐{ニ7　/ ,ィﾆﾆｰ=ィ彡′
　　　　/ニ＼ニﾆⅥ{ニ∨i|ilililililililｉ| 　　　　　「ドーモ、シツレイシマシタ」
　　　 |ﾆﾆ二≧=-====Ⅶ|ililililililili|
　　　　Ⅵ_二ニニニニ从↓ilililililｉﾘ
　　　　 |二三二ニ‐|‐=ニ｀＼__／
　　　　 Ⅵ=≦ニﾆﾆ{<_彡‐ﾆⅣ
　　　　 |ﾆ二ア二ｲニニニ‐{
　　　　　|≧ﾆﾆ／ﾆ|ニﾆ＼_Ⅳ

私の叱責に、運転中であるが一瞬だけ器用に頭を下げて、アクセルを戻す

お嬢様は、少し不満そうにこちらを見ていた
.

622 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:04:38 ID:b52632da

　　　┌──────────────────────────────── ──　─
　　　└────────────────────────── ──　─
　　　┌──────────────────── ──　─
　　　└──────────── ──　─
　　　┌──────── ──　─
　　　└── ──　─

１５分ほど車を走らせ、私たちはお二人の待つ邸宅へと着いた

淡淡淡淡爻爻爻淡淡爻爻淡淡淡淡爻彡'⌒
=-　_爻爻爻爻淡淡淡淡爻爻爻⌒　　　　　　　　　__
　　　￣　=-　_爻爻爻淡淡爻爻　　　　,､,､,､,､,､　　r‐ト．
＿　　　　　　　￣　=-　_爻爻爻刈⌒:;.:,:;.:,:;.:,:;.:,:,､＜＞-=≧s｡
二二二ニ=-　　　　　　　￣　=-　__ミﾐ:;.:,:;.:, ,､＜=｡s个s｡｀` -=ﾆ≧s｡.,_　　ｨ
─　二二二二二二ﾆ=-　＿　　　　｀`''　＜ﾆ_,x竺竺竺竺≧s｡＿＿ -=ﾆ「｣｣　　　　　　　　,､､;';';';';';';'
　　　　￣　　─　　二二二二ﾆ=-　　＿　　　｀`'' ＜////////////////ﾍ⌒丶､　　　_､;';';';';';';';';';';';';'
　　　　　　　　　　　￣　　─　二二二二ﾆ=-　　　｀`'' -　 _,///////|　｀　 .,_｀`'弌77＿;';';';';';';';';';';
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　─　二二二二ﾆ=-　　｀'弌//_i| =┐　　|≧s｡｀'弌(;';';';';';';';';';';
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　　─　二二二ﾆ=-_乂||　　 |‐=ﾆ| 〕トｒ=弌;';';';';';';
＝=-　　｡｡。。...,,,,＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣　─ ニ|＿||　　 |￣l:ト｡｢≧s｡Y/／
三三三三三三三三三三三三三二二こﾆ＝=-　｡｡。。...,,,,＿＿_ 　　　|i:i:i｢Ｔi=-|＿l:|トﾐs｡￣|i:|/i:
i:i:i:i:i|:|i:i:i:i:i|:|i:i:i:｢丁~~丁¨ TTTTTTTTT'冖冖宀￢…‐--==ﾆﾆ二二三三|i:i:i:i:i:i:i:i:i|i:i:i:ｉ|ＬL｣|从ji:|::|i:
i:i:i:i:i|:|i:i:i:i:i|:|i:i:i:i:ｉ||i:i:i:i||i:i:i:i||i:i:i:||i:i:||i:i:ｉ||i:i:ｉ|i:i|i:ｉ:||i:||ｉ|lj:||j:||:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|: |i:i:i:i:i:i:i:i:i|i:i:i:ｉ|ＬL｣|爻爻从
i:i:i:i:i|:|ｉ:ｉjjjj|:|｣LL:||LL:||-- ||ー:||=ｉ||宀||冖|T|l｢:|l｢||{||i:||ｉ:||:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:_|i:i:i:ｉ:ｉ:ｉ:jjj|─┼‐「||爻爻爻
「「「i|:|「i:i:ｉ:|:|i:i:i:i:ｉ||i:i:i:i||i:i:i:i||i:i:i:||i:i:||i:i:ｉ||i:i:||i:i||i:i||i:||j||jＩＬ⊥ -┴=ﾆニ二三|-Ｔ丁{_」|=‐┴-ﾆﾆ=-　￣
i:i:i:i:i|:|i:i:i:i:i|:|i:i:i:i:ｉ||i:i:i:i||i:i:i:i||i:i:i:||ijjＩＬ ┴…=ﾆ二三三二ﾆ=-　丁￣{: :}:_:}_|┬厂]_Ｌ-二 _-¨
i:i:i:i:i|:|i:i:jjＩ｣｣L -┴…==ﾆ二三三三三二ﾆ=-　丁｢: i: : }: : :|: : :|: ノ:|丁: |_|⊥-三=-　￣
ﾆ二三三三三三三三二ﾆ=-T ￣: : }: : : }: : :}: : i: }ノ⌒{ヽ┴r'⌒}_┴二二- ￣
三三二ﾆ=- 丁￣: :|: : : { : : : |: : : : : {: : : {: : }─{￣{: : :| _｣-_ ‐二ﾆ- ￣
￣: :{: : : : :}: : {: : : : | : : :| : : : |／^7‐乂_:_{￣}: :_L=-_ -二二- ￣
::: : ::} : : : 〔: : } : : : :| : : :|: : ／7: : |: : : :|_⊥-_‐二二=- ￣
::: : :{ : : : : }／￣ア⌒ヽ￣＼ﾉ_ﾆ=-_ ‐三三ﾆ=-￣　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　.　.　.　.　.　.
: : : :}: : : ::ﾉ＿: :／: : ;_⊥-__ -=三三ﾆ=-￣:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:
.:>'´￣＼√_ ﾆ=-__ -=三三三ﾆ-￣　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:　:

私はお嬢様の座っていた側の扉を開ける
すると待ちきれないとばかりにお嬢様は飛び出してゆき、玄関先へと駆けていった

私も後を運転手に任せて、続く
.

623 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:05:04 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾍ
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 | ∧
　　　　　　　/ |　　　　　　　　---　　　_　　　|　∧
　　　　　　 /　|　,　　´　　　　_　　　　　　` 　 ';　 ∧
　　　　　　,'　／　　　　　　　　＼　　　　　　　V　 ∧
　　　　　 ,　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V　 ∧
　　 |＼ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼￣　----∧
　　 |　ヽ:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 }　___
　　＼　/　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　 l　　` ト- ／￣／
　＿＿〉{　　　 :|　 l　　l　　　　　　 |　 |　　　}　　　 V　　／
　＼　从　　　|　_l＿ l _　　　　 , lーl-.- 、/ 　　　/-＜￣　、　　「お母様！　ただいま戻りました！」
　　＞ -〉　　　|＼|＼ |ﾍ`　l　　// |/-|/| /　　　 /　　　　　／
　＼　　人　、人　_ -==ミVﾍ // ｧ≠=ミ/ 　／／ |Y^Y_ ／
　　　＼,,/| ＼＼从"　　　　　　　　　　/／/ｲ　}　||　|_|l
　　　　　| |　|_|ヽ|ヽ　　　　 '　　　　　　 |　　 |_ノ　　　　,
　　　　　|_|　　　 | 心　　　　　＿_　　　　|　　 |　　　 V 　'
　　　　　l　　　　 l　　ト　　　｀　´　　　ｲ　 ,;　　　　 V　 ,
　　　　 ,　　　　 /l　　|　　＞　　_　イ _ | 　 / V　　　　V
　　　　/　　　　/ l　　 --　V∧　　／/ l　 /　〉＼　　ヽ l
　　　 /　　　／￣/￣｜　　V∧／//／l　/ ／|　　＼　　＼
　　　/　　l 　　〈　　 |　　　V///／　 l / ´　 |　　　＼　　ヽ
　　 /　___ |　　　〉　　|　　　 V／　　／「￣￣　　　　　> 、＼
　　/ / V |　　　　| 　　|　　／　　／　　|　　　　　／＼ |　　＼

弾んだ声のまま、お嬢様は呼びかけた人物に抱きついていった

　　　　　　　　　　　x 　==============　ミ
　　　　　　　　　／ <i二}三三{二二二二>､　}
　　　　　　／ x====== ========== ﾐ　|/
.　　　　　　 ( 　( ＿＿__＿＿＿＿＿彡'_ノ′
　　　　　　　　　￢￢￢￢￢￢￢￢＿_
　　　　　　　　　ヘ　 . -‐=ﾆ7∧: : :＼
　　　　　　　　　／: : : :＼ : : : :///∧: : : :＼
　　　　　　　　 /: : : :, :イ⌒: :､/////∧ : : : : ＼
.　　　　　　 ′/ : i: : |:|: :_:_:_: ,ｘ‐─=Ⅵ: !: : :i: ヽ
　　　　　　　 /{: / : : |: :/:|´　　　　　　　 Ⅶ| : : ﾄ､: :.,
　　　　　 / Ⅳ: : : :|:/ |:Ｌ＿_　　　, -==|| | : : |: :}: :i!
　　　　　　ｲ //: : : : :|!イ|:｢￣｀　　　‐- || | : : |: :| : i!
. 　　　 / |:'/.: : : : :│　|:|　´　　　　 _」!_! : : ! ﾉ: : |!
　　　　 {　|{: : : : : : │　|:| x==ミ　　 ´¨Ⅶ : : |: : : /〉
　　　　 |　|ｉ: : : : : : 小　i:f´　　　　　　　 |! : : |: : //:!
.　　　　乂|ｉ: : : : : : : : Ⅵ:|　　　　　｀　　 |! : : |: //:|:|　　　　　　　　「おかえりなさい、きよひ～」
　　　　　　从: : : : : : : : :ⅵ 、　　 rｰ_ フ　|! : : |// / |
.　　　　　　＼: : : : : : : ∨: 〕ト，　_　, ｲ|!: : //イ⌒
　　　　　　　 ≧=-z __:_∨ 〈￣{　　}￣厶イ ′　　＿＿
.　　　　　　 /ﾆ{ニﾆ=‐─‐r‐{{　|　　|　 }}≧=rｰ=ﾆニニニ}〉
　　　　　　 /ﾆｺ!ニニニﾆﾆ!　乂__冂__乂　　 |ニニニニﾆ/_|
.　　　　　 {ニﾆ|ニニニﾆﾆ}　／ }i凵＼､　　│ニニニﾆ/ニ|
　　　　　　 Vニ乂ニﾆﾆ_／〃　// ∧　＼､　{_ニニﾆ /ﾆﾆ/
.　　　　　　 Vニニ>‐ｒ'　　{{　//'o{　iﾍ　 }}　└ ﾐ／ﾆﾆ/
　　　　　　　 Vニﾆ／　　　彳´ |o|　|i|　ｰ'′　　　＼ﾆﾆ{
　　　　　　　　　く_／　　　　 |i|　/Y { {i{　　　　　　　　',ニ〉
　　　　　　　〃　　　　　 {ｉ!/ /i! |　}ｉ}　　　　　　 ∨
　　　　　　　　 {{　　　　　 _/ / ∧∨/　　　　　　 i〉
　　　　　　　　 }|　　　　 -=/　/ /Y ﾍ丶　　　　　　 }{
.　　　　　　 /人　　r‐‐彡　　 / ∧　　　＼_　　　　　ｲ_|
　　　　　　〈ニニ≧{ニﾆ=-　彡'- 癶.　=ﾆニ｀Y>､彡ﾆﾆ!

奥方様―――龍田様はお嬢様の身体を受け止めて、優しくそう迎える
母の胸の中に顔をうずめた子の頭を、龍田様はやさしく、あやす様に撫でるのだった

その光景に、私は思わず口元を緩める
.

624 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:05:30 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　　　 .ｨ≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=- .
　　　　　　　　　　　　　　　{ﾆﾆﾆ=-　￣＿ﾆﾆﾆ＞､
　　　　　　　　　　　　　　，＜ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/
　　　　　　　　 /´::く::::ｨ≦::::-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
　　　　　　　　　　 /::::::::::::{:::::::::_::::::::::::::∨:ヽ::::::ヽ
　　　　　　　　　 .′:::::/ﾐ､ｨ≦=ミV:::::::::∨:::∨::∧
　　　　　　　　　 .′:::::′　　　　 ∨::::::::,::::::::V:::∧
　　　　　　　　　.′:::::′_ 　　 ―- ∨::::::|:::::::::}::::::::}
　　　　　　　　　|:::::::::{´　　　　　　　 V:::::|:::::::::|::::::::|
　　　　　　　　　|:::::::::|ｨ斧x　　　´だ:心:::::|:::::::::|::::::::| 　　　　「源ちゃんも、おかえり～
　　　　　　　　　|::::::::《　Ｖﾘ　　　乂:ソ》::::!:::::::::l::::::::|
　　　　　　　　　|::::::::圦　　′　　　　 }:::::|:::::::::|::::::::|.　　　　　　さぁ、外は寒いから中に入りましょう
　　　　　　　　　|::::::::{:込 . ｨｰ_.ｧ　　.从:八:::::八:::ﾘ
　　　　　　　 .八:::::人:::://:､　　 .ィ/::::/:::::::/:::::_/　　　　　　ほらきよひーも、ね？」
　　　　　　　　　 V{ヾ:://／｀千＞/::::/:::＞ｒ=≦
　　　　　　　　　/´ｨア_/ ＞-「〈　/::／´　　{
　　　　　　 /／／}／ : : ムY}＞: :´: ￣:.∧
　　　　　　　 /　 /　 }: : .ｨ≦}}ﾊ: : /: : : : : : ｀ヽ
　　　　　　 ./　　{＞／／//ﾉﾉ､:/: : : : : : : : : :',
　　　　　　 { ／´　./／{{.//イ　《{: : : : : : : : : : ∧
　　　　　 .／　　　/　　ゞｲ　　　 V: : : : : : : : : : : {
　　　　 ′ 　､/ 　　 {」　　　 .}: : : : : : : : : : : :'.
　　　　　 {　､ -.′_　　　　　　.从: :/ : : : : : : : ∧
　　　　人. -={￣　　　　　　　 / : ∨ /.: : : : : :/ ∧
　　　　　　ヽ八　　　　　　　イ : : : ∨:/ : : : : : :/ :∧
　　　　　　　　 Y≧=--=≦: : :{: : : : : :∨: : : : : : : :/: :{

奥方様はお嬢様の身体をそっと離しながら、私に声をかけて下さった
そしてお嬢様の手を引きながら家の中に入っていく

　 /.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:______.:.:.:.:.:.:.:|
　|.:.:.:.::.:.:／"""'''''''''''''''""""￣　　ヽ.:.:.:.:.:|
　|.:.:.::.;:/　　　　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.|
　|.:.:.:.:::|__　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:|___
_-|.:.:.:.:／　　　　　　　　　　　　　__　＼.:.:/　￣
　 |.:.:.:| ''"""＝==;;　　　　;;==＝""'''　 |.:.:〆
...l"''| .| -<''''{ u}'';,."'',,、 .,,;;''l"{ u}｀'>´　|/ソ|　　　　　「はい、参りましょう」
.丶(ヽ.|　.:.:￣￣　　"'|.:.:''.:.:.:.:￣￣　　/　/
　＼(ヾ　.:　　　　　　|.:.:.:.::.:.:.:　　　　　///
.　/丶｀'、　　　　　　.:'　　　　　　　　/,;'/丶
　|　｀-丶　　　　　'丶　-　　　　　　/-''　 |
　　　　　＼　　　　＿　_　＿　　　／
　　　　　　 |＼　　　　--　　　／ |
　　　　　 ,-|　　＼.　　　　　／　　|-.
　　　　　ﾉ、ヽ　　　`'---''"　　　//丶

私は奥方様の仰るとおり、お二人の後を静かに追った
.

625 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:05:55 ID:b52632da

玄関をくぐり、私たちは邸宅の居間へと向かった
居間の中には先んじて一人が居て、室内には軽く煙草の香りと煙がたゆたっている

. 　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'＜ﾆﾆﾆﾆﾆ＞''"　　　　　　　　　　　　　　-‐ ＼　　　＿
.　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　○ 　○ 　　≧=≦　　　　　　　　　　　__　-=　￣　　　　￣￣
　◯ 　　 |　　　　　　　　　　　　　　○ 　○ 　　　　　　　　　　　__　-=ﾆ二二二二ﾆ:|
＿　　　　 |─-　　__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_　-=ﾆ二二二二ﾆ=-=≦:: : |
　|￣￣￣　　　　　　￣　　=-　　　..,,＿　　　　_,.　-=ﾆ二二二ﾆ=-　'' 　 |:|::::::::::::::: :: |
　|爻爻爻x　　　　　　　　　　　　　　　　￣二ｌ二ﾆ=-　''　"　　　　　　　　|:|::□ ﾛ: rｭ:|
｀Y爻爻爻爻x.....,,,,,,＿　　　　　　　　　　 |i:i:i:i:|　　　　 , -──-　.,　　 |:|::□ ﾛ: rｭ:|
　ﾐﾊ爻爻爻爻 : : : : : ::::|￣ ||￣￣¨¨|　 TTi:i:i:ｉ|　　　　 Y⌒Y⌒Y⌒Y 　 |:|::□ ﾛ: rｭ:|
　ｿ爻爻爻爻ぅ:::: : : : : ::| 　 || 　　　 | : ::| |i:i:i:i:|　　　　人__人__人__人　 |:|::□ ﾛ: rｭ:|
__乂爻爻爻ｿﾘ::: : : : : ::::| 　 || 　　　 | : ::| |i:i:i:i:|　　　　　　　　　　　　　　|:|::□ ﾛ: rｭ:|
'''l|i:|彡{i:{爻ソ : : : : : : : :| 　 || 　　　 | : ::| |i:i:i:i:廴....,,,,,＿　　　　　　　　　|:|::□ ﾛ: rｭ:|
:::l|i:|从}i:}メ'＾ : : : : : : : :::| 　 || 　　　 | : ::|‐‐ァ{　/￣７ーr/＾ヽ＿　　　 |:|::□ ﾛ: rｭ:|
:::l|i:|弋ﾆﾆﾌ＿　「|　「|_,,|　_ || 　　　 |＿,||／＿ゝ＿/　r＜＞''"￣|　　　:|:|::□ ﾛ: rｭ:|　 __
:::l|i:| {　　　}YYf⌒Y´ ｀YY__ヽ__,.二ﾆ=ミ　||トミs｡., 　￣|　:|:::::::::::::: |　　　:|:|::□ ﾛ: rｭ:|／i:i|i,　　　　　＿＿
/ｌ|i:| ',　　Y´　｀Y_ﾌ─(__)|＼::＼　　｀ヽ≧s｡;';';';';｀　ーＬ_,|,.｡s≦「:|≧s｡.,|:|:::::::::::::::: : |ﾏi:i:i:|i,　　　／:_:_:_
:::l|i:|¨ゝ‐‐ゝ--イ-=ﾆ''¨￣|::::::＼_＼-''"_}__}:::|;';';';';';';';';';';';'|_|s｡: : : :┘:　　　　⌒＞＜i:i:ﾑﾏi:i:|i　／::::/＿
/ｌ|l|l　　　　　 |i;';';';';';';';';';';';'＼　 |:::::|ﾆﾌﾌノ _」;';';';';';';';';';';';';';';';';'＞　　　　　　　〈-〈i:i:i:i:i:ﾑﾏi:／::::::, ---
i:il|l　　　　　　 |i;';';';';';';';';';';';';';'＼|_,.｡o≦⌒;';';';';';';';';';';';';';';'＞''"　　　　　　　　　 Vﾑi:i:i:i:i:У:::::::::く乂＿
l|l　　　　　　　 |i;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';'＞''"　　　　　　　　　　　　　　Vﾑi:i:／::::::::／　≧s｡.,
|　　　　　　　　 |i;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';'＞''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　Vア::::::::::::::｀`丶､
. 　　　　　　　　|i,;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';'＞''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　У::::::::::::::::::::::::::::::｀`''
　　　　　　　　　ﾞi,;';';';';';';';';';';';';';'＞''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |｀`丶､::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　ﾞi,;';';';';';';'＞''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀'rs｡:::｀ヽ､::::::::::::::::::::

ソファに浅く腰掛けていた人物は、開いた扉に気づき、こちらに目を向けた

:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;/´　　 ¨　''‐---!
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　　　　　　 .,
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;:/
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　_,,,,,,、　　　:　　∨
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　`ｰ‐‐≪ｘ-、 }|!　 !　　　　　　, .: : : : : : : : .
:;:＞=、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,'　　　　: : :: :斗;ｧﾐ:;:;:;:;:〈ｒ=,'　　　　　　: : :
;:;! 7/　　ｒ‐:;:;:;:;:;:;!　　　　　: : -=`¨´:;:;:: 　:∨　　　　　　: : :.　　　　　　　　「おう…戻ったか」
:;:',.{.{　ｲ {!:;:;:;:;:;:;:;!　　　　　　: : :　　　:;　　　∨　　　　　: : :
:;:;ヽヽ‐、{ヽ:;:;:;:;:;:!　　　　　　: : :　　　:;　　　 ::∨　　　　: ::
:;:;:;:;∧　　　Ｙ:;:;:;:|　　　　　　: : : : :　　; z-ｧ　..ﾉ　　　　: : :
:;:;:;:;:;:;ヽ==イ∨:;:;i!　　　　　　　: : :　　乂￣　ヽ　　　: : :
:;:;:;:;:;:/,　　　　!:;:;::!　　　　　、-‐‐丐‐ ´　　　 .ノ-―==＝ｧ
ｒ---:;:!　　: :　　⌒　　　／　　_彡 ′　　　 .∠ア-.弋¨¨ ´
.,.,.,＼ﾉ　　 ; :　　　　／㌢　´　　　　　　／イ　　　ﾉ
.,.,.,.,.,.,＼　　　　　／　　　　　　　　　　　/　　　　／
.,.,.,.,.,.,.,.,.,ヽ　　／　　　　　　　　　　　　　　　 .／ .ヽ
　ヽ.,.,.,.,.,.,.,.,_‐　　　　　　　　　　　　　　　　乂　　　/.,.、
　　ヽ.,.,.,_-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ.,.,.,.,＼
　　　　_‐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／　,}.,.,.,.,.,.,.＼

桐生一馬

お嬢様の父親であり、東条会会長である親方様はそう声をかけると
煙草をもみ消して、私たち三人を居間へ迎えた
.

626 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:06:21 ID:b52632da

　　　　　　　　　 /|　　　 '"´￣　￣~"'' 　　ｉヽ
.　　　　　　　　 / :レ'´　　　　　　　　　　　　ヽ| 　 ,
　　　　　　　　　 {／　　　　　　　　　　　　　　 |　　',
　　　　　 {ヽ,:´　　　　　　　､　　　　　弋ｰ- ､ ',
　　　　　弋ﾞ~∨　　　:i j　 /　　　 :i　　　　　 i　＼　　 ',
　　　　　　｀';′　　 j {　 !　　　　　|　 j ,ﾊ　　!　　 `ﾄ　｀フ
　　　　　　／| 　　　{灯`∧ 　　 :i,ﾊフlﾌ T　.;　　　厶＜
　　　　　　＼:、　　　y犾ぇ＼　　ﾉｯ犾¨㍉ｲ　　 /｀ヽ／.　　　　「お父様！　ただいま戻りました」
　　　　　　　 {}＼{ 　 { {:......:} 　｀゛　 {:............:}V　 .,:ﾞ　　{}
　　　　　　　 l＼:ﾘ弋..ツ　　　　ﾟ､:.__.:ツ厶イ　　　|
.　　　　　　　　 |! 圦""　　　　　　　　　 ""ｲ　l　　　 !
.　　　　　　　 |l 　 {＞ .,_/^ア‐'　_,.　＜:/　/
　　　　　　　八　 j　　/=∧▽ /　 ∨ / ,.:ﾞ　　　 ',
.　　　　　　　 /　＼{　r'-f′У/ 　 i　Vイ　　　　　　 ,
　　　　　　　 ′　　　/辷'!iミ竺竺彡{ 　V 　　　　　 ',
　　　　　　　 .′;　　八 l :ﾘ}`T冖'''Tﾞ~i 　 ', 　 i　　　　　 ,
　　　　　　 i　i{　　ｉ　| ∨{,ｲ| 　 ./ﾄ､:ト､　',　 !　i　　 }　:i

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿ , 彡三l
　　　　　　　　　く川三三三≡ヽ彡ｼ
　　　　　 ,　- 彡=≡ 三彡彡彡｀ <　　　　　
　　　 ,　' 彡彡彡彡彡彡彡彡彡ｼｼl 　 , '⌒
　　／ﾉﾉl〈〈从川シシ彡彡彡彡シシl_ノ　　　
,'｀〈ミﾐﾐﾐl|l|//彡 '´:::）:::::｀彡彡シｼｼｿﾄ､　　　
　ﾐミﾞﾞﾞlﾞﾞ"　　　　 / :::::::::=彡彡彡ｼ_ｼl ヽ､_　
　/:ﾐ　ヽ、　　　　l　::::::::::::::::::::::彡/r.ヽ| 　　　　　　　「親方様、ただいま戻りました」
　!　l　　　｀　　　　!._ｚ‐'´;::::::::::::::〉/i :　}| 　　
　　ヽ....__　　、..,zｨて刀´::::／::!! ）ｿ/ﾉ
　　 ∧fてﾊ.､　:::::｀ゝ' ´:::::::/:::::::::::／,ｲﾄ､　　
　　 l　ヽ‐ '´:l　::::..　　　 ::::::::::::::::::y'´:::F 、　
　　　l 　 '、　 } ::::: ::　　　:::::::::::::::::l::::::::∧ !
　　　｀　　＼ゝ-:'´　　　 ::::::::::::;:::::::::/:::ヽ
　　　　　　　＼ ←-..→　 ::::::／::　 ::!:::::::ヽ
　　　　　　　　＼｀´　　 .:／　::　　:::::::::::::＼-､
　　　　　　　　　　ゝ-- イ::　　:　　::::::::::::::／　＼
　　　　　　　　　　　　　 l　　 : 　 .:::::::／　　　　　＼
　　　　　　　　　,　 - ／/|::　 :　　.:／　　　　　　／　￣￣｀ー
　　　　　　　　／　／ /　! :　::　／　　　　　／

:;:;;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,'
　:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/´　　‐-{
. :;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;::/　　　　　 '
. :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;/
. ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; '　　　　　　　　∨
　!:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:　-- 、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:´　　. : :-＝‐ ﾐxｧﾉ,'
　ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/ rノヽ ⌒ｰ:;:;:;:;:;:　　　: : :　:弋.ｻ;:; :〔　　　　　　　　　「おう…姫、源の字
　　 7;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:! f| r.ノ/ }ノ:;:;:;:;:;:　　　 : : : : ｀ｬ.′:;:;:.∨
　　 .!:;:;:;:;:;:;:;:;:;∧　ヽ{ | ヽ:;:;:;:;:;:;:　　　　: : : :　　　:;:;:;:;: ∨　　　　　　　…楽しんできたか？」
　　 .}/|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!ヽ　ﾆ　 ',:;:;:;:;:;:　　　　: : : ::　　 .,': .　 : ∨
　　　从:;:;:;:;:;:;:;:;乂ヽ __ ノ',:;:;:;:;:　　　　: : : :　　　ヽ ⌒.イ
　　　　　',:;:;:;:rイ　　　　　　!:;:;:;:　　　　　: : :　　　　　.t
　　　　ｒ‐ヽ:;/　　　　　::.　　 ⌒´　　　　　: :　　　_ｭｚｨ′
　　＿|.,.⌒ヽ、　　　 :::::＞　　. . . : : : :　: ::　　 ´ `.ｨ
／ {　 |.,.,.,.,.,.,.,.,ヽ、　　　 ;:::..　＞　　 .　 .::.　　　　　!
　　　ヽ,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,'.,　　　　　:::::　　 .＞　　　　　　./.,.,、
　　　　＼.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,..,　　　　　　　　　　イ.＞　イ,.,.,.,.,.,.,.,.、
　　　　　　ヽ.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.　　　　　: : : :　.{.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,、
　　　　　　　ヽ.,.,.,.,.,.,.,.,.,

　　　　　　　　　　　　 -=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ=-　.
　　　　　　　　　 .ｨ＜ﾆ=-　　￣￣￣　　＜ﾆﾆﾊ
　　　　　　　　　 {ﾆY　　　　　　　＿　　》ヽﾘ
　　　　　　　　　　　V{ﾆ＞‐ｧ.≦:::7:´::::::::::::::::::＜／
　　　　　　　　　　　｀>::ｨ≠ﾐ､:::{::ｨﾍ＞..､::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　　，:::/::::/ミ､V/::::∧:::::::＼:::::::::::∧
　　　　　　　　　　 /::::/::::{:{=ミ:､:}≠-‐∨::/:::ヽ:::::/::∧
　　　　　　　　 /::::/:::::::l:|´￣　　　　 ∨::/:::∧::::/::∧
　　　　　　　　　　′:′::::ﾊ{　　　　　　 ∨::/:::∧::::/:::::
　　　　　　　　 |:::::|::::::::{　ヽ_　　　-―-.∨:/::::∧::::::::::,
　　　　　　　　 |:::::|::::::::|´　.} 　　　＿xzVｧ::/::::}:::::::::::　　　　　　「そんなの、きよひーの顔を見れば
　　　　　　　　 |:::::|::::::ィrｚ≠､　　　 ´衍:しﾘY::::::::|::::::::::|
　　　　　　　　 |:::::|::::::::{ Vしﾘ　　　　 .ゞ= '　}:::::::::!::::::::::!. 　　　　わかるでしょう、桐生ちゃんったら
　　　　　　　　 |:::::|:::::从　　　　 ,　　　　　 |::::::::从:::}::|
　　　　　　　　　八::八::::::∧､　ｒ.､ _ 　,　　　人::::/:::::/}:八
　　　　　　　　　　 ∨::{∨:::{个ﾊﾘ　　　　. イ::::/:::/:::::/ /　　　　　　さ、皆でゆっくりしましょうね～」
　　　　　　　　　 V人{::人l/::/个　＜__彡ｲ:::/:::／ /
　　　　　　　　　　__ ＿＿. r/::/} __｀Y´　　 }}イ＜ _＿ _
　　　　　　　　〃´: ｀ヽ: : //{:二二7 {　　　ﾘ　{: :/ : : :ｨ=:ミ､
　　　　　　　　′: : : : :}:.//::::---く}.水==≦　 ∨ : /: : : : : : Y
　　　　　　　 /: : : : : :／/:::::::::f:Tｲ/{{ﾊ　　　　 V:/: : : : : : : :}
　　　　　　 ./: : : : ／rV:::::::::::ﾉ///o|{ }}　　　／´V: : : : : : : /
　　　　　　/}: : : :/r./ ｀ヽ:::イY:::/o .|| ||　　´　　 } : : : : : : ′
　　　　　./: : : :.／＼　　｀７《/　/ ||ノ　　　　 |: : : : : /
　　　　 /: : :.／ : : : : ｀＜ムY{o {　　　　　　　八: : : /
　　　./ : ／: : : : : : : : : : : :/｀|　.{　　　　　　　 /: : : : :/
.

627 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:06:48 ID:b52632da

奥方様は、居間に用意していた飲み物を皆に振舞う
私も一献を勧められ、ありがたく頂戴した

　　　　　　　　　　　　　ノ|
　　　　　　　　　　　＿＿ / ./　　　　／'
　　　　　　　＞. ´. . . . ／　/. ｀ヽ _　- ´ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　´. . . . . . .／　／. . . . . ＼__／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.≧s｡.
　　　 V. . . ＿＿／__／_____. . . . . . .｀ヽ＿＿　　　　　　　　　　　　　　　 ∨:.:ｨｒ――‐- ミ:.:.:丶、
　　　 ∨. . . {　　　　　　　 _ノ. . . . . ヽ. . . | _ノ　　　　　　　　　　　　　　　　＞: :¨￣￣¨: : ､丶、∧
　　　V. . . .|￣　ー---=≦. . . . .. . . ..|. . . ∨　　　　　　　　　　　　　　　　／ ∧: : : : : : : : : : }i ﾉ〉:.:.〉
　　　 |. 「￣＼　　./. . __./,---/ . . . / . . . .|　　　　　　　　　　　　　　／: : /:.:ﾑ: : :＼ : : : : : ∧‐ ′
　　　 |. .＼ ___/ Y. . . . ./.／ノヽ|. . /|‐-. . ..!　　　　　　　　　　　　　 /￣:.ア´　 ∨､_: : :､: :∨: ∧
　　　 .! . . { { 〈ん} . . . /r=笊　./. .ｨr、. . ./ |　　　　　　　　　　　　　　 /:.:.:.: ′　　　∨＼ : ∨ ∨: ∧
　　　 |. . . . . ..ヽ/＼ .|　ｖr′.|／vﾉ }/ /./|　　　　　　　　　　　 /:.:.:.:.∧ ⌒　　丶ィ竓}: : :′ ∧
　　　　| . . . . . . .|. . ..｀|.:.:.　　　　 '.:/. }ノ|/.ﾉ　　　　　　　　　　　　　　　/:.:.:.:.:.:.:.: ｨ竓ミ、　＾弋り}: : :}ﾉ: :∧
　　　　| . . . . . . .}... . . |　　r　、　/. . |　　　　　　　　　　　　　　　　　./:./:.:|:.:.|:.:.:}is乂ｿ , 　　　 }: : :}: : :}i:{
　　　　|. . . . ___ノ|ヽ. . ト　｀　　イ |. ./　　　　　　　　　　　　　 /:./i:.: |:.::∨:}/ 〉、　 r　ﾌ ∠}: : }⌒ヽ{
　　　　| . . /::::::ヽ＼',.∧ 「. . . . .／| /ヽ　　　　　　　　　　　　 }/.八: |:.:.:.:.:〈: : : :〕iｰｒ‐ ｒf「　,}: :/ニニ｝
　　　　| . /::::::::::::::::::::ヽ∧=r＼___ノ'::::------- 、　　　　　　　　　　＼:.:＼ﾊ : : : : ∧._∨／jイニニﾆ｝
　　　　| /:::::::::::::::::::::::::::＼／::::::::::｀ヽ、_::::::::::::::::::∨　　　　　　　　　　　　　　｀ーi}: : :／ア弌㍉　i{ニニニ｝
　　　 .j!.|:::::::::::::::::::::::::::::}!::::::::::::::::::::::: ＼＼:::::::::::::∨　　　　　　　　　　　　　ｆ二｢二ｱイ／∧}! ,> i{ニニﾆ{
　　　 j!∧:::::::::::::::::::::::::::}!:::::::::::::::::::::::::::: }　 }:::::::::::::::}　　　　　　　　　　　　ｒ―／／ //　}ﾚ　 ‘ニニﾆ}
　　　.j!. . }、:::::::::::::::::::::::}::＼ :::::::::::::::::::: }　/:/ヽ___/　　　　　　　　　　　　　　 }ﾆ{　./　 .ｉ {　/　　　 .} ニニ}
　　　j!. . .ヽ:::::::::::::::::::::::{!:::::::｀::::::::::__:>---≦}__}___〉　　　　　　　　　　　　　　 }圦　}!　 :| {. i{　　 ,ノニニﾆ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }ニ＞r‐ｒ ⌒≧-＜ニニニ,/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /￣: :{｜ |ニニニニニ=-　´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丶、:∧　‘ニニﾆ=- ´ﾆ＼

会話の中心はお嬢様と奥方様だった
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・
龍人である奥方様は、東条会の金融・不動産関係のしのぎを一手に引き受けており
普段はこの自宅に帰らないことが多い

同じ亜人であり、母である奥方様は、お嬢様にとって最も気を許せる存在なのだろう

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,.:':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｊ:;:;:;:;:;/´　　　‐----- 、:;:;:;:;i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:;:;:;:,'　　　　　　　　　　.':;:;:;:;ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!;:;:,' ≧s、　 } ::　　_ｭｭｘ!:;:;:〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }!:;　.弋.ﾃﾒ}ﾉ :;:;＞- ﾐ :i!:;:;{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .}:;|　ﾞ''‐　 ::　!:;: ¨¨´ ;i;!:;/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}:;|　　　 :　　!:;:　　 ;i;i':/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ .ﾑ!　　　 '' ｰ .′　;i/´
　　　　　　　　　　　　　　　 ..＞　 |　　ム　ｰ-　　　,　./
　　　　　　　　　　　　 .＞　　　　 .|　　　.∧　　　¨　 :i.ｲ∧_
　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　∧　____ .ｲ　ｌ ..∧ヽ
　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　 ',　　　 .∧　 ;:;　::::,'　 .∧　ヽ
　　　　 γ　冖　ヽ　　　　　　　　　　',　　　 ..∧ :;:　:;:;',　　 .∧　 ,，
　　　　/　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　 .∧　　　.!　　　.∧　.|
　　　./　　　　　　　　∨　　　　　　　　i!　　　　 .!|　　 ;|　　　　∧ |

親方様もそれを知ってか、会話には相槌を打つ程度だった
私と同じように、酒の器を静かに傾けている
.

628 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:07:14 ID:b52632da

この光景に、私は分不相応な幸福を感じている
与えて頂いたものとはいえ、こうして ”家族” という輪の中で労って頂くことに

　　　　　　　|　　　 ,,-''"//彡彡彡彡彡彡ヽ、/　　
　　　　 /　　',__,,-"ﾐﾐl| l| //彡彡彡彡彡彡彡、　　
　　　　 ',　　／ミﾐﾐﾐﾐﾐﾐl|/''"　　/　　　彡彡彡'.　
　　　　　＼/ミミﾐﾐ''ﾞﾞ　　　　　 /　　　　彡彡彡',---､　　　　　
　　　　　　lミﾐﾞﾞ　ヽ、　　　　　 |　　_,,,==-　ﾐﾐﾐﾐ:',_________,---　
　　　,--- |彡　　　｀ --- 　､_,,=='_,,,--､,　　',ミミl_____　　　　　
　　 /　　　l彡'. 　　__,,,,　　　:::::::/´匕ﾉ　"　　　彡/-、＼　　
　　　　　　 '彡.,=＝_,,,-､ﾞヽ　::::::::'‐'':::::　　　　　 ', l´ヽl　　
　　　　　　 ',:|　/´匕丿'::::|　　::::　　　　　　　　/;;ヽ| /　　
　　　　　　/ .',:: ﾞ‐‐'"　　　l､_/:::::　　　　　　　./　> l |____　
　　　　　.（　　 ',　　　　　　l_ヽ　 '　　　　　　 /　 |丿 l　　
　　　　　　　　〉､',　　　　　　ﾞ-　　　　　　　/　　l-''"----'　　
　　　　　　　./　ヽヽ　　　　　,-´￣￣`　　　　　/',::|＼　　　　　
　　　　　　　|　　ヽ ',　　　　ﾞ　::::::::::::::　　　　 /　 ',|　＼____,　
　　　　　　　|　　　　`ヽ　　　　　　　　　　　／　　　|ヽ___,
　　　　　　　＼　　　　｀ヽ､_　　　,,,,:::::::::／　　　　　',-、
　　　　　　　　　　　　　　 /　',｀ ‐‐‐　　　　　　　　//　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 ./　　',　　　　　　　　　　 //　　　　｀ﾞヽ、
　　　　　　　　　　　　　（　　___',　　　｀ﾞ'''　　　　.//　　　　　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　∧ヽ　　　　　:::::::　 //　　　　　　　　　　ヽ_____
　　　　　　　　　　　　　　　/　', ＼　　　　　　 //　　　　　　　　　　　　　　￣￣

私のような孤児を迎えいれて下さった親方様と奥方様
私のような者を頼りにし、笑いかけてくださるお嬢様
私のような危険な亜人を導いてくださった先生

　　　　　　　／彳彡へ＼ヽ丶ヽ＼＼＼＼ヽヽ｀ヽ、
＼､__　,.∠/∠三Ξ≧-=＝‐┴┴┴┴┴--｀､_i Yヽ、
<ヽ／∠彡=ヲ''´　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ/_ト、
r､>','Ξテ''´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽlヽ
ﾐ'r=／...::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
Ξ／:::　..::::　　　　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　　　　　 i
/;;::'' ,.::::: '　　　_,,...::::::‐‐::::￣　　　　　￣｀　‐- .､　　　　　　 l
'',..::::::::''　_,ィ'"彡:::::::::::､､ミﾐヾヾ､､,,.. ,,,,,　　　　　｀ー--､　　.i
:::::'' ,／三 lΞシ:::::::::::::::::..　 ⌒｀｀ﾞヾヾY'′　　　　　　,,.._｀ヽ l
::;／ミ三三l 彡:::::::::::::_,,ィ-ｧ-t-､､::::::::::::...　　　　　.,〃アツｨl､
ミミ三三ハｼ:::::::::::::::´ヽ､__毛ｭiﾉ.`{ 　　.: :::.　　／,..＿_　　ﾊ
r‐-ミΞ/Ξキ::::::::::::::...　　　￣｀"´.,,,;;;;::::　:::.　 l ｨ' 仆ﾊヾ_,'　ヽ、＿
/^>､_メ､ヽﾐ　｀ー-‐::::.:.　　　　　　::;;;;;:::'　 :::　 :l!::.｀"'≠┘!、　　　　｀
/　,ﾉ'､ヾミヽ、:::::::::::::::.:..　　　　　　 :::::　...::::　　'､ ::.:　　　 l､ヽ、
{　(_ノ,ｨ, '､ﾐ:::::｀ヽ、:::::::.:...　　　　　　 :.;:.;r:..;;..　　ヽ　　　　l ヽ､｀ー-､
ヽ　r' ﾉ　ｷﾐ::::::::::::::ヽ::::.:.:...　　　　　..:.:.i:::::_,.ｨ::.:.,ｨ/　　　　 ,'　　＼　　i
ヽヽ丶弋､ヾ､;;;::::::::::::::::.:.:.:.　　　　　　＾｀:::::'_,r' ﾝ　　　　　,'_, -‐ ´
ミヽヽ-､Y_ミ:::::::::::::::::.:.:.:.:.:　　　　　　　　 :::.:.　　　　　　 /
ヾミヽ､_二,,}ミ:::::::::::::::.:.:.:.:.　　　　　 _,／^ ーュ　　　　 /
-ヾヾミ ~:;;;;;::::::::::::::.:.:...　　　　　　 '^､´￣￣＾テ　　 /
　　ﾐミ､:::::::::'､::::::::::::::.:.:.　　　　　　　,｀´⌒ '' ´　　　/ ヽ、
ーx´iﾐ,'::::::::::::'､:::::::.:.:.:.:.:...　　　　　　　-三-　　　 , '　　 l
ー' ヽl:!:::::::::::::::｀ヽ､:::::::::.:.:..　　　　　　　　　　　 ./ 　　 ,'
　　　,':::::::::::::.:.:.:.::｀:::｀ー=-:::::.:......　　　　　　　 /
　 .「二二ニ__.ヽ､...　:::::::.:.' -::::::::::::::::.:.......　,,／
　 }三三三三三ヽヽ、:::::::.:.:.:.:..:..:..:..:..:;;;r'"
　/三三三三三三｀ヽ｀ヽ:::::　　　 ..::: l
￣"'ー-､三三三三三Ξ＼＼　　;;::::: ト、
三三三三｀ ‐ -､三三三三＼＼　;;　トヽ＼

積み重なるのは、返そうとしても返しきれぬ恩義
それに報いるためならば、私は死さえも厭わぬだろう

忌み嫌った虎人としての力も、そのためにならば振るうことに躊躇いは無い
.

629 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:07:42 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　 . -=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-　.
　　　　　　 /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ》
　　　　　　　　＼ﾆ=- ＞::::´:::i::::::::::::｀:::＜_ヽ／
　　　　　　　 >::´__::::::::ミ{::::::＞イ::ヽ::＼
　　　　　　　 .／:::::::Y:≧=-v≦=ミ:从::::',::::::Y
　　　　　　 |::::::::|::::|´　　　　　　 .′::::::}::::::|
　　　　　　 |::::::::|::::|　-‐　　　 ‐ {ト{､::::|::::::::,
　　　　　　 |:::::斗:´!　　　　　　ｨlzx､|:ヽ:::::::::
　　　　　　 |:::::{:{::::x斧ﾐ　　　杙iﾊ》:|:::}::::::|
　　　　　　 |{::::|:|:《 Viソ　　　 {{｀¨V::l:::|》::::}　　　　　「あら、源ちゃんのお猪口が空ね
　　　　　　 ||::::|:|:ﾘ.　　　 ′　ヾ:､ l}::|:::|::乂!
　　　　　　 ||::::|::∧　　､-‐ : :ｱ　＼八:八:::|＼.　　　　　きよひー、注いであげて」
　　　　　　 ||::::V::込､. 　ヽ : ノ　　ｲ::::/::::/}ﾘ　）
　　　　　　　八:::::∨::{:::＞ .r､ _ 。く=ｧ:/::::/::/
　　　　　　　　ヾ{､:人´　　}　VY/　　l{/⌒ヽ/
　　　　　　　＿＿二r､ﾉ|　 Vﾊ　　ﾄ､ｰ=ﾆ.＿
　　　　　　　／: : : : : : ／⌒ヽ }::::}､_ノ　 V: : : : : :｀ヽ
　　　　　　.′: : : : : ./　　／|＜::_::::}、　ヽ: : :}: : : :ﾊ
　　　　　　 |ヽ: : : : ::/　　 / 　 |:::::::---}ヽ　 ∨:|: : :/: }
　　　　　　 |: : 》､: :/　　《__.／|:::::::r-ノ　》｀ヽ}:／ : :′
　　　　　　 ∨:ﾊ／　　　7/　 j::::::::::ﾉ=≦　　　 V : : ′
　　　　　 V/　　　　 //　.ｨゞ=≦7　V}　　　　V: /
　　　　　　　/:′ 　　 .{/ 　 |　V　 l{　 }」　　　 }:/
　　　　　　《: {　　　　　　　八/ 　ﾘ　　　　　　八

奥方様の言葉で、私は自らの思考の内から出る
無意識に猪口の中身を飲み干していたようだ

　　　　　　　　　　　　　　　|ヽ　　　　　　＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　| ﾊＹ　＞''て　　　　|＼｀''＜　＞''7
　　　　　　　　　　　　　　　|/ |>'´: : : ≧: : : : : |　＼: : ,ｲ　/
　　　　　　　　　　　　　 r'~　/: : : / : : : : : : : : :'，　＼.　 /
　　　　　　　　　　　　　 | ,ィ^: : : ,' : : : : : : : : : : ﾍ　　　ヽ |∨__
　　　　　　　　　ヽ￣,' : : : : ,' : : : : : : : : : : : : :｀ヽ　/´　／
　　　　　　　　　　　　　>l : : : : :ｌ : : : : : :＿__: : : : : : : |/　／===ﾐ
　　　　　　　　　　　ﾍ |: : ＞'"￣ : : : : : : : ｀''＜ : : | ／　　　//　　　　　　「わかりました
　　　　　　　　　　　 |: : : : : : ', : : : : : : : : : : : : : :/:.ﾄ<⌒ヽ_/　
　　　　　　　　　　　　　ハ､ﾄ､ヽ､ : : : :,ｲ:/ｨ:／|ｲ:ｲ/: :|.i ｢| :｢|l.　　　　　　どうぞ、源之助」
　　　　　　　　　　 ,: : |ヘ',.ﾐ==ﾍ／/' ｨ==‐'' | : : : | /|」 :|」l　　
　　　　　　　　　　 7: : |: : :ﾊ　　 ,　　　　　　|: : : :l: : : : : : :l
　　　　　　　　　　 7 : : |: : :|∧　　＿＿　　ｌ : : :ﾊ: : : : : : :',
　　　　　　　　　 /: : : :|: : :|//ﾐh､　ﾏ:_:ノ　 , l : : ﾊ ∧: : : : : ∨ /
　　　　　　　　　　　/: : : : :|i : :|//⌒⌒ヽ､ .＜. l: : :/　／乂 : : : : ∨ /
　　　　　　　　 /: : : : : :|l : :|7 /ﾆﾆﾆ7/　　从:/／　　／｀''＜:.∨ /
　　　　　　　 ,ｲ: : : : : : 从八 /ﾆﾆﾆ7∧ﾍ／},ｲ´　　／　　　　__､:＼
　　　　　　 , イ: : : : : : : : : :/ 7/ﾆﾆﾆ7/　／／　　／　　　／　ヽ!: :＼
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　＞''´ : : : : : :／ : : : : : : |. 7/ﾆﾆｱｲ. ／　　／　　 i |.／　　　　　|! : : : : : :ヽ

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...l"''| .| -<''''{ u}'';,."'',,、 .,,;;''l"{ u}｀'>´　|/ソ|
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630 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:08:09 ID:b52632da

　　　　　　　　　 ';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.,
　　　　　　　　　 .':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;::.,
　　　　　　　　　 ':;:;:;:;:;:;:;:;r 、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!
　　　　　　　　 ':;:;:;:;:;:;:/　　　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:;:;|
　　　　　　　　 ,':;:;:;:;:;:/　　　　　　　　　　　　　 ',:;:;:;:;:;:;!
　　　　　　　　 .!:;:;;:;:;:'　　　　　　 :　　:　　　　　 .',:;:;:;:;:;!.　　　　「そういえば…今日はいつものとこで
　　　　　　　　 !:;:;:;:;'　ｒ≦ｘ、_　 } |　/ _ z≦ﾐ　 ':;:;:;:;:|
　　　　　　　　 | ヽ:;　　弋示ｧ::;:;　　 :;:ｨtｯ　ｧ　　.!:;:;r{.　　　　　ライブがあったんだってな
　　　　　　　　 .}　ヽ　　 `　　 ´　:　　｀　　　　　 |:;:,' |
　　　　　　　　　 !　 ::　　　　　 ::　　　 ::　　　　　 ':;:, .'　　　　　　どうだった、姫？」
　　　　　　　　　 !　:::　　　　　ｒ　　　｀　　　　　 ':;://
　　　　　　　　　　 ¨`::　　　　　⌒ｰ⌒′　　　　':;:!-
　　　　　　　　　　 ____|　　　　　　=　、　　　　 '!,'
　　　　　　　　 .／.,.,.∧　　　-ﾆﾆﾆﾆ ‐::　　 ./,.,.,.,.ヽ,
　　　　　　　　 /.,.,.,.,.,.,!∧　　　｀冖 ´　　　 ./ :,|,.,.,.,.,.,|
　　　　　 .／/.,.,.,.,.,.,.,j　　＼　　 ;ili;,,　　　　　 .∨.,.,.,.,.,Y .、
...　　_　　／　/.,.,.,.,.,.r´　　　　ヘイilil　イ　　　　　Y.,.,.,.,.{　＼
.　　　　 /　 ./.,.,.,.,.,.,.,.!　　　　　　　￣　　　　　　　 .,.,.,.,.,.,.,!　　　ヽ‐-　 _

親方様が、二人の会話を縫って今日のことを聞いてきた
その内容は会話に出ていなかったので気になっていたのだろう

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿} 　、
　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　´￣￣＼⌒＼＼
　　　　　　　　　　　　 '　}　　　　　　　 ⌒＼　}／}
　　　　　　　　　　　／ ' 　}/{　　　　　　　　＼／
　　　　　　　　　　〃　' 　/ /　　　　　　 |　　　　'，
　　　　　　　　　ｌ| 　{　/ /　　　 | 　　 | |　| 　ハ〉
　　　　　　　　ｌ|＿{ 〈　{　　ィ　| 　} 　抖f芹/_)
　　　　　　　　　　　ｌ|⌒＼_V　　Ｎ斗f芹}／　vｿ^〈'，　　　　「…………」
　　　　　　　　　　ｌ|　　(___{＾、 v Vrソ　　　　 l !
　　　　　　　　　ｌ|　　{}八__|＼〉　　　＿　　ｲ |
　　　　　　　　ｌ|　　　　{}_|　{＿＿ |　　|=≦Hノ┐
　　　　　　　　　　　j|　　　　 {∧ {､ ⌒{ |　　|〈　| ﾚ⌒L
　　　　　　　　　 j|　　　　_j＿}ハ＼cｌ| 　ﾊl 　l/　　 }、
　　　　　　　　　　 j|　　　　{￣　⌒ア⌒` v′_〉_}⌒ｌ　　ヽ
　　　　　　　 j|　　　　　'，　　/　　　　`丶､J 　{　　　　⌒＼
　　　　　　　　　 j|　　　　　　'，　　　　　　　ヽ　、　　　　 }
　　　　　　　　　 j|　　　　　　 }　　　　　　　　　　|　　 )　　　　 }
　　　　　　　　　 i{　　　　　く　　　　　　　 |__／　　　　　 }
　　　　　　　　　 i{　　　　　　　}　　　　　　　　　　 |_] ',　　　　　 }
　　　　　　　　　i{　　　　　　　}　　　　　　　　　　|八 ',　　　　 }
　　　　　　　　　i{ 　　　　 /}　　　　　　　　　　|⌒} ',　　　　　 }

しかし、何故かお嬢様は黙り込んだ
親方様も不思議に思ったらしく、お嬢様の沈黙に聞き返す

　　　　　　　　　 Y:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/　　　　　｀　'''　　　、:;:ｌ
　　　　　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　　　　　　　　　 ':;:;
　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:::;:;:;:;:/: : : :　　　　　　　　　　　':;:!
　　　　　　　　　　}-ﾐ、;:;:;:;:;:/: : : :‐-ﾆﾐx 、_　 }　　　　_.':;
　　　　　　　　　ｆ⌒　フ:;:;:': : : : : :.弋t_ｧ.ﾐ:; :.:/ frz≦,‐.'
　　　　　　　　　 .! { /!:;:;:;:;|: : : : : : ｀' ‐　｀: : :　!斥=イ.'　　　　　　「………どうした？」
　　　　　　　　　 ∧ tj',:;:;:;:|: : : : : : : .　　 .:; : :　 '.　｀゛ .!
　　　　　　　　　　人　 j:;:;:;!: : : : : : : : . : ::f .::.　 .∨　 .'
　　　　　　　　　　　　T.!!:;:;!: : : : : : : : : : : `　ｰメ '　 .'
　　　　　　　　　　　　.| |＼|: : : : : : : : : .　　 t_j、　 .'
　　　　　　　　　 .,.,.,.,.,|　＼: : : : : : : : : ‐==zzｭ .， .'
　　　　　　　／.,.,.,.,.,.,　 ;:　＼: : : : : : :.　　ｰ‐ 　 .__
　　　　　　／.,.,.,.,.,.,.,.,'　　　::::::＼: : : : : :　 :;:　　.∧　＼
　　　　.／.,.,.,.,.,.,.,.,.,./　　　　　　 .＼::::::::::::::::::::::ｲ.,.|　　　＼
　　.／.,.,.,,.,.,.,.,..,.,.r　:;　　　　 :;:　　:;:　￣　　 ´ /.,/　　　　　 |　　‐-　 _
. ／.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,'　::　　　　　:;　,:;:;:;:;:;　　　　/.,.,/　　　　　　|　　　　　　　　‐-
―=ﾆ.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,,'　 :;　　　　　:;:;:;:;:;:　　　　／.,.,./　　　　 , .イ　　　　　　　　　　　　　　＞、
　　　　 ⌒ヽ、/　 :;　　　　　:;:;:;:;　　/￣.,.,.,.,.,.,/　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　／　　＼
.

631 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:08:35 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　　ハ　　　 _,､､､､､､､､,,_ 　　　 | ∨ /
　　　　　　　 ,'　 V＜: : : : : : : : : : : : : ｀''＜　|　∨ /
　　　　　　　　　l／.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.|.　 ∨ /
　　　　　　　　,ｲ: : : : : : :/: : : : : : :|.: : : : : : : : : :.|　　 ∨ /
　　　　　 /: :/: : : : : :| : : : : : : :|.: : : : : :.〈＼:ヽ　　 ∨ /
.　　　　　　 /: :/ : : ムイ: : : : : :｀~ヘ､___: : :.ﾍ　ヽ.　　 ∨
. 　　　　 ': : l : : : ﾊ: :ﾊ : : : : :/-| : ハ : : : :ﾍ　　｀''＜┘　　　　　「きよひー、と呼んでくださいと
　　　　　 | : : : : : :|竿竿､: : :./斧竿竿.: : : :. :.ﾍ　　　, イ
　　　　　 | : : : : : :|_ﾋｚｚ} ＼/　_辷ｚｚ}/ :/ :/ :/ヽ＜¨¨¨八　　　　お願いしましたよね？」
. 　　　　 l: : : __｢ヽ　　　　'　　　　　　/:ｲ ,ｲ: /ン }＿イ
　　　　　　　Vヽ|‐}~ ｢ヽ　　　　　　　　ィ:}:／|　,ｲ　｀ヽ∨ /
　　　　　　 // /　l 　}　　 ―（　　　　| : : :|⌒).　　／:∨
　　　　　　ﾍヽ､　{　弋　　　　　　, イ | : : | : : ＼／ : : : l
　　　　　　 /:.||ﾍ　’ 　　｀ヽ _x＜　　 |: : :| : : : :|| : : : : : |
.　　　　　 /: : : : :＼　　　　ﾏ　　　 ,ｨ|: : :| : : : : : : :＿彡┐
　　　　　 / : : :ｧミ:＿＼.　　 |､　 ,ィニﾊ: : |〉￣￣￣　 //│
.　　　　 / : /: :|}.　　 /ヽ､.　 |≠ニア　 V从　　　　 //::ﾊ.|ヽ
.　　　　　, : :/ : :|}.　　 /　㍉ヽ|ﾆア　 ,ィﾟ〈〈　　　　　//:::::::ﾚ: : ヽ
.　　　　 |: :ﾊ : /|} 　,ｲ　　　㍉ヽ　／／ﾍﾍ　　　　 //::::::::/ : : : :Y
　　　　　从l {:./:::|} /　| 　　　　㍉ヽ／＞''´}VVﾉ　 //:_　-=====ﾐﾊ
.　　　　＿＿V::::::|},' 　ﾊ.　　　　ﾐ ∨ く oＯ　＞''´～''^´　　　　/
. 　　ﾍ～～～.∨　　　　　　　　　ﾐ ∨oﾟヽ　〉.　　　　　　　 /

むくれた様子でお嬢様はそう言った

以前にあの店で付けてもらったという渾名を、お嬢様はとても気に入っている
それゆえ、お二人にもそう呼んで欲しいとお願いをしていたのだ

奥方様はともかく、親方様はどうもこの呼び名に慣れないらしく
いまだに昔から呼んでいる "姫" と言ってしまう

　　　　　　　　　　　　／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.
　　　　　　　　　　　　!:;:;:;:'　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:;::;
　　　　　　　　　　　 .ﾉ:;:;:'　　　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;t
　　　　　　　　　　　　}:;:;: 》x 、_ ﾉ { __≦千ヽ　';:;:;:;:;:;:!
　　　　　　　　　　　乂:;:　斗ｧﾐ :　::::;ｨｔﾃｧ　　 }:;:;:ノ、.　　　　　「あ…ああ、悪い
　　　　　　　　　　　　';:;:;　｀''　´::　:::.　｀゛ ´ . : :|:;:;:;7.|
　　　　　　　　　　　　 ';:;:.　u.　r'　:: ヽ　　 : : : ::!:;:;//.　　　　　今日はどうだった…きよひー？」
　　　　　　　　　　　　　';:;'　　　｀ｰ ''.′　 : : : : |:;{ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　ヽ'　　　　　　　　 : : : ::!/
　　　　　　　　　　　　　　　',　弋二才　. : : : :'ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　／/ﾑ　　　 . . : : : ,': :|　ヽ
　　　　　　　　　　　／　.! / ヽ　ノiヽ: : : : イ　 !ヽ　 .＼
　　　　　　_　-‐　　/　　 !ｌ　;　　≧　千:::　　 ::: :,'　　　 | ＞　、
＿　　　　　　　　　/　　 .|　,　　　　　::::::　.::::::::: ,　　　　 |　　　　　＞　 _
　　　　　　　　　　　　　　|　,　　　　 :::::　　　　 /　　　　 |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾍ
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 | ∧
　　　　　　　/ |　　　　　　　　---　　　_　　　|　∧
　　　　　　 /　|　,　　´　　　　_　　　　　　` 　 ';　 ∧
　　　　　　,'　／　　　　　　　　＼　　　　　　　V　 ∧
　　　　　 ,　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V　 ∧
　　 |＼ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼￣　----∧
　　 |　ヽ:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 }　___
　　＼　/　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　 l　　` ト- ／￣／
　＿＿〉{　　　 :|　 l　　l　　　　　　 |　 |　　　}　　　 V　　／.　　　　　「楽しかったですよ
　＼　从　　　|　_l＿ l _　　　　 , lーl-.- 、/ 　　　/-＜￣　、
　　＞ -〉　　　|＼|＼ |ﾍ`　l　　// |/-|/| /　　　 /　　　　　／　　　　ますたぁは歌がとても上手でしたし
　＼　　人　、人　_ -==ミVﾍ // ｧ≠=ミ/ 　／／ |Y^Y_ ／
　　　＼,,/| ＼＼从"　　　　　　　　　　/／/ｲ　}　||　|_|l.　　　　　　　常連の皆様もたくさんいらしてましたから
　　　　　| |　|_|ヽ|ヽ　　　　 '　　　　　　 |　　 |_ノ　　　　,
　　　　　|_|　　　 | 心　　　　　＿_　　　　|　　 |　　　 V 　'　　　　　　　いろんな方とお話ができました」
　　　　　l　　　　 l　　ト　　　｀　´　　　ｲ　 ,;　　　　 V　 ,
　　　　 ,　　　　 /l　　|　　＞　　_　イ _ | 　 / V　　　　V
　　　　/　　　　/ l　　 --　V∧　　／/ l　 /　〉＼　　ヽ l
　　　 /　　　／￣/￣｜　　V∧／//／l　/ ／|　　＼　　＼
　　　/　　l 　　〈　　 |　　　V///／　 l / ´　 |　　　＼　　ヽ
　　 /　___ |　　　〉　　|　　　 V／　　／「￣￣　　　　　> 、＼
　　/ / V |　　　　| 　　|　　／　　／　　|　　　　　／＼ |　　＼
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632 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:09:04 ID:b52632da

　　　　　　　　 -=ﾆﾆﾆﾆﾆ=-
　　　　　.ｨ≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ7
　　　／ﾆﾆﾆニ＞=ｧ≦ﾆﾆニ/
　　 ./ﾆﾆﾆニ／／ﾆニ＞-≠‐-=ﾆ.._
　　/ﾆﾆニ／イニ／´:￣:￣:｀ヽ::::::::::::-=ミ､
　./ﾆﾆﾆ./＜ﾆﾆ.:‘:::::::::::::::::::/::::::_:::::::::／´￣:ヽ
　l{ﾆﾆニ{ﾆﾆﾆ./::::::::::::::::/:::::::::::Yﾐヽ::/:/::::::::::::::}
　　-=ﾆ人ﾆ= ′::::::::::::/:::::::::::::::{≠V'⌒＼:::::::::!
　　　　　　　 ;:::八::::::::′::::|::::::/!　　　　,. -V::从.　　　　　　　「あらあら、そんなに～？
　　　　　　　 |/:::::::::|::|:::::::::{:::/}:}‐-　　　　　}ヾ:∧
　　　　　　　/::::::::::::|::|:::::::::|/ l|:|-　　　´　 .|:::V:∧.　　　　　私も聞いてみたくなっちゃったわ
　　　　　　.//}/:::::::八}/:::::′´ﾘ　　　　 -≠|ヽ:V:∧
　　　　　 //.八:::::::{:::/:::::::{ -‐'≠ 　　､　　}:::::::V:∧　　　　今度お店にいってみようかしら？」
　　　　 ./ｲ/:::::{:::::::|/::::::::::|､./　　　　　 .八::::::Vﾊ}
　　　　 (　 {::::::|:::::::|{::::::ｌ::::|/ヽ　　_ .-:ｧ ./:::::}:::::::}' l|
　　　　　　 |:{:八::::八:::::|::::ﾄ:ヽ::＞-.､　 ./}:::::八:::::|￣:ヽ
　　　　　　｀ヾ:{､::::∧人::{､｀::::::::::::∧¨´V／:}::/}人: : :ﾊ　
　　　　　　　　　　≧=}､ハ{∧:::::::::::::::::}{　.}}¨ヽ: : /: : :/: }　
　　　　　　　　　　 /ヽ｀¨}:ﾉヽ:_::::::::八 .ﾘ　 ∨: : :/: : 》
　　　　　　　　 . -＜ : : ＼ー=《≧='ｫ≠ｲ､　　 V: /: : :l{
　　　　　　 .／: : : : : ｀ヽ : ヽ /､＼__;{ }}ﾊ《　　-=ミ､:ｰ=》
　　　　　　 / : : : : : : : : : ∨ﾊ{　＼_/＼__ノ/　　　｀ヽ《
　　　　　　 {―-=ミ､: : : : : V:.ﾊ　　｀ヽV､.{/　　　　　V}
　　　　　　 ∨: /: : : ｀: : :，: }′＼_　　 .》. ヽ　　　　从
　　　　　 .∨: : : : : : : : :ヽ′: : : : ヽ　/ 　 .}　　　 /: ∧

　　　 j!　 .|　　 _　　 -―――-　　/　　 |
.　　 ,′　レ ´. . . . . . . . . . . . . . . .⌒ヽ/、　 /}
　　 /　　 .|.／ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .｀　〈 .|
　 ./　　　 |　./. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ＼
　/　　　 /_ノ| . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ . ヽ. . . . .V
ノ　／￣　　/ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . | . .| . . . . .∨
|　　　　　／ .| . . . . . . __|__ . . . . . . . ￣|￣|ヽ| . . . .∨
|　　ィ´ . . . | .| . .|／ . .! . . . . . . . . . ...| ノ| .ﾉ! .|.. . .|
|　 /.::」 . . . ...| .|／| . .| ..|ハ . . .| . . ./|ｨ===ミz、! . . |
_／⌒ﾊ . . . . ', | . .|ヽｨ==ミ } . .ﾉ . ./ｨ {:i:ヽ:|　}】. . .i .|
　　　　.} . . . ..ヽｨ／ /:,-:::| ／} .／　辷ノ　ﾉ|　 /./　　　　　「素敵です！
、　　 /|ヽ . . . . 【{.　 { :i::」:|　　　　　　　　 .|／|ｲ
｜「 . ! |　i! . . . ..＼　｀¨ ´　　　　　、　 ,:,:,:　|//|.　　　　ぜひ一緒に行きましょう、お母様」
｜| . .| .ヽ」＼ . .＼|　 ,:,:,:,,　　　　　　 ′　　　 |//|
｜| . .| . |∧ . ｀⌒「　　　　　　　　　　　　　　 /|//|
｜| . .| .//∧　　 ∧　　　　 ,　-‐　フ　　 ∠｜/,!
｜| . .|////∧　　｀ゝ　　　　｀　ー ´　　ｲ| . ｜/,!
｜| ..//////∧ . . .∧ ｀≧　　　＿＿／二Vヽ.ﾉ//
/:/ ///ｨf二ﾆ}!、 . . ∧　　　 ∧;i!i!|::::: ∨二]|}//
. | . ,ｨ仁二二 Ⅶヽ . .∧　　　,//|i!i!|::::::: ∨二]./
斗f´二二二二Ⅷi!i＼.∧_ 　 |//|i!i!|:::::::::::| 二]!
⌒＼二二二二}ヽi!i!i!.＼}/≧}//|i!i!|:::::::::::| 二]!
i!i!i!i!i＼二二二｝ﾄ:＼i!i!i!i!≧///.|i!i!|:::::::::::| 二]!
i!i!i!i!i! ∧二二二｝ﾄ:::＞i!i!i!i!i!i!i!i!|i!i!|::::::__::::｀ヽ」
i!i!i!i!i!i! ∧二二二｝ﾄ:::::::::::＞i!i!i!!|i!i!|r ´/::::::::::::∨
i!i!i!i!i!i!i! ∧二二二｝ﾄ::::::::::: ,ｨ　¨ ⌒´_/:::::::::::::::::}

お二人の乗り気な様子に、親方様は渋い顔をする

　　　　　　　　　　　,;:=ﾐΞﾂ;;,.、
　　　　　　　　　_,.r"ミﾂ!l|lli!ll彡ヽ
　　　　　　　　,;「ミf"＝≡=≠''ヾｼ、
　　　　　　　　iミ/　　　 .　　　　';彡}
　　　　　　　　{ﾐ{' `ｰ-､',,' ,,.-‐" }彡｝ . 　　　「…行くなら行くで構わねぇが
　　　　　　　　ﾄ"!　z.t;f　 k t;ｧ　}彡!
　　　　　　　　',ﾋ'|　　 ' .:;ヾ、　, ,|l!ﾘ.. 　　　　ご迷惑にだけはならねぇようにしろよ、龍田」
　　　　　　　　ﾚl!|　　,　:'　　' ;"ｿ
　　　　　　　　　ﾞ;!　 , -　-､　人
　　　　　　　 ,,.r＜ト､、,,;;;,、.ノ　ｼ7-､
　　　　　　／.;.;〃;.!　::　-　"　,' /.;.;/~＼、
　　　　／.;.;ノ;';';./ ',　:　　;'　,.ノ.;.;./　　 |｀ﾞ"''ー-､､_
　,..-＜＿__,.;.;.;.;/　〉　　:　,r'.;.;.;.;/　　＜´　　　　　　￣フヽ、
/　　　　　 |!.;.;.;.;ﾄ、　　　＜.;.;.;／　　　　｀７　　　　　　/~　　ﾍ
.

633 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:09:32 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　　　　　-=ﾆﾆニﾆﾆﾆﾆﾆ=-
　　　　　　　　ｨ≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ.》
　　　　　　　　　　＼ﾆニ=- . __￣__ -=ﾆﾆ.＞′
　　　　　　　　　　　　＞-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-＜＞､
　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::′:::::::イ::::::::::＼
　　　　　　　 /:::::::::::::}:≧:.､:::::ｨ≦::::|:{:::::::::{:::::ヽ
　　　　　　　　　/:/:::::|::::::}-― ¨＾´ ￣´l:|:::::::∧:::::∧
　　　　　　　 /:::::::::::|::::::|　　　　　　 |:|V:/::∧::::::::
　　　　　　　 ′::::::::::|:::斗‐　　　　｀l|:ﾄ∨:/:∧::::::{
.　　　　　　 /:::::::::::::/l/l|:|　　　　　　 |:|_ }::::/::∧:::::,
　　　　　 ′:::::::::::{::|x斧ミ､　　　　ｨ衍r坏､:::/:::::＼}
.　　　　　　′:::::|:::::::|《Ｖしﾘ　　　　　 V:リ .》:::::::::::}::::}ヽ.　　　　　　「え？　桐生ちゃんも行くのよ～
　　　　　 {::{:::::::|:::::::|　　ｰ　　　　　ｰ{　 }::::::::|:|::::|::ﾄ､
　　　　　 |::|:::::::|:::::::ﾄ.　　　　　 ′　　　|{　从:::::|:|::::|::}ハ　　　　　　当然じゃない」
　　　　　 |/!::{:::|:::::i:{∧.　　　　 _　　　乂}::::::::|:|::::V　 }
　　　　　　　|::|:::|::::从::个.，　　´-｀　　.／､:::|:::::::从::::}
　　　　　　人{从::::{ヾ{／＾＞　　_　イ { 　｀从://:::}/
　　　　　　　　ヾ{ヾ{　＿「￣　Ｙ￣￣ { /´
　　　　　　　　/:￣:￣: ／/ヽ　　{_}　　 .ｨヽ≧=―:―: .､
.　　　　　　　 ′: : : ／: / 　｀Уﾊ:Ｖ´　　 V : : : : : : : }
　　　　　　 {: : : : : : : / -― /:/　V{、￣　 .Ｖ: : : : : : :.!
　　　　　ｒ': : : : : : }′ -=./:/}　{ V}ﾆ=-　､{: : : : : : : |
　　　　　　　Ｖ: : : : :/　　　./:/､}.={-.V{、　　　Ｖ: : : : : :;
　　　　　　　 }: : : :./　　　.《:/ヾ.{__{　Ｖ}　　　　': : : : : :′
　　　　　　　 |: : : :′　　　　　　|　|　　　　　　　}: : : : .′

　　　　　　　　　　　　　＞　:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　　　 .／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::}
　　　　　　　　　／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:r‐　＼
　　　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|　　　　ヽ
　　　　　　　∥:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:{　　≦ｧﾉ{、　　　　　「…お前はともかく
　　　　　　　.!:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!　　　''′　 .ヽ、
　　　　　　　`　7:;:;:;:;:;:;:;:＞ミ‐、:;:{　　　　 ;: 乂.ソ . 　　　見るからにカタギじゃねぇ俺は、色々とまずいだろ」
　　　　　　　　　!:;:;:;:;:;:;:;:{!ﾄ/ヽ才:;:',　　　　　　　〉
　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:;:;:ヘ　　〕、;　　　　　ｒ ´l
　　　　　　　　　　　＼:;:;:;:;:;:;: ¨^　 ⌒　　　　　　.}
　　　　　　　　　　　　.トｰ--≠.,__　゛゛:::::::::::::::. イ、
　　　　　　　　　　　　}⌒―-　.,.,.,.,..,..,.＜　 .f´.,.,.,.,.,.,..,、
　　　　　　　　　　　 r‐　 _　　　 `＜:;:;:;:;:;:;:;:＜.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.、
　　　　　　　　　　／　/　　　＼　　　　＼.,.,.,.,.,...,.,.,.＜;＜
　　　　　　　　 .,　　／　　　　　＼　　.!　.＼.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.|
　　　　　　　 ,　ｘﾆﾆﾆ、　、　　　　 ≧ |　　　ヽ.,.,.,.,.,.,.,/
　　　　　　　　　　　　　＼　＼　　　　＼　　　.＼.,.,.,/

奥方様は当然のように言うが、それでも親方様は乗り切れない様子だった
それを見てか、お嬢様からも安心させるようにこう言う

　　　　　　　/ i
　　　　　　./　 !　　　　　_　＿＿　_　　　　　　　　 ∧
　　　　　 /　　 !　 -‐. ´. . . . . . . . . . ｀`. . ､　　　　 !　i
　　ﾄ､　/　／. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 丶､　 !
　　 l　Ｙ／. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ!　 !
　　_l　.ﾚ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . l　 l
　　V∨. . . . . . /. . . / . . . . . . . . . .､. . . . . . . . ..ﾄ､ . !
　　 /. / . . . . /. . . /. . . . . . . . . . . .i . . l. . . . . . l　　　　!
　〃. l. . . . . .i. . . /. . . . . . . . . . . . .!. . .i. . . . . . ﾍ　　　 l.　　　　　「大丈夫ですよ
　/ . . l. . .. . . l._斗匕. . . . . . . . . ｀/lーｲ‐-. . . . . . ヽ､　 l
　!. . . .!. . . . .ﾊ. ./　! . . . . . . . . . / .!./ l. . ./l. . . . . . ./丶!.　　　　　あのお店はいろんな方がいらっしゃいます
　!. . . .l . . . . i ∨　 ∨ . . . . ／l/ｨ=≠＝ヽ .!. . . . . ./--､l
　ﾚ､. . { . . . . !z＝=ﾐ＼. .／　　 !//////!｛. . . ._ /》》》》!.　　　　お父様はまだ可愛いほうですから」
　{ﾊ　 l V. .ﾊ.l　　　　　　　　　　 !:::::::::て　/ . イ ! ｀`ヽ/
　　 ∨L!ヽl.〃 wxw　　　　　　　弋_:::::::ノ 7. . . i ﾉ. . . .i
　　　　　 j.i.人　　　　　　　　　　　 wxw 〃. . /. . . . . .!
　　　　　 !.l . 个　 _　＿､__,　　　　イ:/ . .ﾊ. . . . . .!
　　　　 V. i. . . l::::::／///lー‐ ¨¨ノl`ヽ:::::;′./::i . . . . . l
　　　　V. . ! . . l／///／＝=--<。/: ﾚ./. . /:::::!. . . . . .!
　　　 /. . . V／///／: /｀⌒/: /　ﾚ" /. .イ:::::人. . . . . !
.

634 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:09:58 ID:b52632da

　　　　　　　　　　!;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;ヽ
　　　　　　　　　　!;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;ﾑ
　　　　　　　　　　!;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;;l;;l;
　　　　　　　　　　',;r 、;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;ll;l;l;l;l;l;ll;l;l;l;ll;l;lﾚ
　　　　　　　　　　　!　｀¨'''''' ――、;ll;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;l;'
　　　　　　　　　　 ,'　　　　　　　　　ヽ;l;l;l;l;ll;l;l;l;l;l;l;l;l;{
　　　　　　　　　　ﾏ、　　　　　　...　　＼;l;l;l;l;l;l;γ‐{. 　　　　「……そうなのか、源の字？」
　　　　　　　　　　　.!述、.{___.ィ≦-｀::　　 ',;l;l;l;l;rﾄ　},'
　　　　　　　　　　　.! ￣/　 ,弋ﾃ,ァ　　　　!;l;l;l;l　 /
　　　　　　　　　　 .∧ ./　　::.　~　　　　　 |;l;l;:l　ノ.７、
　　　　　　　　　　　.∧'　　‐、:　　u.::: : 　 }:;:/／.,.ィ　∨
　　　　　　　　　　　　ﾄ-== '′::::::::　　　／., ィ〔　　　 ∨
　　　　　　　　　　　／,ヽ　＿　　　 ., ＜.ィ〔　　　　／　.＼
　　　　　　　　　 .／.,.,.,.;:　;..ｰ　`,.＜.,.／　　　　　／.、　　　.＼
　　　　　　　　　＼.,.,. ,込- ,＜.,.,.,.／　　　　　／　　ヽ　　　　.ヽ

親方様は自信に満ちたお嬢様の言葉に、少々戸惑っているようだ
故に私は端的にこう返す

　　　　　　　|　　　 ,,-''"//彡彡彡彡彡彡ヽ、/　
　　　　 /　　',__,,-"ﾐﾐl| l| //彡彡彡彡彡彡彡、　
　　　　 ',　　／ミﾐﾐﾐﾐﾐﾐl|/''"　　/　　　彡彡彡'.
　　　　　＼/ミミﾐﾐ''ﾞﾞ　　　　　 /　　　　彡彡彡',---､　　　　
　　　　　　lミﾐﾞﾞ　ヽ、　　　　　 |　　_,,,==-　ﾐﾐﾐﾐ:',_________,---
　　　,--- |彡　　　｀ --- 　､_,,=='_,,,--､,　　',ミミl_____　　　　
　　 /　　　l彡'. 　　__,,,,　　　:::::::/´匕ﾉ　"　　　彡/-、＼　　　　「…個性的な方々が多い様子です
　　　　　　 '彡.,=＝_,,,-､ﾞヽ　::::::::'‐'':::::　　　　　 ', l´ヽl　　　　
　　　　　　 ',:|　/´匕丿'::::|　　::::　　　　　　　　/;;ヽ| /.　　　　　　親方様が目立ちすぎることは無いかと」
　　　　　　/ .',:: ﾞ‐‐'"　　　l､_/:::::　　　　　　　./　> l |____　　　
　　　　　.（　　 ',　　　　　　l_ヽ　 '　　　　　　 /　 |丿 l　　　　
　　　　　　　　〉､',　　　　　　ﾞ-　　　　　　　/　　l-''"----'　
　　　　　　　./　ヽヽ　　　　　,-´￣￣`　　　　　/',::|＼　　　　
　　　　　　　|　　ヽ ',　　　　ﾞ　::::::::::::::　　　　 /　 ',|　＼____,
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　　　　　　　＼　　　　｀ヽ､_　　　,,,,:::::::::／　　　　　',-、
　　　　　　　　　　　　　　 /　',｀ ‐‐‐　　　　　　　　//　｀ヽ、
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　　　　　　　　　　　　　　　∧ヽ　　　　　:::::::　 //　　　　　　　　　　ヽ_____
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　 .|＼ .} ∨r≦__⌒`　　 ',:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;'
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .}f圦/: : ::;:;ヽ=　 : : :　　!:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,' ｀/; : : : : ::.　 : : : :　　 !:;:弋:;:/⌒∨
　　　　　　　　　　　　　　　　　 l　!: :,,,、Y: : : : :　u.　　 .':;:;:;:;:　!ﾘ.!};'.　　　　「良いこと…なのかねぇ…」
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .'　≧: : ′: : :　　　　　.':;:;:;//イ /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.　　　: : : : :　　　　　':;:;:/、／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　7二メ: :　　　　　 |／/ .{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　.}　ｰ　´: :　　　　　　　.ｲ　.{--.,ｬ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !　: : : :　　　　　　　ｲ.,.,.,.,.,.,.,.,./- ┐
　　　　　　　　　　　　　　　 .,.,.,.,込　＿　　　　≦..,.,.,.,.,.,.,.,.　＜　　　＼
　　　　　　　　　　　　 .,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,|　　　／.,.,.,,.,,.,.,,.／　　　　　.／＼
　　　　　　　　　　 .,.,.,.,.,.,.,.,..,.,.,.,.,.,.,.,.,.,i!　／.,.,.,.,.,.,.,.,.／　　　　 ∠　　　　＼
　　　　　　　　／.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,＞.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.／　　　　／　　　　　　　＼
　　　　　　　　　￣　ヽ.,.,.,...,.,.／.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,／　|　　　／　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　/ ＼.,.,/＼.,.,.,.,.,.,.,.,.,／　　　 t≦
　　　　　　　　　　　./　　/　/ｓ。.,.,.,.,.,.／　　　　　 |　　　　　　　　　　　 z=ﾆ二ミ

親方様の表情には、苦いものが浮かんでいた
.

635 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:10:26 ID:b52632da

　　　┌──────────────────────────────── ──　─
　　　└────────────────────────── ──　─
　　　┌──────────────────── ──　─
　　　└──────────── ──　─
　　　┌──────── ──　─
　　　└── ──　─

　　　　　　　　　　　　　　ノ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i
　　　　　　　　　　　　　 /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
　　　　　　　　　　　　　 !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; ｀''‐-====、:i:i.
　　　　　　　　　　　　　 !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:, '　　　　　　　 .!:,'
　　　　　　　　　　　　　 !ｒ- 、;:;:;／　、ｚ,,　　　　　 '|.　　　　　「さて…そろそろもういい時間だ
　　　　　　　　　　　　　 i!{乂ｿ;:;i　　...弋ﾃﾊ‐-'/≦7
　　　　　　　　　　　　　 ∧　!;:;:;i　　　゛　 ::　　|~ﾟ .!　　　　　疲れてるだろ？
　　　　　　　　　　　　　　ゝ-!;:;l　 ::　　　 r　　!　/
　　　　　　　　　　　　　 ____! :!ヽ　　　　　 ⌒‐' ./ 　　　　　風呂入ってきな、ひ…きよひー」
　　　　　　　　　　　　 /.,.,.!　＼　　　 :ｰ　　，∨
　　　　　　　　　　 ,　./.,.,.,/ :　　 ::::::..　　　;l;　,;.,.,∨
.　　　　　　　　 _　ィ　 ∠.,.,.,!　;:　　　　:::＞..ィ_ノ!.,.,.,.,∨ヽ、
..　　　　-―＝ﾆ　　/　∠.,.,.,.,.,.|　:;;　:;,　　　　::::: ;;:::!.,.,.,.,.,.∨ ∨　‐-　 _
.　　　　　　　　　 ,>　　⌒i.,.,.t　　　　　　　　　　./r七千　ノ　　　　　　　　、

見れば時計は１１時を回っていた
奥方様もそれに気づいたようで、腰掛けていたソファから立ち上がった

　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿　　/__/
　　　　　　　　　　　　　　-=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ7._/
　　　　　　　　　　ｨ≦ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＿ﾆ＿ﾆﾆﾆ/_/
　　　　　　　　／ﾆﾆﾆニ＞　 ´--=≦ﾆﾆ／_/
　　　　　　　＼ﾆﾆﾆ／=ニノヽ-/::个ｰ:＾＞.､　　__ .　-=ﾆニ:ヽ
　　　　　　　　　　ｰ=-‐ .ィ个ﾊ:::V::八::::::::::',::::::＼: : : : : : : : : : :|
　　　　　　　　　　　／:/:::::/ミ､::{:::／∨::::::|:::V:::∧:.|: : :／: : : :}
　　　　　　　　 /::::/:::::::{_＞ ^　　 ∨:_:|:::::V:::∧|:／-―: : {
　　　　　　　　　　 ′:′:::::′ 　　　 ´ V::|:｀:::V::}:::}´ : : : : : : |
　　　　　　　 |:::::{::::::斗 ‐　　　　　ｨl≠ｚ､:}:::|:::|: : : : : : : ;
　　　　　　　 |:::::|::::::::{　　　　　　 ´灯rﾄ卞》:::|::从: : : : : :.′
　　　　　　　 |:::::|::::::::|ｲ泛:ﾊ　　　ゞ={::'::::::::::V: : : : : : : ′.　　　　「あら、ほんとね～
　　　　　　　 |:::::|:::::::《乂:ソ　　､　　　V八:::::∧: : : : : : ′
　　　　　　　 |:::::|::::::::{　　　　　　　＿　∨::＼::∧: : : : :l{　　　　　　それじゃあ私も汗を流してこようかしら
　　　　　　　　　　从八:::::|ヽ　　　＜. _ ノ´　〉､::::::＼{: : : : :ハ
　　　　　　　　 /:::∧:∨:{:::个.，　　　　　／丁ヽ::::{: ＼: : {::人.　　　　　一緒に入りましょ、きよひー」
　　　　　　 ./::::/::∧:∨ﾄ人:::{::≧=-　く「￣八: ｀＼: : : :|⌒ヽ
　　　　　　　／::::/イ八}::}::ﾄ､:::}人　　l{　八／ : |: : : : : : :八
　　　　　／´￣　　　　〉Y{ : ￣: :》､___∨ｨ≠ﾐ､ヽ{: : : : : : :{
　　　　　　　　　　　 .′: : : : ／{{／ハ{≧=彡{:.:|: : : : : : :|
　　　　　　　　　　　　 }:、: :ｒ＜__　〈/ /|」.　　ミ.V乂: : : : :/
　　　　　　　　　　　　 |＞ ´￣　　 /o　　　　　＼ : :.イ
　　　　　　　　　　　／　　　　＿.'o　　　　　　ヽ:/
　　　　　　　　　 .′　　　　　　￣{=-　　　　　　　　 '.
　　　　　　　　　　 {　　　　　　　　-}=-､　　　　　八
　　　　　　　　　　人　　　　　／´:￣:￣＞，　　　イ_|
　　　　　　　　　　　 ≧=--＜: : : : : : : : : : : : /¨´:/ﾆﾆ!
　　　　　　　　　　 /|: :′: : : : : : : : : : : : : ′.: :′ﾆl|

　　　　　　　　　　　　　ノ|
　　　　　　　　　　　＿＿ / ./　　　　／'
　　　　　　　＞. ´. . . . ／　/. ｀ヽ _　- ´ /
　　　　　　´. . . . . . .／　／. . . . . ＼__／
　　　 V. . . ＿＿／__／_____. . . . . . .｀ヽ＿＿
　　　 ∨. . . {　　　　　　　 _ノ. . . . . ヽ. . . | _ノ
　　　V. . . .|￣　ー---=≦. . . . .. . . ..|. . . ∨
　　　 |. 「￣＼　　./. . __./,---/ . . . / . . . .|
　　　 |. .＼ ___/ Y. . . . ./.／ノヽ|. . /|‐-. . ..!
　　　 .! . . { { 〈ん} . . . /r=笊　./. .ｨr、. . ./ |
　　　 |. . . . . ..ヽ/＼ .|　ｖr′.|／vﾉ }/ /./|.　　　　　「はい、お背中流しますね、お母様」
　　　　| . . . . . . .|. . ..｀|.:.:.　　　　 '.:/. }ノ|/.ﾉ
　　　　| . . . . . . .}... . . |　　r　、　/. . |
　　　　|. . . . ___ノ|ヽ. . ト　｀　　イ |. ./
　　　　| . . /::::::ヽ＼',.∧ 「. . . . .／| /ヽ
　　　　| . /::::::::::::::::::::ヽ∧=r＼___ノ'::::------- 、
　　　　| /:::::::::::::::::::::::::::＼／::::::::::｀ヽ、_::::::::::::::::::∨
　　　 .j!.|:::::::::::::::::::::::::::::}!::::::::::::::::::::::: ＼＼:::::::::::::∨
　　　 j!∧:::::::::::::::::::::::::::}!:::::::::::::::::::::::::::: }　 }:::::::::::::::}
　　　.j!. . }、:::::::::::::::::::::::}::＼ :::::::::::::::::::: }　/:/ヽ___/
　　　j!. . .ヽ:::::::::::::::::::::::{!:::::::｀::::::::::__:>---≦}__}___〉

そう言うとお二人は連れ添いながら、居間を出て行った
.

636 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:10:53 ID:b52632da

お二人が居間を出ると、親方様は煙草に火をつけた

フィルター越しの紫煙を吸い込んで、ゆっくりと吐き出す間に
　　　　　　　　　　　　　・・・・・・
私は親方様の硝子杯に、ばらんたいんを注ぎいれる

　　　　　　　　　 Y:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/　　　　　｀　'''　　　、:;:ｌ
　　　　　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　　　　　　　　　 ':;:;
　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:::;:;:;:;:/: : : :　　　　　　　　　　　':;:!
　　　　　　　　　　}-ﾐ、;:;:;:;:;:/: : : :‐-ﾆﾐx 、_　 }　　　　_.':;
　　　　　　　　　ｆ⌒　フ:;:;:': : : : : :.弋t_ｧ.ﾐ:; :.:/ frz≦,‐.'
　　　　　　　　　 .! { /!:;:;:;:;|: : : : : : ｀' ‐　｀: : :　!斥=イ.'　　　　　　「おう、ありがとよ源の字」
　　　　　　　　　 ∧ tj',:;:;:;:|: : : : : : : .　　 .:; : :　 '.　｀゛ .!
　　　　　　　　　　人　 j:;:;:;!: : : : : : : : . : ::f .::.　 .∨　 .'
　　　　　　　　　　　　T.!!:;:;!: : : : : : : : : : : `　ｰメ '　 .'
　　　　　　　　　　　　.| |＼|: : : : : : : : : .　　 t_j、　 .'
　　　　　　　　　 .,.,.,.,.,|　＼: : : : : : : : : ‐==zzｭ .， .'
　　　　　　　／.,.,.,.,.,.,　 ;:　＼: : : : : : :.　　ｰ‐ 　 .__
　　　　　　／.,.,.,.,.,.,.,.,'　　　::::::＼: : : : : :　 :;:　　.∧　＼
　　　　.／.,.,.,.,.,.,.,.,.,./　　　　　　 .＼::::::::::::::::::::::ｲ.,.|　　　＼
　　.／.,.,.,,.,.,.,.,..,.,.r　:;　　　　 :;:　　:;:　￣　　 ´ /.,/　　　　　 |　　‐-　 _
. ／.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,'　::　　　　　:;　,:;:;:;:;:;　　　　/.,.,/　　　　　　|　　　　　　　　‐-
―=ﾆ.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,,'　 :;　　　　　:;:;:;:;:;:　　　　／.,.,./　　　　 , .イ　　　　　　　　　　　　　　＞、
　　　　 ⌒ヽ、/　 :;　　　　　:;:;:;:;　　/￣.,.,.,.,.,.,/　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　／　　＼

親方様が返礼とばかりに、日本酒の瓶口をこちらに向けてきた
私は自分の猪口を空け、目の前に差し出す

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿ , 彡三l
　　　　　　　　　く川三三三≡ヽ彡ｼ
　　　　　 ,　- 彡=≡ 三彡彡彡｀ <　　　　　
　　　 ,　' 彡彡彡彡彡彡彡彡彡ｼｼl 　 , '⌒
　　／ﾉﾉl〈〈从川シシ彡彡彡彡シシl_ノ　　　
,'｀〈ミﾐﾐﾐl|l|//彡 '´:::）:::::｀彡彡シｼｼｿﾄ､　　　
　ﾐミﾞﾞﾞlﾞﾞ"　　　　 / :::::::::=彡彡彡ｼ_ｼl ヽ､_　
　/:ﾐ　ヽ、　　　　l　::::::::::::::::::::::彡/r.ヽ| 　　
　!　l　　　｀　　　　!._ｚ‐'´;::::::::::::::〉/i :　}|.　　　　　　「戴きます」
　　ヽ....__　　、..,zｨて刀´::::／::!! ）ｿ/ﾉ　　
　　 ∧fてﾊ.､　:::::｀ゝ' ´:::::::/:::::::::::／,ｲﾄ､　
　　 l　ヽ‐ '´:l　::::..　　　 ::::::::::::::::::y'´:::F 、　
　　　l 　 '、　 } ::::: ::　　　:::::::::::::::::l::::::::∧ !
　　　｀　　＼ゝ-:'´　　　 ::::::::::::;:::::::::/:::ヽ
　　　　　　　＼ ←-..→　 ::::::／::　 ::!:::::::ヽ
　　　　　　　　＼｀´　　 .:／　::　　:::::::::::::＼-､
　　　　　　　　　　ゝ-- イ::　　:　　::::::::::::::／　＼
　　　　　　　　　　　　　 l　　 : 　 .:::::::／　　　　　＼
　　　　　　　　　,　 - ／/|::　 :　　.:／　　　　　　／　￣￣｀ー
　　　　　　　　／　／ /　! :　::　／　　　　　／
.

637 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:11:22 ID:b52632da

:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;/´　　 ¨　''‐---!
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　　　　　　 .,
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;:;:;:;:/
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　_,,,,,,、　　　:　　∨
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　`ｰ‐‐≪ｘ-、 }|!　 !　　　　　　, .: : : : : : : : .
:;:＞=、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,'　　　　: : :: :斗;ｧﾐ:;:;:;:;:〈ｒ=,'　　　　　　: : :
;:;! 7/　　ｒ‐:;:;:;:;:;:;!　　　　　: : -=`¨´:;:;:: 　:∨　　　　　　: : :
:;:',.{.{　ｲ {!:;:;:;:;:;:;:;!　　　　　　: : :　　　:;　　　∨　　　　　: : :　　　　　　　「全く…女って奴ぁ元から分からんが
:;:;ヽヽ‐、{ヽ:;:;:;:;:;:!　　　　　　: : :　　　:;　　　 ::∨　　　　: ::
:;:;:;:;∧　　　Ｙ:;:;:;:|　　　　　　: : : : :　　; z-ｧ　..ﾉ　　　　: : :　　　　　　　姫も最近難しくなっちまって困るぜ…」
:;:;:;:;:;:;ヽ==イ∨:;:;i!　　　　　　　: : :　　乂￣　ヽ　　　: : :
:;:;:;:;:;:/,　　　　!:;:;::!　　　　　、-‐‐丐‐ ´　　　 .ノ-―==＝ｧ
ｒ---:;:!　　: :　　⌒　　　／　　_彡 ′　　　 .∠ア-.弋¨¨ ´
.,.,.,＼ﾉ　　 ; :　　　　／㌢　´　　　　　　／イ　　　ﾉ
.,.,.,.,.,.,＼　　　　　／　　　　　　　　　　　/　　　　／
.,.,.,.,.,.,.,.,.,ヽ　　／　　　　　　　　　　　　　　　 .／ .ヽ
　ヽ.,.,.,.,.,.,.,.,_‐　　　　　　　　　　　　　　　　乂　　　/.,.、
　　ヽ.,.,.,_-　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ.,.,.,.,＼
　　　　_‐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .／　,}.,.,.,.,.,.,.＼

親方様は眉間に皺を寄せ、苦々しき表情でそう言う
しかしその言葉がそのままの意味でないことは、私も理解していた

　 /.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:______.:.:.:.:.:.:.:|
　|.:.:.:.::.:.:／"""'''''''''''''''""""￣　　ヽ.:.:.:.:.:|
　|.:.:.::.;:/　　　　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.|
　|.:.:.:.:::|__　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:|___
_-|.:.:.:.:／　　　　　　　　　　　　　__　＼.:.:/　￣.　　　　「ですが、喜ばしきことです
　 |.:.:.:| ''"""＝==;;　　　　;;==＝""'''　 |.:.:〆
...l"''| .| -<''''{ u}'';,."'',,、 .,,;;''l"{ u}｀'>´　|/ソ|.　　　　　　お嬢様は最近とみに明るくなられました」
.丶(ヽ.|　.:.:￣￣　　"'|.:.:''.:.:.:.:￣￣　　/　/
　＼(ヾ　.:　　　　　　|.:.:.:.::.:.:.:　　　　　///
.　/丶｀'、　　　　　　.:'　　　　　　　　/,;'/丶
　|　｀-丶　　　　　'丶　-　　　　　　/-''　 |
　　　　　＼　　　　＿　_　＿　　　／
　　　　　　 |＼　　　　--　　　／ |
　　　　　 ,-|　　＼.　　　　　／　　|-.
　　　　　ﾉ、ヽ　　　`'---''"　　　//丶

　　　　　　　　　　　 ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　　 ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　　　斗　＝ミ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　　　 '　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　　　'　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　 .'.,'/.x-≧ｧ　　　ヽ:;:;;:;:;:;:;:＝- 、:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　 .ヽ‐ﾐｬｯネ　　　　.!:;:;:;:;f　乂　 |:;:;:;:; 　　　　「ああ……そうだな」
　　　　　　　　　　　 /　　; : :　　　　　 ':;:;:;:;ｿ .}ヽ}ﾉ./:;:;:;:;
　　　　　　　　　　 ./　　 ; : :　　　　　　}:;:;:;:! ﾉ''′/:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　　、ｒｚﾉ: :　　　　　　 !:;:;:ｌｓ-イ.!:;:;:;:;:;:;
　　　　　　　　　　　　!ｊ: : : :　　　　　　 :!:;:/　　　 t、:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　　　ヽ-z.、: : .　　　　　: : : : : .,.,.,.,.-,-=
　　　　　　　　　　　　乂イ::　　::　　　　,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.
　　　　　　　　　　　　　.! ::　　　　　＜,.,.,..,.,.,.,.,
　　　　　　　　　　　.,.,.込 ___　＜.,.,.,.,.,.,.,.,.　　　　　　　_
　　　　　　　　 ,.,.,.,.,.,.,.,.,.,／.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,　　　　　 _
　　　　　　　　＼.,.,.,.＜.,.,.,.,,.,.,.,.,.,.,　　　　　／
　　　　　　　　　 |.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,　　　　　.イ
.

638 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:11:50 ID:b52632da

　　　　　　　　　 ',:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　',:r-ﾆﾆ　-‐　　｀　:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:
　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ﾉ≦ヽ∨
　　　　　　　　　　　!、　　　　　　ｚｚﾐ　: : :　ヽ:;:;:;:;:;f　!　} } !;
　　　　　　　　　　　ヾｘ .{.{　ｒ／ｲ_,,,,ｚｧ:　　　　..!:;:;:;:;ト.jr　./:;　　　　　　　　　　ｳﾁ
　　　　　　　　　　　　.!`'｀l　;:::::`=≦　　　　　　 l:;:;:;:;:!¨　./:;:; . 　　　「…姫の奴が東条会の代打ちになってから
　　　　　　　　　　　　 !　.'　　　　　　　　 : : : : : :}:;:;::,'ｰ＜}:;/
　　　　　　　　　　　　 .ヽ'　 ::::.、　　　: : : : : : : :: }:;:,' :!　　.}!. 　　　　随分と苦労させちまったからな」
　　　　　　　　　　　　　.t　 _ ._.ﾉ　　　: : : : :　　　|/::/　　　i
　　　　　　　　　　　　　　` il .|_´　　　　　　. . : : : ::/　　　.／
　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ、zｧ::::.　 . . .: : : : .,ｲ　　.／
　　　　　　　　　　　　　　　 .∧ ｰ≦　　: : : : .イ　　／
　　　　　　　　　　　　　　　／∧:;:;:,　　: : イ;;;;　　／
　　　　　　　　　　　　　イ/　　　＞ｓ＜ヽノ　　/
　　　　　　　　　／　　 /　　 /　／　　　　　　/

暴力団取締法が強化されてから、組同士の抗争はもっぱら "賭け事" に成り代っている
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｿﾚ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・
それまでは奥方様の仕事だった代打ちを、お嬢様が引継ぎ、奥方様がしのぎに専念できたことで
東条会はさらに勢力を拡大できたのだ

しかしそれは、お嬢様の身が "堅気の方々" と離れなければならない事も意味していた

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾍ
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 | ∧
　　　　　　　/ |　　　　　　　　---　　　_　　　|　∧
　　　　　　 /　|　,　　´　　　　_　　　　　　` 　 ';　 ∧
　　　　　　,'　／　　　　　　　　＼　　　　　　　V　 ∧
　　　　　 ,　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V　 ∧
　　 |＼ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼￣　----∧
　　 |　ヽ:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 }　___
　　＼　/　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　 l　　` ト- ／￣／
　＿＿〉{　　　 :|　 l　　l　　　　　　 |　 |　　　}　　　 V　　／
　＼　从　　　|　 l　　l　　l　　　 /　/　　　,:　　　 /-＜￣　、
　　＞ -〉　　　|＼|＼ |ﾍ　l　　// |/-|/|　/　　　 /　　　　　／
　＼　　人　、人ｨﾍ云ミ Vﾍ / / ｲ芹≠V　／／ |Y^Y_ ／
　　　＼,,/| ＼＼从廴.::ﾉ　　　　　ゞ- イ／/ｲ　}　||　|_|l
　　　　　| |　|_|ヽ|ヽ　　　　 '　　　　　　 |　　 |_ノ　　　　,
　　　　　|_|　　　 | 心　　　　　　　　　　　|　　 |　　　 V 　'
　　　　　l　　　　 l　　ト　　　 ⌒　　　　ｲ　 ,;　　　　 V　 ,
　　　　 ,　　　　 /l　　|　　＞　　_　イ _ | 　 / V　　　　V
　　　　/　　　　/ l　　 --　V∧　　／/ l　 /　〉＼　　ヽ l
　　　 /　　　／￣/￣｜　　V∧／//／l　/ ／|　　＼　　＼
　　　/　　l 　　〈　　 |　　　V///／　 l / ´　 |　　　＼　　ヽ
　　 /　___ |　　　〉　　|　　　 V／　　／「￣￣　　　　　> 、＼
　　/ / V |　　　　| 　　|　　／　　／　　|　　　　　／＼ |　　＼

お嬢様もそれは理解していたことだろう
しかし頭で理解することと、現実にその状況に立たされることとは意味合いが違う

友として絆を育んだ相手と離れることが、お嬢様にとって苦痛であったことは
傍らに居た私にも、痛いほど伝わっていた
.

639 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:12:28 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿ , 彡三l
　　　　　　　　　く川三三三≡ヽ彡ｼ
　　　　　 ,　- 彡=≡ 三彡彡彡｀ <　　　　　
　　　 ,　' 彡彡彡彡彡彡彡彡彡ｼｼl 　 , '⌒　
　　／ﾉﾉl〈〈从川シシ彡彡彡彡シシl_ノ　
,'｀〈ミﾐﾐﾐl|l|//彡 '´:::）:::::｀彡彡シｼｼｿﾄ､　　　　　　　「…不徳の致すところです
　ﾐミﾞﾞﾞlﾞﾞ"　　　　 / :::::::::=彡彡彡ｼ_ｼl ヽ､_　
　/:ﾐ　ヽ、　　　　l　::::::::::::::::::::::彡/r.ヽ|　　　　　　　　　お嬢様の近くにありながら、何も出来ず…」
　!　l　　　｀　　　　!._ｚ‐'´;::::::::::::::〉/i :　}|
　　ヽ....__　　、..,zｨて刀´::::／::!! ）ｿ/ﾉ
　　 ∧fてﾊ.､　:::::｀ゝ' ´:::::::/:::::::::::／,ｲﾄ､
　　 l　ヽ‐ '´:l　::::..　　　 ::::::::::::::::::y'´:::F 、
　　　l 　 '、　 } ::::: ::　　　:::::::::::::::::l::::::::∧ !
　　　｀　　＼ゝ-:'´　　　 ::::::::::::;:::::::::/:::ヽ
　　　　　　　＼ ←-..→　 ::::::／::　 ::!:::::::ヽ
　　　　　　　　＼｀´　　 .:／　::　　:::::::::::::＼-､
　　　　　　　　　　ゝ-- イ::　　:　　::::::::::::::／　＼
　　　　　　　　　　　　　 l　　 : 　 .:::::::／　　　　　＼
　　　　　　　　　,　 - ／/|::　 :　　.:／　　　　　　／　￣￣｀ー
　　　　　　　　／　／ /　! :　::　／　　　　　／

後悔と懺悔を口にした私だが、親方様はそれを否定した

　　　　　　　　　 Y:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/　　　　　｀　'''　　　、:;:ｌ
　　　　　　　　　 |:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　　　　　　　　　 ':;:;
　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:::;:;:;:;:/: : : :　　　　　　　　　　　':;:!
　　　　　　　　　　}-ﾐ、;:;:;:;:;:/: : : :‐-ﾆﾐx 、_　 }　　　　_.':;
　　　　　　　　　ｆ⌒　フ:;:;:': : : : : :.弋t_ｧ.ﾐ:; :.:/ frz≦,‐.'
　　　　　　　　　 .! { /!:;:;:;:;|: : : : : : ｀' ‐　｀: : :　!斥=イ.'　　　　　　「馬鹿いうな、お前はしっかりやっていた
　　　　　　　　　 ∧ tj',:;:;:;:|: : : : : : : .　　 .:; : :　 '.　｀゛ .!
　　　　　　　　　　人　 j:;:;:;!: : : : : : : : . : ::f .::.　 .∨　 .'　　　　　　姫にとっての "兄" としてな」
　　　　　　　　　　　　T.!!:;:;!: : : : : : : : : : : `　ｰメ '　 .'
　　　　　　　　　　　　.| |＼|: : : : : : : : : .　　 t_j、　 .'
　　　　　　　　　 .,.,.,.,.,|　＼: : : : : : : : : ‐==zzｭ .， .'
　　　　　　　／.,.,.,.,.,.,　 ;:　＼: : : : : : :.　　ｰ‐ 　 .__
　　　　　　／.,.,.,.,.,.,.,.,'　　　::::::＼: : : : : :　 :;:　　.∧　＼
　　　　.／.,.,.,.,.,.,.,.,.,./　　　　　　 .＼::::::::::::::::::::::ｲ.,.|　　　＼
　　.／.,.,.,,.,.,.,.,..,.,.r　:;　　　　 :;:　　:;:　￣　　 ´ /.,/　　　　　 |　　‐-　 _
. ／.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,'　::　　　　　:;　,:;:;:;:;:;　　　　/.,.,/　　　　　　|　　　　　　　　‐-
―=ﾆ.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,,'　 :;　　　　　:;:;:;:;:;:　　　　／.,.,./　　　　 , .イ　　　　　　　　　　　　　　＞、
　　　　 ⌒ヽ、/　 :;　　　　　:;:;:;:;　　/￣.,.,.,.,.,.,/　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　／　　＼

　　　　　　　|　　　 ,,-''"//彡彡彡彡彡彡ヽ、/　
　　　　 /　　',__,,-"ﾐﾐl| l| //彡彡彡彡彡彡彡、　
　　　　 ',　　／ミﾐﾐﾐﾐﾐﾐl|/''"　　/　　　彡彡彡'.
　　　　　＼/ミミﾐﾐ''ﾞﾞ　　　　　 /　　　　彡彡彡',---､　
　　　　　　lミﾐﾞﾞ　ヽ、　　　　　 |　　_,,,==-　ﾐﾐﾐﾐ:',_________,---　
　　　,--- |彡　　　｀ --- 　､_,,=='_,,,--､,　　',ミミl_____　　　　　
　　 /　　　l彡'. 　　__,,,,　　　:::::::/´匕ﾉ　"　　　彡/-、＼　　
　　　　　　 '彡.,=＝_,,,-､ﾞヽ　::::::::'‐'':::::　　　　　 ', l´ヽl.　　　　　　　　「……そのような言葉
　　　　　　 ',:|　/´匕丿'::::|　　::::　　　　　　　　/;;ヽ| /　　　
　　　　　　/ .',:: ﾞ‐‐'"　　　l､_/:::::　　　　　　　./　> l |____.　　　　　　　私には、相応しくないかと」
　　　　　.（　　 ',　　　　　　l_ヽ　 '　　　　　　 /　 |丿 l　　　
　　　　　　　　〉､',　　　　　　ﾞ-　　　　　　　/　　l-''"----'
　　　　　　　./　ヽヽ　　　　　,-´￣￣`　　　　　/',::|＼　　　
　　　　　　　|　　ヽ ',　　　　ﾞ　::::::::::::::　　　　 /　 ',|　＼___
　　　　　　　|　　　　`ヽ　　　　　　　　　　　／　　　|ヽ___,
　　　　　　　＼　　　　｀ヽ､_　　　,,,,:::::::::／　　　　　',-、
　　　　　　　　　　　　　　 /　',｀ ‐‐‐　　　　　　　　//　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 ./　　',　　　　　　　　　　 //　　　　｀ﾞヽ、
　　　　　　　　　　　　　（　　___',　　　｀ﾞ'''　　　　.//　　　　　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　∧ヽ　　　　　:::::::　 //　　　　　　　　　　ヽ_____
　　　　　　　　　　　　　　　/　', ＼　　　　　　 //　　　　　　　　　　　　　　￣￣

私は雇われの身であり、お嬢様は雇用主の娘である
そこには兄妹などという関係性は存在しないだろう
.

640 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:12:53 ID:b52632da

だが私の言葉に、親方様は不思議な反応をされた
低く、笑ったのだ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,.:':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｊ:;:;:;:;:;/´　　　‐----- 、:;:;:;:;i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:;:;:;:,'　　　　　　　　　　.':;:;:;:;ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!;:;:,' ≧s、　 } ::　　_ｭｭｘ!:;:;:〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }!:;　.弋.ﾃﾒ}ﾉ :;:;＞- ﾐ :i!:;:;{.　　　　「…姫もな、そう言ってたぞ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .}:;|　ﾞ''‐　 ::　!:;: ¨¨´ ;i;!:;/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}:;|　　　 :　　!:;:　　 ;i;i':/.　　　　　　私には、源之助を兄と呼ぶ資格は無い、と」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ .ﾑ!　　　 '' ｰ .′　;i/´
　　　　　　　　　　　　　　　 ..＞　 |　　ム　ｰ-　　　,　./
　　　　　　　　　　　　 .＞　　　　 .|　　　.∧　　　¨　 :i.ｲ∧_
　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　∧　____ .ｲ　ｌ ..∧ヽ
　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　 ',　　　 .∧　 ;:;　::::,'　 .∧　ヽ
　　　　 γ　冖　ヽ　　　　　　　　　　',　　　 ..∧ :;:　:;:;',　　 .∧　 ,，
　　　　/　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　 .∧　　　.!　　　.∧　.|
　　　./　　　　　　　　∨　　　　　　　　i!　　　　 .!|　　 ;|　　　　∧ |

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿ , 彡三l
　　　　　　　　　く川三三三≡ヽ彡ｼ
　　　　　 ,　- 彡=≡ 三彡彡彡｀ <　　　　　
　　　 ,　' 彡彡彡彡彡彡彡彡彡ｼｼl 　 , '⌒
　　／ﾉﾉl〈〈从川シシ彡彡彡彡シシl_ノ　　　
,'｀〈ミﾐﾐﾐl|l|//彡 '´:::）:::::｀彡彡シｼｼｿﾄ､　　　
　ﾐミﾞﾞﾞlﾞﾞ"　　　　 / :::::::::=彡彡彡ｼ_ｼl ヽ､_　
　/:ﾐ　ヽ、　　　　l　::::::::::::::::::::::彡/r.ヽ|　　　　　　　　「何故…そのような事を？」
　!　l　　　｀　　　　!._ｚ‐'´;::::::::::::::〉/i :　}| 　
　　ヽ....__　　、..,zｨて刀´::::／::!! ）ｿ/ﾉ　
　　 ∧fてﾊ.､　:::::｀ゝ' ´:::::::/:::::::::::／,ｲﾄ､　
　　 l　ヽ‐ '´:l　::::..　　　 ::::::::::::::::::y'´:::F 、　　
　　　l 　 '、　 } ::::: ::　　　:::::::::::::::::l::::::::∧ !
　　　｀　　＼ゝ-:'´　　　 ::::::::::::;:::::::::/:::ヽ
　　　　　　　＼ ←-..→　 ::::::／::　 ::!:::::::ヽ
　　　　　　　　＼｀´　　 .:／　::　　:::::::::::::＼-､
　　　　　　　　　　ゝ-- イ::　　:　　::::::::::::::／　＼
　　　　　　　　　　　　　 l　　 : 　 .:::::::／　　　　　＼
　　　　　　　　　,　 - ／/|::　 :　　.:／　　　　　　／　￣￣｀ー
　　　　　　　　／　／ /　! :　::　／　　　　　／

なぜお嬢様がそのような事を思うのか

立場を考えれば私が下であり、お嬢様が上なのだ
そこに疑問の余地など無いはず

　　　　　　　　　　　　　＞　:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　　　 .／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::}
　　　　　　　　　／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:r‐　＼
　　　　　　　　/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|　　　　ヽ
　　　　　　　∥:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:{　　≦ｧﾉ{、
　　　　　　　.!:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!　　　''′　 .ヽ、.　　　　　「あいつは、昔俺にこう言ったよ」
　　　　　　　`　7:;:;:;:;:;:;:;:＞ミ‐、:;:{　　　　 ;: 乂.ソ
　　　　　　　　　!:;:;:;:;:;:;:;:{!ﾄ/ヽ才:;:',　　　　　　　〉
　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:;:;:ヘ　　〕、;　　　　　ｒ ´l
　　　　　　　　　　　＼:;:;:;:;:;:;: ¨^　 ⌒　　　　　　.}
　　　　　　　　　　　　.トｰ--≠.,__　゛゛:::::::::::::::. イ、
　　　　　　　　　　　　}⌒―-　.,.,.,.,..,..,.＜　 .f´.,.,.,.,.,.,..,、
　　　　　　　　　　　 r‐　 _　　　 `＜:;:;:;:;:;:;:;:＜.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.、
　　　　　　　　　　／　/　　　＼　　　　＼.,.,.,.,.,...,.,.,.＜;＜
　　　　　　　　 .,　　／　　　　　＼　　.!　.＼.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.|
　　　　　　　 ,　ｘﾆﾆﾆ、　、　　　　 ≧ |　　　ヽ.,.,.,.,.,.,.,/
　　　　　　　　　　　　　＼　＼　　　　＼　　　.＼.,.,.,/
.

641 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:13:25 ID:b52632da

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

　　　　　　　　　　　　　　　|ヽ　　　　　　＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　| ﾊＹ　＞''て　　　　|＼｀''＜　＞''7
　　　　　　　　　　　　　　　|/ |>'´: : : ≧: : : : : |　＼: : ,ｲ　/
　　　　　　　　　　　　　 r'~　/: : : / : : : : : : : : :'，　＼.　 /
　　　　　　　　　　　　　 | ,ィ^: : : ,' : : : : : : : : : : ﾍ　　　ヽ |∨__
　　　　　　　　　ヽ￣,' : : : : ,' : : : : : : : : : : : : :｀ヽ　/´　／　　　　わたくしがずっとお嬢様と呼ばれているのは
　　　　　　　　　　　　　>l : : : : :ｌ : : : : : :＿__: : : : : : : |/　／===ﾐ　
　　　　　　　　　　　ﾍ |: : ＞'"￣ : : : : : : : ｀''＜ : : | ／　　　//　　　源之助にとってわたくしがまだまだ子供だからです
　　　　　　　　　　　 |: : : : : : ', : : : : : : : : : : : : : :/:.ﾄ<⌒ヽ_/　　
　　　　　　　　　　　　　ハ､ﾄ､ヽ､ : : : :,ｲ:/ｨ:／|ｲ:ｲ/: :|.i ｢| :｢|l
　　　　　　　　　　 ,: : |ヘ',.ﾐ==ﾍ／/' ｨ==‐'' | : : : | /|」 :|」l. . 　　　ですから早く大人にならなければ
　　　　　　　　　　 7: : |: : :ﾊ xx　 ,　　　 xｘ　|: : : :l: : : : : : :l
　　　　　　　　　　 7 : : |: : :|∧　　＿＿　　ｌ : : :ﾊ: : : : : : :',
　　　　　　　　　 /: : : :|: : :|//ﾐh､　ﾏ:_:ノ　 , l : : ﾊ ∧: : : : : ∨ /
　　　　　　　　　　　/: : : : :|i : :|//⌒⌒ヽ､ .＜. l: : :/　／乂 : : : : ∨ /
　　　　　　　　 /: : : : : :|l : :|7 /ﾆﾆﾆ7/　　从:/／　　／｀''＜:.∨ /
　　　　　　　 ,ｲ: : : : : : 从八 /ﾆﾆﾆ7∧ﾍ／},ｲ´　　／　　　　__､:＼
　　　　　　 , イ: : : : : : : : : :/ 7/ﾆﾆﾆ7/　／／　　／　　　／　ヽ!: :＼
.　　　　＞''´: : : : : : : : : : : /| 7/ﾆﾆｱ,ｲ／／　　／　　|　/／　　　 l : : : :` ､
　＞''´ : : : : : :／ : : : : : : |. 7/ﾆﾆｱｲ. ／　　／　　 i |.／　　　　　|! : : : : : :ヽ

　　　　　　　　　　　　　 /}　　　 _,､､､､_,､､､_　　　 ,、
　　　　　　　　　　 / ,'＞''´　　　　　　　｀'＜. |∨
.　　　　　　　　　　 ,ｲ /　　　 /　　　　　　　　 ', ∨
　　　　　　　ﾄ､／.　/　　　　　　　　　　　　　　 ',　ﾏ
　　　　　　　　 ',. { ヽ―‐ｧ.　　 |i　　　　 |　　　､,,_ﾍ . ヽ
.　　　　　　＿ﾍゝ , .イ　　　　|i　　　　 |　 |　乂￣　 }―ｧ
.　　　　／¨¨¨ヽ,ｲ　　　 |　　 |i　　　　 |　 |　　　｀¨∨　ノ
.　　　　＼`―‐ |.　　　 |　　 |i　　　　 |　 | 　　　 ∨￣｀ヽ
.　　　　　ｏ⌒'ﾊ　　 |　| _|.斗-　　　　 /|　ﾊ. | 　〉　|＿__／　　　　　年はどうしようもありませんが
　　　　　 |」　 |ﾊ　　 |　| ﾊハ l　　 l /│｀ト.､| 　　　ﾊ . o.　
　　　　　　　ｌ |ﾍﾊＶｨ竿竿ミ',　ｲ}/＿Ⅳ Ⅵ.　　ﾊl｣ |｣　　　　　　心を大人にすることはできます
.　　　　　　　　 ,'. |. / ﾊ,,《乂ン　 'ｲ　 ''¨うj㍉ｘ| ハﾊ/. l.　　　
.　　　　　　　 ,'　| {.| | | }ゝ　　　　　　　　ゞ‐'〃ﾊ}. |　 | l
　　　　　　　　/__ ハ| | | {`　　　　　　,　　　＿_/} ', .|＿|. l　　　　　　　　　　その時は、きっと源之助も
　　　　　　 />''~ヽﾍ.| |. ﾍ　　　､　　　　　ゝ┐∨/.／､|. l
.　　　　 /⌒ヽ::::::::::l. ﾍ　　`ﾄ､　　　 ' 　_　‐''´　V /:::::::ﾊ. l.　　　　　　　　わたくしを家族として見てくれますよね？
.　　　　 | 　ゝ､＼::::l . ヽ　　　 ', ､___ｧ''´　　　／ /::::::::::::ﾊ. l
.　　　　 | 　　　ゝ､_ヽ }.　ヽ　　 '，ｲ　　　／　{ l:::::::::::＞''´￣|
.　　　　　|　　　　　乂'，　　l 　　八{　　　l 　　{ l::::／ , イ￣ゝ|
.　　　 /|.　　　　　 ',　　|　　 lV/.| 　　 l　　{ l'"_ノ.　　　　ハ
　　　 /　|　　　　　　 ',　,′　 l./.　| 　　 ',　ゝｲ　　　　　　l 　∨ /
.　　 /. 　ｌ　　　　 /　　 ∨　　 l.　　 l　　　∨ﾊ　　/.　　　 l　　 ∨ /
　　 /　　　ﾊ.　　 /.　　 /　　　 |　＿_l. 　　 ∨-､/　　　| . ﾊ　　 ∨ /
.　 /　　　　ﾊ.　　/.　／/　　　　|ヽ)(___!　　　　ヽ　ヽ|.　 |. ハ　　　 ∨

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

.

642 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:13:55 ID:b52632da

私は、呆けていた
親方様から自身に浴びせられた埒外の言葉に

お嬢様がそのような事を思っていたなど、考えたことも無かった
いや、それ以前に、そのようなことを思われる事が無いと決め付けていた

　　　　　　　／彳彡へ＼ヽ丶ヽ＼＼＼＼ヽヽ｀ヽ、
＼､__　,.∠/∠三Ξ≧-=＝‐┴┴┴┴┴--｀､_i Yヽ、
<ヽ／∠彡=ヲ''´　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ/_ト、
r､>','Ξテ''´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽlヽ
ﾐ'r=／...::　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
Ξ／:::　..::::　　　　　　　　　　＿＿＿　　　　　　　　　　　　 i
/;;::'' ,.::::: '　　　_,,...::::::‐‐::::￣　　　　　￣｀　‐- .､　　　　　　 l
'',..::::::::''　_,ィ'"彡:::::::::::､､ミﾐヾヾ､､,,.. ,,,,,　　　　　｀ー--､　　.i
:::::'' ,／三 lΞシ:::::::::::::::::..　 ⌒｀｀ﾞヾヾY'′　　　　　　,,.._｀ヽ l
::;／ミ三三l 彡:::::::::::::_,,ィ-ｧ-t-､､::::::::::::...　　　　　.,〃アツｨl､
ミミ三三ハｼ:::::::::::::::´ヽ､__毛ｭiﾉ.`{ 　　.: :::.　　／,..＿_　　ﾊ
r‐-ミΞ/Ξキ::::::::::::::...　　　￣｀"´.,,,;;;;::::　:::.　 l ｨ' 仆ﾊヾ_,'　ヽ、＿
/^>､_メ､ヽﾐ　｀ー-‐::::.:.　　　　　　::;;;;;:::'　 :::　 :l!::.｀"'≠┘!、　　　　｀
/　,ﾉ'､ヾミヽ、:::::::::::::::.:..　　　　　　 :::::　...::::　　'､ ::.:　　　 l､ヽ、
{　(_ノ,ｨ, '､ﾐ:::::｀ヽ、:::::::.:...　　　　　　 :.;:.;r:..;;..　　ヽ　　　　l ヽ､｀ー-､
ヽ　r' ﾉ　ｷﾐ::::::::::::::ヽ::::.:.:...　　　　　..:.:.i:::::_,.ｨ::.:.,ｨ/　　　　 ,'　　＼　　i
ヽヽ丶弋､ヾ､;;;::::::::::::::::.:.:.:.　　　　　　＾｀:::::'_,r' ﾝ　　　　　,'_, -‐ ´
ミヽヽ-､Y_ミ:::::::::::::::::.:.:.:.:.:　　　　　　　　 :::.:.　　　　　　 /
ヾミヽ､_二,,}ミ:::::::::::::::.:.:.:.:.　　　　　 _,／^ ーュ　　　　 /
-ヾヾミ ~:;;;;;::::::::::::::.:.:...　　　　　　 '^､´￣￣＾テ　　 /
　　ﾐミ､:::::::::'､::::::::::::::.:.:.　　　　　　　,｀´⌒ '' ´　　　/ ヽ、
ーx´iﾐ,'::::::::::::'､:::::::.:.:.:.:.:...　　　　　　　-三-　　　 , '　　 l
ー' ヽl:!:::::::::::::::｀ヽ､:::::::::.:.:..　　　　　　　　　　　 ./ 　　 ,'
　　　,':::::::::::::.:.:.:.::｀:::｀ー=-:::::.:......　　　　　　　 /
　 .「二二ニ__.ヽ､...　:::::::.:.' -::::::::::::::::.:.......　,,／
　 }三三三三三ヽヽ、:::::::.:.:.:.:..:..:..:..:..:;;;r'"
　/三三三三三三｀ヽ｀ヽ:::::　　　 ..::: l
￣"'ー-､三三三三三Ξ＼＼　　;;::::: ト、
三三三三｀ ‐ -､三三三三＼＼　;;　トヽ＼

私は所詮、この家にとって外様であり、単なるお嬢様の護衛に過ぎないと
であればこそ、受けた恩義に報いるため、職務を全うしようと

そう私は考えてきたのだ

それゆえに、お嬢様に初めてお会いした時も、私はこう伝えたのだ
.

643 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:14:22 ID:b52632da

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿} 　、
　　　　　　　　　　　　　　 ∧　　´￣￣＼⌒＼＼
　　　　　　　　　　　　 '　}　　　　　　　 ⌒＼　}／}
　　　　　　　　　　　／ ' 　}/{　　　　　　　　＼／
　　　　　　　　　　〃　' 　/ /　　　　　　 |　　　　'，
　　　　　　　　　ｌ| 　{　/ /　　　 | 　　 | |　| 　ハ〉
　　　　　　　　ｌ|＿{ 〈　{　　ィ　| 　} 　抖f芹/_)
　　　　　　　　　　　ｌ|⌒＼_V　　Ｎ斗f芹}／　vｿ^〈'，.　　　　　　「呼び捨て…ですか？
　　　　　　　　　　ｌ|　　(___{＾、 v Vrソ　　　　 l !
　　　　　　　　　ｌ|　　{}八__|＼〉　　　＿　　ｲ |.　　　　　ですが源之助様は私より
　　　　　　　　ｌ|　　　　{}_|　{＿＿ |　　|=≦Hノ┐
　　　　　　　　　　　j|　　　　 {∧ {､ ⌒{ |　　|〈　| ﾚ⌒L.　　　　年上の方ですのに」
　　　　　　　　　 j|　　　　_j＿}ハ＼cｌ| 　ﾊl 　l/　　 }、
　　　　　　　　　　 j|　　　　{￣　⌒ア⌒` v′_〉_}⌒ｌ　　ヽ
　　　　　　　 j|　　　　　'，　　/　　　　`丶､J 　{　　　　⌒＼
　　　　　　　　　 j|　　　　　　'，　　　　　　　ヽ　、　　　　 }
　　　　　　　　　 j|　　　　　　 }　　　　　　　　　　|　　 )　　　　 }
　　　　　　　　　 i{　　　　　く　　　　　　　 |__／　　　　　 }
　　　　　　　　　 i{　　　　　　　}　　　　　　　　　　 |_] ',　　　　　 }
　　　　　　　　　i{　　　　　　　}　　　　　　　　　　|八 ',　　　　 }
　　　　　　　　　i{ 　　　　 /}　　　　　　　　　　|⌒} ',　　　　　 }

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿ , 彡三l
　　　　　　　　　く川三三三≡ヽ彡ｼ
　　　　　 ,　- 彡=≡ 三彡彡彡｀ <　　　　　
　　　 ,　' 彡彡彡彡彡彡彡彡彡ｼｼl 　 , '⌒　
　　／ﾉﾉl〈〈从川シシ彡彡彡彡シシl_ノ　
,'｀〈ミﾐﾐﾐl|l|//彡 '´:::）:::::｀彡彡シｼｼｿﾄ､　　　　　　「用心棒に敬語を使う主人などおりませぬ
　ﾐミﾞﾞﾞlﾞﾞ"　　　　 / :::::::::=彡彡彡ｼ_ｼl ヽ､_　　　　　　　　　　　・・・・・
　/:ﾐ　ヽ、　　　　l　::::::::::::::::::::::彡/r.ヽ|　　　　　　　　いまだ幼きお嬢様が、私を呼び捨てることは
　!　l　　　｀　　　　!._ｚ‐'´;::::::::::::::〉/i :　}|
　　ヽ....__　　、..,zｨて刀´::::／::!! ）ｿ/ﾉ　　　　　　　　　対外的に主従関係を示すことにもなりますゆえ」
　　 ∧fてﾊ.､　:::::｀ゝ' ´:::::::/:::::::::::／,ｲﾄ､　
　　 l　ヽ‐ '´:l　::::..　　　 ::::::::::::::::::y'´:::F 、
　　　l 　 '、　 } ::::: ::　　　:::::::::::::::::l::::::::∧ !
　　　｀　　＼ゝ-:'´　　　 ::::::::::::;:::::::::/:::ヽ
　　　　　　　＼ ←-..→　 ::::::／::　 ::!:::::::ヽ
　　　　　　　　＼｀´　　 .:／　::　　:::::::::::::＼-､
　　　　　　　　　　ゝ-- イ::　　:　　::::::::::::::／　＼
　　　　　　　　　　　　　 l　　 : 　 .:::::::／　　　　　＼
　　　　　　　　　,　 - ／/|::　 :　　.:／　　　　　　／　￣￣｀ー
　　　　　　　　／　／ /　! :　::　／　　　　　／

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾍ
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　 | ∧
　　　　　　　/ |　　　　　　　　---　　　_　　　|　∧
　　　　　　 /　|　,　　´　　　　_　　　　　　` 　 ';　 ∧
　　　　　　,'　／　　　　　　　　＼　　　　　　　V　 ∧
　　　　　 ,　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　V　 ∧
　　 |＼ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼￣　----∧
　　 |　ヽ:/　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　 }　___.　　　　「…そうですか
　　＼　/　　　,'　　　　　　　　　　　　　　　 l　　` ト- ／￣／.　
　＿＿〉{　　　 :|　 l　　l　　　　　　 |　 |　　　}　　　 V　　／　　　　私はまだ子供ですから仕方ありませんね
　＼　从　　　|　_l＿ l _　　　　 , lーl-.- 、/ 　　　/-＜￣　、
　　＞ -〉　　　|＼|＼ |ﾍ`　l　　// |/-|/| /　　　 /　　　　　／
　＼　　人　、人　_ -==ミVﾍ // ｧ≠=ミ/ 　／／ |Y^Y_ ／.　　　　源之助さ――― 源之助がそう言うのでしたら
　　　＼,,/| ＼＼从"　　　　　　　　　　/／/ｲ　}　||　|_|l
　　　　　| |　|_|ヽ|ヽ　　　　 '　　　　　　 |　　 |_ノ　　　　, 　　　　　わたくしはその通りにいたします」」
　　　　　|_|　　　 | 心　　　　　＿_　　　　|　　 |　　　 V 　'
　　　　　l　　　　 l　　ト　　　｀　´　　　ｲ　 ,;　　　　 V　 ,
　　　　 ,　　　　 /l　　|　　＞　　_　イ _ | 　 / V　　　　V
　　　　/　　　　/ l　　 --　V∧　　／/ l　 /　〉＼　　ヽ l
　　　 /　　　／￣/￣｜　　V∧／//／l　/ ／|　　＼　　＼
　　　/　　l 　　〈　　 |　　　V///／　 l / ´　 |　　　＼　　ヽ
　　 /　___ |　　　〉　　|　　　 V／　　／「￣￣　　　　　> 、＼
　　/ / V |　　　　| 　　|　　／　　／　　|　　　　　／＼ |　　＼

　 /.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:______.:.:.:.:.:.:.:|
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　 |.:.:.:| ''"""＝==;;　　　　;;==＝""'''　 |.:.:〆
...l"''| .| -<''''{ u}'';,."'',,、 .,,;;''l"{ u}｀'>´　|/ソ|　　　　　「有難うございます、お嬢様」
.丶(ヽ.|　.:.:￣￣　　"'|.:.:''.:.:.:.:￣￣　　/　/
　＼(ヾ　.:　　　　　　|.:.:.:.::.:.:.:　　　　　///
.　/丶｀'、　　　　　　.:'　　　　　　　　/,;'/丶
　|　｀-丶　　　　　'丶　-　　　　　　/-''　 |
　　　　　＼　　　　＿　_　＿　　　／
　　　　　　 |＼　　　　--　　　／ |
　　　　　 ,-|　　＼.　　　　　／　　|-.
　　　　　ﾉ、ヽ　　　`'---''"　　　//丶

・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━

.

644 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:14:50 ID:b52632da

呆けた私を見て、私が何も気づいていなかったことを悟られたのだろう
私に言い聞かせるように、親方様は語り出す

　　　　　　　　　 ',:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　',:r-ﾆﾆ　-‐　　｀　:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:
　　　　　　　　　　　!　　　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ﾉ≦ヽ∨
　　　　　　　　　　　!、　　　　　　ｚｚﾐ　: : :　ヽ:;:;:;:;:;f　!　} } !;. 　　　　「…あのよぅ、源の字
　　　　　　　　　　　ヾｘ .{.{　ｒ／ｲ_,,,,ｚｧ:　　　　..!:;:;:;:;ト.jr　./:;
　　　　　　　　　　　　.!`'｀l　;:::::`=≦　　　　　　 l:;:;:;:;:!¨　./:;:;.　　　　　　姫は、俺や龍田にとって大事な一人娘だ
　　　　　　　　　　　　 !　.'　　　　　　　　 : : : : : :}:;:;::,'ｰ＜}:;/
　　　　　　　　　　　　 .ヽ'　 ::::.、　　　: : : : : : : :: }:;:,' :!　　.}!
　　　　　　　　　　　　　.t　 _ ._.ﾉ　　　: : : : :　　　|/::/　　　i　　　　　　そんな娘の命を、俺達はお前に預けてんだ」
　　　　　　　　　　　　　　` il .|_´　　　　　　. . : : : ::/　　　.／
　　　　　　　　　　　　　　　　ｒ、zｧ::::.　 . . .: : : : .,ｲ　　.／
　　　　　　　　　　　　　　　 .∧ ｰ≦　　: : : : .イ　　／
　　　　　　　　　　　　　　　／∧:;:;:,　　: : イ;;;;　　／
　　　　　　　　　　　　　イ/　　　＞ｓ＜ヽノ　　/
　　　　　　　　　／　　 /　　 /　／　　　　　　/

　　　　　　ゞ"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ､
　　　　　 ,ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ,
　　　　　〃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ"ﾞﾞヾ､;;;;;;;;;;;;;;;;,
　　　　　ゞ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ´　　　｀'ヾ;;;;;;;;;;ｉ
　　　　 /;;;;;;, -‐､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'ゞ´　　　　　　　｀ヾ'.　　　　　「赤の他人に、そんなことさせられねぇよ
　　　　ｉ;;;;;/ ´´｀l ｉ;;;;;;ゞ'´´　　　　__　　　　　　 i
　　　　i;;;;;ｌ -‐'´ .i;;;;;;ｉ　　　　　　__ ゛ヽ､　　　　i.　　　　　　　血の繋がりなんて関係ねぇ
　　　　i;;;;;ゝﾞ´"i .ｉ;;;;;i　　　　　ゞ'｀､｀､　 __i.　　　　
　　　　i;;;;;;;;;〉､´/;;;;i'　　　　　　　　｀　´　ｌ::::／.　　　　　　　あの時お前を拾った時から、お前は俺達の息子なんだ」
　　　　i;;;;;ゞ: : ｀.;;;;i'　　　　　　　　　ｉ''　　　　　
　　　 ,i;;;/: : : : .　　　　　　　　　　　　　　i　　　　　　
　┌‐‐ー---　 __　　　　　　　 ⌒-‐'　　　　　　　
　 l; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;｀;､　　　　　‐‐-=.､,, /　　　　　　　　　 ,‐ .､　　　
´｀ヽ､; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;ｉ　　　　｀ ‐／　　　　　　　　,-.､＼ .＼　　
ヽ　　｀ヽ､; ; ; ; ; ; ; ;i ＼,,,,,,　　 /./　　　　　　 ,┴-ヽ､ .＼ .＼
　｀ヽ､　　ヽ､; ; ; ; ; ｉ　　｀iヾ;;;;;;;ゞ'‐‐- ､　　　　　　｀‐-　､　｀'ヽ､ .ヽ　　　
　　　｀ゝ　　ヽ､; ; ; ;!,､　 i; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ｀ヽ,　　　,‐‐-.`-　､＼　ヽ二二二二!i
　　｀ヽ　　　　ヽ; ; ; ; ;ヽゝ､; ; ; ; ; ; ; , -‐´ 　　ﾝ‐‐‐-- ､｀.ヽ　　｀ |
　　　　　ヽ　　　ヽ; ; ; oヽヽ; ; ; -‐´　　　　　　ヽ-‐‐- ､　＼　＼　 .|
　　　　　　ヽ　　　 .ヽ; ; ; ; i　 i; ; /､　　　　　　　　　　 |　＼　　　　 |
　　　　　　　ヽ　　　ヽ; ; ;ヽ　ｌ; ;ﾄ､ヽ　　　　　　　　　　|::　｀｀ヽ　　　 |
　　　　　　ヽ　　　ヽ; ;。i .!; ;ｌ; ヽ .ヽ　　　　　　　 ,-‐!: : : : : : 　　 /
　　　　　　　　ヽ　　　ヽ; ; ヽｉ;.ｌ; ; ;ヽ　｀､　　　　ゝ'　　,〉: : : : 　　　ｉ
　　　　　　　ヽ　　　. i; ; ; ｌ;ｌ; ; ; ; ;i　　｀i　　　 |､｀ ‐‐----､　,ゝ'´ ｌヽ
　　　　　　　　　　ヽ　　　 .ｉ; ; ;ｌ; ; ; ; ; ｉ　　ｉ　　　 |　｀ ____　　　!/ _____,!/|
　　　　　　　　　　ヽ　　 i; ; ; ; ; ; ; ;;ｉ　　ﾄ､.　　|　　　　￣￣'￣　　 |　|
　　　　　　　　　ヽ　　　i; ; ; ; ; ; ; ;;i 　　| ヽ　.|　　　　　　　　　　　|　|
　　　　　　　　　　　　ヽ　　ｉ; ; ; ; ; ; ; ;;ｉ　　|　ヽ |　　　　　　　　　　　| ο
　　　　　　　　　　　ヽ　ｉ; ; ; ; ; ; ; ;;i　　 |.　　|　　　　　　　　　　　| ο
　　　　　　　　　　　　　　ヽ　i; ; ; ; ; ; ; ; i 　　|　　|　　　　　　　　　　　|　|

それは、私が幼き頃から渇望していて、遂には得られなかった言葉であった
.

645 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:15:21 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　,;:=ﾐΞﾂ;;,.、
　　　　　　　　　_,.r"ミﾂ!l|lli!ll彡ヽ　　　　　　　　「というかだな、本気で気づいてなかったのか？
　　　　　　　　,;「ミf"＝≡=≠''ヾｼ、
　　　　　　　　iミ/　　　 .　　　　';彡}.　　　　　　　お前じゃなかったら、いくら用心棒とはいえ
　　　　　　　　{ﾐ{' `ｰ-､',,' ,,.-‐" }彡｝
　　　　　　　　ﾄ"!　z.t;f　 k t;ｧ　}彡!.　　　　　　容易く敷居を跨がせたり、卓を囲んだりしねぇよ
　　　　　　　　',ﾋ'|　　 ' .:;ヾ、　, ,|l!ﾘ
　　　　　　　　ﾚl!|u.　,　:'　　' ;"ｿ
　　　　　　　　　ﾞ;!　 , -　-､　人.　　　　　　　　 …ま、はっきり言わなかった俺も悪りぃけど、な」
　　　　　　　 ,,.r＜ト､、,,;;;,、.ノ　ｼ7-､
　　　　　　／.;.;〃;.!　::　-　"　,' /.;.;/~＼、
　　　　／.;.;ノ;';';./ ',　:　　;'　,.ノ.;.;./　　 |｀ﾞ"''ー-､､_
　,..-＜＿__,.;.;.;.;/　〉　　:　,r'.;.;.;.;/　　＜´　　　　　　￣フヽ、
/　　　　　 |!.;.;.;.;ﾄ、　　　＜.;.;.;／　　　　｀７　　　　　　/~　　ﾍ

呆れた様子の親方様に、私は再び自らに反省を敷いた

認識が違っていたという前提があるにせよ、これほど長い間近くに居ながら
お嬢様の気持ちを毛ほども理解できなかったとは、用心棒として失格である

　　　　　　　|　　　 ,,-''"//彡彡彡彡彡彡ヽ、/　　
　　　　 /　　',__,,-"ﾐﾐl| l| //彡彡彡彡彡彡彡、　　
　　　　 ',　　／ミﾐﾐﾐﾐﾐﾐl|/''"　　/　　　彡彡彡'.　
　　　　　＼/ミミﾐﾐ''ﾞﾞ　　　　　 /　　　　彡彡彡',---､　　　　　　
　　　　　　lミﾐﾞﾞ　ヽ、　　　　　 |　　_,,,==-　ﾐﾐﾐﾐ:',_________,---　
　　　,--- |彡　　　｀ --- 　､_,,=='_,,,--､,　　',ミミl_____　　　　　
　　 /　　　l彡'. 　　__,,,,　　　:::::::/´匕ﾉ　"　　　彡/-、＼　　
　　　　　　 '彡.,=＝_,,,-､ﾞヽ　::::::::'‐'':::::　　　　　 ', l´ヽl　　　　　　「…至らぬばかりで、申し訳ございません」
　　　　　　 ',:|　/´匕丿'::::|　　::::　　　　　　　　/;;ヽ| /　
　　　　　　/ .',:: ﾞ‐‐'"　　　l､_/:::::　　　　　　　./　> l |____　
　　　　　.（　　 ',　　　　　　l_ヽ　 '　　　　　　 /　 |丿 l　　　
　　　　　　　　〉､',　　　　　　ﾞ-　　　　　　　/　　l-''"----'
　　　　　　　./　ヽヽ　　　　　,-´￣￣`　　　　　/',::|＼　
　　　　　　　|　　ヽ ',　　　　ﾞ　::::::::::::::　　　　 /　 ',|　＼____,　　
　　　　　　　|　　　　`ヽ　　　　　　　　　　　／　　　|ヽ___,
　　　　　　　＼　　　　｀ヽ､_　　　,,,,:::::::::／　　　　　',-、
　　　　　　　　　　　　　　 /　',｀ ‐‐‐　　　　　　　　//　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　 ./　　',　　　　　　　　　　 //　　　　｀ﾞヽ、
　　　　　　　　　　　　　（　　___',　　　｀ﾞ'''　　　　.//　　　　　　　｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　∧ヽ　　　　　:::::::　 //　　　　　　　　　　ヽ_____
　　　　　　　　　　　　　　　/　', ＼　　　　　　 //　　　　　　　　　　　　　　￣￣

しかし頭が反省の色に染まる中でも、私の胸中には何か暖かなものを感じていた

これはおそらく喜び、なのだろう
.

646 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:15:50 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　　／:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.
　　　　　　　　　　　　!:;:;:;:'　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;:;::;
　　　　　　　　　　　 .ﾉ:;:;:'　　　　　　　　　　　ヽ:;:;:;:;:;t
　　　　　　　　　　　　}:;:;: 》x 、_ ﾉ { __≦千ヽ　';:;:;:;:;:;:!.　　　　「まぁいいさ
　　　　　　　　　　　乂:;:　斗ｧﾐ :　::::;ｨｔﾃｧ　　 }:;:;:ノ、
　　　　　　　　　　　　';:;:;　｀''　´::　:::.　｀゛ ´ . : :|:;:;:;7.|　　　　　今度からは、改めてくれるんだろう？」
　　　　　　　　　　　　 ';:;:.　　　r'　:: ヽ　　 : : : ::!:;:;//
　　　　　　　　　　　　　';:;'　　　｀ｰ ''.′　 : : : : |:;{ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　ヽ'　　　　　　　　 : : : ::!/
　　　　　　　　　　　　　　　',　弋二才　. : : : :'ﾄ、
　　　　　　　　　　　　　／/ﾑ　　　 . . : : : ,': :|　ヽ
　　　　　　　　　　　／　.! / ヽ　ノiヽ: : : : イ　 !ヽ　 .＼
　　　　　　_　-‐　　/　　 !ｌ　;　　≧　千:::　　 ::: :,'　　　 | ＞　、
＿　　　　　　　　　/　　 .|　,　　　　　::::::　.::::::::: ,　　　　 |　　　　　＞　 _

親方様の言葉に、私は堅い表情に出来る限りの笑顔を浮かべて、こう返した

　 /.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:______.:.:.:.:.:.:.:|
　|.:.:.:.::.:.:／"""'''''''''''''''""""￣　　ヽ.:.:.:.:.:|
　|.:.:.::.;:/　　　　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.|
　|.:.:.:.:::|__　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:|___
_-|.:.:.:.:／　　　　　　　　　　　　　__　＼.:.:/　￣
　 |.:.:.:| ''"""＝==;;　　　　;;==＝""'''　 |.:.:〆.　　　　　　　「…まずは、お嬢様の誤解を
...l"''| .| -<''''{ u}'';,."'',,、 .,,;;''l"{ u}｀'>´　|/ソ|
.丶(ヽ.|　.:.:￣￣　　"'|.:.:''.:.:.:.:￣￣　　/　/　　　　　　　解かねばなりますまい」
　＼(ヾ　.:　　　　　　|.:.:.:.::.:.:.:　　　　　///
.　/丶｀'、　　　　　　.:'　　　　　　　　/,;'/丶
　|　｀-丶　　　　　'丶　-　　　　　　/-''　 |
　　　　　＼　　　　＿　_　＿　　　／
　　　　　　 |＼　　　　--　　　／ |
　　　　　 ,-|　　＼.　　　　　／　　|-.
　　　　　ﾉ、ヽ　　　`'---''"　　　//丶

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,;':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,.:':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.,.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｊ:;:;:;:;:;/´　　　‐----- 、:;:;:;:;i
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:;:;:;:,'　　　　　　　　　　.':;:;:;:;ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i!;:;:,' ≧s、　 } ::　　_ｭｭｘ!:;:;:〈
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }!:;　.弋.ﾃﾒ}ﾉ :;:;＞- ﾐ :i!:;:;{.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .}:;|　ﾞ''‐　 ::　!:;: ¨¨´ ;i;!:;/.　　　　　「ああ、頼むぜ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　}:;|　　　 :　　!:;:　　 ;i;i':/　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ .ﾑ!　　　 '' ｰ .′　;i/´
　　　　　　　　　　　　　　　 ..＞　 |　　ム　ｰ-　　　,　./
　　　　　　　　　　　　 .＞　　　　 .|　　　.∧　　　¨　 :i.ｲ∧_
　　　　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　　∧　____ .ｲ　ｌ ..∧ヽ
　　　　　　　＞　　　　　　　　　　　 ',　　　 .∧　 ;:;　::::,'　 .∧　ヽ
　　　　 γ　冖　ヽ　　　　　　　　　　',　　　 ..∧ :;:　:;:;',　　 .∧　 ,，
　　　　/　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　 .∧　　　.!　　　.∧　.|
　　　./　　　　　　　　∨　　　　　　　　i!　　　　 .!|　　 ;|　　　　∧ |

そう言いながら、親方様が硝子杯を差し出してきた
その意図を組み、私も猪口をゆっくりと近づける

こうして私と親方様は、二度目の盃と、約束を交わしたのだった
.

647 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:16:17 ID:b52632da

　　　　　　　　　　,_,ｨメイ'≠=ｨ,_
　　　　　　　　,ｨK!ﾘ彡'ｰ'ﾍノ彡'ﾍ､
　　　　　　､k'゛ﾞ'´　　,__`ヾ､メゝ　　　　　　「あ、そうそう
　　　　　　　　 i;!_　, ､,ｨﾁォ　ﾞﾐﾒ'ﾍ
　　　　　　　　　ﾄﾃｶ　 ^¨´　　ﾐk)ﾞ}.　　　　　　お前も家族の一員なんだから
　　　　　　　　　`!´ ､' ．　　　ﾐﾄｲ!
　　　　　　　　　ヽ.　r-ー-'　､┴┴､　　　　　今度から姫のことを "きよひー" って呼べよな？」
　　　　　　　　ヽ. ,;ll;!､. ,ｨ' |:.:.:.:.:.:.〉､
　　　　　　　　　　＞ｰﾞﾞ' 　ﾊ:.:.:.:./　|｀`ー- ､＿＿__
　　　　　　　／.:.:.:.`､　ハ.:.:./　　|　　　　　／´｀ヽ.
　　　　　　　　 ∠.:.:.:.:.:i:.ノ!　/_」:.:/＿／　　　　／　　　　ヽ.
　　　　　　　　　　,.＞ｲ;:|ヽ厂.:.:./　　＼　　　 /,　　　　　｝
　　　　　　 _,ｨ‐'´ 〈／!:.:|　,':.:.:.:./　　　／　　 /´　　　　　 !
　　　　　　,' |　　／　,':.:.| /.:.:.:/ 　　／　　 ./　　　　　　　　i!
　　　　　　| .|　 |　　/.:.:.i´.:.:./　　／　　　　/　　　　　　　　 i!
　　　　　　i ﾞｉ　 |　./.:.:.:.ｌ:.:.:./　／　　　　 ,彳　　　　　　　 j!
　　　　　　!　|　.| .,'.:.:.:.:l:.:.:/.／　　　／´|　　　　　　　　 j!
　　　　　 ,ﾊ i　 .|/.:.:.:.〈:.:,'／　　　　　/′ |　　　　　　　 j!

　 /.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:______.:.:.:.:.:.:.:|
　|.:.:.:.::.:.:／"""'''''''''''''''""""￣　　ヽ.:.:.:.:.:|
　|.:.:.::.;:/　　　　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:.:.:.|
　|.:.:.:.:::|__　　　　　　　　　　　　　　 /.:.:.:.:.:|___
_-|.:.:.:.:／　　　　　　　　　　　　　__　＼.:.:/　￣
　 |.:.:.:| ''"""＝==;;　　　　;;==＝""'''　 |.:.:〆
...l"''| .| -<''''{ u}'';,."'',,、 .,,;;''l"{ u}｀'>´　|/ソ|.　　　　　　「……善処致します」
.丶(ヽ.|　.:.:￣￣　　"'|.:.:''.:.:.:.:￣￣　　/　/
　＼(ヾ　.:　　　　　　|.:.:.:.::.:.:.:　　　　　///
.　/丶｀'、　u.　　　　.:'　　　　　　　　/,;'/丶
　|　｀-丶　　　　　'丶　-　　　　　　/-''　 |
　　　　　＼　　　　＿　_　＿　　　／
　　　　　　 |＼　　　　--　　　／ |
　　　　　 ,-|　　＼.　　　　　／　　|-.
　　　　　ﾉ、ヽ　　　`'---''"　　　//丶

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【オワリ】
.

648 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:16:44 ID:b52632da

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(乂_：：：：：：：：：：|::|：：：：：：：：：：_乂）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（乂_：：：：：：：：：|:｣：：：：：：：：： _乂）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（乂_：_：_：_：_：,...:':.:´:.￣.:.::.:二:.:.､：_：_：_：_：乂）
......　これにて　　　　　　　　　　　　　　 . （乂乂乂／.:,:.:.´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:＼乂乂乂）
......　外伝　第02話は終了かしら　　　　 .._＿＿_/.:∠.:.:_:_:.:.:.:.:.i'⌒Ｙ⌒ﾞｉ:.:.:.:',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 }厂¨¨７:./＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾄ={薔}=ｲ:.:.:.:.}　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　{{　　;':.:;　　｀ー─==＼仆／､_:_从_＿, -y'￣:ヽ__)}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,{:.:.{　　　　　　ィﾃ=ミ　　 f; ）〃:/〃:{/{:ｲ＼:ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八:.:.'.　⌒_ 　　 {ﾄ:::::j}　　 _厶{{:.:{:.{:.{' ￣＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:＼r=ﾐ　　" ¨´ 　 /人￣￣　　　 !
.　　　　　閲覧ありがとうございます　　　　　　　　 }:从　、　　　　／r=､::＼　　、　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 f^Yｉ　　　 /´ }:,＞.. _ｰ ´_／r{ﾆ}__j!:::::::＼ヾ＼　ﾉ
.　　　 ..::ｰ-､　　　　　　　　　　　　　 .＼| 　　（　/ヾ:_(＼｢:|〃　しｉ|::||:c:::::::l　＼__ イﾄ､_＿
.　　〃::::..　 ',　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ヾ:__(＼}::ﾄ､　　 `||〈j!:::::c:ﾉ　　＼ゝく__￣＼
.　　j:::::::::ji:... |　　　　　　　　　　　　　　　　　（___ノミ:｝（＼｝ﾚ{,_　　〈j ＼￣介　　 / |」＼]　　　＼
.　　(::::::｀¨:j:¨´　　　　　　　　　　　　　　　　　｀￣￣´（＼ﾉ:|〈ﾌ)、____ノ　＼　　　　|
.　　∧:::::-:::ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣,|:::|_У} ヾ　　　〈_＼　介|
.rｰ'　　ｰ‐' |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／::}:::K_丿　：　　　/ヾ　ｒ^ｙ|
.弋ミNイ::}_{:.. ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {::::[]::::}　　　｜　 /　　_(У |
.从（::..... Yｱミ　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:::ノ､＿_／　 /　　_（У: : |
.　　ヾ::::.从:::....... Y ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　（.У: : : :|

649 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:17:24 ID:b52632da

　　　　　　　　　 .／￣￣￣｀ヽ
　　　　　　　　　　./　　　　　　　 .',　　　　　　
　　　　　　　　　 .| ―　　.　―　　|.　　　　　　ちょっとこの話のメインではないのでここで補足しますが
　　　　　　　 | ●　.　　●　　|.　　
. . 　　　　　　 | ⊃ .､_,､_,　⊂ ,'　　　　　　虎の亜人―――虎人は、非常に腕力の強い亜人です
　　　　 /⌒ヽ...ﾍ　　 .ゝ._）　　/./⌒i....
　　　　　　＼　　＼｀＞,､ __ , .イ./ ヽ./.　　　　具体的には力のコントロールをしないと、日常生活が困難なレベルで
.　　　　　　＼　　r―　,　.,　‐┐　/　　　　
.　　　　　　　｀i　{::::::::::}　{::::::::{. ./

　　　　　_ _
　　　　(´　｀)）＿
　　　　　-' 「､__ ｀f⌒ｰ-'⌒l!
　　　／　／＼ｰ､ゞfﾆ薔ﾆｦ.....　　というわけなので、虎人の方は子供の頃に、力の使い方を先人から学ぶわ
　　//, '/　＼｀ｰ=ﾍ､/メヽ　　
　 { ｌ! /　　　　　　ｌ i|　　l　　　　このあたりの話は源之助さんのヒストリーなんだけど
　｀i |ｌ　　●　　ﾒﾉ　　|　　　　
　　｀l ､_,､_,　⊂⊃/　　/.　　　　　重くなっちゃいそうなので、書くかはわからないかしら…
　　ヽ　{_ﾉ　　　 {ﾐ　　/　　　　　
　　(｀＝ -r-rム＿／
　　ト､　　|　|　　　　ヽ　　　　　　あ、源之助さんの先生はもちろんこの人よ
　　　l.　 T7_/　　　　ﾊ

　　　　　　　　彡彡 ' 二ﾆﾆ､, ﾆﾆ二｀　ﾐミミﾐ
　　　　　　　彡,'´z==＝≡)　 i f≡＝=zﾐミミミ
.　　　　　　　 |川=- _━-､.:,'}.:..,'´ , -━､_= lミﾐl|
　　　　　　　 |l川´, '´', '二:　| :|　::=≡ミヾ ||川 |
　　　　　　　 .|l|ｆｒヽ、..:::　, :>.:}:.{:..､::..　 :.　../ヽ川　　　ＡＡ：[シグルイ]　岩本虎眼
　　　　　川ヽ_l :ヽ:::r_‐ゝ(._.) ┘-､:::Y::（l ﾉ川
　　　　　 .川|川:|l::.:} 〈- ﾄェｪｪｪェｲ.ｿ　{ ::l川川
　　　　 .彡彡彡'´ヽ､::rゝfT_┬_イソ､:: >ｨ|＼ミﾐ､
　　　 .彡' >'´ 　 ! | |｀ヽ（ ,'´ |　「ヽ >'´ /|　　|　ヽ┬　、
,　-　' ´/　 l　　　　 | |ヽ ..;｀ー -‐ '´　 ,'/ l　　| 　　l 　｀丶､
　　　 l 　 l　　　　l ヽ ::::... ヽ ::::.　ｿ　 /│　 l　　　〉
　　　　 |　　| 　　　＼＼::　ヽ l:::: ::ﾉ..::/／　 /　　　/

650 ： ◆jsXgrE.VEg ： 2017/04/07(Fri) 21:18:31 ID:b52632da

　　　　　　 |、　　（⌒×⌒）
　　　　　　 | ｀二¨ヽ〈八〉 |　　　　　　　　　さて、次の投下は　4/11（火）　21：00から
　　　　　　 |　　_　｀　ﾄイ'、l
　　　　　　 |　　ィこ:Y_| Vﾊ/.　　　　　　　外伝第03話を投下させていただくかしら
　　　　　　 |　　 {しリ｀イｿ
　　　　　　|￣ }　　 ,､.ﾉｲヽ　 ..::ｰ-､.　　　
　　　　　　|ー_'_ イヽ　Ｌヽｿ〃::::..　 ',
　　　　　　|lヽ⊥〉　ハ｛ソj:::::::::ji:... |
　　　　　　|ｰ|┘　　　　Ｖ´(::::::｀¨:j:¨´
　　　　　 r－､_ 〈、 l, ｨ､ﾍ ∧:::::-:::ｲ
　　　　　└j　 !＼-くノ:ﾄ､〉}　　ｰ‐' |　
　　　　　　｛_ ﾉ|　　　 |｣l_!ｲミNイ::}_{:.. ヽ　　　　　　お風呂シーン？
　　　　　　|:::::j　　　　　人（::..... Yｱミ　＼...　　　　　　ここはＫＥＮＺＥＮなスレッドなんだ
　　　　　　|_:ムzェ-－'´ 　＼:::.从:::....... Y ｀ヽ　　　　ないよ
　　　　　　|　　 └ﾋｭ､_　　　　}三三ﾆV jﾊ　.j...　
　　　　　　|　l　　　l └'冖=ｭｫ’三三三ﾁ | || ｲ　　　　　では、今晩はこれにて
　　　　　　|　l　　　 l　　l　丿ミ三三彡' :| ||　}
　　　　　　|　ヽ　　　l　 l ｲ　　　}={　　 :: ||　j
　　　　　　|　､　ヽ　　ﾉﾈ、　　}={　　 :: ヾヽ

651 ：普通のやる夫さん： 2017/04/07(Fri) 21:21:21 ID:8371122d
乙ー
タイガーアイ先生もイっちゃってなければいい師匠なんだよなあｗ

652 ：普通のやる夫さん： 2017/04/07(Fri) 21:32:48 ID:caee51a4
乙でした

さすが桐生のアニキは筋が通ったお方やでえ

655 ：普通のやる夫さん： 2017/04/08(Sat) 00:11:51 ID:c120ae41
乙乙
いいオチだｗ

656 ：普通のやる夫さん： 2017/04/08(Sat) 01:10:34 ID:4463f99a
乙でしたー龍田ママンはなんか納得だわ…

657 ：普通のやる夫さん： 2017/04/08(Sat) 02:13:57 ID:aef1ca50
乙
桐生ちゃんにもあだ名付けてガッツに呼ばせたいｗ

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14053 :日常の名無しさん:2017/04/09(日) 10:03:46 ID:-[ ]

これは龍が惚れるのも納得の男

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亜人はＢＡＲに居る 外伝 第02話 「ヨギナクサレ」

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